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2009年1月

2009年1月30日 (金)

ルーリン彗星

B09_01_30
機材ネタばかりですので,たまには天文活動?ネタもUPすべく
ルーリン彗星を撮影しました。

まだまだやっと双眼鏡で確認出来るほどですが,写真では簡単に
彗星独特の青緑色に写せます。
撮影した日はてんびん座にいますが(さそり座のアンタレスからδ星
方向に同じくらい延ばした当たり)これが来月20日過ぎにはしし座
まで移動するそうです。
実際に空を見上げるとその移動量は凄いと実感します。
これから1ヶ月は楽しみです。

この日は5時前に起きましたが,大して寒くなかった
(マイナス2~3度程度)ので撮影は楽でした。
この時期,九州とは言っても私の観測所のある清和高原は
マイナス10度近くまで冷え込む事もあります。

ただ,晴れてはいましたが透明度は今ひとつでした。
やはり透明度はシンシンと冷込む時が良いですね。

撮影はお手軽機材で処理もお手軽。
1分露出の1枚JPEG画像をカラーバランスとレベル補正を行っただけです。

レンズ:Zuiko250mmF2→絞りF2,中央約1/4を切り出し
カメラ:KissX2IR,冷却改造(冷却機能未使用) ISO800
赤道儀:P-2自動追尾
撮影日時: 2009.1.28 AM5:43~ 露出60sec


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2009年1月23日 (金)

極軸望遠鏡用アングルファインダー

B09_01_231
タカハシのP-2は小型ながら強度・精度とも優れた赤道儀です。
ピリオディックモーションは±5秒角程度でNJPと大差なく
耐荷重も400mm程度までのガイド撮影なら余裕です。

何度かオーストラリアにも持って行ったお気に入りの赤道儀ですが
唯一の?欠点は極軸望遠鏡が非常に覗き難いことです。
アイレリーフは極端に短いうえ,三脚台座に近いため非常に
見にくいのです。

また同極望は視度調整がないので(タカハシの極望は全て?)
老眼が入った私の目では視度が少し合わなくなってきました。


以上の欠点を一気に解決するのがカメラのアングルファインダー
です。
簡単な改造で済むので以前からずっと作ろうと思っていましたが
やっと実現しました。使ってみると本当に便利です。
楽な姿勢で見られることもですが,微妙な視度調整が出来るでの
暗い星を導入する南天では重宝するでしょう。


今回流用したアングルファインダーはオリンパス製です。
小型で使い易いのですが,像は鏡像になります。
北天は注意しないと勘違いしそうですが,南天なら全く問題ないですね。
(キヤノンのは鏡像ではありません)

また,対物側に極端に小さな絞りが入っています。
この絞りと倍率切替機構などは取り除いています。
(オリンパス製だけかも知れませんが,この絞りがあると
視野がかなり暗くなります)

B09_01_232
左が加工後,右がオリジナルです。

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2009年1月22日 (木)

オートガイド対応 一体型2軸モーター試作完了

090122
一体型のモータードライブAMD-1は星野撮影や日食遠征用に
好評を得ておりますが,新たに2軸駆動タイプを開発中です。

デジカメでも100mm超のレンズで撮影する場合,露出時間が
10分を越えるとガイドなしでは成功率は極端に下がります。
ましてや露出時間が1時間以上に及ぶ銀塩ではガイドは必須ですが
通常のモーターではシステムが大型化し海外遠征には不向きです。

この様なご要望から小型赤道儀用オートガイド対応の
一体型2軸モーターを開発しております。

外観は長さが5mm長くなるだけでAMD-1とほぼ同じで
AMD-1同様極軸望遠鏡の照明回路も内蔵しております。
また電源も4.5~6.6Vで動作するため,単三型ニッケル水素
電池4本で20時間以上駆動できます。

RJ66のオートガイド端子を装備していますので通常の
オートガイダーとは直接接続できますが,そこに
オプションのハンドパッドを繋ぐと外部からの速度調整
も可能です。(赤経は倍速と停止,赤緯は赤経の恒星時相当)

