« 2010年7月 | トップページ | 2010年9月 »

2010年8月

2010年8月30日 (月)

NGC281(カシオペア座)

100830
クリックで拡大表示

・Atik-383L+ -15度C,15分露出の4枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・タカハシTOA-150+TOAレデューサー,バーダーHαフィルター(7nm)
・MXⅡ赤道儀,Atik-16ICでオフアキシスガイド


一昨日のペリカン星雲と一緒に撮ったカシオペア座のNGC281です。

現在,TOA0-150に試作したフォーカサーはMAMIYAのAPOレンズ用に使っているので
ファーストライトは手でピント合わせしました。
F値が5程度なので手動でも何とかなるのですが,ピント調整時は常に
ドローチューブクランプを締めたり緩めたりせねばならず面倒です。


そこで早速ドローチューブのツマミ部にモーターを取り付けました。
モーターと取付け金具類は赤道儀用の流用ですが
ハーモニックドライブとタイミングベルト駆動なのでバックラッシュはありません。
もちろんクランプしなくともカメラの重量でズレ落ちることはありません。

小口径望遠鏡のラック・ピニオン式ドローチューブは,構造上回転や遊びがあるため
電動化してもバックラッシュが多くて使いにくいのですが
TOA-150のドローチューブ部はしっかりした作りなので充分実用になりそうです。

今回のフォカサーは計算上,モーター1ステップ約1μm駆動します。
繰り返し再現性は10μm以下のなので,20~30μmオーダーでのピント調整はできそうです。
また,β-SGRでもコントロールできるのでセミオートフォーカスやフォーカス解析も行えます。

B10_08_30


|

2010年8月29日 (日)

TOA-150 ファーストライト

100829
クリックで拡大表示

・Atik-383L+ -15度C,10分露出の6枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・タカハシTOA-150+TOAレデューサー,バーダーHαフィルター(7nm)
・MXⅡ赤道儀,Atik-16ICでオフアキシスガイド


このところカメラレンズ+Hαフィルターで散光星雲の撮影を楽しんでいますが
もう少し拡大撮影したくてTOA-150で撮ってみました。

TOA-150はレデューサーを付けてもFは5.7(標準状態)なので
いつものカメラレンズに比べ3絞り分も暗くなります。
写りを心配しましたが,1時間の露出でもそこそこ写ってくれました。

なお,少しでも明るくするために写真のように
レデューサーとカメラの間を標準状態より長くとっています。
レデューサーからCCD面までは約130mmもあり
これ以上長くすると現状の鏡筒ではピントがでなくなる限界付近です。
たぶんF5近くまで明るくなっていると思います。

オフアキはシュミカセ用を改造して使っているので口径が小さいのですが
ケラレはないようです。フィルターは31.7mmのねじ込みタイプを使用しています。

左上(ペリカンを狙う獣の目に見えるあたり)と右下のピント位置が違いますが
原因は何でしょうね?この写真で推測すると数百ミクロンはずれているようですが。
F2のカメラレンズはあまり気にならないのでCCDのスケアリングではなさそうです。

B10_08_29


|

2010年8月27日 (金)

コリメーターの高性能化

B10_08_27
コリメーターでカメラレンズのテストを行っていることは以前ご紹介しましたが
色々なレンズで遊んでいるうちに手持ちの天体望遠鏡もみてみたくなりました。

早速,写真の小型フローライトなどをテストすると焦点像がわずかですがいびつです。
変だなと思い望遠鏡を回転させてみてもそのいびつな像は回転しません。
そうなんですね~テストされる側がコリメーターよりずっと高性能なので
コリメーターのレンズの収差が見えているようです。
試しにコリメーターのレンズを回転させるといびつな星像が回転するので
間違いないでしょう。

そこでコリメーターの鏡筒部分をFC-60に交換し高性能化を図りました。
FC-60は小型望遠鏡の中では圧倒的に高性能機です。
日食時にしか出番がなくいつも遊んでいたのでちょうどよかったです。
(FC-60の左側が取り外したコリメーターの鏡筒です)

これでFC-50を検査すると綺麗な焦点像がみえるようになりました。
また,カメラ用の望遠レンズをテストすると以前より良くなったものもあります。
望遠鏡と同じで高性能なカメラレンズはコリメーターより上だったのでしょう。

