星が見えないこの時期は
梅雨なのでしかたないのですが,このところずっと晴れてくれません。
本物の星が見えなければ人工の星でもと思い,久々にコリメーターを組みました。
光軸を完全に調整できるよう少し手を加え
幾つかのカメラレンズをテストしてみました。
以前ご紹介した時は,検出感度を上げるため高倍率アイピースを用いて
眼視観測していましたが,データの定量性を重視し写真で残すこととしました。
撮影条件は以下のとおりです。
・コリメーター:タカハシFC60+10μm高精度ピンホール,白色LED光源
・撮影カメラ:EOS5DM2(IRカット改造)
・紹介する写真は上から焦点内蔵,焦点像,焦点外像
・全てレンズは開放で撮影
コリメーターでの撮影結果は実際の星野撮影と同じような傾向を示すと思いますが
コリメーターは短時間露出で撮影していることなどから
実際の星を長時間撮影した場合とは異なる可能性もあるので
あくまでも参考用としてください。
最初は先日カメラレンズ用フォーカサーで紹介したMAMIYA645用のA200mmF2.8です。
明るさを生かし,フルサイズ冷却CCDカメラと組み合わせて
ナローバンドでの撮影に使用するレンズです。
このレンズはAPOレンズですが,MAMIYAが誇る超色消しではないので
かなり大きな色収差が残っています。
焦点外像で星の周りに紫色の収差が出て,反対に内蔵側は緑色となります。
焦点像は星像が歪になりますが,実際の星の撮影と同じような傾向を示しています。
あまり良い星像ではありませんが
これでも銀塩時代のレンズとしてはかなり優秀な部類です。
次にご紹介するのはあまり知られてはいませんが
MAMIYA645用の120mmF4MACROです。
RB67やRZ67用のAPOレンズ同様,異常分散レンズを多用した超色消しレンズです。
F4と暗いのですが,以下で紹介するEF100mmF2.8MACROより
明らかに色収差は少なく(写真ではわかりにくいです)焦点像も遜色ありません。
最後は上記との比較のためにEF100mmF2.8 MACROの像を掲載します。
EF100mmF2.8MACROについては
後日,SIGMA APO MACRO150mmF2.8と比較テスト結果をご照会いたしますが
星像ではEF100(完璧です),色収差では圧倒的にSIGMAが勝っていました。
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