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2010年6月

2010年6月27日 (日)

日食アイテムの在庫状況

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7月11日の皆既日食まであと2週間となりましたが
ここへ来て多くの日食アイテムのご注文をいただいております。
今年の日食アイテムは観測地の関係で特に準備は行っていませんでしたが
予想以上のご注文をいただき在庫が少なくなっています。

特にボーグの45EDや50ED用の60mm鏡筒バンドは
この週末に注文が集中し,一気に在庫がなくなってしまいました。

写真のGP系赤道儀用やマークX用赤緯体も在庫は僅かになっております。
この赤緯軸はバランスシャフト側にも鏡筒を付けることができますが
スリ割クランプで抜き差しができるので確実に固定できます。

旅行の日程上,機材等の準備はお済みかと思いますが
もしも購入をご検討中の方がございましたら
発送は7月3日頃までとなりますので,よろしくお願いします。

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2010年6月25日 (金)

バックラッシュの小さい2相ギヤードモーター

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[写真左:SHギヤードモーター   右:THギヤードモーター]

オリエンタルモーターの減速機付きのステッピングモーターは
グレードの低い順に並べると以下のとおりです。
・SHギヤタイプ(平ギヤ)
・THギヤタイプ(バックラッシュ除去機構つきテーパーギヤ)
・PSギヤタイプ(遊星ギヤ)
・PNギヤタイプ(バックラッシュ除去機構つき遊星ギヤ)
・ハーモニックギヤタイプ

5相モーターではTHギヤタイプからハーモニックギヤタイプまで選択できますが
2相モーターは,一番安価なSHギヤタイプのみの設定となっています。

SHギヤは通常1~2度のバックラッシュがあり赤緯側ではその影響が大きいため
AGSシリーズでギヤードモーターを使う場合は
原則的に5相のTHギヤ以上を採用してきました。
(EM-200用のAGS-1S,1BではSHギヤを採用)

ただ5相モーターは2相と違って高価なドライバーを購入する必要があることなどから
システムとしては2相仕様より50,000円以上高くなってしまいます。
またドライバーの供給電源の関係上24V駆動となっていました。

そこで,2相でも高級ギヤ仕様ができないかメーカーに要望していましたが
ここへ来てTHギヤやPNギヤタイプを供給していただく事になりました。

THギヤタイプはSHギヤタイプに比べ,バックラッシュが1/4~1/12になるので
赤緯軸でもほとんどストレスを感じなくなります。
また,THタイプはSHタイプの約2倍の許容トルクで騒音も小さくなります。

近日中にJシリーズやEM-100用として採用しますが
お客様からのご要望の多いEM-200にも採用予定です。
EM-200への採用は,モーター内蔵スペースや極望の視野確保の関係上
ハードルも高いのですが現在試作中ですのでご期待ください。
いずれもAGS-1Sとのセットで150,000円以下を予定しています。


注:・各ギヤのバックラッシュ量はメーカー発表値ですので
   実際はこれより小さくなっています。
  ・THタイプとSHタイプは出力軸径や固定ネジサイズ
   及びギヤ比の設定が異なるので互換しません。
  ・このモーターは機器組込用としてオリエンタルモーターから供給を受けるので
   自動導入コントローラーとのセット販売のみとなります。

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2010年6月23日 (水)

冷却CCD用接続リング・2

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昨日ご紹介しました冷却CCDカメラとカメラレンズの接続部について
ご質問をいただきましたので補足します。
今日の構成はAtik383Lよりバックフォーカスが約5mm短いAtik314Lの例です。

ボーグのリング3個からなり,最後の7423はバックフォーカスの短い
Atik314LのためでAtik383Lでは不要です。
光路の微調整は7507とカメラマウント部で行っています。
(写真はボーグの型番が見えるようにリングを緩め撮影しています)

冷却CCDカメラのバックフォーカスはメーカーから公表されていますが
CCD保護ガラスの厚みやカメラのウインドウのガラス厚みが
考慮されているか良くわかりません。
また途中に何らかのフィルターが入るため最終的には実機調整が必要と思います。

さらに,以前のレンズは広角~200mm程度まではIFでなくて
レンズそのものを繰り出すためカメラ接続部は若干短めに作っておけば
レンズの繰り出しでピント合わせができましたが
最近のレンズは広角でもIFタイプなので
正確に無限位置でピントがでるように加工しないと星像に悪影響が出そうです。

下の写真は7507を60φまで加工したところを60φバンドで固定した状態です。
7522の外径も60φなのでバンド幅になるよう加工しました。

こうすることで三脚固定ネジがないAtik314Lでもカメラレンズで楽しめるうえ
カメラの回転が出きるの構図とりが容易になります。

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なお,昨日もちょっと触れましたが,ボーグのデジスコ用アクセサリーとして
カメラマウントアダプターが販売されています。
これを使うと中古の接写リングからカメラマウントを取り外したり
切断加工が不要になりますので加工はずっと簡単になります。

光路長の調整方法やバンドでの固定方法など調査後改めてレポートします。

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2010年6月22日 (火)

