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2009年9月

2009年9月29日 (火)

カメラレンズ用フォーカサー

B09_09_29
このところ自宅屋上でカメラレンズ+冷却CCDカメラ(Hαナローバンドフィルター付き)
で散光星雲の撮影を楽しんでいます。
自宅での撮影ですから撮影の合間は部屋に戻って仕事もできますが
そうなると全てを部屋から遠隔で操作したくなります。

現状でも赤道儀や冷却CCDカメラは遠隔操作ができますが
カメラレンズのピント合わは手で行うしかありませんでした。
そこで,ピント合わせも遠隔で操作できるようリモートフォーカサーを作ってみました。

リモートフォーカサーと言っても写真のとおり
モーターでピントリングを回すだけで,かっこうが悪く,正に「取って付けた」状態です。
目的は十分に果たすのですがこれではあまりにもセンスがありません。

部屋からの遠隔操作までは行わなわなくとも
冷却CCDでの撮影ではカメラから離れたパソコンに映し出された
画像を見ながらピントを合わせるため,リモートフォーカサーは
必須アイテムと思いますが決定打が見いだせません。

手でピントを合わせるには最適だった,カメラレンズのヘリコイドや
望遠鏡のラック・ピニオン。
これにモーターをつけて遠隔化する発想は捨て去る方が良いのかも知れません。
ヘリコイドやランク・ピニオンとは別にピントの追い込みだけを受け持つ
第二のフォーカサーに行き着きそうですが良いアイデアはなかなか浮かびません。

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2009年9月27日 (日)

イタリア製オートガイダー

B09_09_26
お客様からの依頼でイタリアLVI社製のオートガイダー(Smart Guider)のテストを行いました。

私は銀塩時代からずっとスタンドアローンタイプのオートガイダー(Pictor201XT)を
使っているので以前からこのオートガイダーには興味がありました。

使った感じでは操作はとても簡単で,全くの初めてでありながら
セッティングからオートガイド開始まで20分もかかりませんでした。

キャリブレーションも短時間ですみますので
次回からは数分でセットアップできるでしょう。

必ずしもパソコンを必要としないデジカメでの撮影にはお勧めです。
消費電流は,12V駆動で140mA程度でした。
私が常用しているPictor201XTと同なので,12V7Ah程度のシール電池で
モータードライブと一緒に使っても一晩は余裕です。


オートガイド信号コネクターのピンアサインはAGSシリーズと合っているので
標準付属のケーブルで直接つなげます。
また,AGSシリーズはオートガイド信号が入ると4方向のボタンが点灯するので
キャリブレーションやガイド状況の確認ができます。

特に初めてオートガイダーをお使いになるお客様からは
「この機能のおかげで接続に間違いがないかすぐわかるので重宝する」
とお褒めをいただいています。
(写真はガイド鏡に振れて故意に修正信号を出した状態です)

B09_09_261
ところで今回ご紹介するイタリア製のカメラも
写真のポルトガル製の冷却CCDカメラも真っ赤!
日本の工業製品ではあまり見ない色ですがお国柄でしょうね。

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2009年9月20日 (日)

子午線越えが楽になります

B09_09_20_2
ビクセンGP系の赤道儀で天体写真を撮影されている方は経験あるかと思いますが
子午線を越えての撮影時に赤緯モーターが赤経モーター部にぶつかりそうになり
撮影を中断せざるを得ない事があります。

これは赤緯のモーターが鏡筒の前後方向に対して
90度の位置に張り出しいるためで
テレスコープイーストかウエストいずれかで子午線を越えると
赤緯のモーターが赤経モーター部と干渉します。

そこで新製品のDS65Nと取り付けアダプターを使い
赤道儀に取り付ける方向を90度ふれば
赤緯モーターが対物レンズ側に向くので干渉を防ぐことができます。

特に天の赤緯30度程度より北の天体の場合は三脚との干渉もおきにくくなるので
子午線通過後,2~3時間程度は撮影を続けられます。

DS65Nはアリガタに傷をつけずにより大型の機材を取り付けるアイテムですが
今回ご紹介する目的にも有効かと思います。

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2009年9月19日 (土)

新型(C型)鏡筒バンド開発中!

