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2010年9月

2010年9月30日 (木)

EFレンズ用フィルターホイールアダプター

B10_09_301
以前ご紹介しました,カメラレンズ用のフィルターホイール(FF)は
光路長の制約から,カメラマウントを旋盤で薄く削ったり
FFにタップ加工を行うなど,とても商品レベルではありませんでしたが
ブログを見ていただいた方や知人から同様の製作依頼があったので
写真のようにFFの蓋部をそっくり交換する方法に変更しました。

レンズの電子接点部とFFの開口径の関係で
FFの蓋をそのまま使うとマウントをかなり嵩上げしなくてはなりませんが
専用としたことでこの分光路長が稼げます。
また後加工による精度低下も防げますし安価にもなります。

FFにフィルターを装填する時に一端蓋は外すので手間は変わりません。

B10_09_302
カメラマウント部はBORGのEOS→M57AD[7157]から外して取り付けます。
カメラのロック機構は使えませんがこのマウントは作りが良いため
ロックはなくとも不安はないようです。

FF蓋にはマウント取り付け用のM1.7のタップ加工も施していますので
後加工は不要です。(マウントは90度毎に回転させて付けることも可能です)
なおEF以外のマウントでは確認がとれていません。

B10_09_303
真横から見るとこんな感じです。
Atik-383LとIDASの4mm厚フィルターの組み合わせでは
FF付属の接続リング+α(シムでの微調整代)でピントが合います。
Atik-383L以外の機種でも383Lよりバックフォーカスが短かければ
つかえる思いますが,実機で確認を行ったのはAtik-314Lのみです。

この蓋(アダプター)はAtik製の31.7mm用FF専用ですが
少し多めに製作中なのでご希望の方には12,000円でお譲りします。

写真の試作品は未処理ですがお譲りするのは黒アルマイト処理つきです。
シムリングとカメラマウントは含みません。

写真ではわかりにくいのですが全てマニシングセンターでの加工で
高精度な一体構造としております。

またマント部に調整用スペーサーを挟むことでスケアリングの調整もできます。
ご希望でしたら以前ブログで紹介したものを別途1,000円でお譲りします。


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2010年9月25日 (土)

ZUIKO DIGITALの試写結果

100925_1
・Atik-383L+ -15度C,5分露出の5枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・ZUIKO DIGITAL 150mmF2開放,バーダーHαフィルター(7nm)
・MXⅡ赤道儀,FC-50+Atik-16ICでガイド

昨夜,ZUIKO DIGITAL 150mmF2で試写した北アメリカ星雲付近です。
サイズが大きいのですがKAF8300の2537×3362ピクセルでアップしました。

月齢16の月があったうえ,雲が多かったので5分×5枚ですが
さすがにF2だけあって良く写ります。

中央やや左より(メキシコ西の洋上?)がジャストピントで,右上が後ピン
左下が前ピンです。試写は焦点面が約100μm傾いた状態で行っています。
隅のピンボケでも丸くなる(特に後ピンで)のは面白いですね。
一般撮影でいう「ボケ味」が綺麗なのでしょう。

ピント位置では微光星はシャープで明るい星も丸く写っています。
銀塩のZUIKO250mmF2とは比較にならないほど高性能です。


フォーサーズ規格は通常の35mmカメラに比べフランジバックが短いのですが
このレンズは単体ではピント合わせができないので
カメラとの接続部に合焦機能も組み込まなくてはなりません。

昨夜の実写結果,17.5mm*内にフォーカサー機能とフィルターホイールを
入れなくてはなりません。
*:カメラはAtik-383,2mm厚フィルター使用,カメラマウントの厚みは含まず

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2010年9月24日 (金)

最新デジタルレンズの性能

100924_2
このところ銀塩時代の古いレンズがデジタルでも生かせないかと色々なレンズを
テストしていますが今日はデジタル用に設計されたレンズをテストしてみました。
古いレンズを評価するには最新の高性能レンズの性能も知っておくべきでしょう。

