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2012年8月

2012年8月24日 (金)

ケアンズ日食に向けてのご対応について

11月のケアンズ日食に向けての準備期間は2ヶ月程となりましたが
日食関連の機材の在庫や出荷状況等をご案内いたします。
 

まずGF50赤道儀ですが,10月末までに15台ほど出荷可能です。
ケアンズ用として特別に準備した,XY50-15も必要数確保しております。

下の写真はGF50とXY50-15の組み合わせにFC60を搭載した例ですが
極めて重心が低く,低緯度(写真は15度状態)でもバランスを保っています。

B12_08_241
次にXY50の第2ロットは予定を1ヶ月ほど前倒し9月20日前後に出荷開始します。
初期ロットで不足した,XY50-0,XY50-55は各50台準備しますが
XY50-15の予定はありませんので日本国内仕様でのご対応をお願いします。

1.GF50やポラリエなど標準的な赤道儀 
2.ASTOR TRACなど背面で固定する赤道儀
3.35度の傾斜角を持った赤道儀

全てにおいて,XY50シリーズの緯度調整範囲は±15度としておりますが
構造上の限界は±17度です。
従いまして,XY50-0,35,55は最大限に倒すと緯度では18度に対応します。
ケアンズの緯度は約17度なので南側の脚を僅かに低くする事で対処できます。
ただ,3においては重心位置が高くなるので強度の高いXY65をお勧めします。

 

最後にXY65ですがPTP-Carbon用のXY65-35は9月20日の出荷となります。
国内仕様のXY65-35でも35度±25度(10~60度)をカバーするので
ケアンズでもそのまま使えます。
マークXベースモデル又はスカイメモR,RS専用プレートが標準付属します。


なお,GITZO製システマティック三脚用(一部の機種に限定)及び
傾斜角を持った赤道儀用のXY65-0は10月中旬発売予定です。

B12_08_242
ASTOR TRACとスカイメモPをXY50-55やXY50-0を使って緯度18度にした状態ですが
逆に倒して傾斜角をキャンセルするスカイメモPは見るからに不安定です。
 

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2012年8月21日 (火)

憧れの16cm反射望遠鏡

B12_08_21
先日,お客様の五藤光学製8cm屈折用赤道儀をご紹介しましたが
同じ赤道儀に載った16cm反射に憧れていました。
就職先で地元の天文同好会に入会し,本格的に天文を再開した頃のことです。
当時,42万円もしていましたのでとても手の届く望遠鏡ではありませんでした。
 

お客様の赤道儀を見ている内に当時の事を思い出し,急に物欲が沸いてきましたが
たまたま見たオークションに出品されていたので迷わず落札していまいました。
リサイクルショップのジャンク品扱いでしたので
鏡面の状態が心配でしたが主鏡カバーが付いていたため鏡はピカピカです。
まだモーターも付いていませんが簡単に光軸をあわせて星を見たところ
さすがは五藤光学の望遠鏡と思わせる見え味です。
アルビレオなど夏のメジャーな天体を見た感想では15cm屈折に勝るとも劣りません。
星像はシャープでコントラストも抜群です。

最近は写真ばかり撮っていますが,良くできた16cmF8反射で覗く星は
本当に綺麗で少し初心に戻れたようです。

将来,時間がとれるようになったらじっくりとレストアして
観測所のリビングに飾って置きたい望遠鏡です。

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2012年8月18日 (土)

実用的で美しいカスタマイズ

B12_08_18

写真はH-40赤道儀をフルカスタマイズしたものです。
同様のカスタマイズを何件か受注していますので手持ちの赤道儀で組んでみました。

先日ご紹介した写真とほぼ同じ状態ですが
三脚,高度・方位調整装置,モータードライブ,赤緯軸をカスタマイズしています。
H-40赤道儀の赤緯軸を切断するなど大胆な改造を行っていますが

H-40のオリジナリティを壊すことなく美しいカスタマイズができたと思っています。

 

