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2011年8月

2011年8月31日 (水)

MC300赤道儀出荷開始

B11_08_301
ご注文いただいておりますMC300赤道儀は
受け入れテストが完了したものから順次出荷いたします。

当初,8月末のお引き渡し予定でしたが
最近まで全く星がみえない天候が続いたため
実際の星を使っての受け入れテストができず
予定より10日ほど遅れてしまいそうです。
お待たせして申し訳ありませんが近日中に全て納品予定です。


写真はBRC-250(カーボン鏡筒,写真の状態で約22kg)を搭載した状況です。
カメラやガイド鏡を搭載する前の状態ですが,ウエイトは6.5kg2個で
バランスがとれていますので,全て搭載しても3個で充分でしょう。

この赤道儀は25cmアストロカメラでの撮影を想定した設計なので
実際に同程度の荷重をかけ追尾テストなどを行います。
追尾精度(Pモーション)や赤緯修正のレスポンスをチェックするため
眼視で確認していますが,Pモーションは±5秒弱程度です。
(振幅がアルビレオの離隔の1/4より少し小さい程度)

なお,MC300,500の発売記念セールは本日をもちまして終了させていただきます。

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今回はBRC-250でテストを行っていますが
次期ロット分からは,ADT社製のアストロカメラで行う予定なので
写真のBRC-250(カーボン鏡筒)はご希望の方にお譲りします。
興味のある方はHP上からお問い合わせください。

極短期間使用後、体力的な理由で保管されていたものを売却希望とのことで
当社でお預かりしているものです。
鏡筒脱着に伴う外観の傷は多いですが,鏡面や補正レンズは極めて綺麗です。

価格は680,000円で,11×70のファインダーが付属します。
(送料は実費をお願いします。お引き渡しは9月末の予定)

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2011年8月30日 (火)

胎内星祭り

B11_08_30
8月26~28日,胎内町で開催された胎内星祭りに参加させていただきました。
MC500赤道儀や各種機材の展示とMC300赤道儀の実動デモなどを行いましたが
好天に恵まれこともあり,多くのお客様に現物をご覧いただくことができました。

特に土曜の夜は抜けるような透明度とシーイーングに恵まれ,素晴らしい星空でした。
大勢のお客様で望遠鏡の前には長蛇の列ができましたが
MC300に搭載したシュミカセで見る木星や
トミタの移動天文台「ガリレオ」(35cmシュミカセ)でのM13には
歓声が上がっていました。

実は,MC300にはADT社製の25cmアストロカメラを搭載する予定のところ
機材が間に合わなかったため,眼視用シュミカセを載せてのデモとなりましたが
結果的に多くのお客様に満足いただくことができてよかったです。
ちびっこたちは実際の星より,パソコンの画面に表示された星座や
ロボットにように動く(1,000倍速で導入)MC300の様子に目を輝かせていました。

胎内星祭りは今回が初めての出店ですが
来年は今年間に合わなかったアストロカメラなどを出展する予定です。
片道1200kmを車で移動するのは大変ですが,充実した3日間でした

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2011年8月23日 (火)

胎内星祭りに出店いたします

B11_08_23
8月26日~28日まで新潟県の胎内町で開催される,胎内星祭りに
出店させていただくことになりました。天文ハウストミタとの共同ブースとなります。

写真は出展のために輸入したMC500赤道儀です。
(デモ機のため国内仕様とは外観の色やウォームホイールの材質が異なります)
MC500は一緒に写っているMC300が小さく感じるほどの大きさですが
その大きさを会場で実感していただけると幸いです。

私のところからMC300,MC500赤道儀と各種モータードライブを
天文ハウストミタからは移動天文台の「ガリレオ」を出展予定です。
また,AstroDreamTech社のスタッフも来日して参加します。
以前ご紹介したユニークな赤道儀など持参されるとのことです。


そのほか,大型三脚(PTP-3)やEM-10用ポータブルピラーの展示なども行います。
天文ハウストミタでは小物の直売も行う予定です。

これに伴い,25日から29日までは休業となりますのでよろしくお願いします。

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2011年8月20日 (土)

去年撮った北アメリカ星雲の再処理-2

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このところ九州北部はずっと天気が悪く赤道儀のテストや撮影ができません。
毎日のように雨が振り,時には夕立のような強い雨になります。

そこでまた去年撮影した北アメリカ星雲付近を再処理しました。
去年の夏は冷却CCDで撮影を開始したばかりでしたが
1年間で少しは処理が上達したみたいです。

撮影はマミヤRZ67用の250mmF4.5APOですが
このレンズは今まで所有したカメラレンズのなかでは一番シャープなようです。
F4.5と暗いのですが67フォーマットをカバーすることや
フランジバックが120mm以上もあることはとても魅力的です。
冷却CCDで使えるイメージサークルがどの程度かは不明ですが
少なくとも35mmフルサイズなら余裕でしょう。

