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2010年12月

2010年12月31日 (金)

ステッピングモーター駆動のSX赤道儀

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本年最後の記事となりましたが締めくくりも改造関連です。

今回のSX赤道儀や以前ご紹介しましたNEWアトラクス赤道儀は
当初からスターブックやSS-2000PCなどの自動導入機能が組み込まれていて
パソコン無しで操作できるなど素晴らしい製品です。

ただSX赤道儀に搭載されているスターブックは子午線を越える観測では
鏡筒の東西入れ替えを行うため,長時間の連続撮影においてはやや不便で
常に子午線をまたがないような撮影を強いられるようです。

今回はそのような不便を解消したいお客様からのご依頼で
ステッピングモーター駆動のAGSシリーズに改造しました。

採用したモーターは一連のバックラッシュの少ないTH型モーターですが
専用プレートを介し赤道儀側には一切の加工を行わず換装しています。

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純正のモーターに比べバックラッシュが極端に小さくなるうえトルクも大きくなります。
もちろん子午線越えでもそのまま撮影を継続できます。
(子午線を越えた位置で鏡筒の入替えなしでもアライメントの取り直しもできます)

なお,今回は長時間撮影時の不便解消と,修理してもモータートルクの関係で
特定の方向で追尾が出来なくなる個体だったために
お客様のご要望で改造しています。
スターブックやSS-2000PCの性能やDCサーボモータードライブを否定するような
改造ではありません。

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今年も一年間,色々なアイテムや改造機器とそれらを使って撮った写真などを
ご紹介させていただきました。
中にはアイデア倒れ?と思えるものもありますが
来年も懲りずに色々アイデアの実用化にトライするつもりです。

中には最近紹介していますカメラレンズ関連の改造マウントやフォーカサーなど
「商品」レベルの完成度でないものもありますが
「自作用パーツの頒布」と言うスタイルを継続して行きたいと思っています。
頒布品は原則的に性能の保証や使い方などの詳細なフォローは行えませんが
まとめて作ったパーツの加工費を実費頒布しますので格安となります。

ただ,個人で1個作るのでは加工が高額になるものを何台かまとめて作るものなので
限られた機器専用となることをご了承ください。
また,申し訳ありませんが,単品での加工は受注しておりませんのでよろしくお願いします。

今年一年ありがとうございました。また来年もよろしくお願いします。

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2010年12月26日 (日)

LRGB撮影用カメラレンズ

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モノクロ冷却CCDカメラで,LRGBフィルターやナローバンドフィルターを使って
撮影する場合,フィルター毎のピント合わせなどからフォーカサーがないと大変です。
これはカメラレンズを使って撮影する場合も同じです。

ライブビューでピント合わせするデジカメならピントリングを直に手で操作した方が
合わせやすく,フォーカサーの必要性を感じられないかとも思いますが
冷却CCDでは離れた場所にあるパソコンのモニターを見てピントを合わせるため
至難の業です。

そのようなことから,知り合いの依頼でカメラレンズ用フォーカサーを作っています。
ただカメラレンズはレンズにより外形は全く異なるので機種ごとに作ったのでは
設計やコストの観点で大変です。今回はレンズを固定して作ることにしました。

そこで選んだレンズは,星像のシャープさもさることながら
フォーカスモーターをつけるために適した外観のCANON EF100mmF2.8Lマクロです。

このレンズは写真のようにほぼ寸胴で,フォーカスモーター固定とプレート固定用の
バンドがつけやすい形状です。

早速専用バンドを作ったのでレンズを固定してみました。
このバンド上部にフォーカス調整用ステッピングモーターを配置します。
(写真はイメージで置いただけです)

この EF100mmF2.8Lマクロ用フォーカサーは,写真のAtik製カメラを使った場合と
FLI社製の一部のカメラ用として製作しています。
その特殊性から頒布の予定はありませんが材料は少し多めに作っていますので
興味のある方はHPからご質問ください。
なお,カメラ側の固定は実機で確認する必要があることから
上記以外の冷却CCDカメラは対応できないことをご了承ください。