デジタル用レンズも各社から発売されていますが,紹介するのは個人的な好みで
ZUIKO DIGITAL 150mmF2です。

ZUIKO DIGITALはフォーサーズで2,000万画素に耐える設計とのことで
さすがに素晴らしい星像です。
写真はノーフィルターですが色収差による星の肥大もなく全面でシャープです。
なにより星がまん丸に写るのが気持ちよいです。

このレンズは専用のボディにつけないとピントも絞りも操作できないので
冷却CCDDでの撮影には工夫が必要です。

今回はピント位置調査のため,あり合わせで簡単な合焦装置を作って
テスト撮影しました。
スケアリングは100μmほどもずれていますが性能はご理解いただけると思います。

撮影はAtik383L+で30秒露出です。(満月ですので限界でした)
全くのノーフィルターで中央と四隅をピクセル等倍で切り出しています。

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ところでカメラレンズに個体差があるのは当たり前のようで
「当たり玉」とか「外れ玉」とか呼ばれているようです。
色々テストして感じるには,古い設計のレンズでも当たり玉であれば
デジタルでも充分実用になるものもありますが
逆に有名メーカーの最新の高性能レンズでも星像に不満の残る
外れ玉が存在していると耳にします。

最新のデジタル設計とうたっても,現実に製品の個体差があっては
意味がないと思うのです。
星の撮影はレンズにとって厳しい条件であることはわかりますが
歴然とわかる個体差があり,外れ玉なのが明らかなのに
(=設計どおりの性能が出ていない)「メーカー基準値内だから異常なし」
と言われても納得できないですよね。

もしもZUIKO DIGITALにも個体差があるとすれば
今回紹介したレンズは明らかに「当たり玉」のようです。

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2010年9月21日 (火)

SH2-171,NGC7822(ケフェウス座)

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・Atik-383L+ -15度C,10分露出の10枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・MAMIYA L500mmF6開放,バーダーHαフィルター(7nm)
・MXⅡ赤道儀,FC-50+Atik-16ICでガイド


SH2-171とNGC7822はカシオペア座とケフェウス座の境界付近にある散光星雲です。
いずれも淡いので(北側のNGC7822は特に淡い)明るい望遠レンズで狙いたいところ
でしたが,昨夜は満月前の大きな月があったので暗いレンズで撮影してみました。
F6の100分では全く露出不足で荒れています。

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この写真もMAMIYAの67用レンズを使用していますが銀塩時代の67の定番といえば
PENTAX67でした。
私は早い時期に35mm判から67に移行したため,
35mmのレンズは極僅かしか手元に残っていませんが
67はまだまだ銀塩での可能性がありそうなのでそのまま残しています。

これらの資産をデジタルでも生かせないか一部のレンズで試してはいますが
写真をアップ出きるほどの結果は得られていません。
35mmより解像度が低いことは想定していましたが残念ですね。

ご紹介しているMAMIYAの67用APOレンズはデジタルでも充分楽しめます。
先日ご紹介しました250mmF4.5は,PENTAXの同じような焦点距離のレンズなら
3~4本は買えるほど高価なものでした。
高性能で個体差が少ないのは当然かもしれませんがこれらの中古品は安価です。
天体望遠鏡用のレデューサー程度の価格で入手できます。

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2010年9月18日 (土)

銀塩レンズのデジタル適応 「MAMIYA RZ67 ULD M50mmF4.5L」

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・Atik-383L+ -15度C,15分露出の8枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・MAMIYA ULD M50mmF4.5L開放,バーダーHαフィルター(7nm)
・MXⅡ赤道儀,FC-50+Atik-16ICでガイド

MAMIYA RB/RZ67用の締めくくりは(中判では)広角の50mmです。
このレンズは広角でありながらその名の示すとおりUDガラスとLDガラスが使われた
色収差の少ないレンズです。
レンズ構成は11群15枚と単焦点としては異常に多くなっています。

50mmの焦点距離でF4.5と暗いのでラージフォマットにこだわらなければ
35mm用を絞った方が明らかにシャープでしょう。
特にデジタル設計のマクロレンズのシャープさには遠く及ばないと思います。

