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2009年4月

2009年4月29日 (水)

ツイン鏡筒での撮影対策

090429

銀塩時代は,ポジとネガ両方で日食撮影したいので鏡筒を2本同架していましたが
デジタルが主流となってもポジフィルムでも撮影したいという方は多いようです。

そうなると2本の鏡筒が必要ですが,重量を抑えるために写真のように
バランスウエイト側にサブ鏡筒を付けることになるかと思います。

ここで問題となるのが両側の重量バランスと
両鏡筒の赤経方向の光軸合わせですが
発売中のEclipse Packはその両方を同時に解決できます。

重量バランスはバランス軸の抜き差しで,また光軸合わせは
シャフトのクランプ部の固定を緩めて少し振ることで対処できます。
簡易的な調整方法ですが充分実用になります。
(写真矢印方向,ルーズ穴として大きく振る事も可能です)

重量バランスは両側の鏡筒重量差2倍ほどまで対応します。


なお,バランス側の赤緯方向の回転とロックはウエイト抜き差しクランプで行いますが
緩めた際抜けるのを防止するためセットカラーを併用します。
(写真には付けていません)


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2009年4月27日 (月)

MTS-3SDI+の上位機種

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ドイツ製の自動導入コントローラーMTS-3SDI+は何度か紹介しましたが
その上位機種を入手し,いろいろテストしたのでご紹介します。

名前は,MTS-3SDI+の記号標記とは違ったネーミングでDyno Star X3 です。
どんな理由で恐竜が登場するのかわかりませんが
恐竜のDinosaurと星のStarをかけたネーミングのようですね。

名前はさておき,MTS-3SDI+との目立った相違点は
・モーターの相電流がMTS-3SDI+の1Aに対して1.6A(又は3.2A)と大きい
・MTS-3SDI+ではオプションのディスプレイが内蔵されている
・本体内蔵天体データーがMTS-3SDI+の約2,000個から約15,000個と一桁多い

さらに
・内蔵クロックがバッテリーバックアップされている(都度日時の設定が不要)
・パソコンなしで全ての設定ができる
・空きのコネクターを使えばオートガイドやパソコン接続が容易(1.6Aタイプのみ)
・モーター電流の設定が低速域と高速域で個別にできる

ここで,最後のモーター電流設定を低速域と高速域で個別にできることは
このコントローラーでいろいろな赤道儀駆動用に最適なモーターを選択するうえで
非常に便利な機能です。
MTS-3SDI+もDynoStarもモーター電流監視は厳密で少しでも超えると
保護が動作するためこの機能がないMTS-3SDI+は限られた
モーターにしか使えませんでした。

ただ何れのコントローラーもギヤヘッドのない大きなトルクのモーターが
適していることには変わりありません。
PK-243SG**などは高速特性の観点からいくと適していません。

写真右はDynoStarと15cmクラスの赤道儀用高トルクモーター
左はMTS-3SDI+とJシリーズ用の高トルクモーターです。

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2009年4月26日 (日)

MAMIYA645レンズ用M42アダプター

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冷却CCDカメラにMAMIYA645レンズを取り付けるためのアダプターを作りました。

MAMIYA645用の接写リングを流用したのですが,カメラボディ側バヨネット部は
一般的なM42のネジリングの外形とほとんど同じだったので簡単な旋盤加工
で出来上がりました。

また,偶然にも接写リングの外寸は69.2φだったので68φ用の鏡筒バンド
(傷防止の布を張る前)がピッタリです。
(FC50等の鏡筒外形は正確には68.3φあるので,バンドの内径は69.2φ
に加工しています。これに約0.4mm厚の布を張ってピッタリ合わせています)

一方前玉部は70φ強ですので残念ながら68φバンドは使えませんが
専用バンドの頒布を計画しております。
接写リングのバンドと一緒に各種プレートやアリガタに取付できます。

(申し訳ありませんが,頒布はバンドのみでM42アダプターの改造等は
お請けしておりません)

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2009年4月25日 (土)

タイミングベルト駆動の90S

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タイミングベルト駆動は,ビクセンのSP/GPシリーズ用MTS-3SDI+と
高トルクステッピングモーターの組合せで好結果が得られたので
今回タカハシの90Sでも採用しました。