このレンズにはピント合わせ機能がないのでそれなりの工夫が必要ですが
中古市場は驚くほど安くなっています。


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2011年8月17日 (水)

海外遠征用赤道儀の開発コンセプト

現在,海外遠征用小型赤道儀(MC100赤道儀)の基本設計を行っていますが
開発コンセプトをご紹介させていただきます。

・本体質量は6kg程度で,10kgほどの撮影機材を搭載できること
・写真撮影が主目的なので大型のウォームホイールを採用すること(90φを予定)
・クランプ操作がウォームホイールとギヤの噛合わせに影響を与えない構造であること
 =ウォーム全周でバックラッシュが発生しない(特に赤緯軸で重要)
 (逆にクランプフリー回転はバランスの調整と基準星の導入ができればよい)
・必ずしもパソコンが無くとも自動導入ができること。ASCOM対応であること
・消費電流が小さい駆動方式とすること(恒星時駆動時:12Vで250mA程度)
・南天でも極軸合わせが容易なこと(暗視野照明で極望の倍率が高すぎないこと)
・極軸はクランプフリーで回転し極望の芯出しが容易なこと
・極軸のみでの使用や片持ちフォークなどへの発展ができること
・クランプハンドルなど壊れやすい突起を無くすこと
・組み立てた状態でのバランスがよいこと
 (三脚固定軸の延長上に荷重がかかること。緯度30~40度において)
・自動導入中,鏡筒と三脚などが干渉しても悪影響を与えないこと
・軽いウエイトでバランスがとれる構造であること


これらをイメージしてスケッチしたのが以下の図です。
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ハウジングにベアリング保持された極軸(ウォームホイールと一体構造)の中を
クランプフリーで回転する,もう一つの軸を通した二重軸構造にしました。
クランプはそれらの軸をスラスト方向に力を加えて固定するので
ウォームの噛み合いに影響を与えません。(赤緯側も全く同じ構造)
また,ハーフクランプにもなるので導入中の予期せぬ干渉から各部を保護できます。


この赤道儀は私が基本設計を行い,詳細設計と材料の加工は韓国で
組み立て調整は日本で行う予定です。

発売の来春まであまり時間がありませんが
ウォームホイール(アルミ青銅製)も含め全て切削加工品なので
短期間で試作と評価の繰り返しが可能です。
秋頃には試作を行い来年春の発売を目指します。

価格は290,000円程度(軽量三脚は別途30,000円程度)を予定しています。
なお自動導入コントローラーはMC300赤道儀と互換しますので
既にMC300をご使用のお客様には190,000円程度でご提供いたします。

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2011年8月14日 (日)

フランジ型フォーカサー 発売準備中

先日,カメラレンズ用としてご紹介しました
スケアリング調整機能付きのフランジ型フォーカサーですが
屈折望遠鏡でのご使用やAtik以外のCCDカメラ対応などのご要望をいただきました。

そこで上記に対応したうえで,フィルターホイールも併用できるよう
カメラ側をフラットに見直すなど汎用性の高い製品として発売することとしました。
詳細は後日改めてご案内しますが本日は概要をご紹介します。

110814
上記写真はFCT-76に,フォーカサー,フィルターホイール,冷却CCDカメラを
取り付けた状態で(L)RGB撮影を行う標準的なスタイルです。
ドローチューブやレデューサーの外径が80φ程度までならご使用いただけます。
(銀色のリングはレデューサー部をアリガタに固定しているバンドです)
 
 

下の写真はレデューサー以降を鏡筒から取り外した状態です。
4個の精密送りネジ(1回転で250μm移動)など構造がお分かりと思います。
必要光路長は約16mmで±1mmのピント調整が可能です。

この部分を単独に調整する事でスケアリングの調整を行います。
なお,製品は中心に90φの穴が開いたカバーで塞がれます。
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下の写真はカメラ側の接続面でM42P0.75またはM57P0.75の接続になります。
右側の四角い穴は動作確認のために開けたもので製品にはありません。
また製品ではコネクター位置は側面に移動します。
110814_2


こちらは鏡筒側(カメラレンズ側)でM57P0.75が標準ですが
マミヤRB/RZ用マウント仕様も準備します。
35mmカメラレンズでのご使用時は,カメラマウント→M57アダプターが
必要になりますがこの部分はお客様での準備をお願いします。
(ボーグのEOS→M57AD(7157)+M57→M57AD(7457)と同じ構造で
光路長を10mm程度*まで短縮したアダプターが必要となります。
*ご使用のカメラにより変わるので発売対象から除外させていただきました)
110814_3