ただ,中判用の広角レンズでデジタルでも星が丸く写るのは極まれです。
これも将来のラージフォマット冷却CCDに備えて
確保しておく価値のあるレンズかと思います。

画面下部のかぶり補正が上手にできませんでしたので後日再処理してみます。

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月は大きいのですがこのところ毎日のように透明度の良い夜空です。
最初にセッティングすれば,後はリモートで監視しながらの撮影ですので
仕事と両立できます。
昨夜は20時から24時までの撮影中は新型モータードライブの図面を書いていました。


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2010年9月17日 (金)

銀塩レンズのデジタル適応 「MAMIYA RB67 L500mmF6L」

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・Atik-383L+ -15度C,15分露出の8枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・MAMIYA L500mmF6開放,バーダーHαフィルター(7nm)
・MXⅡ赤道儀,FC-50+Atik-16ICでガイド

引き続き銀塩時代の望遠レンズでRB67用のL500mmF6Lです。
7群7枚のレンズ構成の内,超低分散ガラス2枚,異常分散ガラスを4枚も
使った超色消しレンズです。カラーは以前写真を見てください。

このレンズもカメラレンズとしてはトップクラスの性能です。
望遠鏡で言えばボーグ77EDやSKY90,FSQ85EDと良くにたスペックになりますが
さすがにFSQ85EDなどのシャープさには遠く及びません。

全長27cm,重さ2.3kgなので海外遠征には重宝しそうです。
このレンズも広いイメージサークルなのでラージフォマットで使ってみたいです。

色々なレンズの性能を探って楽しんでいますので構図は問わないでください(笑)
いつも長辺方向を赤緯軸に合わせていますが
さすがにこの対象では90度回転すべきでした。

そういえばどなたかのブログで拝見しましたが
当地の方はカリフォルニア星雲を「島根県星雲」と呼んでおられるとか。
私も以前からカリフォルニア半島のイメージが沸かなかったので
島根県星雲に一票です。ちゃんと宍道湖もありますしね。

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銀塩レンズのデジタル適応 「MAMIYA RZ67 Z250mmF4.5」

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・Atik-383L+ -15度C,15分露出の7枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・MAMIYA Z250mmF4.5開放,バーダーHαフィルター(7nm)
・MXⅡ赤道儀,FC-50+Atik-16ICでガイド

一連の銀塩時代の望遠レンズの紹介ですが今日はRZ67用の250mmF4.5です。
超低分散ガラス2枚,異常分散ガラス1枚を使ったAPOレンズで
構成は5群7枚とシンプルです。

テストのため比較しやすいよう同じ対象ばかりになってしまっています。
(ちょっと構図を南に振ってみましたがもう少し北の方が良かったようです。
またホットピクセルの処理がまずく見苦しくなっています)


開放F値が4.5なので,Zuikoの250mmF2比べると2絞り以上暗いのですが
FS-60C+レデューサーとほぼ同じスペックなので天体望遠鏡なみの明さでしょう。

空の明るい自宅のうえ,月も大きいのでナローバンドでの撮影ですが
非常にシャープです。明るい星もまん丸に写ります。
Zuikoと同じ焦点距離ですが星像がシャープなので写真が引き締まりますね。

また,先日の645用A200F2.8はカメラレンズとしては良好な星像ですが
これはカメラレンズとしてはトップクラスで天体望遠鏡に迫る星像です。

以前カラーでも撮影していますが色収差も感じません。


最近のデジタル設計のレンズならこれよりシャープなものもあるかと思いますが
このレンズが67用であることが重要と思います。
今回撮影したフォーサーズの4倍(面積で16倍)のイメージサークルを有しているので
小さく見積もっても,35mmフルサイズや45mm×45mm程度なら余裕でしょう。

やがてラージフォマットの冷却CCDカメラも安価になるかと思いますが
そのとき対応するカメラレンズがなくなっていると困りますからね。

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2010年9月15日 (水)

接眼部撓みの検証

B10_09_151
このところGS-200RC調整の記事ばかりですが
乗りかかった舟?で今回はクレイフォード接眼部の撓みを調べてみました。
結果にある程度の定量性を持たせるためダイヤルゲージで計測しています。
なお,計測は簡易的なのでダイヤルゲージステーの撓みなど
それなりの誤差がありますので参考程度とお考えください。

