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2013年7月

2013年7月28日 (日)

ガイド用カメラの評価

B13_07_281

ご好評をいただいている小型ガイドシステムをさらに充実するため
いろいろなガイド用カメラの評価を行っています。
できる限り各社のカメラに対応できるシステム構成とするためです。


一番気になるのは感度なのでできるだけ条件を揃えて比較テストを行う予定です。
写真は全て4cmF6のガイド鏡に各社のカメラをつけた状態ですが
近日中にQHY5-Ⅱも届くので5台のカメラの比較を行います。

鏡筒は1本でカメラを取り替えてテストすれば良いので
わざわざ同じスペックの鏡筒を揃える必要は無いのですが
露出時間を変えた場合の写り方などを見比べるのには便利かと思います。


一番上で目につく赤いカメラ(ASI120MM) は形状が平べったいので
使い方によっては便利です。
写真のようにガイド鏡をアライメント用としても併用する場合
細長いカメラの場合,接続されたケーブルも含めるとかなり飛び出してしまいますが
このカメラはケーブルも含め飛び出しません。
また分解してガイド鏡,カメラを内蔵したモータードライブなど・・・構想は膨らみます。

余談ですが,このカメラはメーカー(中国)から直接購入しましたが(日本語で購入可)
国内の代理店で35,000円ほどで販売しているので,むしろこちらが安く買えます。

StarlightXpressのLodestarなどと比べると半額程度なので
感度に遜色が無ければ同じチップを採用したQHY5-Ⅱとともにヒットするでしょう。

ASI120MMのデザインや色はRH200によくマッチしますね。


B13_07_283


 

B13_07_282

ところで,今回ガイド鏡を探していたら,こんなものが出てきました。
MeadeのPictor201XTは思い入れがあるので死蔵することになりそうですが
SSAG(DSI Proの間違いでした)は今後も使う事はなさそうです。
捨てるのももったいないでどなたかご活用いただけるなら差し上げますので
ご連絡ください。
 終了いたしました。
ただ,最後に使った時星が二重星のように写っていたと記憶します。
ガイドは正常にできましたが,原因がPC側なのかカメラ側なのか特定していませんので
カメラに不具合があるかも知れません。

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2013年7月26日 (金)

QSI用フォーカサー完成!

B13_07_261


2ヶ月ほどまえに開発状況を紹介していましたカメラレンズ用フォーカサーですが
QSI製冷却CCDカメラ用が完成いたしました。
StarLightXpressやFLI用も近日中に完成予定です。

当初はカメラレズ専用で進めていましたが
せっかく高級なリニアステージを使っているのにカメラレンズ専用ではもったいないので
通常の望遠鏡用としても使えるよう大幅な見直しを行っています。

写真ではカメラレンズ(EF)マウントアダプター経由でシグマのレンズを装着していますが
M72などのマウントアダプターに交換すれば望遠鏡の接眼部にもつけられます。

B13_07_262

マウントアダプターを取り付ける部分などは肉厚の見直しや補強ステーを設置したので
姿勢変化に伴うたわみは10μm以下です。
(写真のカメラレンズを装着した状態でマウントアダプター最周辺実測したたわみ量。
CCDのイメージサークル周辺ではこの量よりかなり小さくなります)

スケアリングの調整は,CCDカメラ接続部とリニアステージの取付部の2カ所に
配置しています。
CCDカメラ接続部はレーザー光の反射を使った調整用
リニアステージの取付部は実際に撮影しながらの微調整に便利です。


なお,このQSI用のフォーカサーは採用するリニアステージの確保数量分のみで
ご予約を終了しております。現時点では再生産の予定はありません。
(中古のリニアステージを使っている関係上,不具合対応用は保有しております)
ご予約をいただいている方には別途ご案内いたしますのでよろしくお願いいたします。


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2013年7月22日 (月)

ハッブルパレットに挑戦しましたが

Ngc7000_sao


日曜の夜は大きな月が煌々と輝いていましたが相変わらずの良い天気だったので
ハッブルパレット合成を練習するためナローバンド(SAO)撮影を行いました。

S2とO3はHaに対してどの程度露出すればよいのか探るため
S2,Ha,O3を各,140,50,110分撮影しましたがまだ不足みたいです。
F2の明るさでトータルで5時間撮影(後半は寝ていましたが)しましたが
まだ足りないのでしょう。

これならHaのモノクロの方がいいかな~?と思いながら処理しました。
周辺減光やかぶりの補正が全くできていません。


それと今回は8300と150mmのカメラレンズの組み合わせですが
そもそも,この程度の焦点距離ではSAO合成しても
見応えのある写真は撮れないようです。
やはり明るくガスが輝く領域でないとSAO合成の面白さは
見いだせないのかも知れません。

淡いガスはほとんどが水素で輝いているのならO2やS3を合成しても
意味がなさそうです。背景の色が変わる程度ならおもしろくないですね。

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2013年7月21日 (日)