実は6月に福岡で開催されたCANP'12の会場で,展示していたGF50赤道儀を
ご覧いただいた方から「美しい」とのお褒めをいただきました。
「物を作る」人間にとって大変嬉しいお言葉でしたが
カスタマイズにも同様の美さを追求しています。

赤道儀だけでなく三脚やモータードライブなども含めた総合的な美しさを
心がけています。写真のPTP-Carbonでは開脚時の角度にもこだわりました。


もちろん見た目でなく一番大事なのは実用性です。

今回紹介するH-40のフルカスタマイズでは
モータードライブの電源も内蔵しているのでスイッチを入れれば直ぐ撮影できます。
消し忘れのトラブルが多い極軸望遠鏡の照明もモーター電源から供給されます。
 
極軸望遠鏡を別に持ってまわる手間や据付け精度への疑問
都度,駆動用の電源ケーブルを引き回すのでは
実用性の高いポータブル赤道儀とは言えないと思います。

 

フルカスタマイズにはそれなりの費用がかかります。
ただベースとなるH-40赤道は追尾精度も良く素晴らしい作りです。
良い物をカスタマイズしてずっと使い続けること。
先日ご紹介しました五藤8cm赤道儀の例もそうですがお手伝いできて嬉しい限りです。

 

今回紹介した中で使用しているモータードライブ(AMD-1)は
再販のご要望が多いので準備中です。
対応機種はH-40とP-2ですが,マークXも検討中です。
回路を全面的に見直し,オートガイド対応の2軸駆動としたAMD-2となる予定です。
(赤緯モーターは現時点では白紙ですが,駆動回路は標準で2軸を内蔵します)

電源は単三電池3本で10時間以上駆動します。(恒星時駆動時の消費電流は60mA)
価格はAMD-1と同じ36,000円(全機種共通)を予定しています。

--------------------------------------------------8/19日追記---

改造で使用しているH-40用のXY50の在庫数は極めて少なくなっております。
H40専用の高度プレート単体販売(3,000円)も含め完売次第終了となりますので
よろしくお願いいたします。 

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2012年8月17日 (金)

スカイメモPとXY65

B12_08_17
XY65の大きさをイメージしていただけるようスカイメモPを搭載してみました。
見た目のバランスも良くこのクラスの赤道儀との組み合わせがベストと思います。
XY65用のスカイメモ取り付けプレートはR,RSに対応する予定です。
(仕様見直しより,QとNSは対象外といたしました。8/21日追記)
 
 

ところで写真のスカイメモPは,高度・方位調整装置と併用するために
赤道儀本体の傾斜部を取り除いています。

オリジナルのままで高度・方位調整装置を併用すると
異常に重心が高くなり見た目も不安定になるためですが
このように傾斜を持たせた赤道儀は
微動装置などは使わないのが正しい使い方かもしれませんね。
 
B12_08_171

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2012年8月16日 (木)

XY65とH-40専用のXY50

B12_08_161

先日ご紹介しました,XY65の最終評価機が完成しましたのでご紹介します。
写真は専用に設計したPTP-Carbon仕様です。
赤道儀を取り付ける各種プレートの詳細などは後日改めてご紹介しますが
大胆な肉抜きを行っているのでPTP-Carbonと合わせた重さは2kgです。

XY65は高度軸を両側から挟み込むのでたわみや振動が少なく
マークXのベースモデルやスカイメモRなどに最適です。
また構造上重心が高くなる箱形のポータブル赤道儀も余裕で搭載します。
 

XY65は写真のPTP-Carbonと組み合わせを前提に開発していますが
PTP-Flat用や一般三脚用も逐次発売いたします。

価格は以前のご案内のとおり,PTP-Carbon用が24,800円で
PTP-Carbonとのセットは78,500円です。発売開始は9月20日ころの予定です。

(一般用の価格は仕様により異なりますので改めてご案内いたします。
PTP-Carbonの現ロットは在庫数が少なくなっていますので
セットでご提供できる数量はあと僅かです,次期ロットは11月以降となります)


