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2008年9月

2008年9月19日 (金)

暗闇でのマンマシンインターフェース

B08_09_19
最近はSSAGなど安価で便利なオートガイダーが多くなりましたが
以前はオートガイダーと言えば,SBIGのST-4やST-5cがメインで
今回紹介するMEADEのPictor201XTはマイナーな存在でした。

私はST-4やST-5cと同時期にPictor201XTもテストしましたが
パソコンが必要なST-5cやシステムが大きくなるST-4は結局
使わずじまいで,ずっとPictor201XTを使っています。
(カメラレンズ程度で長焦点での撮影は行っていない事もありますが)

最近のオートガイダーは高感度なうえ優れた制御ソフトで
高精度なガイドができますが,パソコンが必須となり「ものぐさ」の私は
テストだけで,これまた実機では使用していないのが実情です。

今回紹介するのはお客様からの依頼品もありますが全てPictor201XT
を使ったガイドシステムです。
これまでに同じ様なシステムは10台以上の製作依頼がありますが
非常に満足してもらっています。
あ、皆さんが「ものぐさ」だなんて思っておりませんので・・(笑)

Pictor201XTは12Vで150mAしか消費しませんし,非常に小型ですので
小さなガイドシステムが構築でき海外遠征では非常に重宝しています。
が,なんと言っても特記すべきは
1個の押しボタンと,2桁の7セグメントLEDの表示のみで全て操作する事です。
最初は戸惑いますが慣れると本当に良く練られたマンマシンインターフェース
である事が実感できます。

特にボタンには中央にLEDがありこれが暗闇での操作を可能にしています。
ST-4やパソコンを使うオートガイダーは結局手元を照らす照明がないと
操作はできませんからね。

高感度で有名なDSI ProもMEADEですので,同じCCDチップを搭載した新しい
Pictorはでないでしょうか?
4~5cmのガイド境でガイドマウント不要,勿論パソコン不要で電源は12V100mA。

もしその際は,マンマシンインターフェースは今のままであって欲しいものです。
これはPictor201XTの操作テーブルです。複雑に見えますがなれると感動すら
覚えますよ。

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2008年9月 4日 (木)

かつてのマニアックな赤道儀

B08_09_041

本日ビクセンのSP-DX赤道儀をオーバーホールしましたが
良い機会だったので手持ちの分解したSP赤道儀と比較してみました。

写真左側が
SP赤道儀のアルミダイキャスト製の極軸とアルミ合金製のウォームホイール
右が,SP-DX赤道儀の鉄と真鍮製の極軸と真鍮製のウォームホイール。

こうして比べるとSPとSP-DXは全く異なる赤道儀と言えそうですね。
極軸の材料や構造が異なるだけでなく加工精度も違うようです。
SPのウォームホイールは極軸に簡単に入りますが
SP-DXのウォームホイールは極軸に嵌め込んだ真鍮製のスリーブに対して
非常に小さい公差です。


同社は,このころは一般仕様に加えてこのようなマニアックな赤道儀も
ラインナップしていましたが最近は路線が変わったようです。

マニアックな物より売れるものを作るのはメーカーにとっては賢明な選択
でしょうが機械が好きな私たちには寂しい限りですね。

話が前後しますが,下の写真は(上の写真と左右が違っていますが)
両機の極軸とウォームホイール合計重量の比較です。

重たければ良い訳ではありませんがもの凄い違いですよね。

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2008年9月 3日 (水)

夏場のMS-5のオーバーホール

B08_09_03

PENTAX製の赤道儀のオーバーホール依頼は冬場に多いのですが
今回はこの時期にMS-5のオーバーホールを行いました。

MS-5に限らずPENTAX製の赤道儀は粘りの強いグリースを使用していますが
経年劣化でさらに粘りが増したり,直接外気に触れるところは硬化したものが
見受けられます。

劣化すると夏場はあまり気にならなくとも,冬場はバランスの崩れが解らない
程に粘り,ウエイトを10cmほど移動してもバランスの状態が解かりません。

私の観測所に設置したMS-4とMS-5も冬場はクランプを締めているのか
緩めているのか解らない状態でした。
さすがにMS-5はオーバーホールしましたがMS-4は未実施です。
紺屋の白袴状態ですね。
因みに私の観測所は九州ですが,冬場はマイナス10度程まで下がります。

考え方によっては1kg程度のアクセサリーの着脱ではバランスに影響しない
ので使い易いのかも知れませんが本来あるべき状態でない事は確かですね。


ここへ来て何件かMS-5の自動導入改造とオーバーホールの見積依頼を
いただいておりますがこれから寒い季節に向かうからでしょうか?

オーバーホールは作業そのものも大変ですが重量物の受け入れから
発送にもかなりの手間がかかります。
モーター交換を伴う自動導入改造と同時受注時は上記作業などが重複します
のでオーバーホール費用は20% OFFとなります。

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