適合機種はP-2(赤緯モーターの取付は改造が必要です)
Mark-X,GP/SP等です。
GP/SPは純正の赤緯モーターでもそのまま使用できます。

このシステムは,パソコンを必要としないオートガイダーとの
組合せが最適です。
近い内にPictor201の様な低消費電流タイプが発売されると
を期待しますね。

12Vで120~150mAしか消費しないPictor201の場合は
単三ニッケル水素電池10本で10時間以上動作するので
モーターと併せても14本あれば一晩は余裕で撮影できます。


既にAMD-1をお買い求め頂いた方には差額のみでの
アップグレードも行う予定です。

発売は3月上旬の予定です。

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2009年1月19日 (月)

AMD-1の適合機種が増えます

B09_01_19
駆動回路とモーターを一体化したモータードライブ(AMD-1)は
使用する水晶発振子の周波数の関係上,タカハシP-2,H-40用や
ビクセンSP/GP用など,ウォームホイールの歯数が144枚系
赤道儀にのみ対応しておりますが,この夏の日食遠征用にと
他の小型赤道儀用のご要望があります。


ただ,ウォームホイールの歯数が異なる赤道儀に対応するため
機種ごとに水晶発信子を特注で製作することは
製作数量が少ないと単価が極端に高くなる特注品では非効率的です。

そこで水晶は144枚系のものを使い,外部ギヤ比で対処する事としました。

モーターは144枚系と共通にして,
  ・ウォームホイールが126枚の五藤マークXでは
   144=48×3
   126=42×3 となるので,42:48の外部ギヤで対応

 ・ウォームホイールが147枚のPENTAX65/75用では
   144=48×3
   147=49×3 となるので,49:48の外部ギヤで対応

以上のようにモーターと赤道儀間の伝達ギヤ比で対処できます。


上記2機種はP-2などのようにモーターをウォーム軸の下部には
配置出来ないので側面に出っ張りますが,取付方法を工夫して
その量を出来るだけ小さくする設計です。


ちなみに152枚の五藤8cm赤道儀でも同じように計算すれば
   144=36×4
   152=38×4
となるので外部ギヤを38:36にすれば対応できます。
五藤の8cm用を作る予定はありませんが
(これを日食に持って行かれる事はないでしょうから)
計算上は可能です。

さらにあげれば,以前紹介したスカイメモPは120枚ですので
   144=72×2
   120=60×2 となり60:72で対応します。


なおP-2用は写真のように電池ケースを本体下部に取付
できます。
格好は悪くなりますが,外部配線は一切なくスイッチONで
即駆動し,単三型のニッケル水素電池4本で20時間程度駆動
できます。


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2009年1月12日 (月)

ハーモニックドライブ 第2段!

B09_01_121_2
HP上で紹介しております,リモートパワーフォカサー(RPF)は
駆動モーターのトルクの問題などで開発が暗礁に乗り上げて?いましたが
ここへ来て大きく前進しました。

赤道儀の駆動において圧倒的なレスポンスで好評をいただいている
ハーモニックドライブのステッピングモーターを投入する目処が立ちました。

以前からハーモニックドライブがパワーフォカサーに最適である事は
判っていたのですが,高価な事や5相モーター仕様のみのラインナップ
のため採用できませんでした。
が,ここへ来て赤道儀駆動用として手配している新古や中古モーターを
予想以上に入手することができて余剰が出ました。
(と言ってもさし当たりRPFに回せるのは20~30台ほどですが)


ピント合わせはピントのピークを越えて初めてピーク位置が判るため
ピーク付近を前後に行ったり来たりしますが
この操作を行うモーターにバックラッシュがあったらピークの検出は
大変ですよね。

一般のドローチューブはツマミ1回転で25mmほど抜き差ししますが
平ギヤを使ったギヤヘッド付きモーターで駆動した場合では
ギヤのバックラッシュが1~3度程あるため,計算上ギヤヘッドだけでも
70~200μmものバックラッシュになります。

常に片方向から追い込めば良いとは言え,上記数値はピント合わせの
精度の10倍近い値ですので容易でありません。

そのためギヤヘッドを使用せず直接モーターで駆動する方式で開発
しておりましたが,モーターのトルクや駆動電流,保持トルクの問題
を解決できない状態でした。

これらをすべて解決するのがハーモニックドライブです。
バックラッシュばかりでなく,荷重で逆転することはないのでクランプ
を締めなくともカメラの自重でドローチューブが抜け出る事はありません。