FSQ-85/106ED用フォーカサー継続頒布の件

B13_07_21


FSQ-85/106ED用及び,TOA-130F/150用フォーカサーは
採用するフォーカスコントローラーの手配の都合で頒布を終了しておりましたが
コントローラーを作成いただいている方のご厚意で
今後とも継続して頒布できることとなりました。

2010年の開始以来,既に60台ほど頒布していますが
現在も継続的にご依頼があるので継続させていただきます。

不定期とはなりますが在庫が切れた場合もで2~3ヶ月で再開する予定です。

 


冷却CCDでの撮影においてはカメラの重量でドローチューブが抜け落ちるため
ドローチューブのクランプを操作しながらのピント合わせになりますが
このフォーカサーはモーターの保持トルクでドローチューブを固定するので
その煩わしさから解放されます。
そのことでピント調整に妥協することがなくなるのでよりシャープなピントが得られると感じています。

なおデジタルカメラの場合はライブビューを使えば
ピントノブに手が届く状態で容易にピント合わせができるので
これらのフォーカサーを使うメリットはあまりないでしょう。

 


このフォーカサーは個人での入手がむずかしい
バックラッシュが極めて小さいステッピングモーターや専用の金物と
フォーカスコントローラーで構成されたキットのような扱いとなります。

モーター周りの配線とコネクター処理されたケーブル及び
コントローラーは完成品としての頒布ですが取扱説明書などは付属しません。
(ご購入時には最低限必要な資料をメールで送付いたします)

また,電源ケーブルも片端切り落としとなります。
さらに,FOCUS MAX等を使ったオートフォーカスの構築方法についてのフォローは
できない事をご了承ください。
(バックラッシュが極めて小さい駆動系なので
敢えてオートフォーカスソフトに頼る意味はないかと思います。
パソコンからのステップ操作で正確なピント合わせが可能です)


本日現在,特注モーターやコントローラーは在庫を確保しているので
1ヶ月ほどの納期でご提供中です。

納期1ヶ月でご提供分は,FQS85/106ED用,TOA-130F用各1台となっております。
7月22日追記


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2013年7月20日 (土)

ケフェウス座の散光星雲

Ic1396_1623

月は大きくなってきましたが,この時期の月は高度が低いので
ナローバンドでなら楽しめます。(そう言いながら新月期でもHaで撮っていますが)

先日はIC1396付近のガスを狙ってみましたが淡くてよく写りません。
広写野の場合フラットが合わないと強力な処理もできず
安易な方法ですが見苦しい周辺部はトリミングしました。
それもでファインディングチャートとしては使えそうなので記録として残しておきます。


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2013年7月17日 (水)

最近の撮影スタイル

B13_07_181

このところ120mmのマクロレンズでの撮影を楽しんでいますが
写野が広いことと,5~6時間は放置撮影したいので
写真のようにドームの外に赤道儀を据え,別室から遠隔操作しています。


B13_07_172

このシステムで始めた頃はCCDカメラのウインドウガラスが曇っていましたが
フィルターホイールにドーム内の除湿された空気(湿度50~60%ほど)を送ることで
解消したようです。その後は1回も曇りません。
観賞魚用の安価なエアポンプで僅かな空気の流れを起こしているだけですが
効果は充分あるみたいです。

 


昨夜は天頂付近には薄雲があったので
自宅屋上からどの程度の低空(低緯度)まで写るのか試してみました。

B13_07_183

これはL画像で光軸調整などの良い標的となっている鉄塔が写っています。

 

B13_07_184

鉄塔をかわしてHαで撮ってみるとNGC6231付近のガスが写っています。
小高い山があるので,赤緯-47~48度が限度みたいです。

ちなみにNGC6231付近は南半球で見るとなかなか見応えがあります。

 

ところで,最初の写真がL画像だったので気づいたのですが
昨日アップした記事でフラットが合わなかったのは
フィルターがLになっていたのが原因のようです。

実際の空でフラットを撮りましたが,システムを組むとき
フィルターホイールにUSBケーブルを接続してしまったようです。
(このFFはUSBケーブルを接続すると基準位置に回転します)

気を取り直してまたトライしてみます。

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2013年7月16日 (火)

はくちょう座の散光星雲

Cyg_900sx11_1200_2


フラットやダーク処理を行うつもりで,ちょっと気合いを入れて?撮影した
はくちょう座の散光星雲です。
ところがいくらやってもフラットが全く合わず断念しました。
せっかく撮ったので,あまりにみにくい上下を少しトリミングして掲載しました。

今までフォーサーズのカメラでは気軽にHaで散光星雲を楽しんでいましたが
フルサイズは特に粗が目立ちます。ちゃんと基礎を押さえないといけませんね。

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2013年7月15日 (月)

H-40赤道儀用XY50-35H最終ロット出荷

B13_07_151

ご予約をいただいておりました,H-40(スカイキャンサー)赤道儀用のXY50は
最終ロットが入荷しましたので明日以降出荷いたします。

前回のロットで20台限定で製作しましたが
完売後も引き続きご注文をいただいておりましたので追加製作いたしました。

今回も20台の予定でしたが,入荷前にそのほとんどが
ご予約分で無くなってしまいましたので僅かですが作り増ししております。
在庫数はこちらでご確認ください。

なお,H-40用のXY50-35Hにも標準仕様と同じく上部のプレートが付属します。
これを装着すればポラリエなどでもご使用いただけます。
(出荷時はH-40でご使用いただくようこのプレートは取り外し同梱しております)