方法は上記写真のとおり,接眼部固定部(クランプ部)と
カメラのCCD面付近の相対位置をダイヤルゲージで計測しました。
カメラ周りの重量は1.3kg,ドローチューブの繰り出しは22mm位置です。


B10_09_152_2
結果は上の写真とおりで最大で,8/100mm(80μm)撓んでいます。
・左が天頂を向いた時で撓みゼロ位置(基準位置)
・右が水平を向いた位置で撓み最大点

2時間程度の撮影での姿勢変化では上記の1/4ほどなので
撮影への影響はないと思います。ただガイドはオフアキが前提となるでしょう。

また,ピント合わせの関係上ドローチューブのロックは外していますが
繰り出し方向は上記よりさらに少なくなっています。

B10_09_154_2
ついでに鏡筒がどの程度撓んでいるかを測定したのが上の写真です。
基準点がアリガタ面なので参考程度ですが
天頂を向けるた状態から写真の状態にすると25/100mm(250μm)も撓みます。

GS-200(250)RCはバックフォーカスが異常に長いので
バッフル部へかかるモーメント荷重でカーボン鏡筒が変形したためでしょう。
上記の3倍にもなるでドローチューブよりこの影響が出ないか心配ですね。
(オフアキガイドなので流れることはないと思いますが
視野の傾きで四隅の星像に微妙に影響がでるかもしれません)


9月16日追記
上記の件で光学設計に詳しい方に訪ねたところ接眼部の傾きは大した問題ではないが
主鏡も同時に傾いていればその影響は大きいとのことでした。
写真の位置で250μmなので主鏡端付近では光軸に対して100μmほど傾きます。

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2010年9月14日 (火)

GS-200RCの光軸調整 その4

100914


・Atik-383L+ -15度C,10分露出の6枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・KASAI GS-200RC,バーダーHαフィルター(7nm)
・MXⅡ赤道儀,Atik-16ICでオフアキシスガイド


昨日までの調査で,GS-200RCの周辺星像悪化の原因は
ドローチューブ繰り出し部の傾きと光軸のズレであることまではわかったので
それぞれの調整後の確認を行いました。

光軸調整は副鏡のセンターマークも完全に同心円になるように
主鏡と副鏡で追い込んでいましたが
実際に恒星を見ると焦点像の明るい点が大きくずれていて全くダメです。

明らかに副鏡が合ってない症状なので恒星像で再調整したところ
副鏡のセンターマークは元の位置(光軸調整その2の位置)に戻ってしまいました。
やはり代理店推奨のとおりこのマークは無視したほうが良いみたいです。


今夜は霞が酷く2等星も良く見えないほどでしたが
調整後の星像確認のため撮影してみました。
まだ完璧とは言えませんがほぼ満足のゆく星像に近づいたみたいです。

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光軸調整とは関係ありませんが
今回の写りは9月3日のTOA-150の写りには全く及ばないようです。
TOAは露出時間が半分ですがずっと濃く写っています。
空の状態も似たような状況だったので
わざわざGSで散光星雲を撮ることもないようですね。

撮影後さらに光軸を追い込みたかったのですがシーイングが悪く
300倍の倍率では焦点像が見にくいので今夜は止めました。

シーイングは悪かったのですが,300倍でもジフラクションリングが
見えるのでGS-200RCは基本性能が高いことは間違いないと思います。
反射式全てに言えることですが
十分に性能を引き出すためにはそれなりの調整や手を入れることは必要です。
数時間の調整で方向性が見えてきたので
後は少しずつ追い込めばさらに素晴らしい星像を見せてくれそうです。

なお私のカメラの重量ではクレイフォード接眼部への不安は全くありません。
この写真のようにピントのロックも取り外しています。

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2010年9月12日 (日)

GS-200RCの光軸調整 その3

B10_09_12
先日からGS-200RCの光軸調整を行っていますが
例の副鏡センターマークの調査中に
ドローチューブ繰り出し部が傾いていることに気づきました。

写真の状態で銀色の大きなローレットナット部より上の接眼部を回転させると
繰り出し部(2インチスリーブ部)は130μm程度傾いていました。
角度では0.13度になります。
もちろん繰り出されない固定部は無視できる(10μm以下)レベルです。