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2010年12月23日 (木)

かに星雲(SAO合成) 

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・Atik-383L+ -25℃,S2,Ha,O3各:600S×4枚 ダーク,フラット未補正
・タカハシTOA-150+TOAレデューサー,バーダーS2,Ha,O3フィルター
・MXⅡ赤道儀,Atik-16ICでオフアキシスガイド

12月始めの新月頃は何日も良い天気が続きましたがその時に撮影したものです。
M42の高度が高くなるまでにSAO合成の練習に撮ってみました。

初めてSAO合成しましたが色が良くわかりませんね。
明らかに赤が弱く,赤くなかったら「カニ」じゃないですよね。しいて言えば「ソラマメ」?

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2010年12月21日 (火)

頒布用FSQ-106EDフォーカサー完成

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先に頒布をご案内しておりましたFSQ-106ED用フォーカサー(頒布品仕様)が
完成しました。ご予約いただいた方には年内にはお届け予定です。
また来年以降も引き続き頒布しますので詳細はHPの限定品を参照ください。

上記写真は約2kgのウエイトをかけての実機テストの様子です。
1ステップで約2μm駆動します。
THギヤのモーターなので,バックラッシュは3~4ステップ(6~8μm)程度です。
実際の運用では殆ど気にならないレベルでしょう。

同様のシステムで運用した経験から,5ステップ(10μm)単位での
ピント合わせを推奨しますがその場合,バックラッシュは1操作分に収まります。
帰りは1操作多くするとほぼバックラッシュ分が補正された動作になります。

また懸念した荷重でのずり下がりも皆無です。
写真でウエイトを持ち上げる方向に駆動した後放置しても移動はありませんでした。

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ラック・ピニオン式のドローチューブを駆動するフォーカサーの開発は
バックラッシュ等の観点から一旦は見送っていました。
ただ,個人的には2相仕様に改造したハーモニックギヤのモーターで運用し
充分に実用になる事は確認していました。
安価なうえ,オフアキが使える事が大きなメリットです。
撮影中にドローチューブのクランプは締めませんが
オフアキならガタによるガイドミスもありません。

そこへ,モータードライブ用としてハーモニックほどではありませんが
バックラッシュの小さい2相のモーターを入手できるようになったので
安価なドローチューブを駆動するフォーカサーを頒布することにしました。
製品としての完成度はないので,あくまでも自作用部品の頒布といたします。


以下はまだテストレベルですがFS-60C用のフォーカサーの案です。
原理はFSQ-106ED用と同じですが,鏡筒バンドのトッププレートを使って取り付けます。
この方式だと鏡筒への加工やサイドへの出っ張りを防げます。
このクラスのドローチューブはFSQ-106EDやTOAに比べるとガタなどが大きいのですが
取り付ける機材もそれほど重たくないので大丈夫でしょう。
写真のようにオフアキガイドですと撮影中の僅かなズレはガイドでカバーします。

試作後テストを行い,結果が良ければこれも頒布予定です。
フォーカスモーター取付対応のトッププレートを準備し今回のFSQ-106ED用より
かなり安価になる予定です。鏡筒バンドは現在発売中のものをそのまま使います。
テスト結果次第ですが,SKY90やFSQ-85EDへも適応も視野にいれています。

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*このトッププレートにはファインダー取付タップ加工を行いますので
 ファインダーは使えますが,親子ガメ式のガイド鏡には対応できません。

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2010年12月14日 (火)

AGS-1Lからのアップグレードのご案内

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既にHP等でご紹介しておりますが,先月からEM-200用の
バックラッシュレスドライブ(BLD)を発売しております。

BLDは高トルクでバックラッシュの小さいハイブリッド型ステッピングモーターを
採用しているため,従来機種のAGS-1L等で採用しているPM型に比べ圧倒的な
トルクと優れたレスポンスを発揮します。

