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2010年5月

2010年5月13日 (木)

GS-200RCファーストライト

B10_05_131_2
昨日届いたばかりですが早速GS-200RCのテストを行いました。
レデューサーの入荷が遅れているので全て直焦点です。

主な確認項目は
・眼視での光学性能
・バランス位置
・イメージサークル
・オフアキでガイド星が見つかるか

光学性能は,恒星の焦点内外像やピント位置付近での微妙な見え方を検査しましたが
かなり良いようです。まだ送られてきたままで光軸が若干ずれていることや
昨夜はシーイングが極端に悪かったので,光軸の追い込み後改めてテストしてみます。

バランスは写真の位置でとれています。使用したカメラは軽いので重たいML8300等で
オフアキを使う場合はさらに5cm~10cmほど前にずらす必要があるでしょう。

イメージサークルは下の写真のとおりです。
67のピントグラスをつけて撮影しましたが,中央の円が15φなので35mm判フルサイズ
でも問題ないでしょう。
(撮影に使った2インチスリーブ用アダプターの内径が40φ弱なのでそれで
少し蹴られているようです)
なお,バッフル内径は2インチです。初期モデルはバッフルの内径が細いそうです。

ちなみに写真の鉄塔は私の部屋や屋上から見えるので極軸望遠鏡の調整や昼間の
碍子を使った星像?テストなどで重宝しています。
B10_05_1321
心配したオフアキでのガイド星ですが問題ありませんでした。
1秒露出でも今回のテストでは全てで見つかりました。カメラはAtik-16ICです。
通常はレデューサーを使うと思うので全く問題ないでしょう。

最後に実際にオフアキシスガイド撮影したM104の写真です。
シーイングがボロボロだったのでピントのピークが全く解りませんでした。
黄砂の影響もありお恥ずかしい写真です。
ガイドも良くありませんがこれはドームに出入りした際,屋上の床が揺れたためです。

100513_2
Atik-314L+で600秒1カットのダーク,フラット補正なしです。
ノイズが少ないですね。
このカメラの良いところを見ていただきたくて載せました。(笑)
クリックでピクセル等倍で表示します。


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2010年5月12日 (水)

GS-200RC

B10_05_12
kasaiトレーディング様扱いのGS-200RCを入手しました。
ご要望が多い専用のアリミゾやフォーカッサー開発のためです。

早速,各部のつくりをチェックしたり,遠くの碍子に反射する太陽光で
光学性能をテストしましたが,いずれも素晴らしいようです。

恒星像は今夜改めて実際の星でチェックしてみますが
昼間の景色でもコントラストは高くピントもシャープです。
コントラストは9枚も配置された遮光環の効果が顕著に現れています。

クレイフォード式接眼部もリニアベアリングのようなもので保持されていて
ガタも無くしっかりしたつくりです。
これなら2~3kg程度の冷却CCDでも問題ないでしょう。
天頂に向けて接眼部に3kg程度の錘をつけても滑り出すことはなく
クランプの効きも十分のようです。
全てにおいて価格から想像するイメージを払拭させられました。

ただ直焦点では写真の状態でもピントがでません。
付属リング3個とドローチューブを最大に繰り出していますが
あと1cmほど出した位置が焦点位置です。

これはバックフォーカスを極端に大きく取った設計のためで
色々なアクセサリーが使えるなどメリットは大きいのですが
鏡筒の前後バランスは考慮が必要です。

眼視でも写真のようにアリガタの終端を固定してやっとバランスがとれる状態なので
接眼部に数kgのカメラなどが付くと前後バランスは全くとれなくなります。
レデューサーを併用すれば改善されますがそれでもバランス対策は必要です。

大型のGS-250RCは上記のバランスを専用のウエイトで解決していますが
GS-200RCは軽量のメリットを壊さないよう専用のアリミゾ(ダブテールサドル)
を開発予定です。
(GS-200RC付属のアリガタはエッジ角73度でビクセン規格の75度とは異なります)
また併せて,オフアキ内蔵のフォーカッサーの開発予定ですが
鏡筒の性能が良いので気合いが入ります。

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2010年5月 5日 (水)

40cmカセグレンの据付

B10_05_05
うちのスライディングルーフ式観測所に,40cmカセグレンを据え付けました。
この40cmは関東地方に据え付けられていたものを譲っていただいたのですが
緯度が異なるためそのままでは設置できませんでした。
今回緯度調整用のスペーサーを作り,やっと組み上げました。
(約3度傾いたスペーサーで下の写真のピラー極軸体間に挟んだ銀色の部分)

分解して輸送した赤道儀は総重量で約500kg
最大重量のピラー部が200kgほどなので
2階の観測室まではクレーンで搬入しましたが
組み立てはチェーンブロックを使い,人力で行いました。

極軸体や赤緯体の吊り上げはスライディングルールを門型クレーンとして使い
100kg近い鏡筒はやぐらを組んで吊り上げました。
ルーフを門型クレーンとして使うアイデアはルーフ製作時に考えており
吊り金具を予め設置していました。
木製のルーフですが100kg程度なら何の問題もありません。

B10_05_051
何とか設置しただけで極軸の調整や,光軸の追い込みもこれからですが
予想以上に良い星像でした。
シーイングが良かったので,40cmカセで見る土星は素晴らしかったです。

焦点距離が4,800mm(推定)もあるので直焦点での撮影は無理と思いますが
将来的にはWynneの補正レンズを使い,40cmF3のアストロカメラ(プライムフォーカス)
としても使えるように改造する予定です。
100kgの重量が物語るとおり,頑丈に作られた鏡筒です。

B10_05_052_2
観測所の全景はこんな感じです。(ルーフは半分開いた状態です)
2005年夏の着工から5年も経ちましたが
まだまだ工事中なので散らかっていますね(笑)

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