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2011年3月

2011年3月31日 (木)

Starlight Xpress製のフィルターホイール

B11_03_31
Starlight Xpress製フィルターホイールの接続部は
一般的なネジ込み+ロックリング式とは少し違っていて
写真のようなねじ込み後の角度調整機能が付いています。
(写真はフィルターホイールに専用のOAGユニットを付けています)


前後面とも3カ所のネジを緩めることで締め付け時の角度を自由に調整できるのです。
(写真の状態では約60度しか回転しませんが,ビスを隠れているネジ穴に替えることで
全周回転できます)

光路長も短かくなるので良い方式と思うのですが
私が着目したのはこの部分でスケアリング調整ができるところです。

この回転部分に,以前ブログでご紹介した調整用スペーサーを敷き込めば
簡単に調整できそうです。

Starlight Xpress社は冷却温度管理を行わないCCDカメラなど
他社とは異なった思想?の製品を発売していますが
Lodestarなどユニークなアクセサリーも多いので目が離せないですね。

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2011年3月26日 (土)

集中配線ボックス

B11_03_261
冷却CCDなどで撮影する場合,鏡筒廻りには多くのケーブルが接続され
撮影スタイルによっては最大で10本ほどにもなります。

電源は以下の6系統程度       USBは以下の4系統程度
・撮影カメラ               ・撮影カメラ
・フィルターホイール          ・フィルターホイール
・フォーカサー              ・フォーカサー
・ガイド用カメラ             ・ガイド用カメラ
・撮影用鏡筒ヒーター
・ガイド用鏡筒ヒーター

USBはHUBで集約することで本数を減らせますがそれでも都度接続するのは大変です。

そこで写真のように鏡筒バンドとトッププレート間に設置する集中配線ボックスを
検討しています。(写真はイメージ用に作成したボックスを乗せているだけです)

ボックスの大きさから,電源専用と電源+USBの2タイプの商品化を検討中です。

上記写真はTB-115以下のトッププレート(TTP-150)用なので
電源専用となりますが,3~4系統の12Vに加え
2系統のヒーター電源(ロスの少ないPWM制御方式の温度調整機能)
1系統のファインダー暗視野照明用電源(明るさ調整付き)も取り込む予定です。
またデジタルカメラ用には絶縁(オプション)された7.2Vも準備する予定です。
最小構成の場合,10,000円以下での商品化を目指しています。

電源+USBタイプは上記に加え,6系統のUSB,1系統のシリアル(オプション)
を備え,USBはセルフパワーとするため,12V電源から作った5Vを供給します。
これに12Vの供給電圧監視用LEDの電圧系も入れれば完璧?ですね。


使用するボックスはコスト関係で耐蝕メッキ鋼板です。
以下の写真のように片面は開放なのでトッププレートが蓋代わりです。


B11_03_262
写真のコネクター類はイメージで実際に採用するコネクターは検討中です。


アリガタ・アリミゾを使った撮影システムでは
メイン鏡筒とガイド鏡を組んだまま脱着することで
ガイド精度の向上や組み立ての時間短縮などで高い評価をいただいておりますが
これらの集中配線ボックスも採用いただければ,冷却CCDカメラやフィルターホイール
などを最適状態に取付,ケーブルまでも接続したままで移動できます。

観測地では,12Vの主電源とHUBから出たUSBケーブルの2本を接続するだけで
撮影に移行できます。
さらに素通りになりますがオートガイドケーブルコネクターもつけると
一カ所に集中した3本のケーブル接続でOKです。

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2011年3月23日 (水)

H-40用カメラ取付プレート 予約製作のご案内

B11_03_231
タカハシ製H-40型赤道儀は,ガイド鏡専用の鏡筒バンドがついているため
そのままではカメラ雲台はつけにくくなっています。
この部分のスポット的な改造は以前から行ってきましたが
今回レボルビング装置の発売に併せ専用のカメラ取付プレートの予約製作を行います。

交換するのは写真のシルバー部のカメラ取付プレートで(円筒部+プレート構成)
レボルビング装置はオプションです。
クランプハンドルは現状のものをそのまま使います。
(写真は試作品ですのでお譲りするのは若干形状が変わります)

カメラ取付プレートには以下の加工を行っております。
・W3/8タップ加工(W3/8の全ネジを固定する事で太ネジ仕様の雲台がつきます)
・M8タップ×2個(35mm間隔)
・レボルビング装置固定専用穴加工

予約製作価格は以下のとおりです。
・H-40用カメラ取付プレート:7,500円(交換作業は別途2,000円)
・カメラ取付装置とAタイプレボルビング装置とのセット:23,500円
(H-40の他,スカイキャンサー,FC-50赤道儀でもご使用いただけます)
レボルビング装置はカメラ取付装置に直接取付ますので一般仕様とは異なります。

短期間となりますが,レボルビング装置と一括製作しますので
3月31日までの受付となります。納期は5月中旬の予定です。

カメラ取付プレートの交換はご自身で行っていただきますが
ご希望でしたら交換作業までお受けします。(別途費用が必要となります)

H-40用カメラ取付プレート受注の受付は終了しました。4.1日追記

B11_03_233
上の写真はカメラ取付プレートにレベルビング装置をつけ真正面から見た状態です。
カメラの重心がレボルビングの仮想中心軸とあっているため
回転に伴う重心移動はわずかで,赤道儀全体のバランスはほとんど崩れません。


なお写真は先日ご紹介しましたBタイプのレボルビング装置ですが
基本的にはAタイプが標準となります。
Bタイプをご希望の方はメールでご連絡いただければ対処いたします。
レボルビング装置とのセット価格に写真アリガタは含みません。