------------------------------------------------------------

この性能アップしたコリメーターは
この秋に西はりま天文台で開催される「星空研究会」に持参します。
夜の部のお遊び程度ですが,お手持ちのカメラレンズをテストしたい方は持参ください。
中心像のみの検査ですがレンズの組み込みズレや圧迫,色収差などが良くわかります。またどの程度絞るとシャープになるかも把握できます。
(仮マウントでも絞れる機種のみですが)

ただし当日準備するマウントは以下のみです。
下記以外は変換アダプターが必要です。
・CANON EF,OLYMPUS OM,MAMIYA645,PENTAX645,PENTAX67

なお中判レンズは,たまたま変換アダプターを所有しているので持って行きますが
レンズの設計が35mm用よりラフなので,極一部を除き満足な結果は得られないと思います。

|

2010年8月23日 (月)

望遠レンズの保持

B10_08_23
望遠レンズにはレンズを三脚に固定するための台座がついていますが
長時間露出する天体撮影においては強度に不安があるものが多いようです。

特に重量級のレンズでは露出中に自重でずれることが多いようですが
私のZuiko250mmF2の台座は比較的しっかりしているので
これまで不具合は感じませんでした。

ただこれからさらに長時間露出で淡い天体を狙いたいので
念のために重たい前玉付近をバンドで固定することにしました。

最初は既成のバンドで代用できないかいろいろ試してみましたが
鏡胴が大きいためちょうど良いものはなく結局ワンオフで作ることになりました。
ピッタリに作ったので少し緩めればレンズの回転も容易です。

通常ワンオフの加工費は量産品の2~3倍になりますが
GS-200RC用のバンドと一緒に加工したので割安でした。

|

2010年8月22日 (日)

SH2-129(ケフェウス座)

100822_2
クリックで拡大表示

・Atik-383L+ -15度C,10分露出の8枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・Zuiko250mmF2開放+バーダーHαフィルター(7nm)
・MXⅡ赤道儀,5cmF8ガイド鏡+Atik-16ICでオートガイド

SH2-129は淡いのでやや強めに処理しました。
対象が丸く広がっていることもあり中央集光が目立ちますねフラット補正せねば~。

薄明が残っている内に青空フラットを撮ろうと思っているのですが
一杯やっているといつの間にか空は暗くなりチャンスを逃すのです。


|

2010年8月20日 (金)

サドルの西側(はくちょう座)

100820
クリックで拡大表示

・Atik-383L+ -15度C,10分露出の4枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・Zuiko250mmF2開放+バーダーHαフィルター(7nm)
・MXⅡ赤道儀,5cmF8ガイド鏡+Atik-16ICでオートガイド


はくちょうのサドルの直ぐ西の領域です。
この付近はメジャーな濃い部分の北側にモヤモヤとした淡いガスが広がっているので
まとめて撮ろうと思いましたがダメでした。構図ミスです。
まとまりを良くするためにはもう少し南,モヤモヤを撮るならずっと北ですね。
またリベンジします。

ところで左下の濃い暗黒部はオオカミの口に見えませんか?
上下逆ですが,私には大きな口を開けて右上を睨んでいるように見えます。


この写真は撮り溜め分ですが昨夜も撮影しました。
昨夜は良く晴れていましたが非常に蒸し暑く
空は水蒸気で霞んでいたので他のシステムのテストにとどめました。
ただドームは暑くても涼しい別室からリモートで操作できるので快適です。
昨日紹介したとおり,赤道儀は大きくシフトしているので
ドームでのケラレも心配なく撮影できます。

|

2010年8月19日 (木)

赤道儀の据え付け位置シフト

B10_08_191

B10_08_192

先日少しふれましたがドーム内の赤道儀位置を大きく北へシフトしました。
予め南北にシフト出きる床構造にしていましたので簡単な作業です。

一般的なスリットタイプのドームでは赤道儀はドームのほぼ中央に据えますが
私のドーム(国際光器様扱いのPOD)はドームの半分が開くタイプなので
中央に据えると天頂付近が見えなくなります。

そのためこの春の据え付け時から南側にシフトしていましたが
北アメリカ星雲などの北に寄った対象は
高度が高くなるとドームでけられ長時間の撮影ができませんでした。

今回,北へシフトしたことで緯度が20度より北の天体はドームを開くだけで
長時間の連続撮影ができます。全天のうち,北側の2/3ほどは撮影できます。
このドームは運用上の制約はありますが
ドームを回転せずに6時間以上も撮影できるのは大きなメリットです。

