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2012年4月

2012年4月29日 (日)

Kastron Alpha 310CA(310mmF3.6アストロカメラ)

特注仕様のアストロカメラ(Kastron Alpha 310CA)が完成したのでご紹介いたします。

・カメラ:FLI製ML-11002
・フィルターホイール:CFW2-7
・フォーカサー:β-SGR
・StarlightXpress Lodestarによるオフアキシスガイド
・主・斜鏡ヒーター内蔵
・スパイダーは×字配置

以上がお客様からの依頼項目です。
アストロカメラはAstroDreamTechの代表が設計しますが
自らが天体写真家なので今回のようなお客様のご要望にもお答えいたします。 
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重量級カメラ用として特別に補強した接眼部に
回転ヘリコイド+β-SGR+オフアキユニット+CFW-2-7をつけた状態。
筒先が上を向いたときのモーメントを考慮し鏡筒前後方向を長く保持しています。
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CFW-2-7にオフアキユニット経由で取り付けた76mm ED Wynne Corrector。
オフアキユニットは特注で,CFW-2-7には特殊加工を行っています。
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回転微調整機構付の斜鏡廻り。斜鏡金具内に円形ヒーターを内蔵し
右上のスパイダーに沿って鏡筒底面の集中ボックスまで配線しています。
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主鏡セル廻り。
主鏡カバーを外せば光軸調整と主鏡の押さえ(側面からも)を調整できる構造です。
奥のケーブルが鏡筒内を通ってきた斜鏡ヒーター用。
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主鏡カバー内に張り付けた結露防止ヒーターと主鏡冷却用ファン。
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主鏡カバー底面の集中配線ボックス。
ここでヒーターのON/OFFや温度調整,FANの調整を行います。
破損防止のため,操作はスイッチ類は全て側面に配置しました。
これら電気関係は電圧の違いもあり日本国内で組み込みました。
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主な仕様は以下のとおりです。

有効口径:310mm(米ZAMBUTO社製)
斜鏡短径:110mm(英ORION社製)
焦点距離:1,116mm
口径比: F3.6
最小星像:8μm以下( 45mm)
鏡筒材質:カーボンチューブ
補正レンズ:76mm ED Wynne Corrector(AstroDreamTech自社設計)
イメージサークル:45φ


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2012年4月28日 (土)

久しぶりの撮影(M13)

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・SXVR-H18 -20℃,3分露出の11枚コンポジット,ダーク,フラット補正なし
・TOA-150+レデューサー,バーダーLフィルター

九州地方はこの時期としては珍しく澄み渡った空が広がっています。
昨日も良い天気でしたが写真は一番澄んだ空だった26日に撮影したものです。
コンポジットとデジタル現像処理のみなのでゴミや輝点ノイズが目立ちます。
RGBも撮ってカラー化したいのですが仕事が忙しくてなかなか進みません。

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ところでこの日は撮影中に急にガイドが暴れ出し数分でまた安定する
現象が現れました。両軸同時に発生しますが位相は同じ時や逆もあります。
設定をいじっても改善せずそのうちにまた安定します。

ほとんど無風だったのと,ひげ状に暴れるので
(赤道儀の構造上,グラフでひげ状になるほど極短時間で振れることは考えにくい)
上空に寒気が流れ込むなど大気の影響かと推測します。
もしかすると何らかのノイズかとも思いますが原因は良くわかりません。

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2012年4月26日 (木)

AMD-1の追加販売について

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1月に最終販売のご案内を行いました
タカハシP-2とH-40用のAMD-1ですが若干数追加販売を行う事となりました。

本来,AMD-1は単三電池4本(6V)で駆動しますが
GF50赤道儀用として新規に開発した4.5V仕様モーターの余剰分を
AMD-1に転用したためです。

追加販売するのは従来タイプの6V仕様が10台,4.5V仕様が5台の合計15台です。
機種はP-2(最大9台)とH-40用のみで
何れも極軸望遠鏡の視野照明装置とギヤカバーが標準付属します。
価格はP-2用が36,000円,H-40用が32,000円で(6Vも4.5Vも同額)
納期は,6V仕様のP-2用のみ約1週間,他は約1ヶ月となります。

