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2007年12月

2007年12月17日 (月)

モーター交換?オーバーホール?

B07_12_17

初代アトラクス赤道儀の高速自動導入化及び低振動化のため
ステッピングモーターの交換作業を行いました。

目的はモーター交換ですが最近のモーターは外形が変わってしまい
狭いスペースに納められたアトラクスの場合は簡単にはいきません。

以前は丸かった外形が最近は全てと言って良いほど四角なっております。
同じ取付面積で出来るだけ高いトルクを出すため,ステータの鉄心を
大きくするのが目的なのでしょうが,限られたスペースに組み込まれた
アトラクス赤道儀に於いては大変な作業になります。

四角いモーターを収めるには数点のパーツをフライス加工しま
すがそのためには,赤道儀の全分解が必要になり
結果的に同時にオーバーホールを行う事になってしまうのです。

写真は全分解時に部品を並べてみました。
先日のJP赤道儀と構造の違いを比較するのも面白いですね。
写真下方の中二つが古いモーター,両端が交換後と交換前のモーターです。

なお,上記の理由からメーカーではモーターに関する修理は受け付けない
との事です。

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2007年12月10日 (月)

専用台座

B07_12_10


殆どの赤道儀ではオーバーホール後に極軸望遠鏡の指標目盛りの調整が必要になります。
タカハシの赤道儀は極軸=極軸望遠鏡となっているものが殆どですので
分解して光軸はずれませんが,極軸望遠鏡内の目盛りと子午線を合わせる
指標位置は分解でずれますので再調整が必要になるのです。

この調整にはビルや鉄塔など,地上の鉛直な物体を極軸望遠鏡で見ながら
調整するのが簡単ですが,そのためには極軸をほぼ水平にしなくてはなりません。

ここで問題なのが古い赤道儀等は極軸が水平にならず地上の風景が見えないのです。

そこで登場するのが極軸指標調整専用台座です。

難しい説明でしたが要は赤道儀ごと極軸を傾けるだけの台座です。

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2007年12月 9日 (日)

オーバーホール

B07_12_09_2

今日はお天気が良かったので赤道儀のオーバーホールを行いました。
洗浄に大量の有機溶剤を使用しますので屋外作業となり天候に影響されます。

このところ,自動導入モータードライブの設計や試作に追われ
オーバーホール作業が滞っておりました。まだ何台も順番待ちの赤道儀が居ます。


今回分解したのは,グリーンハンマートン塗装のJP赤道儀で
(この頃はまだシステム160Pと呼ばれていました?)
その造りの良さには感心させられます。

ほぼ全てのアルミパーツにはアルマイト処理が施されていて
表面が固い上,塗装の乗りも良く簡単には剥げませんでした。

さすがに製造後20年以上経っていますのでグリースは硬化していますが
グリースさえ入れ替えれてやればほぼ新品状態に戻ります。

写真は全分解状態です。見てくださいこの部品点数!
部品点数が多い事が必ずしも良いとは言えないのでしょうが
高橋製作所としてのこだわりが感じられる私だけではないですよね。

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2007年12月 2日 (日)

失敗が許されない加工

B07_12_02

モーター取付金具やアリガタ・アリミゾ等
新規加工品は加工ミスがあったとしても作り直せますが
既製品加工の場合,失敗は許されません。

特に写真のMS-5ウォームカバーは,固定しにくい形状のアルミ鋳物のため
細心の注意を払って加工しないと,最悪の場合割れてしまう恐れもあります。

加工は知り合いの鉄工所にお願いしておりますが
この加工のためだけに専用治具を準備してもらっています。

実はこの鉄工所
ご自宅に天文台を設置されているほどの天文マニアが経営されており
望遠鏡の事は熟知されているので安心してお願いできます。

写真は大型モーターへの換装に伴い,MS-5赤道儀のウォームカバーを
切り欠き加工したものです。

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