ぎょしゃの散光星雲を撮り終えてオリオンに移るまではしばらくこの位置です。

写真でカメラが向いているのは北東でこの方向には大きな町はなく比較的暗い空です。
概ねM31付近の緯度ですね。

|

2010年8月18日 (水)

SH2-119(はくちょう座)

100818_2
クリックで拡大表示

・Atik-383L+ -15度C,10分露出の8枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・Zuiko250mmF2開放+バーダーHαフィルター(7nm)
・MXⅡ赤道儀,5cmF8ガイド鏡+Atik-16ICでオートガイド

昨日は北アメリカ星雲の南側をアップしましたが今日は東側に広がるSH2-119です。
ペリカン星雲と同じくらいの大きさですが
普通は北アメリカ星雲とペリカン星雲を並べて撮るのであまり写されないようです。

昨日の南側もですが,2倍ほど広い写野で撮ると北アメリカなどと一緒に入りそうです。

昨夜も撮影しましたがこのところの好天続きでかなり撮り溜めできました。
レンズの明るさにものを言わせただけの撮影で,フラット補正も行っていませんが
難しいことは抜きにして楽しんでいます。

|

2010年8月17日 (火)

北アメリカ星雲 南付近

100817
クリックで拡大表示

・Atik-383L+ -15度C,10分露出の8枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・Zuiko250mmF2開放+バーダーHαフィルター(7nm)
・MXⅡ赤道儀,5cmF8ガイド鏡+Atik-16ICでオートガイド

8月7日に撮影した北アメリカ星雲の南に広がる散光星雲です。
この当たりのICやSHナンバーがないのか調べてみましたがわかりませんでした。
北アメリカ星雲(NGC7000)やペリカン星雲(IC5070)も含めて
このあたり全てがSH2-117なのでしょうか?

散光星雲が入り組んていて結構見応えがありますね。
150mm程度で撮ると北アメリカ星雲と一緒に入りますが
かなり明るさが違うので私には上手に処理できないようです。
北アメリカの一部は完全につぶれていますので。

|

2010年8月16日 (月)

銀塩レンズのデジタル適応 -個体差比較

銀塩レンズのデジタル適応 -個体差比較
カメラレンズは特に個体差が大きいのですが実例を紹介します。

撮影条件は異なりますが,α社製300mmF2.8の同一機種2個体で撮影したサンプルで
中央付近を400×300ピクセルで切り出います。全て絞りは開放です。

不良な個体はメーカーでレンズエレメントを1枚ずつ交換しながら
出きるだけ改善したとのことですが,良好な個体と比べればまだ不満が残る星像です。

以下の掲載写真はお客様からご提供いただいたものです。


【良好な個体の例】
B10_08_161

【不良な個体の例 : メーカー修理前】
B10_08_162


【不良な個体の例 : メーカー修理後(レンズエレメント交換)】
B10_08_163


|

2010年8月15日 (日)

銀塩レンズのデジタル適応 「Tele-Apotessar 400mmF4」

100815_2
【Tele-Apotessar 400mmF4開放,バーダーIRカットフィルター使用】
 クリックで拡大表示

・Atik-314L+ 0度C,5分露出の8枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・MXⅡ赤道儀,5cmF8ガイド鏡+Atik-16ICでオートガイド
-------------------------------------------------------------------

銀塩時代のカメラレンズは冷却CCDなどのデジタルデバイスで撮影すると
次のようなケースが多いようです。
・残存色収差により星が紫色に写ってしまう(モノクロでは星像が肥大する)
・レンズの芯ズレや圧迫により,星像が丸く写らない
・CCD面に対して斜めから焦点を結ぶため周辺光量が低下する

ただこれらの中にも,高級な天体望遠鏡と比べれば劣るものの
充分実用になるカメラレンズもあるのでいくつか紹介したいと思います。
手持ちレンズの紹介なので望遠レンズに限りますが
天体望遠鏡と比べれば軽くて扱いやすく,明るいなどのメリットがあります。
今回紹介する,Tele-Apotessar400mmF4は
望遠鏡で言えば10cmfl400mmですが,長さ292mmで重さは3,5kgと小型軽量です。

-------------------------------------------------------------------

既にOLYMPUSのZuiko250mmF2はHα写真で度々紹介していますが
基本的に赤外カットフィルターのみで撮影した中心部のピクセル等倍を紹介します。
色収差による星像の肥大やレンズ圧迫等による星像の歪みの度合いを中心に
調査していますので周辺像の確認は行いません。
(一般に望遠レンズは中心像が良ければ周辺像も満足出きるレベルのようです)