下の小さいウインドウはタイミングベルトの位置によるピント確認窓です。
ベルトにピント位置などのメモを書き込むことができます。
なお製品にはこの窓の上(カメラ側)に抜き差し式のフィルターが装填ができます。
カメラレンズの場合フィルターホイールをつけるだけの光路長がないので
簡易的ですがフィルターも併用できる予定です。
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構造上,レンズ側にモーターやタイミングプーリーが突き出るので
ご使用いただけるカメラレンズや屈折望遠鏡は制限されますが
実用上十分な精度・強度とスケアリング機能を兼ね備えた製品です。
抜き差し式ですがフィルター(枠なし式に限る)も併用できますので
コストパフォーマンスは高いと自負しております。
本体のみで52,000円での販売を予定しています。

なお今回販売するのはフォーカサー本体のみで
フォーカスコントローラーは過去に頒布したものをご使用いただけます。

できるだけお求め易い商品を目指しましたが
4本のマイクロメーター用の高精度送りネジや5個のタイミングプーリーを
使うことなど材料費が嵩んでしましました。

なお,FLI社製のML-8300や16000は光路長の関係上
今回紹介したフォーカサーはご使用いただけませんが
極限まで光路を抑えたうえ,フィルターも併用できるフォーカサーを開発中です。

フィルターホイールが内蔵されたカメラでは光路長の関係上
カメラレンズでは使用いただけません。

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2011年8月 7日 (日)

超小型赤道儀

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今日は個人用にお遊びで作った撮影専用の超小型赤道儀を紹介します。
作ったと言っても主要パーツはメーカー製を流用しており
極軸体はタカハシ製のH-40型を
赤緯軸はスターベースさんオリジナルのTG汎用微動装置を使いました。

両軸にモーターをつけているので2軸ガイドや自動導入も行えます。
ガイド鏡は以前ご紹介した逆親子ガメ?方式で
ペンシルボーグ+StarlightXpressのLodestarです。
この程度の焦点距離(175mm)になるとガイド画面でアライメントがとれるので
ファインダーは必ずしも必要ないようです。

B11_08_072
ガイド鏡用バンドはできるだけ不動点からの高さを抑えるため
TG汎用微動装置に直接つける金具を製作しました。

このTG汎用微動装置は底面がW1/4ネジなので
スカイメモなどの極軸オンリータイプの赤緯軸としても使える便利なものです。
写真のようにカメラレンズでの撮影なら十分な強度と精度を持っています。

例によってごく僅かですが余裕があります。
バンド(前後2個セット)と上部取付用アリミゾ(DS-65改造品)
それにTG汎用微動装置用金具を加えた3点セットを20,000円で頒布いたします。
ご希望でしたらペンシルボーグやLodestarも実費で取り寄せいたします。
なお,アリミゾはDS45でも対応できますが
この場合追加工が必要なので22,000円となります。

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超小型赤道儀と言えば先月末にAstroDreamTech(ADT)社を訪れたとき
ユニークな赤道儀を見せていただきました。

110805
後ろの人物(私ですが)と比べればその大きさをご理解いただけるでしょう。
この赤道儀はADT社の赤道儀を設計されている方が16年ほど前に作られたもので
両軸にスカイベクター用のエンコーダーが内蔵されています。
コンセプトはフリークランプで気軽に星を見るためとのことです。
とても16年前に作られたとは思えないデザインですね。
両軸エンコーダー内蔵と極軸高度調整方法には驚きました。


私の星野撮影用超小型赤道儀は寄せ集めたパーツで作ったお遊びですが
このユニークな赤道儀のデザインやアイデアをベースにして
極望と両軸モーター駆動化すれば海外遠征用の超小型赤道儀ができそうですね。
もちろんASCOM対応の自動導入仕様です。


極軸側のエンコーダーは極軸南端に(そのため極軸望遠鏡はありません)
赤緯側のエンコーダーはバランスシャフト付け根のやや太いところに内蔵。
同架された鏡筒はロシア製マクストフ望遠鏡(カメラレンズの改造品)です。

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2011年8月 5日 (金)

とかげ座の散光星雲(Sh2-126)

110805_1
・Atik-383L+ -15℃,10分露出の12枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・ZuikoDigital 150mmF2開放,バーダーHαフィルター(7nm)
 クリックで1269×1681ピクセルに拡大表示

一昨日ほどではなかったのですが
昨夜も良い天気だったので,とかげ座の散光星雲を撮ってみました。
とっても淡いのでフラット処理をしないと無理みたいです。
構図も良くありませんし,外したところを人工衛星?に通過されました。