H-40の写真のように4.5V仕様は本体下部に電池ホルダーが固定されます。
外部電池ケース(単三×4本)も付属しますが,同時に接続した場合
外部電池が先に消費され,切れると内部電池から供給されます。

P-2用は全て完売いたしました。
短い期間に多くのご注文いただきありがとうございました。(2012.4.28日追記)

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2012年4月25日 (水)

多機能で高精度なポータブル赤道儀

AstroDreamTech製ポータブル赤道儀のその後の状況を紹介いたします。

前回ご紹介した構想段階では,もっと簡易的な構造にする予定でしたが
最終的にはポータブル赤道儀専用のウォームホイールを作るなど
本格的な構造になりました。
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ウォームホイールは銅合金製で直径約65mm厚み7mmで(歯数130枚モジュール0.5)
ギヤの直径は13mm。このホイールの上下をベアリングで保持する構造です。
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ウォームギヤをハウジングに組み込んだ状態。
ポータブル赤道儀の極軸廻りはアンバランスで使われる事が多いので
大きなスラスト力がかかります。それに耐える強固な構造です。
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まだモーターや駆動回路を組み込む前ですが全体はこんな感じです。
いかにも頑丈そうですね。
製品では軽量化のためできるだけ肉抜きしますが
どちらかと言えば強度と精度を重視した設計です。
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Timelapse撮影を強く意識した駆動回路や,内蔵バッテリー
それに方位・高度調整装置が標準付属され,90,000円前後を予定しています。
BENROフラット三脚とのセット販売も行います。発売は7月の予定です。

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2012年4月24日 (火)

金環日食の限界線観測

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【地図はクリックで拡大します】


来月の金環日食は「西九州日蝕観測同好会」の一員として限界線観測を行います。

今回の日食の北限界線は,九州のど真ん中を横切りますが
“かぐや”がレーザーで計測した地形の高度から求めた月縁で計算すると
NASA発表(青の線)より数km程南東にずれる(赤の線)予報です。

この事を考慮して観測地を地図のほぼ中央付近で選定していますが
もう少し南東にずれるとの情報もあるようです。

数十人で観測隊を構成し,限界線を挟んで配置しますが
全員が限界線の外(部分日食)となれば観測の意味が薄れます。

たまたま限界線は比較的なだらかな地形から
急峻な九州山脈の境界付近を通ります。
“かぐや”のデーターから求めた赤の線より南は険しい地形なので
高度の低い太陽は山に隠れてしまいそうです。

今度の連休には条件を満たす観測地がないか現地踏査が予定されていますが
実は私の観測所は偶然にも,ほぼこの青い線上にあるので
ここを拠点として定点観測を行います。

それにしても見事に地形の境目?をなぞるように限界線が通っていますよね。

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2012年4月23日 (月)

超軽量カーボン三脚の実力

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昨日ご紹介しました海外遠征用カーボン三脚ですが,その実力を評価するため
この三脚では最大と思われる撮影システムを搭載してみました。
三脚には,18kg程搭載していますが充分に実用になる強度です。
特に強風下でなければ300~400mm程度のガイド撮影は全く問題ないでしょう。
 

海外遠征の場合,極力まで荷物を軽くするために
バランスウエイトやアリガタ・アリミゾ類は持って行きません。
ウエイトシャフトも重いので軽量なアルミパイプに交換します。

それらで5kg程度軽減できて13kg。これにカーボン三脚を加えると14kg程度です。

オーストラリアの場合はこれにスーツケースや身の回り用品の重さを加えると
少し制限をオーバーしそうですが,団体や家族同伴のツアーなら何とかなりそうです。

三脚を1~2kg軽くする意味があるかは考え方次第ですが
軽くしても性能が犠牲にならないのあればければそうしたいものです。
遠征の度に重たい機材と格闘していますので。
  

