2025年6月22日 (日)

EAF仕様変更に伴う クラッチ付きEAFアダプター等の対応について

B20250622載写真は協栄産業様の商品ページの物を使用しています

今月出荷分からZWO社のEAFの仕様変が変更されましたが,そのうちモーター仕様変更*に伴い出力軸径5mmから4mmに変わっています。

  • 従来仕様:平ギヤ付きPM型ステッピングモーター(57Ω),ギヤ比1:120,軸径5mm
  • 新仕様:遊星ギヤ付きPM型ステッピングモーター(  ?  ),ギヤ比1:128,軸径4mm

この変更に伴い,現在発売中の「クラッチ付きEAFアダプター」及び「WIFD EAF-AD」は新仕様のEAFには適合しません。

公開された情報によるとモーターに装着するギヤ(タイミングプーリー)の軸径を変更するだけで対処できそうですが,新EAF入手後に実機確認を要す事や,受注生産品のギヤ納期の都合などで,新仕様対応は8月以降になる予定です。

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2025年6月20日 (金)

DS75-40JNの販売終了について

B20250620

タカハシJシリーズ(J,JP,NJP)赤道儀用のアリミゾDS75-40JNは販売を終了しました。今後再販の予定はありません。

このDS75-40JNも他のDSシリーズと同じ機構で,雌ネジ(左)を立てたアリガタ押さえピースを同じく左ネジで動かす構造を採用しています。

これにより,一般的なバネでピースを押し出す構造と比べ,ノブの回転が極めて軽い,締め付け効率が高い,操作ノブが出入りしない,ピースのネジ山の掛かりが大きいためネジの破損がないなど,幾つかの優れた特徴を有していました。

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2025年6月19日 (木)

ULTRA CAT108/4.8について-5

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先日に続きULTRA CAT108/4.8の試写を行いました。前回はEOSマウントでのケラレが発生していますが、今回は手持ちパーツを改造した「M68.8F→M68F接続リング」と「BORG製GFX用カメラマウント」を使っています。このためGFXの44mm×33mmフォーマットでもマウントのケラレによる周辺減光はなくなりました。

 

掲載する写真のリサイズ率や切り出しは先日とおなじですが,露出時間とISO感度を変えています。またスピカをGFX写野の端に配置しました。(ISO61600,露出20S)

GFX50SⅡの写野8256×6192Pixelを,1/4(2064×1548)にリサイズした画像と,写野左下1/4を2064×1548で切り出した等倍画像です。
44mm×33mmフォーマット端でも口径食による星割れは起きていないようです。

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2025年6月18日 (水)

ULTRA CAT108/4.8について-4

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ULTRA CAT108/4.8を購入いただいた方から,CAAと鏡筒の干渉に関するお問い合わせをいただきました。

写真は市販パーツを使った一例ですが,M54カメラアダプターとCAA間に「M54メスーメス」「M54オスーオス」の接続リング挟み干渉を回避しています。この場合のM54接続面からのバックフォーカスは,10+2+16.5+20+17.5=66mmです。

ULTRA CAT108/4.8の最大バックフォーカスのメーカー公称値は65.7mm(ここでは66mmでもピントでました)なので,光路長を5mm短縮するM54FD-5ADを併用を推奨します。(紹介する写真はM54FD-5ADは使っていません)

フィタードロワーをCAAの前段に配置すれば,これで干渉を防げるので敢えて延長する必要はありません。

なお、ULTRA CATシリーズ用のテーパーリングやカメラマウント接続用パーツの設計に取りかかりました。順次ご紹介しますが,一例としてタカハシのEOS用カメラマウントをM54オスの望遠鏡で使うための変換アダプターを製作しています。

タカハシのカメラマウントをお持ちの方は多いと思いますが、これをULTRA CATシリーズなど,M54オス接続の望遠鏡で使えるアダプターです。(光路長は6mm長い62mmになります)

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2025年6月17日 (火)

ULTRA CAT108/4.8について-3

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昨日は夕方から急に晴れてきたので, ULTRA CAT108/4.8のファーストライトを行いました。

写真は急ごしらえでGFXを接続した状態で,鏡筒側のM54カメラアダプター→M54メス-メス接続リング→タカハシワイドリングEOS→EOS-GFXマウントアダプターです。

EOS Raは写野周辺の輝星にハロが出るのでGFX-50SⅡを使っていますが,EOS→GFXマウントアダプターを使っているので写野周辺に僅かなケラレが発生しています。