B12_08_162
次に紹介するのはH-40赤道儀専用のXY50-35です。
H-40赤道儀とXY50の接続は強度や外観を損なわないよう留意しました。
またH-40側には一切の加工を行わなずに取り付けられることも大きな特徴です。


H-40はポータブル赤道儀の元祖的存在ですが,ご紹介のようなカスタマイズを
行うことで理想のポータブル赤道儀になります。
この赤道儀の美しさを損なうことなくカスタマイズできるアイテムに仕上がったと
自負しております。

H-40専用のXY50-35も他と同額の15,800円です。(35度タイプのみ)
H-40での使用時は使いませんが,他機種と同じプレートが標準付属するので
通常のXY50と同じようにも使えます。
数量は20個限定です。予約分があるので在庫は少なく再販の予定はありません。
(既にXY50を所有されている方は,H-40専用の高度プレートを
単体で販売いたします。価格は3,000円です)

 
B12_08_163
個人的には上の写真のようなシステムが理想的なポータブル赤道儀と思います。


XY50初期ロット(残りの8/10)の出荷は8月10日前後でご案内しておりましたが
用品調達の関係で1週間ほど遅れております。本日から出荷開始いたしました。

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2012年8月14日 (火)

J型レボルビング装置の開発状況など

B12_08_14
現在,レボルビング装置はリング型のRR-110を発売中ですが
過去に何度かこのブログでご紹介しました
J型のレボルビング装置(JR-80)も発売に向けて最終段階です。
(リング状レボルビングのRRに対して,アルファベットのJの字状なのでJR,80は半径)

写真はJ型レボルビング装置の初期の試作機ですが(この後何度か試作を
繰り返しています)JR-80はこの写真のように標準で赤緯軸相当を組込む予定です。

ただ,JR-80はポラリエクラスの小型赤道儀での使用を前提としたサイズとし
任意のレボルビング位置で固定できる程度に割り切った設計で
RR-110のような滑らかな回転はできません。


メインのポラリエ用は,極軸相当の回転軸とバランスウエイトもセットします。
赤緯軸,極軸側ともにXY50の方位軸と同じようなスリ割式クランプを有するので
単体で赤緯,極軸の回転に加え,レボルビングが可能となります。
(写真の試作機よりずっとスマートで軽量になります)


またRR-110は,ひとまわり大きいサイズのご要望をいただいていますので
RR-125を開発中です。(110,125は回転リングの内径)


JR-80は11月頃,RR-125は10月頃の発売予定で
価格は何れも36,000円ほどを予定しています。
上記JR-80の価格はポラリエ用で赤緯,極軸の回転軸を有すタイプの場合で
バランスウエイトも含んだ価格です)

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2012年8月11日 (土)

GOTO 8cm赤道儀用2軸モーター

B12_08_11
お客様からのご依頼で五藤光学の8cm赤道儀を2軸駆動化しました。
この赤道儀はスマートな外観ですが
16cm反射も搭載されるほどで見ため以上に丈夫です。

基本構造は今でも人気のマークXと同じで
ウォームホイールには荷重がかからない構造を採用されています。
個人的にはこの構造がベストと思っておりAG88の設計では参考にしました。
  

古い赤道儀なので今ではこの赤道儀用のモータードライブの入手は難しく
恒星時駆動だけでもできればとのご相談でしたが
今回はMTS-3SDIを採用したため一気に自動導入対応となりました。

古い赤道儀ですが機械部は基本に忠実に作られており今でも素晴らしい状態です。
これで最新の機器にひけを取らない赤道儀として生まれ変わりました。
 

ところでこの赤道儀には極軸望遠鏡はついていませんが
極軸は中空で極軸望遠鏡が入るスペースがあります。
赤緯軸もバランスウエイト側まで貫通していないので
設計当初は極軸望遠鏡を採用する予定ではなかったかと思われます。

赤緯体に20φほどの穴をあければ極軸望遠鏡を組み込めそうですが
下手するとオリジナルの美しさを損なってしまいますね。

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2012年8月10日 (金)

