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2008年5月

2008年5月21日 (水)

80SYSTEM試作完了

B08_05_21

65SYSTEMの兄貴分となる80SYSTEMの試作が完成しました。
65や80は回転部のサイズ(直径)を示しているのですが,両者はサイズ以上に構造が全く違います。

65は中心軸を持った回転体を両サイドのプレートで挟み込み方式ですので
鏡筒バンド等のアクセサリー取付は片面からしかできません。
(一般的な赤道儀の鏡筒バンド取付と同じ方法)

一方,80は回転プレートをバンドで締める方法を採っているので中心軸はありません。
そのため写真の様にどちらの面も同じ形状となっており
貫通穴もあるのでアクセサリーの反対側から固定する事もできます。
また構造上65には回転角度の制限がありますが80にはありません。

両タイプとも回転の滑らかさやクランプの信頼性(確実な固定と視野の移動少なさ)
は変わりありません。

65,80と一昔前の対物レンズの大きさみたいですね。そうなると50もラインナップしなくちゃいけません?

写真は試作品で製品は肉抜き等変更予定です。
また65SYSTEMとも組合せできるよう穴位置を追加します。
正式発売は7月からの予定です。

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2008年5月16日 (金)

SP-DX赤道儀のピリオディックモーション

080516
モータードライブや片持ちフォーク等の開発のため,ビクセンSP-DXを入手しました。

当時,この赤道儀のピリオディックモーションの公称値は±7秒角以下だったので
早速確認したのですが,結果はなんと,±5.5秒角程度と非常に高精度です。
当時の天文雑誌のテスト記事でも±6秒角以下と報告されていましたが,本当だったのですね。
手持ちの2台のGP-Dは±8~10秒ですのでこれよりずっと高精度で,EM-200よりも
良いかも知れません。

また,GP-Dの赤緯軸はウォームホイールとスクリューの位置関係やクランプの操作で
ホイールとスクリューの当たりが変動しますがこの欠点もSP-DXの方が少ないようです。

赤緯軸のウォームホイールとスクリューの当たりが変動する場合
きつくなる方で適正に調整する事になり,当然緩い方では遊びがでます。
この遊び=赤緯のバックラッシュなのでガイド撮影には不利になりますね。

このサイトでSP-DX+AGS-1S(ハイブリッドモーター仕様)は非常に素晴らしいとご紹介していただいておりますが赤道儀が良かったのですね。

測定写真は月が大きかったのでかなりカブっておりますが2周期分の20分露出です。
また離隔測定部の数値は,DTPソフト上の長さで特に意味はありません。

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2008年5月 8日 (木)

オフアキシスガイド装置

B08_05_08
DSI Proは感度が高いうえ軽量なのでオフアキシスガイドには最適のようです。

オフアキシスカメラ自体は随分昔にPENTAX67マウント用を作っていましたが
プリズム等はメーカー製のオフアキシス装置のものを流用していたので
不要な何台分もの筐体等はガラクタ状態で保管していました。

ところが今回はデジ1眼用なので元の形に復元する必要があります。
残骸を寄せ集め,足らない部品はフライスや旋盤で作って何とか使える様に
なりました。(望遠鏡側は2インチスリーブ仕様です)

ただメーカー製はアイピースでガイドする設計のため
アイピース側の引き出しが異常に長くなっています。
DSIのピント位置はアイピースのそれより15mm以上後にあるため
スリーブを切りつめる必要がありますが,この作業は以外と大変です。

仮組み状態で実際に星を見てピントを合わせ,大まかな長さを決めては旋盤加工
また組んで星で確認,さらに旋盤加工の繰り返しで長さを追い込みました。

時間のかかる作業ですが,一度,DSI側とカメラ側の長さを完全に合わせて
おけば抜き差しで調整したりする必要がないので快適です。

DSI Proもここで紹介したメーカー製オフアキシスガイド装置も廃盤になってしまい
入手できないのは本当に残念ですね。

写真手前はPENTAX67マウントカメラ用に改造したメーカー製オフアキシス装置の
一部です。

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2008年5月 4日 (日)

日食遠征時のもう一つの楽しみ

B08_05_04

今年の日食遠征先は,光害のない乾燥した高地なので星の撮影も楽しみです。

メインの日食撮影は先日紹介した眼視観測と同じスタイルですが
星の撮影時はこれにレボルビング装置が加わると構図取りが快適になります。

写真はマミヤプレス用で,デジ一眼には少し大きすぎる事と,天体用でないので
クランプに不安があります。

そこで回転のメカニズムは同じですが小型・軽量で天体写真に要求される
確実な固定ができるレボルビング装置を開発中です。

3軸(極軸,赤緯軸,回転軸)ともクランプフリーで回転できるのでフレーミング
は容易です。

重さは片持ちフォーク部とレボルビング装置を合わせても1kg強しかなく
(写真の65mmアリガタ・アリミゾは含まず)
構造上バランスウエイトも不要なため海外遠征には嬉しい軽量システムです。


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2008年5月 2日 (金)

65 SYSTEMの高倍率限界は?

B08_05_02
65 SYSTEMの回転軸は,3枚のプレートを中心のシャフトで締める構造で
クランプフリー時に適度な回転トルクを得るため皿バネで予圧をかけています。

一方クランプ時は,真ん中のプレートを両側のプレートで挟むため利きは良く
軽く締めれば確実にロックしガタは発生しません。

この様な構造ですのでクランプフリー時に皿バネの強度以上の荷重がかかると
プレート間に極僅かな隙間ができてしまい,クランプを締めると視野が動く事に
なります。

もともと400~500mm程度までの直焦撮影や5~6cm程度の小型ガイド鏡用の
マウントとして作ったのですが,予想以上?の強度があるようなので限界を
試してみたくなりました。

SKY90+1.6Xエクステンダー+Or18mmの約45倍では快適です。
クランプフリーでの操作性も良くクランプを締めても視野内の星の動きはあまり
気になりません。さすがにOr4mmでは200倍近い倍率となり撓みが気になります。
クランプを締めると視野の1/5程星が動きますので皿バネの限界を超えている
ようです。

バネの限界は荷重に影響されるため倍率は関係ないのですが低倍率時には
気にならないだけですね。

以上の事から低倍率での観望ならSKY90でも問題ないようですが
やはり65システムはFS-60Cクラス用と思っていただければと思います。

なお上記のクランプを締める事による視野のズレは角度の数分ですので
直焦点撮影ならSKY90でも問題ないと思います。

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