フォーサーズの画角ではこの130μmがそのまま影響するわけではありませんが
F8でも影響するレベルです。

B10_09_121
傾きの方向から原因がドローチューブを保持する
リニアベアリング部にあることは容易にわかったので
レールやリニアベアリングの保持を調整し10μm程度の傾きまで追い込みました。

こうやって1つずつ解決してして行けばやがて素晴らしい星像を得られるでしょうね。

今回は傾きを調整するためにダイヤルゲージを付けていますが
100μmも傾いていると見ただけでもわかります。
ドローチューブを全部繰り入れた状態で固定部との間隙が均等になりませんので
四隅の星像が均一にならない方は一度点検されることをお勧めします。

ちなみに2インチスリーブ部もそのままでは遊びが大きいのですが
100μmはそのレベルより遙かに大きい傾きです。

B10_09_122
このドローチューブは写真のレール部のみで保持されていますが
ガタの少ない優れた構造です。

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副鏡のセンターリングマークが同心円にならない件と
今回のドローチューブ傾きの関連性はわかりませんが
今回の調整後,主鏡(接眼部も一体)と副鏡の光軸を互い調整すれば
副鏡のセンターも合う点が見つかりました。
入荷時の状態と比べると主鏡も副鏡も大きく動かすことになりますが
晴れたら実際の星像で確認してみます。
もしかするとこの調整が正しいのかもしれません。

それから,良く考えてみると主鏡の調整で接眼部も一緒に動くのは
GS-200RCに限ったことでないですね。
一般的なカセグレン式はみんな同じ?かもしれませんが
主鏡の調整で接眼部も動くと,接眼部と副鏡の相対関係も動くので
調整は厄介ですね。

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2010年9月11日 (土)

GS-200RC光軸調整 その2

B10_09_11
昨日,主鏡や副鏡が同心円になるように主鏡の光軸調整を行い
その後のテスト撮影ではかなり改善されましたが
眼視で恒星像を観察するとまだまだずれていました。

そこで,恒星像を観察しながら
(焦点外(内)像で主鏡を,焦点像で副鏡を)調整しました。

ほぼ満足行くところまで調整できたのですが
どう調整しても焦点付近の星像がやや伸びているので
副鏡センターマークのことが気になります。
副鏡は球面でないのでやはりセンターリングは必要と思うし
当然中心にマーキングされているでしょう。
ただ,構造上副鏡のセンターリングはできないようなので
一度分解してみたいと思ってます。

写真は恒星像を観察しながら主,副鏡を合わせた状態です。
カメラ位置の影響で同心円から少しずれていますが
センターリングアイピースでは副鏡のセンターマーク以外は同心円です。
なお,センターマーク(中央上部やや右寄りの黒い丸)がわかりるように
露出しているのでスパイダーは殆ど写っていません。

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GS-200RCの光軸調整

100911
昨日の写真で片側が大きく流れたのは,やはり主鏡の光軸ズレが原因のようです。

ファーストライト時はあまり気づきませんでしたが接眼部にカメラなどの
荷重がかかったことでバッフル(=主鏡)が僅かに傾いたのかもしれません。

接眼部から覗く簡易的な方法で主鏡を調整し,テスト撮影したのが上の写真です。
周辺部は昨日よりかなり良くなっています。
ただ今夜はシーイングが悪いためか微光星は昨夜よりぼけていますね。

雲が多くなったので撮影は止めて,星を見ながらさらに主鏡の光軸を
追い込みました。
簡易的な方法で調整しただけでは実際の星で確認するとまだずれています。

また焦点付近で中心の明るい点が中心から外れるので
副鏡の光軸もずれているようです。
これも焦点付近の星像を見ながら調整しました。

観測所の40cmカセグレンもそうですが
接眼部から同心円になるように調整しただけでは眼視に耐える調整はできません。
眼視に耐えれば写真には問題ないと思うのですが
調整と試写を繰り返し検証するしかないと思っています。

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2010年9月10日 (金)