高負荷時や低温時のトルク不足が解消されるのと同時に
従来バックラッシュがオートガイドに影響していた赤緯側も
ほぼ赤経同様のレスポンスとなりガイドが安定します。


AGS-1Lをご購入いただいたお客様には直接メールでご案内しておりますが
一部のお客様についてはメールが送れない状況ですのでこの場でご案内いたします。


アップグレードは現在ご使用中のAGS-1Lを53,000円(ご購入価格の約80%)
でお引き取りし,一式新機種に交換させていただく方式です。
中古リニューアル品(50,000円)をお買い求めのお客様も同額でお引き取りします。


交換後のコントローラーは以下の3タイプからお選びいただけます。

写真手前中央が
・一体型のAGS-1Sで主に移動観測でのご使用を推奨します。
写真左が
・ハンドコントローラー分離型のAGS-1B主に固定観測用です。
写真右が
・AGS-1Sや1Bに比べさらに振動を少なくしたAGS-1Zで惑星観測に最適です。

下取り後の一式ご購入価格は以下のとおりです。

・EM-200用AGS-1S_BLD 一式アップグレード価格: 95,000円
・EM-200用AGS-1B_BLD 一式アップグレード価格:110,000円
・EM-200用AGS-1Z_BLD 一式アップグレード価格:135,000円

なお送料は別途実費をお願いします。

いずれも組み込み調整を行いますので一端赤道儀をお預かりさせていただきます。
赤道儀のお預かり期間は約2週間ほどです。
なお赤道儀のオーバーホールをご希望の場合は別途17,000円でお受けいたします。

アップグレードのお申し込み期間は,12月末日までで
改造作業は受付順に行います。
全てのお客様の改造が完了するのは来年2月末を予定しております。

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2010年12月12日 (日)

Tele-Apotessarでのバラ星雲

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・Atik-383L+ -25度C,10分露出の7枚コンポジット,フラット,ダーク補正なし
・Tele-Apotessar400mmF4開放,バーダーHαフィルター(7nm)
・MXⅡ赤道儀,FC-50+Atik-16ICでガイド
 クリックで1269×1681ピクセルに拡大表示


昨日ご紹介しましたカメラレンズ用の簡易フォーカサーを取り付けた
Tele-Apotessar400mmF4で撮ったバラ星雲です。
Haのあと,OⅢやSⅡも撮りたかったのですが24時前にはすっかり曇ってしまいました。

簡易的なリモートフォーカスですが充分実用になりそうです。
Haの単色光なのでレンズの収差は目立ちませんがピントはそれなりにシビアです。
結構シャープに写っていると思いませんか?

カメラレンズのヘリコイドは,今回の例のように簡単にリモートフォーカス化が
可能な場合があります。
望遠鏡のラック・ピニオンよりもずっと適合しやすいようです。

天体望遠鏡専用の高性能フォーカサーには遠く及びませんが
手で合わせるよりずっと高精度ですし,本来の目的である遠隔操作も快適で
何よりも安価です。

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2010年12月11日 (土)

カメラレンズ用フォーカサー 原点回帰版?

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またフォーカサー関連ですが,カメラレンズ用フォーカサーは
カメラマウントと冷却CCD間を微調整するタイプで既に運用しています。
このタイプはピント合わせの際のバックラッシュから解放されることや
フォーカサー自体にスケアリングの調整機能を持っていることなどの
大きなメリットがありZuiko250mmF2では満足の行く結果を得ています。

一方,限られたフランジバック内に取り付けるため,レイアウト上の制約が多いことや
フィルターホイールが使えないなどのデメリットがあります。
当然ですがカメラボディは使えません。

