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2009年6月

2009年6月25日 (木)

久々の撮影・・遠征のためのテストですが

来月の皆既日食は上海まで遠征します。

その上海に行く前に,ついでと言ってはなんですが
雲南省の昆明から,シャングリラ~東チベットの山々まで足をのばすことになりました。
滞在期間は上海よりもこちらの方が長く,一週間以上になります。

6~7,000m級の山々と人工の明かりが全くない真っ暗な星空は
さぞかしすばらしいことでしょう。
下弦過ぎの月に照らされた雪を頂いた山々と夏の銀河。
なんとしても撮らなければ!

090625_2

そこで,久しぶりに銀塩で撮影してみました。
目的はレンズの無限位置でのピント確認
それと期限切れのフィルム(E200)がまだ使えるかどうかの確認が目的です。
なんと,カメラボディのシャッターチャージができなくなっていました。
昨年の新疆ウイグル自治区での日食の際は全く異常なかったのに
こんなこともあるのですね。
事前にテストして本当に良かったです。

写真はカメラの修理(全オーバーホール)が済んだ後の6月16日に撮影したものです。

できたポジは異様に赤くカブっていたので最初はフイルムの期限切れの影響かと
思いましたが,余ったコマで撮った一般写真は全く異常ありません。
やはり,透明度がすごく悪かったのが影響したのでしょうね。

カメラも直った上,レンズのピントも確認できたのでとりあえず安心しました。

赤色のかぶりがひどく大した写真ではないのですが,一応データを記しておきます。
(私の画像処理能力では手に負えませんでした)
・PENTAX6×7
・TAKUMA 55mmF3.5開放
・E200(1Push)
・2009.6.16 23:07~40min
・P-2赤道儀自動追尾
・ASTEC 清和高原観測所

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2009年6月20日 (土)

50SYSTEM 開発中!

B09_06_21
片持ちフォークユニットやガイドマウントなどで好評をいただいている
65SYSTEMの小型版を開発しています。
シリーズ名は50SYSTEM
65SYSTEMを二回りほど小さくした感じです。
因みに,65や50というのは回転プレートの直径を意味します。

50SYSTEMは65SYSTEMと全く同じ構造なので
65SYSTEMの以下の特徴をそのまま有しています。

・滑らかなフリーストップ回転
・クランプ時の視野のズレが小さい
・クランプを軽く締めるだけで確実に固定できる

50SYSTEM開発の第一弾は、上記特徴が一番活かされる
ガイドマウント仕様を予定しています。

XY軸とも固定部がプレート状になっているので
メインのトッププレートとガイド鏡のバンド固定プレートを兼ねます。
部品点数が少ないので,軽量化(上記の60mm鏡筒バンドを含め750g)及び
コストダウンをはかれます。また,構造上極端な低重心設計です。
鏡筒バンドを重ねた程度なのでバランス上有利です。

メイン側の鏡筒バンドサイズ,60,68,80,90,95,115mmで使用できます。
メイン側のバンド間隔100mm又は150mmから選べます。(写真の試作機は100mm)
(ネジ位置上は125mmにも取付可能ですが
バンドの上部の幅が異なるので美観を損ねます)

ガイドマウント単体価格18,200円,60mm鏡筒バンドとのセット29,000円で
7月から発売開始予定です。

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2009年6月13日 (土)

鏡筒バンド高さ調整用スペーサーも充実

B09_06_13


先日,BORG 77EDⅡ等のヘリコイド撓み対策用プレートを紹介しましたが
異なる径の鏡筒バンドの中心軸を合わせるためのスペーサーが出来ましたので
改めて紹介いたします。

鏡筒バンドをプレートにつけた場合,鏡筒の中心軸までの高さは
バンドのサイズで異なりますが,写真の例のように接眼部を固定する場合
メインの鏡筒バンドと中心軸を合わせる必要があります。

各サイズのバンドは設計時にこの高さも考慮しており
たとえば80mmバンドと60mmバンドは高さがちょうど10mm違うようにしています。
つまり60mmバンドに10mmのスペーサーを挟めば80mmと軸が合います。

バンドは各種準備していますので,数ミリ程度の内外径の違いなら
バンドと鏡筒間に適当なスペーサーを巻けば
さまざまなケースで活用していただけると思っております。
鏡筒や接眼部ばかりでなく,望遠レンズでも使える場合もあるので
通常バンドは2本組での販売としていますが1組でもご購入いただけます。

その場合必要なのが色々な厚さのスペーサー。
厚みは,0.05,0.1,0.2,0.3,0.5,1.0,2.0,3,0,10.0mmをお選びいただけます。
(0.2mm以下が必要なケースはないとは思いますがご希望であれば準備します)

また各鏡筒バンドの正確な内寸もHP上で公開しておりますので
参考にしてください。

本日発売開始した60mmから現在製作中の115mmバンドは全て
取付サイズは共通なので,スペーサーも全て同じものが使えます。

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2009年6月 9日 (火)

ボーグ80mm鏡筒用プレート完成!

