赤道儀の追尾テスト
先日もご紹介しましたが,最近は晴れれば赤道儀の追尾テストを行っています。
従来は眼視で行っていましたが測定データを定量的に把握できるよう
ガイド鏡などを固定した上で,PHD-Guidingの追尾グラフを残すことにしました。
赤道儀の追尾精度は赤道儀そのものの精度によるところが大きいのですが
後付モーターの場合,その伝達ギヤの精度(主に軸の偏芯)も影響します。
写真のH-40用などとして販売しているAMD-1は
高精度のギヤを採用していますがその評価も行えるのでデータを残すと便利です。
先週までに5~6台の計測を行ったので幾つか紹介いたします。
先日シンチレーションの記事で紹介したのは自宅観測所の五藤光学MXⅡです。
このクラスの標準的な±5秒角程度のモーションがありますが
なめらかなサインカーブを描くのでガイドは安定します。
下のグラフは同じく五藤光学のMark-Xです。
これは±10秒角程度ですがこれも標準的な値でしょう。
これはPENTAXのMS-4のグラフです。メーカー公称値の±7秒角ほどですが
以前所有していた固体はこの半分ほどでしたので特に優秀だったのでしょう。
これもなめらかなサインカーブです。
最後は写真の高橋製作所製H40赤道儀ですが±5秒角ほどで
MXⅡより優秀かも知れません。
あまりに精度がいいので荷重をかけたりして何度も計測しましたが
間違いありませんでした。ギヤの精度も全く問題ないようです。
ところで最後の例のようにPモーション±5秒角の高精度赤道儀でも
ガイド鏡と同じ240mmのカメラレンズでは3ピクセル星がずれます。
(ガイドカメラと撮影カメラのピクセルサイズがほぼ同じとみた場合)
通常のポータブル赤道儀で±5秒角の精度など到底期待できませんが
3ピクセルもずれると微光星は延びて写ります。
200mmの望遠レンズでピクセル等倍でも星を丸く写したいなら
ガイドは必須であることを改めて実感しました。
周期の大きなカーブに小さい振幅が重なっているのは
安価なPM型モーターを採用した機種で発生しているようです。
MXⅡやMS-4のハイブリッドタイプに対して
安価なPMモーターを採用したMark-XとH-40は小さな振幅が重なっています。
同じ赤道儀で両者を比較してみるのもおもしろそうですね。
測定条件は前回と全く同じです。
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