最近自宅では15cm屈折にナローバンドフィルターを使った撮影を楽しんでいますが
15cmはF5.6と暗いため一晩では撮りきれない状況でした。
本来は1作品?に何夜もかけるべきでしょうが,当面はお手軽路線で楽しみたいので
明るいカメラレンズの出番です。
現在使っているタイプはフィルターホイールが付けられないので
結局原点に帰ってレンズのヘリコイドをモーターで回してみることにしました。

試しはZEIZZのTele-Apotessar400mmF4で以下のようにモーターをつけています。
(このレンズはEFマウントまたはM42の何れかで使用できるよう改造しています)

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モーターはレンズを付けたアリガタに固定し,タイミングベルト駆動です。
こうするとレンズの回転もできます。(回転でピントも移動しますが)
モーターをレンズとアリガタ間に納めているので運搬時も安心です。
写真では解りづらいのですが,レンズ側に裏返したタイミングベルトを付けているので
ベルトのスリップはありません。

この方式は,ヘリコイドとモーターギヤのバックラッシュがあるので
ピントの追込みには少しコツがいりますがリモートフォカサーとして充分実用になります。
モーターを配置するスペースさえあれば大抵のレンズに適合できそうです。
(レンズ保持の観点から望遠系ではIFでないと適合しづらいようです)

以下はこのシステムで昨夜試写(Ha)した馬頭星雲付近です。

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強風でガイドが暴れたせいか星像はやや甘くなっていますが
リモートでのピント調整は快適でした。
これで15cmでははみだしてしまうバラ星雲をSAO合成で撮れそうです。

なおこのタイプのフォーカサーはレンズによってモーターの取付方法が異なるので
部品の頒布予定はありません。
ただ,手持ちの関係で設計可能なPROMINAR500mmF5.6Lに関しては検討中です。

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2010年12月10日 (金)

FSQ-106ED用頒布品のフォローです

昨日ご案内しましたFSQ-106DE用フォーカスモーターユニットについて
ご質問がありましたのでフォローさせていただきます。

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フォーカスモーターユニットの頒布品は上記写真のとおりです。

バックラッシュの小さいTH型モーターはお尻に専用金物でコネクターを付けています。
内部配線済みです。モーターのコイル仕様は4.2Ω,0.95AでPK-243**と同じです。
モーター取付金具はイメージで他の商品を撮影しています。
タイミングプーリーはモーター用と合焦ツマミ部用の2個,ベルトは予備を含め2本つきます。
モーターケーブルは片端は専用コネクターをつけています。
ケーブル長は標準は1.5mですが,3mまでご指定できます。

以上一式で38,000円です。(昨日アップした価格40,000円は間違っていました)

注文が集中したため年内発送分は僅かとなりました。
以下のご予約状況を参照ください。来年以降分は数台確保しています。(12/15追記)
ご予約状況
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コントローラーをお持ちで無い方には上の一式も準備しました。

配線も全てすませた完成品で,52,000円での頒布です。
このコントローラーは他社からの購入品です。
パソコンとの接続もでき,FocusMax等でオートフォーカスも行えるようです。


鏡筒へは以下の写真のM4ネジ2本で固定しますので加工は不要です。
取付ネジも付属します。
なお金具は専用設計のうえ,タイミングベルトの長さも合わないので
他機種ではご使用いただけません。
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申し訳ありませんがモーターやコントローラー単体での頒布は行いません。

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2010年12月 9日 (木)

FSQ-106ED用フォーカスモーターユニット頒布

リモートパワーフォカサーは色々なタイプを試作しては実機テストを行っておりますが
未だ試行錯誤状態です。
ただカメラレンズ用と高精度な望遠鏡のドローチューブ駆動(TOA-150など)
については実際に撮影を行い,充分に実用になるとの結論を得ています。