MTS-3SDI+と高トルクステッピングモーターの組合せ時や
90Sでも採用したハーモニックドライブは外部での減速比を
大きく取る必要がないのでベルト駆動が適しているようです。

ベルト駆動はバックラッシュが小さい,平ギヤに比べ損傷を
受ける可能性が低いなどのメリットがあります。

また90Sの場合赤緯は部分微動ですが,微動範囲の端まで達した時に
ハーモニックドライブの強力なトルクでウォームに損傷を与える恐れがあります。
ベルト駆動の場合,ベルトが犠牲になってくれるので安心ですね。

写真の90S用ハーモニックドライブ仕様2軸モータードライブは
少し余裕をもって再製作しましたので若干余剰があります。
ご興味のある方はお問い合わせください。

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2009年4月22日 (水)

追求したのは軽量化,そしてバランス

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海外遠征用のポータブル赤道儀に要求されるのは何と言っても軽いこと。
そしてそれは各々のパーツのグラム数よりも,トータルでの重量が問われますね。

たとえばモータードライブの電源を例にあげると
AMD-1は単三ニッケル水素電池4本(92g)で駆動できますが
メーカー純正は単一アルカリ電池8本(1,120g)が必要です。
1kg以上も異なりますが駆動時間に差はありません。

これに,トータル重量に大きな影響を与える三脚を含めて考えると
機能や強度は同じでも,3kg以上の差がついてしまいます。
(PTP-2と同程度の強度を有するHAL-70を比較した場合)

それともう一つ要求されるのがバランス。
当然ですが軽量化されたシステムは安定性を欠きます。
軽量化と安定は相反するのでやむを得ないことですが
だからこそバランスが重要です。

極軸オンリータイプに自由雲台を使って構図をとるときは
カメラの重量を手で支えるため赤道儀にかかる
重量や重心が大きく変化し極軸がズレる事もあります。
(写真ではバランスウエイト側に自由雲台を使っていますが
サブカメラをバランスウエイトの代わりや補助的に搭載した例です)

また日食撮影時はバランスウエイト側にカメラを取り付けるケースも多いのですが
ほとんどの場合極軸周りのバランスはとれません。
軽量化されたポータブル赤道儀は,完全にバランスがとれる事が必須条件でしょう。

そこで今回,65SYSTEMに完全なバランスを実現するアイテムを追加します。

一つは以前紹介したレボルビング装置で改良を重ね,5月から正式発売します。

もう一つは抜き差し式のバランスシャフトを採用した赤緯体で
バランスシャフトの端にはカメラをつけられます。
スリ割り式のクランプですのでガタやカメラの重量で軸が緩むのを防止できます。

また,継ぎ足し自由のシャフト(長さ100mm)は,標準で2本附属しますので
片側が重量級の望遠レンズ(300mmF2.8クラス)で
バランス側が軽量のカメラという場合でも完全なバランスがとれます。
もちろん通常のバランスウエイトとの併用も可能です。

極軸,赤緯軸それにレボルビング軸,この3つの軸で如何なる構図の時でも
バランスは崩れません。

下の写真のセットで32,000円で発売します。(31,000円の間違いでした09.04.24追記)
また,赤道儀(AMD-1,極望つき),軽量三脚も含めたフルセットも準備中です。
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AMD-1と同時使用時は極軸望遠鏡の視野照明も使えます。
写真のセットでの重量は約1300gです。

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2009年4月10日 (金)

今年の日食撮影はフォーサーズで

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私自身のことですが,今年の日食はフォーサーズのカメラで撮ろうかと思っています。
私が思う日食撮影においてのフォーサーズのメリットは
1.アスペクト比が3:4なので,横長のAPS-Cやフルサイズより自然である
2.ミラーが小さくシャッターショックが小さい
 などですが,今年の日食に限ってはさらに