冷却CCD用接続リングの加工サービス

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一部の機種に限定されますが
冷却CCDカメラにカメラレンズを取り付けるアタッチメントの製作や
オフアキシスガイダーの光路長調整サービスの準備を行っています。

この種の作業は精度を要すため旋盤等での加工が必要となりますが
一般的な工場に外注する場合
加工の主旨が伝わらず,思うように仕上がらないケースもあります。

今回のサービスでは天文機器に精通した加工者が
完全にワンオフで加工しますが
既製品を流用することで,できるだけコストを抑えます。

オフアキの改造関連は後日改めてご案内しますが
カメラアタッチメントはボーグのM68.8→M57AD[7507]をベースに
・接写リング等から取り外したカメラマウントの取り付け
・光路長の調整(フィルターの有無,厚みも考慮)
・外周の一部を60φに加工し60φの鏡筒バンドで固定できるようにする
(光路長によってはボーグのカメラマウントアダプター7157も利用可能)

冷却CCDカメラとの接続は7507のM57ネジ部に無加工の7522を接続します。
7522は内部に52φのIRカットフィルター等が取りつけできます。


改造を行った実績や,実機でのピント確認の必要があるため
サービスは以下の内容となることをご了承ください。

・撮影またはオートガイド用冷却CCDカメラはAtik社製品の一部に限定
・カメラマントはCANON(EF)またはオリンパス(OM)
・カメラマウントは支給品を改造(強度の問題でCマウントアダプターは不可)
・レンズの脱着固定機能は使えない場合もあります
・オフアキの改造は写真のCELESTRONのRadialGuiderのみ
・旋盤加工なので精度は高いのですが保証はできません
 場合によっては,添付の調整用スペーサー(3/100~20/100mm)での調整が必要
・加工は既製品を旋盤で後加工するのでアルマイトの剥がれや小さなキズがつきます

カメラアタッチメントの加工,オフアキの光路長調整とも
加工費用は10,000円~20,000円程度を予定しています。


受付開始はもう少し先のことになりますが
準備が整いましたら再度ブログ上でご案内します。

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2010年6月18日 (金)

特注プレート・2

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先日は主に鏡筒バンド関連の特注プレートのご案内でしたが
今日は赤道儀にアリミゾを取り付けるための特注変換プレートについて。

赤道儀への鏡筒バンドやマッチプレートの取り付けは
M8ネジ×2-35mm間隔で,俗に言うタカハシ規格が業界標準になっています。

K-ASTECのアリミゾも同規格に準拠していますが
規格外の赤道儀にはそのままでは取り付けできません。

そこで,できるだけ多くの赤道儀でアリミゾを使っていただくために
特注プレートを受注製作しています。
今回の例はプレート直径が150φとかなり大きいのですが
これでも前回ご紹介しましたMS-4用と同じ9,000円でのご提供です。
勿論アルマイト処理付です。

DS80Lなどとの同時購入の場合に限定しますが
DS80シリーズの便利さを実感していただたくため,特別価格です。

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2010年6月 8日 (火)

特注プレート

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接眼部に重たいカメラ類を取り付けた場合に発生する前後方向のアンバランスや
屈折に比べて鏡筒径が大きい反射望遠鏡の取り付けは
アリガタ単体では対処できないケースがあります。

また,鏡筒取り付け部がM8-35mm間隔(タカハシ規格)でない赤道儀には
そのままではDS80シリーズ等のアリミゾがつけられません。

上記の対策として以前から完全ワンオフ品として特注プレート類を受注しておりますが
お客様の特注品の価格に対するご不安をなくすため
概算になりますが価格表を準備する予定です。

上記写真はアリガタと縫い合わせる特注プレートとMS-4にDS80等を取り付ける
アダプター,及びJシリーズピラー用変換アダプターの特注品です。

プレートは60×300×12tで9,000円,MS-4用アダプターも9,000円です。
特注の目安としてください。勿論アルマイト処理を含んだ価格です。
(上記の参考価格はアリミゾ等と同時にご発注いただいた場合で
単品の場合は別途発送等の経費が必要になるので30%hほどアップします)
ご注文時に簡単なスケッチをいただければそのとおりに製作いたします。

アルマイト処理無しでもお請けしますが,上記程度のサイズの場合
処理費用は1,000円もかかりませんし,サイズが変わっても大差はありません。
美観もさることながら表面の硬度が増すので処理をお勧めします。

さらに幅の広いプレートの場合
プレートとアリガタ固定ハンドルが干渉する事もありますが
対策として円形ハンドルの採用やシャフト長の変更も承っております。

以下はε180ED用の特注ベースプレートとトッププレートです。
ベースプレートはDP80シリーズとの縫い合わせ用で
トッププレートはTB-80等の鏡筒バンドがそのまま取り付けられます。
いわゆる親子ガメスタイル用です。

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2010年6月 7日 (月)

