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2008年1月

2008年1月25日 (金)

グリースの劣化

080126

MS-5赤道儀をオーバーホールしましたがグリースの硬化が気になりましたので
ちょっと一言。

元々PENTAX製の赤道儀はかなり粘りの強いグリースを使用しているので
新品時からクランプフリー時の回転は固めに設計されているようです。
私の所有するMS-4や75ED-HF用赤道儀は全てかなり固めです。
また,Nikonの6.5cm用も同様ですのでカメラメーカーの味付けでしょうね?

個人的には,回転はやや重たい方が好きで,ミタカのGN170やGN22の様に
クルクル回るのは僅かなバランスの崩れで大きく動いてしまうので困ります。

しかしPENTAXやNikonの赤道儀に使用しているグリースは劣化すると
固く変質し,水飴の様になっております。
特に冬場は固く、バランスが崩れても殆ど判らないくらいです。

写真は固さを実感していただけるよう、グリースに500円硬貨を張り付けて
みました。暫くこのままの状態です。15度程度の室内でこの状態ですので
氷点下ではさらに固くなります。

またMS-5はクランプがバンド式ですので固くなったグリースの影響
をモロに受けてしまいます。

支障が出るほど固くなったらオーバーホールが必要かと思いますが
メーカーに依頼される際は,全てを分解してグリースまで入れ替えるのか
事前に作業内容を確認される事をお勧めします。

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2008年1月22日 (火)

GPシリーズ用HBモーター

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試作品ですが、ビクセンGP/SPシリーズ用ハイブリッドモーターが完成しました。
AGS-1Sとの組み合わせを標準とし,ほぼバックラッシュレス駆動となります。
赤道儀側のギヤサイズの関係上2段減速を採用しております。

既にAGS-1S用として発売中の新型PMモーターは,マイクロステップ駆動との
相性が良く驚く程の低振動ですが,ギヤヘッドに起因するバックラッシュがあります。

今回紹介するハイブリッドモーター仕様はこのバックラッシュを排除できるのが
最大のメリットで,同時に高速特性やレスポンスも非常に良くなります。

ただし,マイクロステップ駆動とは言え,他の1/8~1/16分割機種同様ハイブリッド
型モーター特有の振動が残りますので,レスポンスを優先する精密ガイド撮影用
との位置づけです。
(惑星の高倍率観測に於いてはAGS-10シリーズまたは,AGS-1SのPM型モーター仕様
をお勧めいたします)


製品にはギヤカバーが付き,2月上旬の発売予定です。

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2008年1月 7日 (月)

究極?のポータブル赤道儀その2

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Q_eq500

以前,大型の傾斜ステージ(ゴニオステージ)を流用したポータブル赤道儀を
ご紹介しましたが,今回は回転ステージバージョンです。
子午線をまたいだ長時間露出に便利なように片持ちフォーク式としており
カメラの回転はマミヤのレボルビング台座を使ってあります。

このタイプの特徴は、一般的な赤道儀と同じ様に使える事と
高精度に調整出来る極軸望遠鏡を内蔵している事です。

中空の回転軸(=極軸)に極軸望遠鏡を内蔵していますので(当たり前?)
極軸を回転させる事で完璧な光軸の調整ができます。
当たり前のようですが非常に重要な事で,ウォームホイールが高精度で
Pモーションが小さくても極軸望遠鏡の光軸が怪しければ台無しですからね。

デジカメでも最近の機種では,20~30分露出は当たり前ですし
今回のコンセプトである子午線越えの長時間露出には極軸望遠鏡の精度が
Pモーション以上に重要です。

この赤道儀はポーターブルとしてはちょっと重たいのですが
Pモーションは±3秒角程度と非常に高精度ですので
45インチカメラ+温存しているTP4415での長時間撮影に使う予定です。
もちろん観測所に据付てですが(笑)

下の写真は当機のウォームホイールと,ギヤです。
ホイール直径は135mmで,歯数180枚です。
全く遊びは無いのにウォーム軸はクルクルと滑らかに回ります。
さすが工業製品で,趣味用の機械とは一線を画すようです。価格もですが。

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2008年1月 3日 (木)

非自動導入モータードライブ


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新年あけましておめでとうございます。
スローペースですが本年も仕事に関する事などUPして行きますので
よろしくお願いいたします。

今年最初のブログは時代に逆行?しているようですが非自動導入モータードライブです。

モータードライブの受注は殆どが自動導入仕様ですが
年間に4~5件ほどシンプルなモータードライブのお問い合わせがあります。
月や惑星の観測が目的なので振動は嫌う。自動導入は当然不用との事。

全体に占める割合が数%でしたのでなかなかご要望にお応えできなかったのですが
今回AGS-1Sをベースに自動導入機能を削除した形で対応させていただく事としました。

本来は専用機を開発すべきですが,需要が少なくコスト高になる事や
将来自動導入仕様に移行できる事などお客様のメリットも多いかと思います。

対象赤道儀はタカハシの90SとJ,JP,NJP用で,既にご注文をいただいた分
に若干数余裕をもって製作いたしました。
モーター取付金具等は在庫が無くなり次第終了させていただきます。

恒星時駆動周波数は,90Sは320PPS,NJPにおいては802PPSとなり
全くの無振動駆動になります。惑星観測には最適でしょう。
価格は81,000円(90S用,ギヤカバー無し)で詳細は後日UPいたします。

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