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2011年3月22日 (火)

高精度フォーカサーの頒布休止について

110322
高精度フォーカサーで採用している,THギヤのステッピングモーターは
先日の地震でギヤ生産工場が被災したためモーターの供給がストップしています。

このモーターはバックラッシュがほとんど無いうえ
1:30の減速微動装置として手回しでも操作できるので好評をいただいておりますが
モーターの生産が再開されるまで頒布は休止させていただくこととしました。

なお,安価なPMモーターを使用したタカハシFS60C用等
小口径用はモーターの手持ちがありますので頒布を継続できます。
(現時点では数台の在庫がございます)

写真は,ご要望の多かったビクセン製鏡筒用の高精度フォーカサーです。
震災の影響で金具の製作も遅れましたが
この分のモーターは確保しておりましたので
現時点ですでにご注文いただいている方には近日中に出荷いたします。

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2011年3月18日 (金)

2タイプのレボルビング装置

B11_03_18
東北地方太平洋沖地震の発生から今日で1週間経ちますが
テレビで放映される被災地の状況を見るたびに心が痛くなります。
被災地の一刻も早い復旧をお祈りいたします。


発売準備中のレボルビング装置はHPで少し紹介しましたが
昨日紹介したものは,カメラはアームに固定されてアームと一緒に回転するタイプです。
以前販売されていたマミヤの製品や試作品と同じ構造です。

一般的な一眼レフカメラの三脚固定ネジは,レンズの中心線上にありますが
グリップ部はこの中心軸から大きく離れて出っ張っています。

このグリップ部とアームの干渉を防ぐには大きなアームが必要になりますが
グリップ部をアームの外側に向けて取り付けることで
比較的小さなアームでも干渉しないメリットがあります。
ただ,HP(NEWS)の写真のように,カメラが最大に回転した位置で天頂を向けると
回転のロック部に大きな曲げモーメントがかかるため回転はスムーズでなくなります。


それに対して今回ご紹介する上記写真のタイプは,アーム側が赤道儀等に固定され
その中をカメラ側が回転します。
アームのサイズ上,グリップのあるカメラカメラは向かず
グリップの無い冷却CCDカメラに適しています。
回転のロック部に大きな曲げモーメントがかからないため回転がスムーズになります。
(このタイプでもカメラボディを後ろにずらせばグリップ部の干渉は防げますが
前後のバランスが崩れます)

前記をAタイプ,後記をBタイプとして2機種で発売予定です。
Aタイプにはマンフロットのクイックリリースアダプター(357)が
Bタイプには専用のアリガタ(開発中のビクセン規格仕様)が取付られます。

いずれのタイプも滑らかな回転はお約束できませんが
方向による回転への影響が少ないのは,Bタイプの方になります。
特にHP(NEWS)のAタイプは写真のように縦構図で天頂を向けた場合に
ロック部に大きなモーメント荷重がかかるので回転が渋くなる上,構図も少しずれます。

コストを抑えた上で,天体写真用として長時間露出でもずれないことを主眼に
開発していますので回転については,必ずしも滑らかではなく
任意の位置で確実に固定できる構造であることとご理解いただければ幸いです。

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2011年3月 7日 (月)

小口径フォーカサー用ステー(頒布品)

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小口径用フォーカサーはモーターユニットをピント調整ツマミ部に直列に接続するため
モーター部が出っ張っており,やや不安定です。

そこで写真のようなステーを作りましたのでご希望の方には実費頒布いたします。
ファインダー取付部を使用しますがファインダーもそのままご使用いただけます。

FS-60(C)用のステーはそのまま取付できますが,
フォーカサー金具(アルミ削りだし品)にM2.6~M3のタップ加工を1カ所
ご自身で行っていただく必要があります。(貫通穴+ナットでも可)

またFS-60(C)以外ではファインダー取付面とステーの高さをご指定いただければ
(写真では斜めの面と水平面の長さ,奥行きは20mmで固定)
特注で製作いたします。
その場合,ステーのファインダー側固定穴はご自身での加工となります。

ステーは送料(メール便使用)込みで1,900円での頒布です。
ご希望の方は今月20日までにご連絡いただければ月末には発送いたします。
ステー材質は鉄板(1.6t)の板金曲げ加工品でクロメートメッキ付きです。

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現在フォーカサーは第3ロットを準備中ですが,既にご予約で完売状態です。
第4ロットはしばらく間があきますが,準備ができましたらご案内いたします。

また既に御注文いただいております高精度仕様は
全機種手回し調整仕様に変更しております。
金具や特注モーターの納期の関係でお時間をいただいていますが
近日中に出荷します。

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2011年3月 6日 (日)

赤道儀入れ替え

B11_03_06
自宅ドームにAstroDreamTechのMorningcalm 300GEを据え付けたため
これまで使っていた五藤光学のMXⅡ赤道儀を観測所に移動しました。

観測所では今まで使っていた(と言ってもカメラレンズで何回か撮影した程度)
PENTAX MS-5との入れ替えです。入れ替え前にツーショット撮影しました。
(MS-5は確認のため赤経側のウォームホイールカバーを外しています)


MXⅡもMS-5も当時12.5cm屈折用として発売された赤道儀ですが
最近の赤道儀からみるとずいぶんひかえめですね。
MXⅡは30kg程度,MS-5にいたっては公称値の40kg搭載も余裕です。
写真では両機とも大差ないようにみえますが
実際には奥に写っているMS-5がずっと大きいです。

このMS-5は隣県の方に活用していただくことになりましたが
その前に据わっていたMS-4同様,ここではあまり使ってもらえなかったので幸せでしょう。

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