ただ,ハーモニックドライブのステッピングモーターを採用しても
ラック・ピニオンの遊びによるバックラッシュは残ります。
写真(試作品です)のFS-60ではドローチューブに荷重がかかって
いない状態でその量は30~40μmですが,負荷がかかると
ヘリカルギヤのためドローチューブが回転したり
ピニオンギヤのスラスト移動で上記数値より多くなります。

ドローチューブの回転は対応が難しいのですが開発中の装置では
このピニオンギヤのスラスト方向の移動も抑える設計です。


また,ステッピングモーターのお尻に手で回せるツマミもつける予定です。
何らかの理由でモーターが使えないときには,1/50のマイクロフォーカサー
として機能します。


まずは,合焦ハンドル軸長95mm,軸径8mmの機種用として20~30台分
製作予定です。
その後はモーターの手配がつけば順次他機種用も検討いたします。
なお,先にモニターを募集した際,情報をご提供いただいた方につきましては
モニター扱いで対処させていただきます。
(申し訳ありませんが当面は上記で対応できる機種のみです)

*HPの記事内容は近日中に修正いたします
*FS60単体のバックラシュ数値に間違いがありましたので訂正しました:1月13日

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2009年1月10日 (土)

頒布品発送します。(星空研究会分)

B09_01_10
星空研究会の場でお約束しました頒布品ですがやっと準備ができました。

予定より遅れてしまい年を越してしまいましたが,この連休明けには発送します。
安価なものですので定形外郵便で発送しますので,ご注文いただいた方
は暫くお待ち下さい。
なお17日の土曜までに届かない場合は事故の可能性もありますので
ご連絡いただけると幸いです。(たぶん私の発送ミスと思いますが)

今回の頒布は,星空研究会でご要望のあった
・手回しできるNJP用の極軸高度調整ネジ@900円
・ビクセン規格のアリガタ押さえネジ(アリガタに傷が付きにくいもの)@1300円
(何れもすべてステンレス製)の2点ですが,今後要望の多いものについては
HP上での頒布を計画しております。

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2009年1月 6日 (火)

強引な?オフアキシスガイド化

B09_01_06
一般の反射系カメラはスパイダーの影響で明るい星の周りに光の干渉が
出ますが,私はあまり好きではないのでマクストフ系カメラを選びました。

ロシアのINTES MICRO製です。
同社の惑星用長焦点マクストフニュートンは良く見える事で有名ですが
私のは写真仕様の短焦点(F4)です。
短焦点ですが,眼視でもコントラストも高く良く見えます。

添付の測定表が本当なら,中心星像は6.8ミクロンですので国産の
アストロカメラ並の性能です。

ただドローチューブがお粗末でそのままでは撮影に使えなかったので
長い間そのままになっていましたが,年末年始の休み?を利用して手を
加えました。

システムをシンプルにするため何としてもオフアキシスガイドは採用
したかったのですが,筒外焦点距離が短くドローチューブは使えません。

そこで思い切ってオフアキシス装置を鏡筒に直付けしました。
カメラのピント合わせはM42の回転ヘリコイドで行います。
(単にM42のネジと固定リングだけですが)
またスケアリング調整用に4カ所に押し引きネジもつけています。

今回はテストですが結果が良ければオフアキシス部の長さを現状の
1/2程度に短縮してカメラ側のピント調整代を長くとる予定です。

オフアキシスのオートガイダー側とカメラ側は独立してピントを
合わせますのでこの方が合理的かも知れませんね。

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2009年1月 1日 (木)

あけましておめでとうございます

B09_01_011

新年あけましておめでとうございます。
今年の福岡の元日は雪化粧でした。
写真は自宅屋上から東方の景色で,山並みは三郡~宝満山です。

この写真の反対側が福岡市街で,空はひどく明るいので
絵になる天体写真は撮れませんが,開発機材のテストや
赤道儀のピリオディックモーション測定などはここで行っています。

今年も新たに浮かんだアイデアを試作し,この屋上で実機テストすること
になると思います。ご期待ください。

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