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2013年5月23日 (木)

カメラレンズ用フォーカサー -1:StarLightXpress用

Lsf_1

過去にカメラレンズ用フォーカサーを頒布していましたが
その後も再頒布のご要望をいただいているので,10台ほど製作しています。
今回製作するのは以前のタイプから構造を大幅に変更しました。

中核となる駆動部に中古の光学用リニアステージを採用した事から
基本的にご予約いただいた数量分のみの製作となりますが
対応機種によっては,入手が比較的容易なステージを使うので
若干の作り増しは可能です。(FLI用に限っては追加は対応できません)


使用する冷却CCDカメラの外形から大きく分けて2タイプ作りました。
・カメラがステージ上で移動する,LSF-MCタイプ→主にStarLightXpress用
・レンズがステージ上で移動する,LSF-MLタイプ→主にFLI用

最初にご紹介するのはStarLightXpress用のLSF-MCタイプで
フィルターホイルとレンズサポートリング(外形80φまでサポート)付きです。

これはStarLightXpressのSXVR-H18やH694専用です。
手回し式ですが31.7mm枠付き5枚,または36mm枠無し4枚を準備します。
(フィルターホイールの蓋も付きます)

Lsf_cmf1

カメラがSXVR-H18,EFマウント,フィルター厚み3mmの場合
固定部と可動部の間隔は約5mmでピントが合いますが
この隙間の遮光は専用のスポンジを準備します。厚みはご指定可。

Lsf_cmf2

SXVR-H18,H694はカメラに付いたスケアリング調整プレートを取り外し
フィルターホイールに直接固定。ここでスケアリングの調整ができます。

Lsf_cmf3

 


次のタイプはLSF-MCタイプですが,レンズサポートとフィルターホールは付きません。
SXVR-H18などは純正のM42P0.75で接続するのでそれでスケアリング調整できます。

マウント部はEFマウントの他,M42P0.75やM72P1などが選べるので
直焦点撮影にも使えます。マウント部の撓み防止の観点から
カメラ後部に付けた保持リングとトッププレートを併用するシステムです。

Lsf_cm1

Lsf_cm2
 
 

多くの構成部品は共通仕様なので,ベースプレートを短いタイプに変えれば
フィルターホイールタイプをレンズサポート無しにもできますが
その場合は構造上撓み防止のプレート類は使えません。
 


今回紹介したStarLightXpress用はごく僅かですが余剰があります。
また比較的入手し易いステージを使うのでご要望が多ければ作り増もできます。

興味のある方はHPからお訪ねいただけると幸いです。簡単な資料をお送りいたします。
価格は仕様によりますが65,000円~95,000円(フォーカスコントローラーは別途)です。


使用するリニアステージは全て光学測定機などから取り外された中古品で
2相のステッピングモーターに交換するなどの改造を行っています。
以下は代表的なステージの仕様です。

・耐荷重 :10kg
・分解能(Full/Half) :5μm/2.5μm
・繰返位置決め精度 :±0.5μm以内
・バックラッシュ :±0.5μm以内
・運動の真直度:1μm以内
・運動の平行度 :5μm以内
・ピッチング/ヨーイング:20''/15''以内
・モーメント剛性 :ピッチ0.08/ヨー0.07/ロール0.03[″/N・cm]

上記の内,特記すべきは運動の真直度,平行度で
数μm以下はピント合わせ時の視野の移動がほとんどないことを意味しています。


このフォーカサーはピント合わせのメカニズム上
バックフォーカスが厳密な光学系では,メインのピント調整装置でピントを合わせた後に
極僅かな(0.1mmほど)追い込み用として使用する事をご推奨します。

カメラレンズでは本来のボディを使い,レンズを∞位置に固定した状態で使用します。
ただ,カメラレンズのバックフォーカス(EFの場合44mm)は光路に厚い光学フィルターが
入るとその影響を受けるため,調整した方が良い場合もある模様です。
このフォーカサーはバックフォーカスを大きく変化できるので
最良のポイントを選ぶ事も可能です。


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