光路長10mmのM54メス-メス接続リングを使っているため,M54接続面からのバックフォーカスが66mmになっていますが,何とかピントでました。(メーカー公称最大BF=65.7mm)

 

試写結果ですが,GFX50SⅡの写野8256×6192Pixelを,1/4(2064×1548)にリサイズした画像と,写野左下1/4を2064×1548で切り出した等倍画像です。
明るい恒星はスピカでフルサイズでは概ね写野の端になります。露出時間が短いので参考程度ですが口径食による星割れは起きていないようです。(ISO6400,露出10S)

条件が異なるので単純比較できませんが参考用にVSD90SSの写野中央と四隅の写真です。

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2025年6月15日 (日)

ULTRA CAT108/4.8について-2

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ULTRA CAT108/4.8も他のWIFD仕様と同じ鏡筒内で全ての光学系が摺動する構造です。

小口径ならまだしも,前玉が108mmもある5枚玉光学系が筒内を摺動するため,天頂を向けた際に光学系がズレ落ちたりしないか不安がありましたが実機では確認されませんでした。外気温や個体差で動くような事があってもテンション調整を効かせば何ら支障ないでしょう。

ピント合わせでは、光学系の重さで光学系を持ち上げる側(負荷がかかる側)ではピントノブ(減速側でない側)の回転は重く,逆は軽くなりますが,減速微動側は剛性が高い(フニャフニャしない)ためピント合わせは快適でしょう。

なお、負荷がかかる側(減速でない側)でも手元のVSD-70SSと比較した感触では重いとは感じられないようです。

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2025年6月13日 (金)

ULTRA CAT108/4.8について-1

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ULTRA CAT108/4.8が入荷しました。これから何回かに分けて紹介予定です。

早速WIFD-EAF取付アダプターでZWO社のEAFを付けてみましたがソフトケースを加工することなく収納できます。

なお,天文ハウストミタでは544,445円のセール特価(6/15日まで)です。写真のWIFD-EAFアダプターが付属します。

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2025年6月10日 (火)

2025年(最終)ロットの90S用AMD-1NC 在庫2台になりました

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2025年(最終)ロットは2月に,P-2やH-40用などと併せて115台程(当初95台に90SとMark-X用追加)の材料を準備しましたが,90S用は予想を上回る売れ行きのため3月末に11台追加しています。これも残り2台になりました。4ヶ月間で20台近くお買い求めいただきました。写真は昨日組み立てた4台で内2台は近日出荷分です。

なお,P-2やH-40用の材料は潤沢にありますが,H-40の一部をスペースボーイ用への振替を検討しています。
スペースボーイ用AMD-1Nは2020.5月に10台ほど受注生産していますが,その後も時折のご要望いただいておりますので再生産を検討中です。追ってご案内いたします。
ご検討いただいた方には申し訳ありませんがスペースボーイ用のAMD-1Nにつきましては諸事情で再生産を取りやめました。2025.6.14追記

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2025年6月 9日 (月)

VSD70/90SS用EAF取付アダプターの開発について

B20250609

VSD70/90SS用のEAF取付アダプターはクラッチ月のギヤ結合で計画しましたが,EAFモーターのラジアル軸方向の遊びを懸念し開発を断念しています。

ところが最近入手した新ロゴ仕様のEAFはその遊びが激減*しており,軸にラジアル方向の力をかけてもほぼ感じられないレベルになっていたのでVSD70/90SS用アダプターの開発を再開する事にしました。

比較したのは2個体(写真左:最近購入の新ロゴ品,右:2年ほど前に購入した旧ロゴ品)だけで,たまたまかも知れないため遊びの影響を受けにくいベルト駆動で計画する予定です。クラッチ機能はありません。

*簡単に測定できる「軸の直径側」を測定したところ、以前購入した個体の5.980mmに対して、最近入手した個体は5.990mm(h7相当)です。モーターのシリアルNo.からモーター単体は2022.07月製と2025.02月製でしょう。軸受け側も含め仕様変更があったのかも知れません。

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2025年6月 8日 (日)

VSD70SS用アクセサリー開発について

Vsd70ss_20250608172401

VSD70/90SS用のEAF取付アダプターにつきましては,技術的な要因で開発を見送っていましたが,新たなアイデアが浮かんだため再開することにしました。現時点ではEAF取付金具に併せ70SS用の補助バンドの開発も計画しています。

これに伴いこちらの記事で触れていた,VSD70SS(開発用に購入した個体に軽微な不具合があったため新品交換となった未開封品)の販売は取りやめています。

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