AG88の基本構造

B12_08_10
7月18日ご紹介したAG88の極軸部の構造やその保持方法はまだスケッチでしたが
構造的に最終形態となる試作機ができましたのでご紹介いたします。
写真は極軸部構造がわかるように微動を受け持つ回転ステージをつけない状態です。

極軸はフロントプレートと一体構造の軸受けハウジングで保持しており
ハウジングの両端にはボールベアリングが内蔵されています。
極軸北端にかかる荷重の全てはハウジングで受け,回転ステージはかかりません。
これは据付用の大型赤道儀とよく似た構造です。


箱型のポータブル赤道儀は極軸の南端を保持していますが
AG88は据付用赤道儀と同じように荷重のかかるフロントプレート部で保持するので
極軸やハウジングへのモーメント荷重に対して有利です。

また,充分な肉厚のフロントプレートを4カ所で固定するので
肉厚の薄いボックス状のハウジングより強固になります。


現在AG88はお客様のニーズを調査する目的で受注生産を行っております。
その中で,自動導入までは要らないが2軸ガイドは是非欲しいとの
ご要望を受け1タイプ追加す方向で検討中です。

・AG88:恒星時追尾のみの基本仕様(1軸ガイドは可)
・AG88G:2軸オートガイド仕様 ←新たに追加
・AG88GT:自動導入仕様

AG88Gの価格はPTP-Flat仕様で20万円弱の予定です。
AG88,AG88GTは以前のご案内と変わりありません。


 

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2012年8月 3日 (金)

XY50とXY65

B12_08_031
先日の記事で,XY50の上位機種(XY65)を10月に発売すると案内しましたが
秋のケアンズ日食遠征用としてマークX極軸体(MX-1)やスカイメモRなどを
検討されている方からその仕様などのお問い合わせをいただいております。

XY50の50は回転部(50φ)や上部赤道儀取り付け部のサイズ(50×50mm)ですが
XY65はそれらが65φや65×65mmになります。
また,XY50の高度調整部は片側保持ですが,XY65は通常の赤道儀と同じように
両側から挟み込む構造で,たわみや振動に対してはXY50より圧倒的に有利です。
そのままスケールアップしたのでは重たくなるので
大胆な肉抜きを行いXY50と殆ど同じ重さになるのも大きな特徴です。

さらに標準の高度プレートで緯度10~50度までカバーします。
ケアンズでもニュージーランドでもそのままご使用いただけます。

 


ただ赤道儀取り付け面は構造上,下部からの固定ができないので
写真のXY50のようにクイックリリースクランプ(QRC)を採用します。
(MX-1やスカイメモは専用のプレートを準備するので必ずしもQRCは要りません)

XY50は既製品(BENROのQRC50)を採用しますが
XY65用は専用のQRC65を新規に開発します。
固定するクイックリリースプレート(QRP65)はビクセン規格を採用します。

XY65は当初予定より少し早くなり9月中旬発売開始となります。
今月中旬には実物をご紹介できるのでご期待ください。

価格は仕様によりますが,専用カーボン三脚(PTP-Carbon)用は
24,800円を予定しています。
(上記価格はシステマティック三脚用の場合で
カメラネジ仕様はオプションのアダプターが必要,QRC65は別途オプション)

PTP-Carbonとのセット販売も行う予定です。(78,500円,10セット限定)

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現在,XY50は在庫切れ中ですが今月10日前後にまとまった数が再入荷します。
ただ,入荷数の3/4ほどは既にご注文いただいておりますので
お急ぎの方はご予約をお願いいたします。
XY50の次期ロットはXY65の次になり現時点では10月中旬の予定です。

特に0度と15度プレートは今回の入荷数は各20台です。
55度プレートは予定を早め8月末には入荷します。

 

最後に,明日・明後日の2日間,原村で開催される星祭りに
天文ハウスTOMITAさんが出店されます。
私は業務の都合で行けないのですが,XY50(デモ機)を展示してもらいます。
XY50とPTP-Flat三脚のセットやDS45などを会場特価で販売しますので
よろしくお願いいたします。(XY50は後日直送します)

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