TOA-150などの高精度なドローチューブの場合,
バックラッシュの無いギヤヘッドの付いたモーターを使えば
ピントのピーク付近を前後してもストレスはありません。

以下は実際に撮影に使ってるTOA-150用のフォーカサーで
モーターはバックラッシュ0のハーモニックドライブです。
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ただ,ハーモニックドライブなどのバックラッシュの少ないモーターは
価格や仕様でフォーカサーに適用しにくい5相タイプのみでしたが
ここへきて赤道儀駆動用としてTHギヤ仕様のモーターを入手できるようになりました。
TH型はハーモニックドライブには及びませんがフォーカサーには
充分過ぎる特性のモーターです。

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前置きが長くなりましたが,知人からの依頼でこのTH型モーターを使った
FSQ-106ED用のフォーカサーを準備中です。写真のTOA-150用とほぼ同じ形状です。

現在,数台ほどの受注ですが,金具類は少し多めに製作予定です。
また,一般には入手が難しいTH型モーターでもあるので
極少量ですがフォーカス用モーターユニットとして頒布します。

頒布内容は以下のとおりです。

・対応機種:FSQ-106ED (鏡筒にはネジ等の加工は不要です)
・頒布品:TH型モーター,取付金具,タイミングプーリー,ベルト,接続コネクター
・頒布価格:38,000円  (価格に間違いがあったので修正しました。12/10)
 (送料は実費)

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TH型モーターには上記写真のようにワンタッチの高級コネクターが付きます。
これに合うオスのコネクターとケーブルまで付属しますのでお手持ちの
コントローラーにご自身で接続してください。
高価ですが半分はモーターの価格ですし,タイミングプーリーも結構高価なものです。

今回はモーター廻りの頒布でコントローラーは別途準備していただく事になります。
なおどうしてもコントローラーが入手できない方はメールでお問い合わせください。
極僅かですがお譲りできる手持ちがあります。

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モーターは上記写真の位置に取り付けます。
鏡筒を平面に置く場合は干渉しますが,赤道儀に設置した場合は出っ張りの少ない
スマートな取付となります。
モーター1ステップで5/2.5μm(2相励時/1-2相励時)駆動します。

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2010年12月 8日 (水)

馬頭星雲

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クリックで拡大表示
・Atik-383L+ -25゜C,Ha:600S×8枚,ダーク,フラット補正なし
・タカハシTOA-150+TOAレデューサー,バーダーHa(7nm)フィルター
・五藤光学MXⅡ赤道儀,Atik-16ICでオフアキシスガイド


前後しますが土曜の夜に撮影した馬頭星雲です。
前日に続き最高の透明度でした。強かった風も収まってガイドも安定しています。

使っているバーダーのフィルターはゴーストやハローが少なくて良いですね。
このアングルでは邪魔な?アルニタクもおとなしく写っています。
(画面の下にちゃっかり写ってはいますがこれはフィルターが原因ではなそうです)

屈折の場合,Haでの撮影でも明るい星は収差で肥大して写るようですが
星の大きさ=明るさみたいで好きです。
シャープな反射で撮った写真とはまた違った趣です。

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M42 40cmF12ファーストライト

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・Starlight XpressSXV-M25C,5分露出の8枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・40cmF12クラシカルカセグレン直焦点
・Mikage260赤道儀,FC-50+Meade DSI Proでガイド

昨日のブログで紹介しましたが日曜日に観測所の40cmで撮影したM42です。
何の準備?もなく思いつきで撮ったので,画面の縦横は天の赤経・赤緯から
大きくずれています。また赤外カットフィルターも付けていません。

日曜日はあまりにも素晴らしい天気だったので何としても写真を撮りたかったのですが
撮影出きる機材は,極軸調整と光軸調整が何とかすんだ40cmしかなかったのです。
無謀にも5,000mm近い焦点距離をFC50の400mmでガイドしましたが
8カットともそこそこガイドしていました。

赤外カットフィルターを付けていませんが,対象がM42のせいか色合いは
いいみたいです。中心部のトラペジュームが消えないよう処理してみました。

一応撮影できましたが,眼視で見ると光軸はかなりずれています。
主鏡は焦点内外像でそこそこ追い込みましたが,副鏡は接眼部から見て
同心円になるよう調整しただけで全く不十分です。
それでも写真はまずまずの結果なのでこれから光軸を追い込み
ワンショットカラーでM81などの大きな系外星雲を狙いたくなりました。

