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2009年3月

2009年3月25日 (水)

MTS-3SDI+用ケーブルカバー

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度々ご紹介していますドイツ製自動導入コントロラーのMTS-3SDI+は
パソコンがなくても自動導入できるなど優れたものですが
パソコンやオートガイダーとの接続方法にはひと工夫欲しいところだと思っていました。

コントロラーの底面にパソコンやオートガイダーと接続する
MIL規格のメスコネクターが設置されていますが
これに勘合する相手コネクターにはフードは付きません。
そのため,ケーブルにかかる張力はコンタクター部にモロにかかるうえ
コネクター部が夜露で濡れてしまう不安もありました。

そこで安心してご使用いただけるよう専用のカバーを作りました。
このカバーでケーブルの張力も受けるし,夜露で濡れる心配もなくなります。

既にMTS-3SDI+をお使いいただいているお客様には近日中にお送りします。

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2009年3月24日 (火)

Webカメラでお遊び…その後

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先日ご紹介しましたロジクールのQcam S7500は予想以上に高感度なうえ
滑らかな写りだったのでカメラレンズでも遊んでみたくなりました。

望遠鏡の接眼部に付けるだけなら樹脂のケースに納めるだけで十分でしたが
台座のないカメラレンズを付けられるよう金属のケースで作り直しました。

ケースは手持ちのタカチ電業製のアルミダイキャスト製のもので
下部にカメラネジを立てても十分な強度です。いい感じでしょう?
立派なものですが蓋付きで1,000円程度ですので色々使えそうです。

M42→OMマウントアダプターを作成して,Zuikoの50mm F1.8を付けてみました。
CCDチップサイズが小さいので50mmとは思えない望遠レンズになります。
これで何を撮るのか?訪ねられても困りますが,遊べるのは確かです。

ところで先日触れましたオートガイドへの適応テストですが
私の使っているパラレルポート付きのパソコン(Panasonic CF-B5)は
古いOS(WinXPですが)でしたので
Qcam S7500のドライバーはインストールできませんでした(泣)

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2009年3月22日 (日)

新型三脚。 こんな機能も!

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昨日に引き続き,新型軽量三脚(PTP-2)の話です。

この三脚はカメラネジ対応なので
タカハシのH-40やスカイキャンサー赤道儀はそのまま取付られます。
軽くて強い・海外遠征時の携行性が良いなどの特徴に加えて
今日ご紹介したいのは,極軸高度の調整機能です。

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H-40やスカイキャンサーなど,極軸高度の微調整機能がない機器での
使用時は非常に有効な機能です。

また,スカイメモR等三脚取付面が水平な機種用の傾斜ウエッジも
31度と35度の2タイプをラインナップします。

35度はともかく,なぜ31度なのか?
そうです。これは上海市南部やジョウシ列島の緯度なのです。

正確に31度に加工しているのでこの機能を使って架台面の水準を取れば
あとは方位の調整だけで日食撮影には十分な精度です。
方位だけなら太陽のずれる方向で簡単に追い込めます。

31度傾斜ウェッジは三脚に高度調整機能があるので
今回の日食のあとでも日本国内で使えます。
またオーストラリアのワディファームの緯度も偶然にも31度です。

この調整機能付き脚はオプションで1本当たり3,000円アップ
傾斜ウエッジは8,000円(数量限定)を予定しています。

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2009年3月21日 (土)

新しい日食アイテムが完成しました

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新たな日食アイテムが完成しました。
写真の新型超軽量三脚(PTP-2)+カメラレンズ用フリーストップの
フォーク式経緯台です。


新型の超軽量三脚はカメラネジ規格対応で(W1/4又はW3/8)
一般的な大型雲台やポータブル赤道儀がそのまま取付できます。
(特殊仕様としてP-2用のW1/2やM10仕様も受注いたします)

