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2013年3月

2013年3月30日 (土)

XY50やRR-110の在庫状況とGF50について

B13_03_30

長期間在庫切れでご迷惑おかけいたしましたXY50は第三ロットが入荷いたしました。
現在,0,15,35,55度すべて即納できます。
また,レボルビング装置(RR-110)も在庫を確保しているので即納できます。

写真はXY50やRR-110をGF50赤道儀に装着した状態です。
三脚も含め全てオリジナルで,このスタイルでの使用を想定しGF50を企画しました。

ただ残念ですがGF50は材料調達の関係で近日中に生産終了となります。
50台分の材料を準備して,昨年の7月に発売開始しましたが
8ヶ月間でほぼ完売いたしました。

また,100本限定で製作しましたK-ASTECオリジナルのBENROフラット三脚も
在庫が20本ほどになりました。これも在庫限りで終了となります。


GF50は日食撮影と星野撮影を両立する超軽量赤道儀として
三脚や極軸の高度・方位調整装置も併せて開発しました。
また自由雲台を使わずに構図がとれるようレボルビング装置も開発しました。
構図をとるときにカメラの重量を手で支えなくてはならない自由雲台は
小型赤道儀においてはとても使いにくいアイテムですし
原理的にバランスは取れていないので時間経過に伴い撓んでしまいます。


GF50は生産中止となりますが,ポストGF50を準備中ですのでご期待ください。
GF50同様必要なものはトータルで開発いたしますが
もちろん自由雲台は使わない設計思想です。

 


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2013年3月29日 (金)

今回のオーストラリア遠征機材

B13_0_28

今回のオーストラリア遠征はパンスターズ彗星と
大マゼラン星雲などを冷却CCDで撮影したかったので
ビクセンSP-DX赤道儀を持って行きました。

この赤道儀の追尾精度が高い事はこのブログで何度か紹介しましたが
今回は南半球での撮影なので,極軸設定の容易さが決め手になりました。
倍率が低いので毎日移動する観測でも数分でセッティングできました。

写真は3月3日の撮影風景です。オーストラリアに着いた日の夕方です。
夕日の影響もありますが赤茶けた大地はいかにもオーストラリアですね。

ところでこのSP-DX赤道儀でも使っていますが
SP赤道儀用のM8-P.C.D35アダプターは今でも多くのご要望をいただいています。
以前ご紹介したとおり既に70台ほど作りましたが
その後も継続したご要望をいただいていますので
さらに30台追加で製作することとしました。

今までは何度も「これで最後」とご案内しておりましたが
今後はご要望がある限り製作いたします。
ただ,最低でもご要望が10台程まとまってからの製作となります。

大げさかも知れませんが,このアダプターが
100台ものSP(SP-DX)赤道儀がこれからも大切に使い続けられる
”お手伝い”になれればうれしい限りです。


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2013年3月22日 (金)

3月21日のパンスターズ彗星

Panstarrs_13_3_21

撮影データ
SXVR-H18冷却CCDカメラ (-10℃)10秒露出×11枚コンポジット
VELOCE RH200 GotoMXⅡ赤道儀 一部をトリミング


昨夜自宅天文台で撮影したパンスターズ彗星です。
北半球では初めての撮影になります。

自宅屋上は西の方向は低空まで見えますが
丁度福岡市内の方向になるので条件はよくありません。
探すのに手間取り,超低空での撮影となったこともあり
見栄えは良くありませんが記録として残しておくのもよいでしょう。

屋上からは東の空も良く見えますが
この方向の空は暗いので高度を増す4月以降が狙い目のようです。

当初の予想より暗いと言われていましたが
最近の観測結果では近日点通過頃は0等級ほどになったみたいです。
この写真でもわりますが,集光が強く核は明るいようです。
 


 

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2013年3月16日 (土)

冷却CCDのセンサー傾き調整

B13_03_16

レーザーコリメーターを使い冷却CCDセンサー面の傾きを調整しました。
これは,昨年のCAMPで福岡から参加された方が発表された手法で
理にかなっていると感心しておりましたがやっと実践できました。

CAMPでのご紹介は鏡を使われていましたが
手元に丁度良いサイズのオプティカルフラットがあったので
これをCCDカメラのフランジ面に置いて調整しました。
鏡の場合は鏡を置いた時と外した時を交互に見比べる必要がありますが
オプティカルフラットの場合,フランジ面の反射とCCD面の反射を一緒に見られます。