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2010年12月 7日 (火)

日曜の夜も良い天気でした

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先週末の金曜日と土曜日の夜は本当に良いお天気で
自宅でしたが初のLRGBやHaでの馬頭星雲など色々撮って楽しみました。

日曜日はあまり良くない予報でしたが,先日ご紹介したMS-5用に開発した
新しいモータードライブの実機テストのため観測所に行きました。
観測所のMS-5は既に5相のモーターを組み込んでいたのですが
新しいモーターに入れ替えてのテストで天気が良ければ実際に撮影も行う予定でした。

ところが大事なものを忘れてしまい,MS-5のテストができなくなったので
仕方なく40cmの極軸追い込みや光軸調整を行いましたが
皮肉なことに,極軸や光軸の調整にはもったいないほど良い天気になったのです。

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極軸は以前も触れたとおりPHDガイディングを使いドリフト法で追い込みます。
グラフを使えば短時間で調整できます。
グラフの赤の軌跡が赤緯側で途中から反転し少しずつ合ってゆくのが解ります。

また,40cmは主鏡を洗浄したので光軸もずれていましたが
両方の調整が早くすんだので無謀にも40cmでファーストライトを行いました。
ガイド鏡は極軸調整に使ったFC50です。

いきなり5,000mmの焦点距離なので結果は期待していませんが
あまりに良い天気だったので調整だけではもったいなかったのです。

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2010年12月 4日 (土)

M42~初めてのLRGB

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クリックで1263×1164ピクセルに拡大表示
・Atik-383L+ -25℃,L:600S×9枚,R,G:600S×3枚,B:600S×4枚
 ダーク,フラット未補正
・タカハシTOA-150+TOAレデューサー,IDAS RS2 LRBGフィルター
・MXⅡ赤道儀,Atik-16ICでオフアキシスガイド


昨夜は風が強くてガイドが安定しませんでしたが初のLRGB撮影にチャレンジしました。
自宅での撮影ですが透明度が良かったので撮影した素材はまずまずと思いますが
処理が全く解りません。
レベル調整やデジタル現像をRGB合成前に行ったのですが
それぞれのさじ加減は適当で科学性は全くない写真?になっています。
フィルター径が小さいので周辺にケラレが目立つのでフラット処理も必須のようです。


初めてLRGBを撮影して驚いたのですが,LRGBフィルターは先のナローバンド以上に
フィルターごとのピント位置が異なるのですね。
撮影に使った鏡筒は以前ご紹介したフォカサーをつけているので
ピントの調整は簡単ですがリモートフォカサーなしでの撮影は考えられなくなりました。

自動導入,オートガイド,自動撮影,それにパワーフォーカス。
この内1つでも欠けるとリモート撮影はできません。
便利なものに慣れると元に戻れなくなってしまいますね。

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2010年12月 3日 (金)

Atik EFW-U用マウントアダプター頒布開始 

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先にHPやブログでご案内しておりました,Atik EFW-U用マウントアダプター
の頒布を開始します。
予想以上の反響でしたので,Haなどのナローバンドフィルターも使えるよう
設計を見直して僅かですが追加製作しています。


頒布内容は以下のとおりです。

【単品頒布価格】
1.CANON EFマウント用アダプター(EFマウントはついていません):12,000円
2.光路長0接続リング(M42P0.75,長さ6mm,8mm,10mmの3個セット):5,500円
3.EFW-U専用31φ変換ホイール:9,000円