昨夜は撮影前に少しスケアリングを調整してみました。
まだまだ調整の余地はありますが,完全に調整できたとしても
カメラの回転でずれる可能性もあるのである程度のところで妥協しています。
(下の写真のように組み立てたままでカメラ部のみを回転できる構造です。)

110805_2
現在のシステムはレンズ本体ではピント調整ができないので
写真のような自作フォーカサーをつけています。
通常は四隅をマイクロメーター用の精密スクリューで連動して調整する方式ですが
スケアリングの調整時は,中心部でピントを合わせたあと
1カ所のみ残して他はスクリューを駆動するプーリーとの縁を切ります。
(軸固定ネジを緩める)

そうすると四隅の内,1カ所のみピント位置が変わるので
フォーカスモードで星像を見ながら最良な点を探します。
フォーカスコントローラーで動かすので調整量を定量的に把握できて便利です。
他の3カ所もこの方法で調整すると短時間で追い込むことができます。

4カ所を調整するので原則的には対角位置のスクリューは
片方を押せば他方は引くべきですが
数十μm程度の調整なのであまり気にしなくて良いみたいです。

写真はタイミングベルトがむき出しの試作品ですが
現在カバーのついたフォーカサーを製作中です。
主にカメラレンズ用として知人から依頼されたものですが
カメラのノーズ部がスクリュー部に入り込む構造なので
使用できるCCDカメラの機種が限定されてしまいます。
一般的ではありませんが,例によって少しだけ余裕がありますので
興味のある方はご質問いただけると幸いです。

ドローチューブ部が細い鏡筒では,写真と前後の向きを逆にすれば
FFを付けた他の冷却CCDカメラでも使用できる場合もあります。

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2011年8月 4日 (木)

はくちょう座の散光星雲-4

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・Atik-383L+ -15℃,10分露出の12枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・ZuikoDigital 150mmF2開放,バーダーHαフィルター(7nm)
 クリックで1269×1681ピクセルに拡大表示


最近は,ZuikoDigital150mmF2とAtik383L+の組み合わせで
Ha撮影を楽しんでいますが組み立てたままなので調整の余地があります。
昨夜,早い時間は雲が多かったので,調整でもと思っていたら
急激に雲が切れて素晴らしい空になりました。この夏最高の透明度だったでしょう。

月もなくHaで撮るにはもったいないほどのコンディションでしたが
システムの入れ替えや調整に時間を費やしたくなかったのでそのままで撮影しました。

透明度が良かったので淡い領域を浮きたたせるため,強烈な処理をしてみました。
感度の低いKAF-8300ですが,明るいレンズで撮影すると淡いガスまで写しだせます。

今も抜けるような青空が広がっています。今夜はちょっと調整してみるつもりです。

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2011年8月 2日 (火)

昨年撮った北アメリカ星雲の再処理

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Atik-383L+ -15度C,10分露出の6枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・タカハシTOA-150+TOAレデューサー,バーダーHαフィルター(7nm)
・MXⅡ赤道儀,Atik-16ICでオフアキシスガイド

天気が悪くて撮影できないので
去年の9月に撮影した北アメリカ星雲(南部)を再処理してみました。
以前は10分×3枚でしたが今回は雲が通過した3枚も加えコンポジットしています。
また初めてアンシャープマスクをかけてみました。

明るいカメラレンズでのナローバンド撮影の準備はできているのですが
なかなか晴れてくれません。

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2011年8月 1日 (月)

カメラ三脚用アリミゾ発売開始

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天体望遠鏡で野鳥を撮影される方からのご要望に答えて
大型カメラ三脚への取付が容易なDS65CT(写真右のタイプ)を発売開始します。
15mm間隔でW3/8タップを一列に5カ所加工しています。
こちらは円形ハンドルが標準ですが,Lレバー仕様もお選びいただけます。

アリガタ(DP65-150など)と鏡筒バンド(TB-114など)と併用する事で
100mmクラスの天体望遠鏡で野鳥撮影が楽しめます。
また従来のDS65N(写真左のタイプ)にも中央1カ所ですがW3/8タップを追加しました。

価格はDS65N,DS65CTともに13,000円です。


上記とは直接関係ありませんがアリミゾ関連のニュースをもう一つ。

B11_08_012
従来DS80Lシリーズで採用しておりました円形ハンドルを写真のタイプに変更しました。
ツマミが円筒形になりましたので鏡筒やプレート類との干渉を防げます。
深いローレット加工を施しているので締め付け力に問題はありません。

これに伴い価格は円形ハンドルは値下げしL型レバー仕様と同額となりました。
L型レバー仕様も平行して販売いたします。

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