太いパイプの直径はなんと40mm!
肉厚も2mmもあるので驚くほどの強さなのに,重さはジャスト2kg!
構造は現行のビクセンGP用と同じで,ガタは皆無。 たわみも極わずかです。

雲台やポータブル赤道儀の取付は,通常のカメラ三脚と違い
三脚下部から貫通ネジで強固に固定できます。
赤道儀の固定と同じですね。


この新型三脚は色々なオプションを準備しています。
・脚長の指定(600,700,800mmの何れか)
・高度調整ネジ付脚の選択
 (北側の1本に使用すれば極軸高度調整に便利です)
・傾斜ウエッジ(31度,35度を予定)
・P-2赤道儀仕様(傾斜ウエッジを含め詳細は後日アップします)
・脚用樹脂被覆(熱収縮チューブ)など。

24,000円(基本仕様の場合)で4月1日から発売開始します。
メールでの予約受けつけております。

もう一つのアイテムのカメラレンズ用フリーストップ経緯台は
特に洋上観測において便利なアイテムです。
フリーストップですから揺れる船上での撮影に威力を発揮するでしょう。
上記三脚との組合せで約3.5kg。
300~500mm程度の超望遠レンズが使えます。


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2009年3月20日 (金)

最後の吸引加工・スペーサー頒布


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久しぶりにフィルムホルダーの吸引加工を行いました。
おそらく2~3年ぶりで,これが最後になることでしょう。

今まで手がけたものは殆どが今回と同じマミヤプレスのロールホルダーで
100台近く加工したと思います。
このホルダーはアストロカメラに転用するには最適なうえ,吸引加工も簡単でした。

数年前まではこれほど急激なスピードでデジタルへ移行するなんて
思ってもいませんでしたが,今となっては過去のものですね。

個人的には星空と地上の風景を一緒に写し込むいわゆる「星景写真」においては
まだまだ銀塩の方が奇麗だと思っていますが,これも時間の問題でしょう。

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ポリ袋に入っているものは,フランジバック調整用のスペーサーです。
100分の3,5,7,10,20mm用で大量に在庫しています。
これはデジタルになってもスケアリング調整用などに使えますので
近日中に設ける「頒布コーナー」で,ご希望の方にはお譲りする予定です。

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2009年3月19日 (木)

去りゆくルーリン彗星

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17日に去りゆくルーリン彗星を撮影しました。
昼間は黄砂の影響かモヤがかかったような天気でしたが
夜はそこそこの透明度になりました。

前回使ったノーマルのEOS40Dで撮影するつもりが
CFカードを忘れてしまいIR改造のKissX2での撮影です。
彗星はノーマルの方が写りが良いような気がします。

また前回のレンズ(Tele-Apotessar400mmF4)も忘れて
今回はPENTAX-FA☆645 300mmF4 EDです。


レンズ:PENTAX-FA☆645 300mmF4 ED→絞りF4
(ノートリミング,JPEG1枚をカラーバランス,レベル補正)
カメラ:EOS KissX2(IR改造,冷却) ISO800
赤道儀:P-2(自動追尾)
撮影日時: 2009.3.17 22. 02.01~露出600sec

彗星の上の明るい星がふたご座のδ星です。
(彗星左下の暗いところはCCD面に付着したゴミ)
画面左ギリギリにエスキモー星雲が写っていますが判ります?
恒星と同じ大きさで写っていますが色は彗星のようです。


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2009年3月15日 (日)

お客様のシステム

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今回お客様からご報告の写真をいただきましたのでご紹介します。
何れも機能的なシステムで格好良いですね。

一体型モータードライブのAMD-1はスイッチONで即座に撮影できるので
星野写真撮影用として好評をいただいております。

星野写真撮影用として開発しましたが
ここへ来て日食遠征用としてのご注文が急増しており
即納できる在庫は僅かです。

モーター手配の都合で,次期ロットは5月以降になる事をお詫びいたします。


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2009年3月12日 (木)

webカメラでお遊び

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ロジクールのウェブカメラQcam S7500は天文用への適正が良いみたいで
多くの方のブログで改造記事が紹介されています。