-------------------------------------------------------------------

今回紹介するのは,ZEIZZのTele-Apotessar400mmF4で本来CONTAXマウントですが
CANONのEFまたはTマウント(M42P0.75)に改造したものです。説明書には
「EDガラスを2枚使い色収差は殆どない...テレアポテッサー中,最高を極めた...」
と記載されています。ほぼ新品状態でしたが破格値で入手した中古です。

撮影結果でも色収差による星像の肥大は少なく
星もほぼ丸く写っているのでこれならデジタルでも使えそうです。
ピントはもう少し追い込むことができると思うので再度テストしてみます。
天体望遠鏡に比べればシャープさは明らかに劣りますが
撮影対象や目的によっては良い選択肢になると思います。

-------------------------------------------------------------------

ここで紹介するのは結果が良かったもの(=手元に残ったもの)だけです。
たまたま“当たり”のレンズの可能性もあります。
特にカメラレンズはレンズ圧迫等の個体差が大きいので注意が必要です。
すでに10本以上のレンズで確認しましたが多くの個体は予選落ちしています。

|

2010年8月13日 (金)

今年のペルセウス座流星群

B10_08_13
今年のペルセウス流星群は月周りが良かったので期待されたのですが
残念なことに全国的にあまり天気は良くなかったようです。
九州中部はまずまずの予報で,小学一年生の孫も連れて観測所に出かけました。

綺麗に晴れていたかと思うとすうっと星がガスで見えなくなってしまう
微妙な天気でしたが,肝心な流星はなかなか流れません。
23時から26時前まで粘りましたが,例年より少ない出現だったようですね。

遅くまで起きていられずに寝てしまった子を
活発に流れだしたら起こしてやろうと思っていましたが
結局朝までぐっすり寝かせてやることになってしまいました。

いつかはこんな流星群(2001.11.18-19日)のしし座流星群)を見せてやりたいものです。

|

2010年8月 9日 (月)

夏らしい天気が続きます

100809_1
今年の夏はほんとうに暑いですね。
朝から抜けるような青空が広がり“夏らしい天気”が続いています。

毎日のように午後になると雲が広がり時には夕立がきますが
暗くなるころには綺麗に晴れて翌日の午前中まで晴れています。

梅雨開け直後は夜遅い時間にならないと雲がとれませんでしたが
最近は早い時間から撮影できる日が続いています。

このところ自宅でのHα写真にすっかりはまっていて
毎日のように寝るのが遅くなりますが
今年の夏はこの天気でセミも元気いっぱいです。
毎朝早くから大合唱で遅く寝た私を起こしてくれます。

左奥の緑の家が自宅で,白いドームが屋上に乗っています。
時にはこのドームの壁でも合唱していますよ。

|

IC1805 ハート星雲

100809
クリックで拡大表示

・Atik-383L+ -15度C,10分露出の4枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・Zuiko250mmF2開放+バーダーHαフィルター(7nm)
・MXⅡ赤道儀,5cmF8ガイド鏡+Atik-16ICでオートガイド


一昨日の夜撮影したハート星雲です。
ハートのイメージがわかりやすいよう90度回転しています。(写真の右が北)

このところ明るいカメラレンズ+Hαフィルターで散光星雲撮影を
楽しんでいますが,撮影対象がどんどん北の極に近くなってきたので
思い切って赤道儀の設置場所を変えました。

これで長時間ドームとの干渉を気にせず撮影できます。
はくちょうから,ケフェウス~カシオペア~ぎょしゃまで
散光星雲はいっぱいあるので暫くは楽しめるでしょう。


ところで,モノクロばかり撮っているとそろそろカラーにも挑戦したくなりました。
そこで昨夜はカラー撮影に使えるレンズのテストを行いました。

Zuikoの圧倒的な明るさはHα撮影には向いていますが
さすがにカラーでは色収差が目立ちます。
また星像もいまいちなのでカラーには使えそうにありません。

昨夜は手始めにルーリン彗星で活躍してくれた
Tele-Apotessar400mmF4をテストしました。
ノーフィルターでも十分シャープなのでLRGB撮影に使えそうです。

カメラレンズは望遠鏡に比べシャープさに欠ける事はよくわっているのですが
なぜかカメラレンズが好きなのです。
最終的には重たい望遠鏡を引っ張り出すことになるかもしれませんがしばらくは
好きなカメラレンズのテストです。

|

2010年8月 7日 (土)

