もう一つのレボルビング装置-開発状況
レボルビング装置は,既に商品化しているリング型(RR-110)と平行して
J型(アルファベットのJの字状から命名)も開発していることは以前ご紹介していますが
何とか先が見えてきました。
J型は現行のリング型に比べ大きなカメラが使えることが最大のメリットですが
天文用として求められる完全な固定とスムーズな回転の両立が難しく
試行錯誤していました。
試行錯誤の結果,最終的には上の写真の構造を採用しました。
見ていただければお解りのとおり半円形のアリガタを専用のアリミゾで固定するもので
原理はゴニオステージと同じです。
アリガタ・アリミゾを単にぐるっと曲げただけ?ですが,加工は極めて難しい構造です。
以下は3D図です。(クリックで拡大します)
これは反対側からの写真ですが
構造上,シャッターやカメラの操作の邪魔になるものはありません。
また,このレボルビング装置はカメラの構図とり用にとどまらず
先日ご紹介した双眼望遠鏡の固定用としてもご使用いただけます。
双眼望遠鏡を赤道儀に搭載した場合,両眼の見口位置を水平にするよう
回転装置が必須になりますがこれで解決しそうです。
さらにポータブル赤道儀と三脚間に使えば,赤道儀の着脱と高度調整を行えますが
特別な高度調整機構はないので,圧倒的な強さで固定できます。
ただ,この構造は加工される側を回転して切削する必要があるので
製造コストが嵩みます。今後工程の見直しなどでコストダウンをはかり
秋には商品化できればと思っています。目標はアイソン彗星に間に合わせることです。
下の写真は高精度な赤道儀に搭載した状況ですが
小型のポータブル赤道儀とは異次元の使い勝手が得られると思います。
写真は試作品で,カメラの固定部などは仮の状態です。
製品はカメラ用と双眼望遠鏡を搭載できる大型の2タイプを発売する予定です。
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