惑星や月の撮影では好結果が得られる様ですが
ガイド用に使用した場合の感度やノイズが気になったので
ちょっとまねをしてみました。

分解して取り出した基板類を,手持ちのケースに組込み
望遠鏡との接続用にM42mmのスリーブを取り付けただけです。

早速テストしてみたかったのですが,今夜はあいにく曇っていますので
遠くの鉄塔の航空傷害灯で試してみました。

傷害灯で照らされた鉄骨が綺麗に写りますのでまずまずの感度のようです。
ノイズはSSAGに比べればかなり少ないようです。

S7500はAmazonで送料込み3,789円,ケースを入れても4,000円。
改造時間は30分強ですから,うまく行けば,安価で簡単に作れる
超軽量のオートガイド用カメラでしょう。

近日中に,PHD Guidingと組み合わせ実際の星でのテスト結果を
ご紹介します。

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2009年3月11日 (水)

タイミングベルトドライブ

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度々ご紹介しておりますMTS-3SDI+は,使用できるステッピングモーターの
コイル抵抗の制限から,モーター単体での高速特性は良くないのですが
十分に滑らかなマイクロステップ駆動と,高トルクを活し,ギヤヘッドのない
モーターでの駆動テストを行いました。それもタイミングベルト駆動でです。

欧米ではタイミングベルト駆動もよく見かけますが,どういう訳か日本では
馴染みがないですね。
一般産業では殆どがタイミングベルト駆動ですし,その信頼性は実証が
あるのですが,なぜ望遠鏡の駆動には使われないのでしょう?

騒音やバックラッシュが小さいうえ,軸間の距離の自由度が大きいため
レイアウトは容易です。さらに安価です。


で,実際に駆動してテストした結果は心配した駆動のムラは全く判りません。
赤緯のバックラッシュもほぼ”0”ですこぶる快適です。
少なくともギヤ駆動と比べて劣ることは何もないようです。

今回のGP-D赤道儀はタイミングプーリーでの減速を約1:3としましたが
十分な滑らかさ,トルク,それと800倍程度での自動導入が可能です。


MTS-SDI+はディスプレイをつけるとパソコンがなくても自動導入できるので
本当に便利です。
冷却CCDで撮影する場合はパソコンは必須ですが,デジカメ(や銀塩)
での撮影の場合,オートガイダーも含めパソコンが不要なのは助かります。


SP/SP-DX,GP/GP-D用は近日中にベルトカバーを付けて発売いたします。

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2009年3月 5日 (木)

ピント位置読みとり装置の実験再開

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以前HP上で少しだけ紹介していましたピント位置読みとり装置ですが
実験を再開しました。
今回は実際の鏡筒にセンサーを取り付けて,ダイヤルゲージとの比較です。

設定にもよりますが,ドローチューブの移動量1mm当たり1,000カウントほど
読みとれるので,計算上は1ミクロンの分解能があります。

測定器の指示ドリフトや各部の撓みなどを考慮しても,その1/10の
10ミクロンの精度は得られそうです。
F4~5の光学系の場合,ピント位置の10ミクロンは,星像ではその約1/4
ですから十分な読みとり精度でしょう。

なお,距離センサーは汎用の安価なもので,計測できるストロークは
2mmと小さいのですが,ピントの追い込みには充分かと思います。


今回比較に使ったダイヤルゲージ式の読みとり器は友人の自作品で
素晴らしい出来です。(ステーを固定したファインダー用アリミゾも自作)
遠隔で読みとる必要がなければこの方法がベストですね。
ただ遠視の私は暗闇でダイヤルゲージを読むのはかなり辛いようです。

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2009年3月 4日 (水)

一般産業用規格品の流用

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一般産業用規格品を流用したバランスシャフトは,以前もHP上で頒布サービスを
行いましたが,お問い合わせが多いため商品としての取り扱いを検討しています。

