« 2008年6月 | トップページ | 2008年8月 »

2008年7月

2008年7月24日 (木)

私の日食観測スタイル

080724
いよいよ26日から新彊ウイグル自治区での日食観測に出かけます。

特注システムの製作などに追われていましたが
やっと私のシステムが決まり,先ほど実際の太陽で確認しました。

今回はFS-60C+XP24拡大で内部コロナとプロミネンスを狙う予定です。
が,黒点は無くプロミネンスは期待できないようですね。

アイピース拡大のため重心が極端にカメラ側に寄るので
軽量化も兼ねてドローチューブ部を特性バンドで固定しました。

もう一つは眼視用のMini BORG50
今回は皆既中のコロナをできるだけ眼視で見ようと思っております。


ツアーはいつものように天文仲間が企画してくれたもので
9泊10日と比較的ゆっくりしたスケジュールです。
かなりの観光も織り込んでくれているのでそちらも楽しみです。

重量制限が厳しい様ですが一足先に上海入りした仲間の情報だと
福岡→上海間は30kgまでまったく問題ないとの事でした。
この先国内線は超過割り増しを請求されるか解らないとのことです。


デジカメでの拡大撮影システムを紹介しましたが,実は
一番楽しみにしているのは皆既中の黒い太陽と風景を撮ることです。
それも銀塩で。PENT67+35mm(又は55mm)で狙います。

皆既帯に入っていない周囲は明るいので,天山山脈の上空にコロナが・・・・・
想像するだけでワクワクします。

|

2008年7月19日 (土)

もう一つの回転軸

080719

星野写真を撮る場合,目標を写野に入れるだけなら
X軸とY軸の2軸があれば良いのですが
構図を取るためにはもう一つ写野の回転軸が必要になります。

この軸を使った回転はレボルビングと呼ばれていますが
天体撮影では以外と難しいですね。

通常は自由雲台の首振で構図をとりますが,構図次第ではバランスが
大きく崩れることや,自由雲台のクランプを緩めて構図を取っているときは
カメラの重量は手で保持するため赤道儀の極軸は極端なアンバランスになります。
ポータブル赤道儀では赤道儀の負担も大きく極軸がずれたりする事もあります。

南中した星座を横構図だけで撮るのなら極軸のみのポータブル赤道儀+自由雲台
の組合せでもいいのでしょうが?

銀塩時代はケンコーのバリアングル110で良かったのですが,背面にモニターや
スイッチが付いた現在のデジ一眼では使いづらいでしょうしね。


そこで,新たなレボルビング装置を試作しましたが,原理はその昔マミヤから
発売されていた製品を参考にさせていただきました。

天体撮影に要求されるのは長時間露出中の確実なロックと赤道儀等への
取付方法,また天頂付近を向けての回転に耐える事です。

確実なロックや理想的な赤道儀への取付を実現する事は容易かったのですが
天頂を向けた状態でのスムーズな回転は難しいです。
ベアリングで保持するなど凝れば可能ですがかなりのコストアップになります。

試行錯誤の結果,行き着いた結論(妥協?)は,滑らかな回転は求めず
クランプを緩めて振れれば良い!です。
確実なロックとコストの代償として,スムーズな回転が得られない事は容認しました。


中抜きのブーメラン形状は加工が大変ですが,溝部を2カ所固定しますので
ロックは確実です。

レボルビング中もバランスが崩れないため全てのクランプを緩めた状態で
構図をとれるのは良いですね。

それから軽量な事ともセールスポイントでした。
もう少し手直しを行い10月頃には製品として発売予定です。

|

2008年7月 7日 (月)

軽量三脚の強度試験?

080707

先般紹介しました海外遠征用三脚ですが,強度についての
お問い合わせがありましたので直感的に解り易い?試験を行いました。

一見乱暴なようですが単なる静荷重ですので人ひとり(約68kg)
くらいではビクともしません。
開き止めもありませんが,開脚部はテーパー付きの差込方式のうえ
脚の伸縮機能もないので金属の強度からみれば
これくらいは何ともないでしょう。

ただ,上記のテストは単にどれだけ荷重を掛けられるか(破壊しないか)
で,三脚に要求される強度からみればあまり意味はありません。
本来の目的で三脚に要求される強度は撓み・捻れ・振動であって
耐荷重ではないので,あくまでも参考程度と思ってください。


撓み・捻れ・振動は感覚的にも定量的にも表現が難しいのですが
構造上ガタの発生する部位はありませんので撓みや捻れは小さく
肉厚3mmのパイプですので振動についても小さくなっています。
(振動に限っては外径114mm,肉厚5mm程度の鉄パイプのピラーより
格段に小さいです)

三脚,赤道儀,撮影機材一式の重量を15kg程度に制約される
システムにおいては必要十分な強度です。

大抵のカメラ三脚は伸ばしての使用には耐えませんので
縮めて中に収納された脚は重たいだけで強度には貢献しません。

その点組み立てはやや面倒ですが,2.5kgのアルミ材全てが強度上
無駄にならない構造です。これが一番強調したい事です。

|

« 2008年6月 | トップページ | 2008年8月 »