M8,M20と 肉球?星雲

100807
クリックで拡大表示

・Atik-383L+ -15度C,10分露出の4枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・Zuiko250mmF2開放+バーダーHαフィルター(7nm)
・MXⅡ赤道儀,4cmF6ガイド鏡+Atik-16ICでオートガイド
 (途中ガイドの不具合で構図が変わったのでコンポジットがずれています)


先日の網状星雲の前に撮ったM8,M20付近です。

猫好きの妻に“肉球星雲”というのがあると言ったら
ぜひ撮影して欲しいというので
この時期,随分西に傾いていたのですが,何とか40分撮影できました。


でも肉球はカラーでないとそれらしくないですね。
来年までにはRGB合成をマスターして再チャレンジしなくては。

100807_1
比較用に(笑) 昼寝中のうちの猫の手。
暗黒肉球とでも言いましょうか。この子は真っ黒けの肉球をしています。


|

2010年8月 5日 (木)

網状星雲

100805
クリックで拡大表示

・Atik-383L+ -15度C,10分露出の6枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・Zuiko250mmF2開放+バーダーHαフィルター(7μm)
・MXⅡ赤道儀,4cmF6ガイド鏡+Atik-16ICでオートガイド

昨夜は久しぶりに良い天気でしたので網状星雲付などを撮りました。
珍しく早い時間から快晴だったので,21時過ぎには撮り始め
1時過ぎまでに欲張って4天体も撮影しました。そのうちの1つです。

自宅屋上でのHα撮影なで撮影も処理も簡単です。
画像処理は良くわかっていないのですが
その昔中心付近で超新星が爆発した残骸であることはわかるようです。


Atik-383L+の冷却温度設定は-15℃で撮影していましたが
このところの猛暑で21時頃でもドーム内は30℃以上あります。
冷却する前のCCD温度は31℃もあったので-15℃はギリギリでした。


少しですがカメラと冷却CCDのスケアリングを触ってみました。
気のせいか星像は若干良くなったようです。

Hαフィルターは枠付の31.7mmを使っています。
有効径は27φ程ですがカメラレンズなのでケラレは少ないようです。
ただ光学系の周辺減光が目立つのでフラット補正をしなくてはいけないです。
明らかに中央がポッカリと明るくなっていますね。

|

2010年8月 2日 (月)

EM-200用低バックラッシュモーターユニット

100802
先にブログで紹介しておりました低バックラッシュモーターを組み込んだ
EM-200用モーターユニットが完成しました。

EM-200赤道儀は,安価なPM型モーター仕様と
強力かつ高速駆動が可能なハイブリッドモーター仕様の2タイプがあります。

PMモーター仕様の機種は
・非自動導入タイプのEM-200,EM200B,USD
・自動導入タイプのTemma2J等でこれらの赤緯体は初期のままです。

一方,ハイブリッド仕様はモーターの背が高いことから
初期の赤緯ハウジングでは極軸望遠鏡の視野が遮られるためため
赤緯ハウジングを大きくしています。”J”の付かないTemmaタイプです。


今回開発しましたEM-200用低バックラッシュモーターユニットは
EM-200の初期型をハイブリッドモーター仕様に改造するもので
極軸望遠鏡の視野は完全に確保しています。
しかも低バックラッシュモーターユニットを採用する事で
通常のSHギヤタイプと比較して1/4~1/8程度*のバックラッシュです。
赤緯のレスポンスが格段に改善されます。
(*ほぼ同じサイズ,ギヤ比のPK-243A1-SG18と今回採用したモーターを
比較した値,メーカーカタログ値)


開発では赤緯用の駆動軸を延長し,さらにモーターをX,Y軸方向に傾ける
レイアウトを採用することで
・極軸望遠鏡の視野確保
・赤緯モーターとパネル取り付け部との干渉防止
・軸延長機構で発生するバックラッシュの排除を実現しました。

延長機構にはバックラッシュが発生しないユニバーサルカップリングを採用し
延長軸受けは2個のベアリングで保持しています。
ここに僅かでもガタがあるとバックラッシュの原因になるためです。

極軸望遠鏡の視野を確保するだけならギヤの組み合わせで交わす事もできますが
それではバックラッシュの小さいモーター使った意味がなくなります。
総合的にバックラッシュを排除する設計です。