【セット頒布価格】
4.(1)+(2):15,000円
5.(1)+(3):17,000円
6.(1)+(2)+(3):20,000円

送料は実費でお願いします。

全ての頒布品の在庫数は数個なので終了時はご希望に添えない場合もあります。
在庫数はHPの「在庫状況」ページに逐次アップいたします。

以下の写真が頒布品です。アルマイト処理(ホイールのみ艶消)は行っていますが
内面の艶消し塗装は施していません。取付用ネジ類は付属します。
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頒布品はナローバンド用の薄いフィルターやAtik383L,314L以外の冷却CCDでも
ご使用いただけるよう先にご案内したものより光路長をさらに短くしています。

バックフォーカスが17mm(メーカー公称値)のAtik383Lの場合
フィルター無しでの接続マージンは約2.5mmです。
314Lは約13mmですので6.5mmほど余裕があります。

下の写真は383Lを光路長0リング+スペーサー(厚み3mm)で接続した状態で
薄いフィルターの場合概ねピント位置です。

以上はボーグの7157から取り外したEFマウントを使った場合です。

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なお,光路長調整と,ネジ込み後の角度調整用シムは後日別途頒布しま す。
厚みは以下から選べます。
0.05,0.1,0.2,0.3,0.5,1.0いずれも1枚700円です。
送料は商品代に200円加算ください。

光路長0リングのねじ込み代から(簡易的な回転ヘリコイド?)
ご自身のシステムでピント位置を求められた後必要な厚み分ご発注いただけます。


最後に今回の頒布品はあくまでも自作用の部品です。
実機で確認のとれたCCDカメラ以外でのご使用を検討されている方は
メールでご質問いただければ図面をお送りしますので
寸法からピントがでるかはご自身での判断をお願いします。

マウントはボーグの7157から取り外したEFマウントを使用します。
このマウントの場合は無加工で取付できますが
メーカー仕様変更により形状が異なっている場合はご自身での対応をお願いします。

接続を確認したレンズはEF-S10-22のみです。
上記マウントで電子接点の干渉がない事を確認していますが
他のレンズで干渉が起きた場合はこの部分用のスペーサーを別途頒布しますので
それでご対応いただく事をご了承ください。

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2010年12月 2日 (木)

バラ星雲 A.O.O合成

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昨日のバラ星雲をA.O.O合成してみました。
一応色はつきましたがOⅢの枚数が少なく荒れています。
また左上に迷光?らしきものが写るなど課題が多いです。フラットも必須のようです。
先のM42でもですがこの迷光はOⅢにのみ写りますが何でしょうね。

TOA-150はF5.6程度で使っていますがナローでの撮影には暗いですね。
フィルター毎に何晩もかけて撮ればいいのでしょうが面倒です。

と言うことでまたZuiko250mmF2に入れ替えを検討しています。
F2とF5.6では8倍も違いますから八夜もかかるものが一晩で撮れる計算ですよね。

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バラ星雲

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クリックで拡大表示
・Atik-383L+ -25゜C,Ha:600S×14枚,ダーク,フラット補正なし
・タカハシTOA-150+TOAレデューサー,バーダーHa(7nm)フィルター
・五藤光学MXⅡ赤道儀,Atik-16ICでオフアキシスガイド

昨夜は良く晴れていたのでバラ星雲を撮影しました。
先日のM42はTOA-150+レデューサー(Fl約840mm)でも収まっていましたが
バラははみだしてしまいますね。

早い時間に準備ができたので構図やガイド状況を確認しながら撮り始めました。
早い時間のカットは高度が低い事もあってガイドが安定しなかったので
ガイドミスの少ないカットだけを使うつもりで14カット撮りましたが
結局全カット採用しています。
明らかな撮影ミスがあれば捨てますが微妙な差の場合
捨てるカットと残すカットの境界を決め切れません。皆さんどうしているのかな~

22時過ぎから撮影してHaを取り終えたのが25時前。
まだ余力があったのでOⅢを6カット撮影して寝ました。
Haは単独でも楽しめるのでどうしても優先してしまいます。

OⅢは6カットなのでA.O.Oはどうなるかわりませんが後で処理してみます。

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