この三脚は開発中の軽量赤道儀用としてもご使用いただけます。
当初,MC-100として紹介しておりましたが
軽量化のためややサイズダウンして開発中です。
名称もAstroDreamTechで生産する海外仕様は「Lotus」に変更しました。
国内組立てのK-ASTECオリジナルは(名称は未定)は6月には発表できる予定です。
三脚が予想以上に軽量化できたので,赤道儀の軽量化にも力が入ります。
三脚同様に性能を犠牲にすることなく極限まで軽量化しますのでご期待ください。

目指すのは,100~200mmの望遠レンズ+冷却CCDカメラ+ガイドシステム
それらを搭載する自動導入赤道儀と三脚など機材一式で10kg。
 

写真のシステムはEM-10,FCT-76(FSQ85EDとほぼ同じ重さ),冷却CCDカメラ
ガイドシステムとアリガタ・アリミゾで,ウエイトは3.7kgです。

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2012年4月22日 (日)

BENRO特注三脚第二段 超軽量カーボン!

2012/04/22

受注中のBENROフラット三脚に対し,マークXクラスの赤道儀を
搭載できないかとのご質問をいただいております。
全ての方が秋のケアンズ日食用として検討されています。

BENROフラット三脚は5~6cmクラスの望遠鏡を搭載したGF50赤道儀*や
AstroTrac TT320Xなどのポータブル赤道儀の搭載を前提としています。
(GF50は来月発売のジンバルフォーク(Gimbal Fork)赤道儀の略です)

BENROフラットの耐荷重は15kgなので
数値上は10kg程度(赤道儀3kg+ウエイト2kg+鏡筒2kg+カメラ1kg+α)は
搭載できる計算ですが振動やたわみの観点からあまりお勧めしていません。


実はBENRO社とはフラット三脚と平行して,8~10cmクラスの鏡筒を対象とした
天体望遠鏡専用の大型カーボン三脚の開発準備も行っています。
45φ程度のカーボンチューブそのものから新たに作る方向で調整していますが
チューブの試作から始める必要があるため秋の日食に間に合うかは微妙でした。
 
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そこで,BENRO社ラインナップのカーボン三脚中,最大のC4770T(耐荷重25kg)を
ベースとした特注三脚を受注製作する事としました。
それでも完成まで3ヶ月以上かかるので秋の日食まであまり余裕はありません。


C4770Tは36φのカーボンチューブを使っているので
写真のマークXクラスは余裕で搭載します。
マグネシウムの台座+1段カーボン直脚なので他に類をみない1.2kgを実現。
オリジナルより1kg軽くなっています。
小型望遠鏡用メタル三脚の半分ほどの重さですが同等かそれ以上の強度を誇ります。
BENRO C4770Tは大型カメラ店には展示されているかと思うので
一番縮めた状態でのねじれ強度などを実感いただければと思います。
(その場合,標準のゴムから金属の石突きに交換して試してもらってください)

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受注要領は以下のとおりです。

・商品名:天文用BENRO C4770T
・受注受付期間:2012.4.22~2012.4.30
・納品:2012.8.15(約束納期)
・価格:天文用BENRO C4770T:58,500円(送料実費)
   P-2,GP,EM-10/11用赤道儀アダプター標準付属(何れか1機種用)
   天文用BENRO C4770TとXY65のセット価格は89,500円
   XY65は赤道儀アダプターは不要なのでXY65のみでご使用の場合は
   標準付属の赤道儀アダプターを除くこともでき,83,000円となります。

【仕様】
・段数:1段
・全高:約550mm
・収納長:約600mm
・重量:約1,200g(赤道儀アダプターは含まず)
・付属品:金属製石突き,ソフトケース,カメラネジ(W3/8)用標準プレート
     
【オプション】
・追加用赤道儀アダプター:各8,500円
・専用高度・方位調整装置(XY65):31,000円(Mark-X,スカイメモR対応)
・100mm専用延長筒:6,000円(予定価格)

この三脚やXY65は今回の受注生産受付終了後も継続して販売予定です。
三脚の価格は変わりありませんが赤道儀アダプターは別売りとなります。
また三脚とXY65のセット価格は99,500円の予定です。


現在フラット三脚をご注文の方はこちらへの移行も承っております。

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2012年4月17日 (火)