この低バックラッシュ仕様モーターは自動導入コントローラーとの
セット販売を行います。発売開始は9月20日の予定です。

使用するコントローラーのタイプのより3機種からお選びいただけます。
・EM-200用AGS-1S with低バックラッシュモーター:148,000円
・EM-200用AGS-1B with低バックラッシュモーター:163,000円
・EM-200用AGS-10(2P) with低バックラッシュモーター:198,000円

またAGS-1L等からのアップグレードサービスも準備中です。
さらにNJP用,GP-D用等,低バックラッシュモーターも逐次発売開始します。

100802_1


|

2010年8月 1日 (日)

GS-200RC用アリミゾ その後

B10_08_011
先のブログで紹介しましたGS-200RC付属のアリガタは
エッジ角がビクセン規格から若干異なっているため
専用アリミゾの開発を検討しておりましたが
下記の理由からアリミゾの開発は断念しております。
ご期待いただいた方には大変申し訳ありません。

・GS-200RC付属のアリガタのエッジ角は約73度ですが
 この角度のカッターは標準に無いため,カッターを特注する必要がありました。
 需要数から見てカッター代金を商品価格に織り込むと
 大幅な価格アップになってしまいます。

・GS-200RCは極端に主鏡側が重いうえ,バックフォーカスが長いので
 重たい冷却CCDを取り付けた場合の重心位置はアリガタの範囲を逸脱します。
 アリミゾと鏡筒の取り付けを何らかの方法でオフセットする必要があり
 新たなオフセットプレートが必要になります。強度も要求されます。

・私が購入したGS-200RCには上記のアリガタが付属していましたが
 今後付属アリガタの仕様変更の可能性もあり
 もし仕様が変更されれば開発は無駄になってしまいます。


そこで簡易的な代案として写真のようにGS-200RC付属のアリガタに
DP80シリーズのアリガタを縫い合わせる方法をとってみました。
既にDS80シリーズをご使用のお客様には資産を有効活用できます。
DP80シリーズをご注文時にGS-200RC用アリガタをお送りいただければ
無償で縫い合わせ用タップ加工を行います。
ただこの方法の場合極端に重たいカメラの場合オフセットの問題があります。

また,重量級カメラ搭載用として専用鏡筒バンド(TB232L)も製作中です。
鏡筒バンドで固定した場合,強度の高いアリガタを使えば大きなオフセットが可能です。
(GS-200RCのアリガタにDP80を縫い合わせる場合はGS-200のアリガタの
ねじれが懸念されるため大幅なオフセットには不向きと思われます)

専用鏡筒バンドは内径232mmで板厚12mmからフライス加工品です。
他のTBシリーズ同様の形状ですがコストを抑えるため上下同一形状です。
従いまして片側のバンド締め付けは底面側からとなります。
表面処理もプレート等との兼ね合いから銀梨地メッキ処理です。


TB-232Lの価格は49,000円で限定10台分製作中です。完成は8月末の予定です。
このバンドはε180EDやR200SSでもご使用いただけますが
ε180ED用には板厚20mmからの削りだしたTB-232も製作中です。

他機種でも使える事から既に3台分の予約が入っていますので
残りは7台分となっています。売り切れの際はご了承ください。
(ε180ED用のTB232は限定品ではありません)

|

ドーム内の湿度対策

B10_08_021_4
このところ猛暑が続いていますが湿度も非常に高くなっています。
さすがにこれほど暑くて湿度が高いとドーム内に設置したカメラレンズや
冷却CCDへの影響が気になります。
自宅屋上なので機材を降ろすこともできますが再設定が面倒なので
ほとんどは設置したままなのです。


温度は外気を導入すれば40度を越えることはないのですが
湿度は除湿しないとどうにもならないので写真のように局部除湿を行っています。
ドーム内全体の除湿となると換気ができないうえ
除湿器でさらに温度を上げてしまいますからね。
(クーラーを入れれば問題ないのですが)

局部除湿といっても,ピラーに除湿器を取り付け
鏡筒までスッポリと大きなビニル袋で包んでいるだけです。

この除湿器は工業製品で制御盤などの除湿用なので信頼性の高いものです。
工業用なのでかなり高価なものですがオークションで2,000円でした。しかも新品!
これでも湿度は50~60%に保てます。
消費電力も12Wなので温度上昇もなく何よりエコですね。

B10_08_022


|

« 2010年7月 | トップページ | 2010年9月 »