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2009年10月20日 (火)

オートガイダーの選び方について

B09_10_20
先日もご紹介しましたが,最近は色々なオートガイダーが発売されたり
安価なWebカメラを改造して自作もできる事から選択肢が広がっています。

赤道儀の自動導入改造の際,お客様からのご質問も多いので
私なりに選び方のポイントについてまとめてみました。
私が機種ごとに実際に使用した感想をとりまとめたもので,あくまでも私論です。

・パソコン不要のスタンドアローンタイプ 
 個人的に海外遠征時も含め常用しているタイプです。
 パソコンが不要ですから,デジタルカメラや銀塩カメラでの撮影に向いています。
 条件としては消費電流が小さい事で,ガイドマウントが必須ですので
 感度は特に高い必要はないと思います。
 (パソコンがないのでモニター上でガイド星を探すことはできません。
 いずれにせよガイドマウントでガイド星を探すことになるかと思います)

 先日ご紹介したイタリア製のスマートガイダーは使いやすく
 消費電流も小さいのでお勧めです。


・パソコンを使用するオートガイダー(高感度カメラの場合)
 パソコンのモニターに写ったガイド星を選択してオートガイドしますが
 カメラの感度が高いので小口径でも暗い星を検出します。
 何処に向けてもガイド星が見つかるので撮影効率は格段に向上します。
 
 ガイド鏡を撮影鏡筒に固定できるので
 ガイドマウントのガタ等の不安要素が少なくなりますし
 小口径でもオフアキシスガイドができる点も大きなメリットです。
 MEADEのDSI Proは安価で感度も高かったのですが廃盤となってしまいました。
 
 現行商品では選択肢が少ないのですが
 写真のAtik製16-ICは比較的お求め安い価格でお勧めです。
 冷却していますが消費電流は意外と小さく,350mA(12V)程度です。
ー 消費電流は,550mAの間違いでした。09.12.17追記ー
 移動観測においては消費電流が小さいことは非常に重要ですね。
 以下のSSAG程ではありませんが軽量な点も見逃せないポイントです。
 SBIG互換の制御出力ポート(RJ11)を備えているのでカメラと赤道儀を直接繋げます。
 オートガイドソフトはフリーソフトのPHD Guidingが使いやすいようです。
 

・パソコンを使用するオートガイダー(低感度カメラの場合)
 パソコンを使うところは上記と同じですが
 カメラの感度が低いので小口径のガイド鏡ではガイドマウントが必要になります。
 随分前にご紹介しました米オライオンのSSAGは安価で超小型ですが
 比較的感度は高く,口径が8cm以上あればガイドマウント不要との報告もあります。
 また,Atik-16IC同様制御出力ポートを備えています。
 
 
・パソコンを使用するオートガイダー(Webカメラを使用する場合)
 基本的には上記の低感度カメラと同じですがなんと言っても安価です。
 フリーソフトのPHD Guidnigを使えば以下のアダプターを含めても
 10,000円程度でオートガイドができます。
 制御出力がないのでそのままでは使えませんがUSBポートから信号を取り出す
 アダプターをネット上で良心的な価格で頒布されています。
 またパソコンにパラレルポートがあればさらに安価に出力を取り出せます。
 写真右手前がWebカメラを適当なケースに入れた半自作カメラです。
 
 ソフトが日本語環境でないだけでメーカー製の1/10程度の出費で
 ほぼ同じ機能を発しますので腕に覚えのある方はチャレンジされては如何ですか?

以上を私なりにまとめると
・デジカメ等必ずしもパソコンを使わない場合はイタリア製のスマートガイダー。
・パソコンを使うならガイドマウントが不要な高感度オートガイダー(CCDカメラ)。
・徹底的に安く上げるにはWebカメラで自作。

最後に,どこを向けてもガイド星が見つかる高感度カメラは圧倒的に便利です。
特に冷却CCDで遠隔撮影する場合は,自動導入で構図を微妙に変えた後も
即座にオートガイドできますのでこの便利さに慣れると元には戻れないでしょう。

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