GS-200RCセカンドライト 失敗例

B10_09_10
昨夜は素晴らしい天気でした。
透明度も良く,自宅でこれほど秋の銀河が見えることは珍しいほどでした。
曇る心配もなかったので放置撮影したのですが結果的にそれが良くなかったようです。

GS-200RCは届いた時に恒星を使って光軸確認を行いましたが
副鏡が少しずれている程度だったので特に調整はしていませんでした。
(接眼部から覗いて主鏡や副鏡が同心円からずれるほどの大きなズレではありまん)

ファーストライトでは四隅が回転状に延びていたので
念のために2インチスリーブなどを再調整してのセカンドライトでしたが
結果はご覧のとおり片側が大きく放射状に伸びています。


F8直焦点なので接眼部のスケアリングが少々ずれた程度ではこれほど伸びることは
考えにくいので光軸がずれたようです。
朝起きてから覗いてみると確かに主鏡と副鏡は同心円からずれていました。

放置撮影なので中央でピント合わせした後は撮影画像をチェックしなかったので
全て伸びた写真となってしまいました。

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GS-200RCの(250も?)主鏡保持はバッフル部で行っていますが
バッフル部と接眼部は一体構造のため
主鏡の光軸調整ネジでは鏡筒(副鏡)に対して主鏡と接眼部が一緒に動きます。

つまり主鏡の光軸と接眼部(=像面)の調整はできないのです。
シュミカセのように主鏡が球面ならこれでも良いのでしょうが
RCの主鏡は球面ではないのです。
疑問はのこりますがFが大きいので主鏡の光軸が合えばそれで充分なのでしょう。

また副鏡にセンターマークが打ってありますが,私の個体はかなりずれています。
副鏡の光軸調整では傾きしか変わらないので,輸入業者に訪ねたところ
センターマークは無視して欲しいとのことでした。

いずれにせよ光軸を触ってみてどのような結果になるかテストしてみます。


原因が光軸か断定はできませんが失敗例としてアップしておきます。

100910_2
・Atik-383L+ -15度C,10分露出の10枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・KASAI GS-200RC,バーダーHαフィルター(7nm)
・MXⅡ赤道儀,Atik-16ICでオフアキシスガイド

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2010年9月 8日 (水)

銀塩レンズのデジタル適応 「MAMIYA 645 A200mmF2.8」

100908_1

・Atik-383L+ -20度C,15分露出の3枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・MAMIYA 645A200mmF2.8開放,バーダーHαフィルター(7nm)
・MXⅡ赤道儀,FC-50+Atik-16ICでガイド

銀塩時代の望遠レンズの紹介ですが今日はMAMIYAの645用200mmF2.8です。
明るい星が肥大したり,少しいびつに写りますが,微光星はシャープです。
ナローバンドでの撮影結果ではありますが
難しい事を言わなければデジタルでも充分に楽しめるレンズです。
今回はレンズの性能をみていただくため,KAF8300のピクセル等倍
(2537×3362ピクセル)で掲載しました。

ここ2~3日は幾分涼しくなったので-20度まで冷却できるようになりました。
もっと撮りたかったのですが雲の飛来が多く15分×3カットになりました。


このレンズは半年ほど前,新品を定価の1/5ほどで投げ売りしていましたが
作りも良く高級感のあるレンズです。
IFでないのでレンズの固定に一工夫必要ですが,645用なので
将来のラージフォーマットCCD用として保有しておくのも良いでしょうね。


以下は以前EOS KissX2で撮影したカラーで中央部のピクセル等倍です。
少し色収差はありますが開放でも充分実用になるレベルでしょう。
(好みの問題ですが,私は明るい星が「コンペイトウ」や「ウニ」みたいに写るのは
あまり好きではないので,できることなら絞らずに使いたいのです)

100908_2
レンズと冷却CCDの接続は,間に合わせに作ったもので
写真のように接写リングと適当なM42P0.75のリングを接着しただけです。
フランジバックも適当なので写真の位置でピントが合います。
(このレンズはヘリコイドで全レンズが移動するのでピントが合えさえすれば
光学性能上は問題ないのですが)