GF50の低重心と完全バランス

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GF50赤道儀は極軸方向に長い“筒”のような形状を採用しているので
背が低く,赤道儀の三脚取付面と望遠鏡やカメラの取付面はほとんど
同じ面になります。(赤道儀固定面の延長線上にカメラ取付面がきます)

これは三脚頂部から望遠鏡やカメラまでの高さが低くなるので
三脚の振動や撓みの防止に貢献します。

また南側に大きくオフセットしたことで
カメラをつけた状態での重心位置は,ほぼ三脚固定部と合致します。
これも三脚に偏った荷重がかからないので撮影中の撓みが防げます。

写真のようにカメラを取り付け
床に置いただけでカメラの回転も含め如何なる構図でも転びません。

GF50は低重心と,ほぼ完璧な重量バランスに加え
三つの回転軸(極軸,赤緯軸,カメラ回転軸)がクランプでフリーで
止まる程のバランスを実現しました。
(RR-110併用時,カメラやレンズの重さにもよりますが極軸側は
若干のアンバランスが発生します)

ポータブル赤道にとって良好なバランス(アンバランスを無理に固定しない)
が歩留まりの高い写真に繋がると思います。

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2012年4月16日 (月)

ジンバルフォーク赤道儀(GF50)と極軸望遠鏡

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以前からご紹介しています,海外遠征用ジンバルフォーク赤道儀ですが
ケンコー製の極軸望遠鏡タイプも準備する事としました。
(赤道儀に取り付けているのは標準タイプです)

ケンコー製又は,標準タイプ(時角目盛の暗視野照明)をお選びできますが
ケンコー製は在庫確保数の関係上,10台限定の予定です。

ケンコー製は極軸望遠鏡自体が回転する構造なので
極望の取付面(回転面)と赤道儀の極軸の芯が出ていないと意味がありません。
(指標の調整は極望そのものの回転軸に合わせるだけで極軸とは無関係)
通常この芯出を行う調整はできませんが(調整機構がない)
ジンバルフォークは背面パネルの固定方法である程度の調整を可能としています。
1/10°程度を目処に調整して出荷いたします。


このジンバルフォーク赤道儀はGF50と命名しました。
Gimbal Forkの頭文字と,5cmの屈折望遠鏡の搭載を前提としたためです。
以前からご紹介しています,500mmクラスの望遠レンズでも
なんの問題もなく搭載できますが控えめにネーミングしました。

星野撮影においてもレボルビング装置とフルサイズ一眼でも余裕で搭載します。
GF50本体(ジンバル含む)と写真のX-Y微動マウント(XY50)にBENROフラット三脚
全てで4kgです。(駆動用の電池も含みます)

写真のように電池も一体型で基本的に外付けパーツや配線はありません。
もちろん極軸望遠鏡の照明回路も内蔵しています。
安定を良くするためモーター部を大きく南にシフトしていますが
そのおかげで極軸望遠鏡は大変覗きやすくなっています。


価格は以前ご案内しているとおり,標準タイプで89,500円
ケンコー製の極望タイプは96,000円です。(対物レンズ保護用フード付き)

何れも写真のジンバル雲台付きですが,写真のXY50(高度・方位調整装置)
及びクイックリリースプレートはオプションです。

BENROフラット三脚及びXY50とのセットやジンバル抜きでの販売も予定しております。

発売開始は当初ご案内より半月ほど遅れ5月中旬の予定です。

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2012年4月14日 (土)

BENROフラット三脚とX-Y微動マウント

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先日から同じような内容ですが,XY微動マウントのアルマイト処理が済んだので
改めてご紹介します。
アルカスイス規格のクイックリリースプレートをつけた状態です。
BENROフラット三脚にX-Y微動マウントをつけた状態での重さは約2.2kgです。


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このシステムに人気のポラリエを載せてみましたが良くマッチしています。
ポラリエにはジンバル雲台とレボルビング装置はやや荷が重いようですが
自由雲台に比べ軸廻りのバランス崩れが少ないので
歩留まりの良い写真が期待できそうです。

