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2011年10月

2011年10月27日 (木)

鏡筒バランス対応システムについて

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短焦点屈折望遠鏡で撮影する場合,鏡筒前後方向のバランス対応が必要となるため
FSQ-106ED用はでオフセット対応のDS80シリーズを発売しております。
既に多くのお客様にご使用いただきFSQ-106EDの標準オプションとして
定着いたしました。

このところGPクラスの小型赤道儀+口径6~9cm写真鏡用として
FSQ-106ED同様システムのご要望が多いため
鏡筒径80~95φ用のオフセット対応アリガタ・アリミゾシステムを製作中です。
(114φも使用可能です)


対象鏡筒は,タカハシFSQ-85ED等95φ鏡筒,ビクセン81ED等の90φ鏡筒
及びタカハシFS60C等80φ鏡筒です。
アリガタ・アリミゾシステムはDS65及びDS45を適用いたします。

【DS65シリーズ】
 上の写真のように長さ288mmのアリガタ(DP65-288)がベースです。
 構成は以下のとおりです。
 ・65mmアリミゾ:DS65N(13,000円)
 ・オフセット対応アリガタ:DP65-288(14,000円)
 ・トッププレート:TTP-150(3,500円,TTP-125に変更可)
 ・鏡筒バンド:TB-80,TB-90またはTB-95(16,000円)
 
 以上セット販売の場合は少しお求めやすくなり45,000円となります。
 商品名は,DS65-TB80(90)(95)となります。
 (TTP-150を標準としTTP-125をご希望の場合は末尾にTTP125を追加)


【DS45シリーズ】
 DS45とビクセン規格のアリガタへの固定を前提とした
 長さ288mmのベースプレート(TP-288)のセットです。
 構成は以下のとおりです。
 ・45mmアリミゾ:DS45(13,000円)
 ・オフセット対応ベースプレート:TP-288(7,500円) 新製品
 ・トッププレート:TTP-150(3,500円,TTP-125に変更可)
 ・鏡筒バンド:TB-80,TB-90またはTB-95(16,000円)

 DS65同様に上記セットの場合は39,000円となります。
 商品名は,DS45-TB80(90)(95)となります。
 TP-288は「KYOEI 汎用アリミゾプレートDX」 に対応しています。
 (穴加工なしで縫い合わせ可)

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上の写真はDS65シリーズの使用例でバンド間隔は125mmです。(TTP-125を使用)
鏡筒はFCT-76ですがFSQ-85EDでも同じようなイメージかと思います。
アリガタが288mmと長いため,前後のバランス調整に加え
ドローチューブの固定にも使えるケースがあります。
(写真はヘリコイドのガタ対策として,TB60Cでレデューサー部を固定しています。
ボーグのシステムでも同様の固定ができると思われますが
個々の確認はとれておりません)

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2011年10月18日 (火)

開発中のMC200赤道儀のご紹介

申し訳ありませんがMC200の写真はアルマイト未処理のため
一旦削除させていただきました。
後日アルマイト処理後に改めてアップいたします(2011.9.21追記)

  
                        
AstroDreamTech社で開発中のMC200赤道儀をご紹介します。
外観はMC300をスケールダウンしたイメージですが
極軸体を保持する高度・方位調整部はユニークです。
ここは本来の機能もさることながら,赤道儀の安定感や美しさに
大きく影響するため一際こだわっています。
赤道儀に鏡筒を搭載した時の重心がピラー固定部の延長になるように
設計し安定感を出しています。


MC200赤道儀は最大搭載荷重20kgで両軸とも108φのウォームホイールを
採用していますが,赤道儀の重量は13kg程度(計画値)と軽量です。
両主軸の保持は全てテーパーローラーベアリングを採用し
強い余圧を与ることで,軽量でありながら高い強度を実現しています。

なおAstroDreamTech社関連の商品につきましては
2012年からは,K-ASTECはAstroDreamTech社との製品の共同開発
輸入製品の管理及び,日本国内での技術的なサポートに専念します。

AstroDreamTech社全製品の販売は天文ハウストミタで行うことになりました。

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2011年10月13日 (木)

直焦点用多機能フォーカサー

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頒布中のカメラレンズ用多機能フォーカサー(M-RPF)は
屈折望遠鏡等での直焦点撮影もできるようM57ネジ仕様も準備していますが
取付状態のイメージ写真をご紹介いたします。

FCT-76(レデューサー取付)につけた状態で
フォーカサーと鏡筒は以下の場所が干渉しますので注意が必要です。
1.タイミングベルトとレデューサー部
2.駆動用モーターと接眼部(鏡筒との接続部やファインダー座取付部など)

1.についてはレデューサー等の外径が68φまで
2.については接眼部等の直径が90φまでが取付できる目安です。
(写真はカメラレンズ用のためモーター高が低いのですがM57仕様は
モーター高を10mm高くしました)

反射望遠鏡での使用の可否については
モーターが写真のように対物レンズ側に出っ張りますので
斜鏡を使うタイプではご使用いただけません。

下はFCT-76の撮影システムをCCDカメラ側から撮った写真です。
この程度でしたらGPクラスの小型赤道儀で運用できそうです。
ガイド鏡はペンシルボーグですがこれで普通にガイドできます。

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2011年10月 8日 (土)

フォーカサーピント合わせテスト

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先日ご紹介しましたカメラレンズ用フォーカサーのピント合わせテストを行いました。
今回はステップ送りでどの程度ピントが変わるかや再現性の確認が目的です。