3.イメージセンサーが小さいので拡大撮影に向いている
4.フォーサーズを採用しているオリンパスのカメラは背面のモニター角度が
 自由に変えられることも重要です。

今年の日食は,多くの方は上海近郊に遠征されると思いますが
夏場の上海近郊は,晴れていても影ができないほどドンヨリした天気です。

昨年のウイグル自治区の日食の際
行き帰りに立ち寄った時もまさにそんな感じでしたし
現地に長く住む日本企業の方に聞いても同じです。
人工的な影響もあるのでしょうが,上海近郊の内陸でも変わらないようで
自然現象なのでしょうね。
私たちはできるだけクリアーな空を求めて上海の沖合で観測しますが
沖合だからと言っても条件が飛躍的に向上するとは思えない気もします。

そのようなドンヨリした空なら外部の淡いコロナは期待できないのでは?
やや長めのカメラで明るい内部コロナを狙った方が絵になると思います。
写真のFC-60は焦点距離500mmでフォーサーズだと
35mmフィルム換算1,000mm相当となるので内部コロナ狙いにはベストでしょう。

また,今回の日食は高度が高いのでモニターの角度を変えられる
オリンパスのカメラはピントや構図確認に便利でしょう。
常時ライブビューが使える事もありがたいです。
これに明るいところでモニターを見やすくするフードを作れば完璧ですね。


ブログの内容と関係ありませんが,日曜から3日間出張のためメール
でのご対応や発送業務ができなくなります。
申し訳ありませんが水曜日以降の対応とさせてください。

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2009年4月 5日 (日)

いろいろ載せられます

B09_04_06
新型の軽量三脚PTP-2はカメラネジ仕様なので
カメラ三脚用の各種アクセサリーがそのまま付けられます。

写真はManfrottoのLEVELLNG HEAD(338)をつけたものです。
PTP-2はオプションの高度調整脚を使用すれば三脚自体で高度調整を行えますが
このレベラーは単独で完全な水平調整もできます。
測量用のトランシットと同じですね。

ただ,このようなアクセサリーを取り付ける際
設置面の大きさがPTP-2のインローサイズより大きい時は
スペーサーが必要な場合があります。
またスペーサーをつけるとW3/8の取付ネジの長さも不足しますので
それらのオプションも準備しました。

さらに写真の三脚はオプションの樹脂被覆仕様です。
ポリオレフィン樹脂製で使用温度は-45~+105度Cです。
1本当たり45g重たくなりますが,輸送時にパイプが触れる音が軽減されるし
冬場,手にしたときの冷たさもいくらかラクになります。

・スペーサーは1枚当たり500円(D=60mm,t=8mm,中心穴10.5φ)
・W3/8ロングネジは1,000円
・三脚の樹脂被覆は3,000円(3本で)

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2009年4月 2日 (木)

ステンレス製バランスウエイト完成!

B09_04_02
先にお話していましたNJP用バランスウエイトが完成しましたので
ご紹介します。

初期ロット分はウエイト3個+NJP用シャフトのセット販売を予定しています。

主な仕様,価格は以下のとおりです。

ウエイト部
  ・材質:ステンレス(SUS303)
  ・質量:約6.2kg(D130φ,t60mm)及び3.2kg(D130φ,t30mm)
  ・中心穴径:25.10mm
  ・固定ネジ:円形ツマミ又はレバークランプ式(写真のレバー式は1,500円アップ)

シャフト部
  ・材質:ステンレス(SUS304)+硬質クロムメッキ
  ・質量:約2.0kg
  ・シャフト直径:25.00mm
  ・シャフト長:400mm(600mmまでなら+1,500円でご指定の長さで製作します)

価格
  ・NJP用バランスウエイトセット一式:45,000円
   セット内容:バランスウエイト6.2kg×2個,3.2kg×1個,400mmシャフト
  ・シャフト長変更401~600mm:上記に1,500円加算
  ・シャフト追加400mmまで:5,000円,401~600mm:6,500円
  (赤道儀へのねじ込み部及び抜け止めナットは含みません。直棒部のみです)
  

赤道儀へのネジ込み部以外は,固定ネジも含め,オールステンレスに
こだわったバランスウエイトです。

初期ロット(10セット)はセット販売のみとして事務手数の効率化をはかり
お求め易い価格設定としております。
なおセットにウエイトの追加は可能ですが,軸の長さを指定できますので
標準セットで十分かと思います。
詳細は近日中にHP上にアップしますので参照下さい。
今月末からの出荷予定です。

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