極軸オンリー+自由雲台では多くの場合,極軸の回転方向のバランスが崩れます。
しっかりした赤道儀では問題ないのでしょうが
小型赤道儀ではこのアンバランスは星が流れて写る大きな要因と思います。
Pモーションは小さいハズなのに写った星が流れているのは
この大きなアンバランスを疑ってみる必要があると思います。

 
先日ご案内しましたBENROフラット三脚(2段仕様の特注品,限定100本)と
X-Y微動マウントはセットでの予約を受けつけています。
残りは半数ほどになりましたが
発売記念価格も設定していますのでよろしくお願いします。

またBENROフラット三脚はAstroDreamTechで開発中のポータブル赤道儀との
セット販売も予定しています。
(この赤道儀は本体に高度・方位調整装置が付いていのでXY50は不要です)

なお,X-Y微動マウントの名称は回転部のサイズからXY50としました。
現在,より大型のXY65,XY80(何れも50,65,80SYSTEMの流れを汲みます)と
GITZOシステマティック規格の大型カーボン三脚も計画中です。
カーボン三脚はBENROフラット同様にポータブル赤道儀用として特注する1段仕様で
海外遠征用の自動導入軽量赤道儀用としても採用予定です。


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2012年4月10日 (火)

H-40やMark-X用のX-Y微動マウント

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昨日ご紹介しました,BENROフラット三脚専用のX-Y微動マウントですが
H-40やMark-Xでは使えないかとのご質問をいただいております。


まずH-40ですが写真のように専用の高度プレートを準備します。
写真はイメージがつかめるよう並べて置いているだけですが
写真の裏面からH-40本体のツバ(M10タップ)部をM8のボルトで固定します。
赤道儀は改造しないのでお客様で取付できます。
(ネジ位置の関係上,専用の高度プレートは上の写真より背が高くなります)

なお標準仕様のままでもカメラネジで取付る事はできますが
その場合背が高くなりすぎて不安定なうえスタイルも悪くなります。

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Mark-Xは上の写真のような専用プレートで対処します。
見づらいのですがMark-XにはPENTAX67を載せているので
三脚や微動マウントには10kg弱の荷重がかかっています。
さすがにカメラ用のBENROフラット三脚では少し振動がでますが
X-Y微動マウントを強度の高いPTP-2に載せれば
これくらいまでの荷重なら実用になる強度です。
 
 
H-40用もMark-X用もセット価格は一般用と同じ51,000円です。
(記念価格は46,000円)
何れもカメラネジ対応の標準プレートは別売(3,000円)りとなります。

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今回Mark-Xを搭載するための材料を探していたら
使っていない在庫が見つかりました。
Mark-X台座用プレートが5枚と極軸につける65SYSTEM用プレートが3枚。
台座プレートはX-Y微動マウントに取付できるに加工いたします。

Mark-X用のX-Y微動マウントには台座プレートが付くので
台座プレートはあまり役に立ちませんが
三脚とのセットをご予約いただいた方には無償でご提供いたします。
無くなり次第終了させていただきます。

製品の表面処理は黒アルマイトですがサービス品は銀梨地処理となります。
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2012年4月 9日 (月)

BENROフラット三脚専用X-Y微動マウント

BENROフラット三脚は5月1日からの出荷開始予定ですが
専用のX-Y微動マウント(最終評価版)ができましたのでご紹介します。
まだアルマイト処理前の状態で,調整ツマミなどは手持ちを使っています。

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BENROフラット三脚は構造上
雲台取付部はカメラネジ(W3/8)が立て込まれているので
底面に雌ネジが切られた微動装置では締め付け位置が定まりません。
特にフラット三脚の場合,両側に張り出した肩を東西に
それと直角の足を北に向けた方が見た目シックリするようです。
対策としてパノラマ雲台を流用する手もありますが
それでは別途高度調整が必要となりあまりにも芸がありません。

今回製作したX-Y微動マウントは
方位調整用のツノがついたベース部を専用ナットで三脚に固定します。
(写真は仮の袋ナットを使用しています)
通常はこのベースは三脚につけたままで
スリ割クランプ固定式の方位調整部で脱着できます。