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ボーグ45ED等の60mm鏡筒用に新型のバンドを開発中です。
加工コストを抑えるため,従来の上下2分割型からC型に見直しています。
45ED等のようにバンドを上下分割しなくとも
そのままバンドに通せる鏡筒で使用できます。

アリガタ・アリミゾでの使用や,鏡筒をプレート等に固定するガイド用など
鏡筒を頻繁に着脱しないシステム向きのアイテムです。
また,2個で140gと軽量なので,少しでも軽量化したい海外遠征では
わずかですが貢献できるかもしれません。
(バンドで数10g軽くしたところであまり意味はないでしょうか)

巻き込むように鏡筒を保持するので確実に固定できます。
なお,締め付け力の関係でこの商品にはローレットネジは推奨しません。

商品名TB-60Cとして9,600円(2個一組)で10月中旬から発売予定です。

写真はビクセン規格のアリガタDP45-125にTB-60C(試作品)を取り付けた状態です。

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2009年9月16日 (水)

冷却CCDデビュー

090916
(クリックで少し拡大します)

少し前に導入した冷却CCDカメラのファーストライトです。
自宅屋上はかなり明るいのですがHαだと良く写るのですね。

入門用の小さなチップのCCD+カメラレンズですので
対象の導入が大変かと思いましたが
わずか3秒の露出で北アメリカ星雲付近の散光星雲がかすかに写りました。
明るい望遠レンズとは言え,まさか3秒で散光星雲写るとは
思ってもいなかったのでビックリです。

今回はカメラレンズと冷却CCDの接続アダプターやフィルターの取り付けなど
あり合わせで作ったのでスケアリングはかなり怪しいのですが
初めてとしてはまずまずの出来かと思っています。

また,F2開放と2.8で撮り比べましたが
Hαの単色光ですのでF2でも実用になりそうです。
これなら明るいレンズの短時間露出でHα撮影が楽しめます。


撮影データ
・カメラ:Atik314L+
・レンズ:Zuiko250mmF2→2.8
・フィルター:Baader Hα7nm
・露出:600S×4
・P-2赤道儀+Pictor201XTでオートガイド
・ダーク,フラット補正なし(と言うか勉強不足でやり方がわかりません
画像処理は全く自信がないので,レベル調整と明るさだけ行いました)

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2009年9月 6日 (日)

GP赤道儀用DS65取り付け金具

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ビクセンGPシリーズ赤道儀の鏡筒取り付け部は,独自のアリミゾ方式となっていますが
その形状は今や世界標準規格と言ってもよいでしょう。
幅の狭い棒状のアリガタを直接ネジの頭で固定する方法で
小口径屈折鏡筒では全く心配のない合理的な方法だと思います。

ただお客様によっては
直焦点撮影時などにガイド鏡なども含めた重量に対する不安や
固定ネジでアリガタに大きな傷をつける事へのご不満も多いようです。

そのようなご要望を受け,今回GPシリーズ赤道へ当方オリジナルのアリミゾ
(DS65N)を取り付ける金具を作成しました。

赤道儀への取り付けは赤道儀ヘッドのアリミゾ部
(ウォームホイールカバー,モーター取り付け金具兼用)を固定しているM6の
ネジで固定するので,改造の必要はありません。(古いGP/GP-DはW1/4インチネジ)

価格はDS65Nとセットで13,000円。DS65Nと同じ9月15日発売予定です。
商品の性格からセット販売のみですが,既にDS65をご購入のお客様には
1,500円で単体発売いたします。
なお付属する固定ネジはメートルネジ(M6)のみです。
インチネジ(W1/4)を使った古いタイプの固定ネジはご自身で手配お願いします。

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