上の写真はピント合わせテスト時に撮った写真です。
いずれもAtik383Lで露出は300秒。バーダーのIRカットフィルターをつけています。
一切の処理は行わず中央部の200%拡大です。クリックで拡大します。


上が,EF100mmF2.8L IS MACRO
下が,MAMIYA645 A200F2.8でいずれも絞りは開放です。
さすがにEF100mmF2.8Lの星像はシャープで,微光星はほぼ1ピクセルに乗っています。
ホットピクセルと見分けがつきにくいのですが丸く囲んだ範囲は星像です。

意外だったのがMAMIYA645で星像は綺麗でこれならLRGB撮影にも使えそうです。

今回の写真はピントの追い込み状況を確認するために撮ったもので
バックフォーカスやスケアリングはまだ調整していません。
星像はそれらの影響を受けている可能性もあるので参考程度と思ってください。

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2011年10月 7日 (金)

多機能フォーカサーの頒布について

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先日ご紹介しましたカメラレンズ用多機能フォーカサー(M-RPF)については
多くのご質問をいただいておりますので専用のページを作成しました。
とりあえず概要と頒布価格等をご案内しておりますが,詳細な仕様については
後日付け加えます。

特に数量制限は設けておりませんが受付期間は今年一杯を目処といたします。
初期ロット分は終了しましたが次期ロット分の納期は12月始めの予定です。

以下の写真はCanonEFマウント仕様と個人用のMAMIYA-M645マウントカメラで
MAMIYA-M645仕様は接写レンズをご支給いただければ4,500円で加工いたします。
詳細はメールでお尋ねください。

111007_1

111007_2

レンズとモーターの位置関係です。
カメラレンズの場合,フォカサーの調整範囲がほとんど固定されるので
安価かPM型モーターでも充分です。
なおレンズはフォーカサー固定部に対して可動するので(100μmほどですが)
写真のようにバンドも併用する場合はバンドの締め付けを少し緩くします。
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2011年10月 4日 (火)

多機能カメラレンズ用フォーカサー

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カメラレンズ用フォーカサーは主に個人用として試作・評価を行ってきましたが
友人から
1.フランジバックが44mmのCanon EFレンズを使い
2.バックフォーカスが22mmのモノクロフルサイズ冷却CCDで
3.LRGB撮影を行いたい
4.しかもCCD面が100μほど傾いている
という難題を押しつけられました。

44-22=22mm*のスペースで上記を全て満足しなくてはならず
ハードルは高いのですがその分燃えました(笑)
(*フィルターの厚みの関係で1mm程度は長くできます)

最後に,もしかすると広角天体写真の概念を変えられる
デジタルでありながら銀塩みたいにしっとりした綺麗な写真が撮れる
と熱く語られれば作り手としては何とかしたくなりますよね。

私自身その様な写真が好きですが,私にはその様な写真の撮影や
画像処理のテクニックがないので‘物’で協力させていただきました。
「作る側」は「使う側」のご要望を聞くことが一番大事なことですから。

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今回紹介するフォーカサーは上記のような経緯で作ったものですが
ご要望があれば頒布いたします。
特に期間は設けず当面の間頒布いたしますが
加工品のスケールメリットや好意で分けてもらっている
フォーカスコントローラーの製作上
1ロット5台程度での製作となるのでお待ちいただくこともあるかと思います。


上記のようにフォーカサー機能にスケアリング調整機能を持たせ
さらに抜き差し式ですが撮影中にフィルターの交換にも対応しました。

ただし,フォーカスモーターがレンズ側に突き出ていたり
三角形に張ったタイミングベルトとレンズ鏡胴の干渉など制限も多い
特殊な物です。平行度やスケアリングの調整のためオープン構造です。

詳細な仕様は近日中に頒布品のコーナーで紹介いたします。


下の写真は真横からの撮影ですが,モーターとレンズの位置関係が良くわかる
と思います。
FLI互換テーパーリングアダプター(光路2mm加算)に3mmのシムを併用し
バックフォーカス17mmのAtik383を22mmでピント位置をテストしています。
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バーダーのフィルターを挿入し,レンズのピントリング∞位置で
フォーカサーは可動範囲のほぼ中央(光路長=23mm)です。
この位置から±1.5mmほど調整できます。
ML8300などバックフォーカスが短いFLI社製カメラでは
レンズマウント部の嵩上げで対処予定です。

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次の新月期にはこのフォーカサーを使って素晴らしい写真を撮っていだきたいです。
冬の銀河など最高でしょう。←リクエスト!

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2011年10月 2日 (日)

Web用カメラの修理

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Web用として常用しているカメラは,OLYMPUS E-10と言う古いデジカメです。
大口径のガラス非球面レンズを採用しておりその写りは大変気に入っていました。

ところが先日撮影中に落として壊してしまいました。
レンズ内で一部のレンズが脱落しており全く写りません。
10~20cm程度の高さからでしたが,古いので接着材がはずれかかっていたようです。

しかたなく暫くの間,同じOLYMPUS E-330で代用していましたが
どうしても写りに納得行かず修理できないか分解してみました。

前玉から順次分解して行き2枚のレンズを外すと,外れたズーミング用レンズ
にたどりつけたので,元の位置に接着して何とか修理できました。
中央の黒く写っているのが問題のレンズです。

このE-10は400万画素で起動は大変遅いのですが
SQ(640×480)しか使わないWeb用としてはなんの問題もありません。

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