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上部から落とし込んだ後,クランプを軽く締めた状態で方位の微調整を行い
調整後はクランプを締めることで全くガタのない固定ができます。
微動機構は一般的な赤道儀と同じ原理ですが
両側からネジで押して固定するのではなく
スリ割式クランプで締め付けるのが大きな特徴です。

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高度調整も一般的な赤道儀と同じ方式ですが
クランプは回転軸を締めるのではなく離れた場所を2枚のプレートで締め付けます。
65SYSTEMと全く同じ構造です。

この高度調部は高緯度用と低緯度用の交換式プレートや
Astor Tracなど逆傾斜?式(55°に傾けた状態で緯度35°相当)及び
固定面が35°に傾斜した一部の赤道儀用もラインナップします。
(標準付属のプレートで35°±15°調整可)


構造上,方位も高度軸もガタは皆無です。
小型で軽量(約500g)ですがその外観からは想像できない強度を発揮します。
またクランプすれば確実に固定するのでガイドマウントとしても使えます。
(ベース部がM6×2本(35mm間隔)固定,高度調整は水平仕様)

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上の写真は,ベース部を専用ナットで三脚に固定した状態です。
手前がX-Y微動マウントを裏返した状態です。
底になって見づらいのですが赤道儀取付プレートも各種発売予定です。
アルカスイス規格のクイックリリースプレートも装着できます。

写真奥と右は開発の参考や強度比較テスト用に使った他社製品です。


今回紹介するX-Y微動マウントはBENROフラット三脚専用なので
三脚とのセット販売となりますが,近日中に一般用も単体発売予定です。

価格はBENROフラット三脚(単体価格29,000円)とセットで51,000円です。
なお,フラット三脚発売記念として限定30セットは46,000円でのご提供です。
(既にフラット三脚をご予約中のお客様には17,000円でご提供いたします)

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2012年4月 8日 (日)

鏡筒バランス対応システム-2

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小型・短焦点の屈折望遠鏡では,接眼部に重たい冷却CCDカメラなどを取付た場合
鏡筒の前後方向のバランスが取れなくなるので
以前,それに対応するためにオフセットプレートをご紹介いたしました。

今回ご紹介するのも基本的には以前と変わりないのですが
接眼部の保持を考慮した新タイプのアリガタや専用プレートです。
接眼部側の保持用バンド等の取付穴が4列に配置されました。

写真はDS65シリーズ用のオフセット対応アリガタ(DP65-288)に
FSQ-85EDを取付けています。

接眼部は使用形態により固定方法が異なりますが
FSQ-85ED用の延長筒を61φのバンドで固定した状態です。

紹介例はDS65用のDP65-288ですが,SX-D赤道儀等に対応した
ビクセン規格のアリガタに縫い合わせるプレート(TP-288)も準備しました。
穴位置等は写真のDP65-288と全く同じです。


 
現在,金環日食などでTB60や80の需要が急増しています。
特にFS-60C用のTB-80は,魅力的なカラーの鏡筒が発売されたことなどで
入荷しても直ぐ完売する状況です。
現在増産していますので,今月中には十分な在庫を確保できる予定です。
なお,ビクセンのED80など用のTB-90や,ペンタックス105SDP等用の
TB-115を極少量生産しております。 

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2012年4月 2日 (月)

追尾精度の測定(H-40赤道儀)

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先日のP-2赤道儀に続きタカハシのH-40赤道儀(一部改造品)の
Pモーションを測ってみました。
写真のようにドームの横に据えてテストしています。
撮影時間はウォームギヤ2周期分の20分です。

結果はP-2と大差ないほど高性能で滑らかなモーションです。
条件を変えて何カットか撮影しましたがほとんど変わりありませんでした。

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CCDのPixelサイズからの計測ではP-Pで14秒角程度なので
悪くみても±10秒以下でしょう。
以前所有していたFC-50赤道儀(ベースはH-40)も±10秒程度のモーションでした。
極軸望遠鏡も内蔵されていますので,これなら100mm程度のレンズまでなら
10分以上の露出に耐えられると思います。

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