Atik383L+とカメラレンズの組み合わせ

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昨日に引き続き冷却CCDカメラ関連ですが
Atikの383L+はバックフォーカスが17mmと短いので
フィルターホイールとカメラマウントの接続部を少し工夫すれば
フランジバックの短いカメラレンズでもLRGB撮影ができそうです。
高性能のカメラレンズならKAF8300の持つ能力を引き出せると思うので
実写は少し先になりそうですが超広角レンズで夏の銀河を狙ってみます。

ところでAkikのカメラはノーズ部が円形ですが
この383Lや11000は90φなので私のオリジナルの鏡筒バンドがそのまま使えます。
カメラにW1/4インチネジもありますが
バンドの場合,カメラが回転できるので構図取りが容易になります。

なおこの改造は個人のテスト用として特別に行ったものです。
マウントは極限まで薄く加工しているのでレンズのロックが使えないことや
フィルターホイールに直接加工するなど
商品として販売できるレベルものではありません。

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消費電流も比較的小さいのでバッテリーでの運用も可能ですが
電源に関する実機テストを行いましたので記します。

消費電流は12Vで最大1.8Aです。冷却していない時は0.35A。
外気温-40度Cに設定した時は(室温約25度Cで設定-15度C)
80%ほどのパワーで制御しました。
PWM制御ですので,短時間でON-OFFを繰り返し正確で安定した制御です。
風量の大きいシロッコファンは冷却能力が高いように感じます。
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なお,写真のAtik純正フィルターホイールは31.7mmのねじ込み式ですが
IDASの31mm枠無しフィルターを使えるアダプターを作りました。
ゴーストレスのRS-2フィルターが使えます。(31.7mmねじ込み式も同時に使えます)
有効径は28mmほどですが写真のようなカメラレンズの場合蹴られは無いと思います。

このアダプターは多めに作りましたので余剰があります。
興味のある方はご連絡ください。
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2010年6月 6日 (日)

ATIK 3兄弟

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3タイプのAtik冷却CCDカメラを並べてみました。いずれもモノクロカメラです。
・高感度低ノイズのSONY製ICX285(BJ41Lと同CCD)を搭載したAtik314L+(140万画素)
・35mm版フルサイズのKAI11002を搭載し,水冷もできるAtik11000(1100万画素)
・人気のKAF8300を搭載したAtik383L+(830万画素)。新製品!

この3機種はCCDサイズが約4倍(面積)ずつ異なっています。
手前右の314Lと左の11000のCCDサイズの大きさは面積で約16倍も違います。

ピクセルサイズや総画素数の違いから,それぞれに特徴があるので
組み合わせる光学系や撮影対象により使い分ける必要があるかと思いますが
一番小さなAtik314L+でも対象が小さい系外星雲や球状星団などでは十分です。
上位機種に比べ写野は狭いのですが高感度でノイズが少ないので
対象によっては賢明な選択にもなります。

現在Atik製品はこのところのユーロ安でさらにお求め易くなっております。
Atik314Lは210,000円と大変お買い得です。
またAtik383Lのワンショットカラーは283,500円です。

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2010年6月 1日 (火)

オートガイダーの性能比較

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もう10年以上も前から使い続けているお気に入りのPictor201XTは
最新のパソコンを使ったガイダーに比べ性能が劣るのか気になっていました。
最近StarLight Xpress製のSXVガイダーを入手したので
この機会にガイド性能の比較テストを行いました。

比較したのは以下の3機種です。条件を同じにするため全てタカハシの
H-40型ガイド鏡(D40mmF6)につけています。
2機種の比較時は残りの機種で評価しましたのでそれなりに定量的です。

 A:Atik-16IC+MaxImDLまたはAstorAtr
 B:Pictor201XT
 C:SXVガイダー+MaxImDLまたはAstorArt

たとえばAtik-16IC+MaxImDLまたはPictor201XT何れかでのガイド状況を
SXVガイダー+AstorArtで監視する方法でテストしましたが
顕著にわかるような差はありませんでした。

それぞれのオートガイダーやガイドソフトは補完処理で
CCDのチップサイズよりずっと小さいガイドを行っているようですが
差はわかりませんでした。

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高感度なCCDカメラとパソコンを使かったオートガイドは構図を変えても
新たなガイド星が見つかるのでほんとに便利です。ガイドマウントは全く不要です。
今回テストしたStarLight Xpress製のSXVガイダーは31.7mmのスリーブ
と同じ外径で驚く程の小型ながら感度はAtik-16ICと遜色ありませんでした。
メインの撮影用カメラとケーブル1本で繋げるので便利です。

一方,今回のテストでPictor201XTの性能と便利さも再認識しました。
パソコン不要で低消費電流。
Picor側と導入用アイピース側(倍率は約10倍)は光路を分割した上で
両者の光軸やピントを完全に固定しているので
アイピースでガイド星を導入すれば即オートガイドできます。
ガイドマウントは必要ですがこの便利さも捨てがたいです。

写真は左からAtik-16IC,Pictor201XT,SXVガイダーをつけた
タカハシH-40型ガイド鏡(一部改造)です。


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