追求したのは軽量化,そしてバランス
海外遠征用のポータブル赤道儀に要求されるのは何と言っても軽いこと。
そしてそれは各々のパーツのグラム数よりも,トータルでの重量が問われますね。
たとえばモータードライブの電源を例にあげると
AMD-1は単三ニッケル水素電池4本(92g)で駆動できますが
メーカー純正は単一アルカリ電池8本(1,120g)が必要です。
1kg以上も異なりますが駆動時間に差はありません。
これに,トータル重量に大きな影響を与える三脚を含めて考えると
機能や強度は同じでも,3kg以上の差がついてしまいます。
(PTP-2と同程度の強度を有するHAL-70を比較した場合)
それともう一つ要求されるのがバランス。
当然ですが軽量化されたシステムは安定性を欠きます。
軽量化と安定は相反するのでやむを得ないことですが
だからこそバランスが重要です。
極軸オンリータイプに自由雲台を使って構図をとるときは
カメラの重量を手で支えるため赤道儀にかかる
重量や重心が大きく変化し極軸がズレる事もあります。
(写真ではバランスウエイト側に自由雲台を使っていますが
サブカメラをバランスウエイトの代わりや補助的に搭載した例です)
また日食撮影時はバランスウエイト側にカメラを取り付けるケースも多いのですが
ほとんどの場合極軸周りのバランスはとれません。
軽量化されたポータブル赤道儀は,完全にバランスがとれる事が必須条件でしょう。
そこで今回,65SYSTEMに完全なバランスを実現するアイテムを追加します。
一つは以前紹介したレボルビング装置で改良を重ね,5月から正式発売します。
もう一つは抜き差し式のバランスシャフトを採用した赤緯体で
バランスシャフトの端にはカメラをつけられます。
スリ割り式のクランプですのでガタやカメラの重量で軸が緩むのを防止できます。
また,継ぎ足し自由のシャフト(長さ100mm)は,標準で2本附属しますので
片側が重量級の望遠レンズ(300mmF2.8クラス)で
バランス側が軽量のカメラという場合でも完全なバランスがとれます。
もちろん通常のバランスウエイトとの併用も可能です。
極軸,赤緯軸それにレボルビング軸,この3つの軸で如何なる構図の時でも
バランスは崩れません。
下の写真のセットで32,000円で発売します。(31,000円の間違いでした09.04.24追記)
また,赤道儀(AMD-1,極望つき),軽量三脚も含めたフルセットも準備中です。
AMD-1と同時使用時は極軸望遠鏡の視野照明も使えます。
写真のセットでの重量は約1300gです。
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