手持ち機械での加工なので,5/100程度の誤差(傾き)はあるかと思いますが
4隅の星像もまずまずです。F2.8なのでこの程度でも実害はないようです。
ピントはパソコンのモニターを見ながら普通に手で合わせました。

B10_09_08
接写リング側の上部バンドを外して撮影しています。

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2010年9月 4日 (土)

TOA-150 VS GS-200RC

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・TOA-150+TOAレデューサー+Hαフィルター(7nm),10分露出×3枚コンポジット

100904_1
・GS-200RC+Hαフィルター(7nm),10分露出×4枚コンポジット


Hα撮影に限ってですがTOA-150とGS-200RCの比較を行ってみました。
GS-200RCはファーストライトなのでオフアキガイドの調整などで手こずりました。
レデューサーをつけたいのですがまだ入荷しませんのでF8直焦点です。

撮影日が違ったり,露出時間もTOAは30分,GSは40分と同一条件ではありませんが
ある程度は参考になると思います。
TOAでの撮影した一昨日は雲が多く透明度も悪かったのですが
GSで撮影した昨夜は快晴で透明度も良かったです。

TOAの実効F値は6弱,GSの実効F値は10弱程度でしょう。
予想していたこととはいえ,気軽に楽しむには3倍の差はあまりに大きいようです。
やはりGSは当初の計画どおり明るい天体用と割り切った方が良いみたいで
Hαだと1~2時間しか撮影できない平日の夜では全くムリです。

ちなみにZuikoで40分露出した場合はこのような写りです。
GSと同じ撮影条件ですが,軽い処理なのでずっと滑らかです。

なおこの2枚の写真から計測したTOA150の焦点距離は860mmでFは5.7になりました。
バックフォーカスをギリギリまで長くしているのでメーカーのシステムチャート
を参考にすればF5.3近くなっていてもよいのですが?
GS-200RCの焦点距離が公表値と違うハズはないのでなにか間違っているようです。

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2010年9月 3日 (金)

北アメリカ星雲 南部

100903
・Atik-383L+ -15度C,10分露出の3枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・タカハシTOA-150+TOAレデューサー,バーダーHαフィルター(7nm)
・MXⅡ赤道儀,Atik-16ICでオフアキシスガイド


昨日の昼間は良い天気だったので期待していたのですが
夜は雲が多く透明度も悪い空でした。
ペガサスの四辺形が良く見ないほどでしたが撮影してみました。

雲の襲来で8カット中使えるのは3カットで,さすがにトータル30分では露出不足です。

ただ透明度の影響はそれほど強く出ていないようです。

このような環境での写り方を残す意味でアップしておきます。

ところで先日のブログにリモートディスクトップの調子が悪いと書きましたが,なんといつの間にか操作される側のPCのIPアドレスが,「xxx.xxx..xx..10」から,「xxx.xxx..xx..5」に変わっていました。こんな事ってあるのでしょうか?

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2010年9月 1日 (水)

IC1396の一部拡大(ケフェウス座)

100901
クリックで拡大表示

・Atik-383L+ -15度C,10分露出の7枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・タカハシTOA-150+TOAレデューサー,バーダーHαフィルター(7nm)
・MXⅡ赤道儀,Atik-16ICでオフアキシスガイド


8月30日に撮影したIC1396の一部拡大です。
当日は近くに満月過ぎの月がいましたが
透明度が良かったせいか影響はあまりないようです。

最近TOA-150で撮影していますがさすがにシャープですね。
明るさを稼ぐため,レデューサーとカメラ間の距離を最大源まで伸ばしていますが
星像への影響はないようです。
それでも実効F値は5程度なのですがコントラストが高いので
淡い散光星雲は予想以上に写ってくれます。

ただ,私のTOA-150は眼視で恒星像を詳しく見ると僅かな光軸ズレがわかります。
そのうちじっくり時間をかけて調整したいのですが
写真では全く問題ないのでしばらくはこのまま撮影を続けても良いかとも思っています。

ところでこの日からドームのパソコンが
リモートディスクトップでつながらなくなってしまいました。
以前も時々調子の悪いことがあったのですが原因がわかりません。
無線LANで接続していますが電波の強さとか関係あるのでしょうか?

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