一般的なバランスシャフトは,両端にネジが切られたシャフトですので
産業用の規格品がそのまま流用できます。

規格品と言っても軸径や長さ,ネジサイズ(並目だけでなく細目ねじにも対応)
材質の指定ができて,さらにはメッキの仕様も指定できます。

本来,回転軸として使うものですので,真円度や直径は非常に正確です。
バランスシャフトには精度は必要ありませんが,ピカピカ,ツルツルで
ビックリされるほど綺麗ですよ。使うのがもったいないほどです。

それでいて非常に安価ですから流用しない手はないですね。

当面以下の取り扱いを検討しております。

・タカハシP-2,90S等用純正互換(写真の長い方です)
 純正品と全く同じ形状で,赤道儀側はM12の細目ねじです。
 鉄(S45C)に硬質クロムメッキ仕様と
 ステンレス(SUS304)に硬質クロムメッキ仕様を選べます。
 長さは201mm~400mmで指定できます。
 鉄仕様:3,500円,ステンレス仕様:5,000円。上記内であれば同一価格です。

・タカハシ18mmシャフト用延長シャフト(写真の短い方です)
 こちらは鉄に硬質クロムメッキ仕様のみです。純正に繋ぎ足して使用します。
 長さは100mmのみで価格は1,000円ですが,安価なものですので
 できれば他の商品と同時ご注文時のみの対応とさせていただけると幸いです。

・タカハシNJP用25mmシャフト
 NJP用は角ネジ仕様ですが,これを25mmのステンレス硬質クロムメッキ仕様
 シャフトに交換します。
 NJPとの取り合い部は規格品は使えませんのでオーダー加工品です。

 シャフトは400mmまでが10,000円程度,600mmまでが12,000円程度です。

 同時にオリジナルのネジ仕様のバランスウエイトのネジをさらい
 丸穴加工+固定ネジ加工のサービスを行います。
 6.5kg×3個一括加工の場合は18,000円程度を予定しています。
 (送料は実費をご負担ください) 

またステンレス仕様のバランスウエイトも計画中です。
穴径25mm,質量7kgで16,000円程度を予定しています。
 
ご希望が多ければJP用のサービスも行います。

何れも近日中にHP上で正式に取り扱い開始いたします。

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2009年3月 3日 (火)

3月2日のルーリン彗星

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ルーリン彗星は,2月24日の地球再接近前後を狙っていたのですが
2月19日の撮影を最後に,ずっと天気が悪かったので諦めかけていたのですが
何とか晴れそうな予報だったので観測所に出かけました。

本当はこのところ滞っていた観測所の建設作業が主目的でしたし
天気予報もイマイチだったので,撮影はあまり期待していませんでした。
が,なんと1日の夜は快晴で素晴らしい透明度でした。

40Dの暗いファインダー越しにでも尾がハッキリ見えていたので
導入~構図撮りも容易でした。
写真は400mmのノートリミングですからかなり尾が伸びているようです。

今回はいつもの彗星専用?Zuiko250mmF2と
ZeissのTele-Apotessar400mmF4で撮影しました。

紹介する写真はTele-Apotessar400mmF4で撮影したもので
いつもの通り,JPEG1枚を簡単に処理したものです。

レンズ:Tele-Apotessar400mmF4→絞りF4(ノートリミング)
カメラ:EOS40D ISO1600
赤道儀:P-2(自動ガイド)
撮影日時: 2009.3.2 01. 01.19~露出360sec


彗星とは関係ありませんが今回の撮影でP-2の高精度を再認識しました。
2月19日はバランスシャフトを忘れたためGP-Dで撮影しましたが
250mm,120秒でも流れたコマがありました。
GP-Dのピリオディックモーションの実測は±10秒強ですからギリギリ
でしょうが,今回のP-2は400mm360秒でもほぼ点像です。

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