詳しくはこちらのブログで動画で紹介されていますので
CCDチップの傾きが気になる方は一度調整されてみてはいかがでしょうか。

なお,今回ご紹介したStarlightXpress製の冷却CCDカメラは
調整機構を備えているので短時間で調整できます。

写真はCCDからの格子状の反射光がオプティカルフラットに写っている状態です。

(調整には光学調整用のレーザーを使うべきですが
故障したため手持ちのグリーンレーザーで行いました)

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2013年3月13日 (水)

極低空のパンスターズ彗星

B13_03_13

写真は3月6日に
デンハム(パースの北約800km)の港で撮影したパンスターズ彗星です。
手前はヨットで,少し沖にはクルーザー?が写っています。

撮影に使ったレンズの画角は8度強(対角で)ですが
それから計算するとこの時の彗星の高度は2度ほどです。

彗星核はそこそこ明るいのですが,日に日に高度を下げるため
撮影はどんどん難しくなりました。
せめて薄明終了時の高度が10度ほどあれば迫力のある写真が撮れたと思います。

 


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2013年3月12日 (火)

Hαで撮影したηカリーナ星雲

H18_2

撮影データ
SXVR-H18冷却CCDカメラ (-10℃)600秒露出×9枚コンポジット
PROMINAR500mmF5.6FL→350mmF4,Haフィルター使用
SP-DX赤道儀 オリジナルをトリミング,クリックで拡大します。


ご紹介するのは3月5日に冷却CCDカメラで撮影したηカリーナ星雲です。
ηカリーナはデジカメでも撮影していますが
冷却CCD+ナローバンドフィルターで撮影した画像のクオリティは圧倒的です。

デジカメのカラー要素を使ってこの画像をカラー化できればと思っていますが
星像があまりにも違うのでハードルは高そうです。


今回は十分な撮影時間があったので冷却CCDでの撮影も楽しみました。
今回の350mmの他,16mmや35mmのカメラレンズでも撮ったので
少しずつご紹介いたします。


 

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2013年3月11日 (月)

オーストラリアの空

_mg_9860ss

撮影データ
EOS 5DM2(IRカット改造) ISO1600 180秒露出,SAMYANG35mmF1.4→F4
SP-DX赤道儀で自動追尾,オリジナルを1/4に縮小,クリックで拡大します。

昨日のパンスターズ彗星の記事でも触れましたが
今回の遠征期間中はずっと快晴でした。今日ご紹介する写真は
西オーストラリア州のカルバリーで3月5日に撮影した南十字付近です。
定番の領域で,この時期訪れたら必ずと言って良いほどこの構図で撮っています。
ちなみに”みなみじゅうじ座”の左上で明るい恒星に見えるのはω星団です。

フルサイズデジタルカメラで3分露出したJPEG1枚画像ですが
たった3分露出の1枚画像でもこの程度の写真が得られのは
オーストラリアの空のおかげでしょう。
空さえ良ければ特別な処理は行わなくともそこそこの写真が得られます。

今回は十分に時間があったので同じ構図の写真を複数枚撮影できました。
後日じっくりと処理するつもりです。

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2013年3月10日 (日)

パンスターズ彗星-速報

Panstarrs_13_3_3_s

・撮影日:2013.3.3 20:02 露出8秒
・撮影地:西オーストラリア州バッジンガラ近郊
・カメラ:OLYMPUS OMD,ZD150mmF2開放


写真は西オーストラリア州バッジンガラ近郊で撮影した
パンスターズ彗星(PANSTARRS C/2011 L4)です。

今回ご紹介するのは3月3日に撮影した写真ですが
その後,日を追うごとに高度が下がったため写真写りは悪くなりました。

オーストラリアの透明度でも日没後1時間ほど経過しないと撮影できず
その時の彗星の地平高度は5度を下回ってしまいました。
(写真は少しトリミングしていますが
レンズの画角から計算するとこの観測地での地平高度は2~3度です)

今回の遠征はパンスターズとレモン彗星の撮影がメインでしたが
高度が極端に低かったので期待した程の結果は得られませんでした。
ただ,遠征期間中はずっと快晴だったので南天の星空を堪能できました。
これらの写真は後日ご紹介いたします。

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2013年3月 2日 (土)

臨時休業のお知らせ

3月4日(月曜日)~10日(日曜日)まで臨時休業いたします。
期間中はご迷惑おかけいたしますがよろしくお願いします。

期間中,パンスター彗星観測のため,西オーストラリアへ遠征します。
パンスター彗星は当初の予想ほど明るくならないようですが
代わりにレモン彗星が元気です。

2004年のリニア・ニート彗星のように肉眼彗星がダブルで見られる
事は滅多にないので楽しみです。

下の写真はそのときのリニア彗星です。
処理が未熟で恥ずかしい写真ですが
今度は少しは上達した写真をお披露目できるといいのですが。


B13_03_01


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