B09_06_09
ボーグ77EDⅡ等用の80mm鏡筒を対象としたプレートTP-280を発売開始します。
大きな特徴は写真でおわかりのとおり2インチホルダーを固定する60mmバンド
でヘリコイドの撓みを防止できることです。
(写真の60mmバンドはメッキ前の状態です)

2インチホルダーを固定する60mmバンドは,オプションのスペーサーを
併用すれば80mmバンドと完全に軸が合うので
重たいカメラをつけた際のヘリコイドの撓みが解消されピント合わせが楽になります。
少し緩めてピント合わせしたあとは軽く締めれば確実に固定できます。
手回しできるネジも計画中です。

TP-280は単体でも,またDP65-200などのアリガタと縫い合わせても使用できます。
TB60~TB115まで取付できますので鏡筒バンド固定位置が合えば
ボーグの80mm鏡筒以外でも使用可能です。

価格は以下のとおりです。
・TP-280:5,000円(L280,W50,t10)
・TB-60:5,900円(上下1組です。鏡筒バンドとして使用するには2組必要です)
・スペーサー:1,500円(TB60~TB115まで共通)
(近日中に各種プレートや鏡筒バンドの寸法をHP上にアップいたします)


なお,新たなアイテムとなる「50SYSTEM」を開発中です。
第一段は鏡筒バンド上部に直接取り付けるガイドマウントでガイド鏡の
ベースプレートも一体型となっています。いわゆる親子ガメ式で低重心設計です。

部品点数を減らし19,000円程度での発売を予定しています。
65SYSTEMと全く同じ構造なので同様の滑らかな回転と確実なロックが特徴です。

来週中にはお披露目できますのでご期待ください。

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2009年6月 6日 (土)

TS-50にもつきました

090606
一体型モータードライブのAMD-1は
タカハシのP-2やビクセンGPシリーズで好評をいただいております。

特にP-2ユーザー様からは追尾精度が驚くほど良くなったと
嬉しいご報告をいただいております。
モーター自体の精度は純正と変わりありませんが
赤道儀本体に2本のネジで確実に固定するため
ウォーム軸とモーター軸が平行になる事などが功を奏しているのでしょう。

以前のブログで紹介しましたが,私の所有するP-2赤道儀も
400mmで10分露出でもほぼ満足のゆく追尾です。
P-2赤道儀の基本性能の高さを改めて思い知らされた感じでした。

さて,今日ご紹介したTS-50は
極軸望遠鏡もついていませんので,写真撮影用ではありませんが
オーバーホールを希望された方から
「ついでにAMD-1は取りつけることはできないか?」とご依頼がありました。

「AMD-1はクラッチもない上,増減速もできないので写真専用ですよ」とご説明すると
「近所の子供を集めた観望会で月を追いかけてくれれば良い」とのだったので
取り付けさせていただきました。

電池もモーター本体に付くので赤道儀回りのケーブルが無くなることも
好都合とのことでした。走る子供の足に絡まないから安心なのですね。

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2009年6月 4日 (木)

65SYSTEMの内部構造

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65SYSTEMは多彩な組合せにより,ガイドマウントや片持ちフォークなど
発展性のあるアイテムとして昨年の冬に商品化していますが
この夏の日食用軽量機材としても大変ご好評いただいております。

その65SYSTEMの中核は回転軸ですが内部構造をご紹介します。
順番が入れ替わっていますが
写真右下のC字状に切り欠いたプレートを
写真中央の鏡筒プレートと写真左のステンレスのプレートで
サンドイッチする構造です。
3枚のプレートは高精度加工された15mmの軸で縫われ
ガタのないスムーズな回転を実現しています。
2枚のプレートはアルミで他は全てステンレス製です。

この構造を採用した最大の理由は固定の確実性です。
C字状のプレートを両端のプレートで挟み込むため
確実にロックすること,しかも締め付け時の視野の移動が少ないのが特徴です。
ガイドマウントとしては究極の構造と自負していますが
軽量なため海外遠征用システムの回転軸としても理想的でしょう。

構造上360度回転できない欠点がありますが
エクリプスパック用として改良した写真の赤緯軸用は330度回転できます。
これですと緯度30度以上の観測地であれば天球上どこでも向けられるので
実質死角はありません。

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