B13_07_152


XY50とは関係ありませんが,上の写真はH-40のウエイトシャフト部に短いアダプターを
ねじ込んでいます。
シャフトが40mm延長されるのと同時に,AMD-1を装着した場合その保護や
赤道儀側のねじ山の破損防止にもなりそうです。

これは7月末までとなりますが,2,500円(送料500円)で受注いたします。
直径は20mm,長さは40mmで両端はM12P1.25のオスとメスになっていますので
純正のウエイトシャフトがそのままご使用いただけます。

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2013年7月10日 (水)

M16,17~M20の銀河

M16_17_20

撮影データー:MAMIYA A120mmF4 MACRO 絞り開放,SXVR-H36,バーダーHa(7nm)
1200S×4,ダーク・フラットはまだ未処理です。
 

先日はCCDカメラのウインドウガラスが曇ったので早速リベンジで撮影しました。
試しにヒーターでフィルターホイールとCCDカメラの接続部を暖めてみましたが
結果は不十分でした。
夕方から23時頃までは快調でしたが,深夜になって気温の低下に伴う湿度の上昇で
また曇ってしまいました。これは抜本的な対策が必要です。
 


結露対策で構成を変えて撮影したため,写真上部はスケアリングがずれています。
経験的な感ですが100μmほどと思います。
逆に言えばF4のカメラレンズでは,100μmほどずれてもこの程度は写ります。


先日から一度分解したので少し構図がずれていますが
先日アップしたのはこの写真の右下部の1/10弱(面積比)です。

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2013年7月 9日 (火)

梅雨明け

梅雨が明けた昨夜は素晴らしい天気だったので先日から紹介している
MAMIYA645用のAPO MACROで撮影しました。

ところがあまりの湿度でカメラのウインドウガラス(レンズ側)が曇ってしまい
結局撮れたのはピント確認時に撮ったHaとL画像のみです。


これはM16,17~M8にかけてHaで撮影した写真の左下コーナー部です。

M645_120mmf4apo_ha600s_4

撮影データー:MAMIYA A120mmF4 MACRO 絞り開放,SXVR-H36,バーダーHa(7nm)
600S×1,4,904×3,280ピクセルのコーナー部1,544×934ピクセルを等倍で表示
ダーク・フラットは未処理でレベル調整のみ行っています。
 
 
 
こちらはL画像です。当然ですがHaに比べれば星像は大きくなっていますが
フルサイズの最周辺までこの星像なら満足ですね。

M645_120mmf4apo_l400s_2

撮影データー:MAMIYA A120mmF4 MACRO 絞り開放,SXVR-H36,Lフィルター
400S×1,4,904×3,280ピクセルのコーナー部1,575×933を等倍で表示
ダーク・フラットは未処理でレベル調整のみ行っています。
 
 
このレンズの中古相場は2~3万円です。
今回使ったレンズは2万円弱で入手しましたがこの性能なら満足です。

ウインドウガラスの曇りはヒータを巻く事で解消できそうです。
若干冷却温度に影響しますが簡単な対処方なので早速今夜試してみます。


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2013年7月 1日 (月)

MAMIYA A120mmF4 MACROの星像

M645a120m_600s_x2_1600_2

撮影データー:MAMIYA A120mmF4 MACRO 絞り開放,SXVR-H36,バーダーHa(7nm)
600S×2,4,904×3,280ピクセルを1600×1070にリサイズ,ダーク,フラットは未処理
レベル調整のみ行っています。

先日のコリメーター記事で紹介しました,MAMIYA A120mmF4 MACROですが
実際の星像に関するお問い合わせをいただいたのでテスト撮影を行いました。

昨夜は早い時間に少し晴れ間がある程度だったので10分×2枚が限度でした。
撮影領域は高度も低かったのですが比較用にいつもと同じところを撮っています。
また,中心付近の明るい恒星像を見たかったのでデネブをほぼ中心にしました。


スケアリング調整は行っていないので周辺像(特に上部)は改良の余地がありますが
実写の星像はコリメーターテストで期待したとおりで良好です。
今回はHaでの撮影ですが,次は色収差を確認するためにL画像も撮ってみます。
以下の写真は中央と4隅のピクセル等倍です。


B13_07_01_2

このレンズの中古市場価格は2~3万円程度ですが
長いフランジバックが必要なフルサイズ冷却CCD+フィルター(ホイール)での運用を
検討されている方にはお勧めです。
F4と暗いのですが手軽にガスの広がりなどを撮るには最適でしょう。

ただ星像や色収差に関しては,SIGMA APO MACRO150mmF2.8が遙かに上なので
(先日の比較は全て絞り開放で,SIGMAはF4に絞るとさらに良くなります)
普通に一眼デジカメや,長いフランジバックが必要で無い冷却CCDカメラでのご使用
においては特にお勧めするほどのレンズではありません。


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