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2013年9月

2013年9月30日 (月)

QHY CCD製品の取り扱い開始について

B13_09_30


QHYCCD社製品の取り扱いについては以前ご案内しておりましたが
このたび価格などが決定しましたので一部をご紹介いたします。

今回紹介するのは,SONYのICX694を搭載した,QHY22と
オートガイドとしてQHY-5LⅡを組み合わせた例です。
フィルターホイールは,StarLight Xpress社製オフアキ内蔵タイプをセットしています。


この組み合わの例では,価格は426,800円となります。
・QHY22:335,000円
・QHY5LⅡ:39,800円
・オフアキ付きフィルターホイール:52,000円

フィルターホイールはQHY製品ではありませがオフアキ機能を内蔵しているうえ
36mm枠無しのフィルターが使えるのでSXVR-H18(生産終了)など
KAF8300を搭載したカメラでの使用にお勧めです。

通常オフアキユニットだけで2~30,000円ほどしますので
フィルターホイールと一体で52,000円は格安でしょう。

今回ご紹介するシステムは,異なったメーカー製品の組み合わせと
なっておりますが,使用される望遠鏡の光路長を考慮した
接続リングなども特注で製作します。
単にカメラを販売するだけでなく
総合的なサポートを心がけますのでよろしくお願いいたします。

QHY社製冷却CCDカメラは今回紹介したQHY22の他
フルサイズのKAI-11002を搭載したQHY11や
KAF16803を搭載したQHY16など魅力的な製品もラインナップされています。

QHY11はフルサイズでありながら,520,000円と比較的安価で
外気温度-50度の冷却能力に加え,ウインドウガラスの結露防止用
ヒーターを内蔵するなど本格的な仕様です。

CCDサイズ36.8×36.8mmの16803を搭載したQHY16は789,000円です。
これも結露防止のヒーターを内蔵しています。


これらにつきましては逐次紹介いたしますのでご期待ください。


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2013年9月25日 (水)

RZ250mmF4.5とSTX-16803の試写

B13_09_25

MAMIYA67用のカメラレンズは,冷却CCDカメラと組み合わせてナローバンド撮影を
楽しんでいましたが,これまでは殆どがフォーサーズの冷却CCDカメラでした。
67用レンズにこだわったのは,この記事で書いたように
いつかはラージフォーマットのCCDカメラと組み合わせたかったからです。


Ngc700_600x8
撮影データ:Z250mmF4.5,STX-16803,600S×8,Haフィルター使用
ダーク,フラット未処理


今回,ラージフォーマットの冷却CCDカメラ(SBIG製STX-16803)を入手できたので
念願の組み合わせでの撮影となりました。
フォーカサーもこの組み合わせに対応できるものが完成していました。

上の写真は満月下で撮影したものですが,カメラ付属の制御ソフト(CCDSoft)の
使い方も良く解らない状態での試写でした。セルフガイドもできていません。

リンクした以前の写真はKAF8300での撮影なので
北アメリカとペリカン星雲がやっとですが,16803ではγ星付近まで写っています。


16803は8300の6倍(面積で)ほどの大きさですが
写野再周辺部でも中央と殆ど同じ星像でしたので安心しました。


写野中心部のピクセル等倍

B13_09_25s_3
 

写野最周辺部のピクセル等倍

B13_09_25c


今回の試写で周辺まで満足行く星像が確認されたので
次回はきちんとダークやフラット補正を行ってみるつもりです。


未処理状態でしたので欠陥カラムに起因する黒い筋が残っています。
UTOさんがここで紹介された方法で除去してみましたが見事に消えました。
有益な情報を公開いただきありがとうございます。

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2013年9月19日 (木)

スケアリング調整用シムシートの頒布

B13_09_19


冷却CCDカメラのセンサーに対するフランジ面の平行度を調整するための
シムシートを頒布いたします。

テープ状なので,フランジを緩めてできた隙間に敷き込めば容易に調整できます。
必要なサイズをハサミなどで切断してご使用ください。

厚みやサイズは以下のとおりです。

・厚み:0.01,0.03,0.06,0.10の4種類をセット
・サイズ:12.7×100mm±5mm(4種とも)

頒布価格は送料込みで1,000円,頒布数量は50セットです。
出荷開始は10月からの予定です。


以前ご紹介しましたようにフランジ面(に置いたミラー面)と
CCD面からのレーザー光の反射光を利用して調整すれば簡単です。
敷き込む場所にもよりますが,0.1mmほど必要なこともあります。


ちなみに写真のSBIG社製カメラにはシム調整データーシートが添付されているので
出荷時にメーカーで調整されている模様です。

 

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2013年9月16日 (月)

ATLUX赤道儀の新しい改造方式について

B13_09_161


ATLUX赤道儀の自動導入改造については,改造をご依頼いただいた中に
最下段の写真のような不具合があったため受注を休止しておりました。
グリース劣化に伴う潤滑不良で1段目のウォームギヤとホイールが損耗しています。


この不具合に対しては,補修用部品の手配がつかない事などから
全く新しい構造の検討~試作~実機テストを行っておりましたが
オリジナル以上の性能を発揮することが確認できたのでご紹介いたします。

B13_09_162


写真手前が新方式で,奥のオリジナルに比べると大変シンプルな構造です。
新しいモーターレイアウトに対応するよう,ウォーム軸ハウジングを新作しています。
(写真のギヤは評価テスト用で実機では高精度ギヤを採用いたします)
オリジナルでは減速部の潤滑方法などに懸念がありますがそれから解放されます。

新方式ではモーターサイズが非常に小さくなっていますが
高速特性の良いステッピングモーターと適正なギヤ比を組み合わせる事で
250倍速ほどの速度で自動導入できます。
なお,今回採用するステッピングモーターは
最近のモデルチェンジで従来品に比べトルクが大きく改善されています。

250倍で導入できれば写真撮影においてはさほどストレスを感じる事は無いでしょう。
 

小型のステッピングモーターを高い周波数(約320PPS)で駆動するため
滑らかで極めて振動の小さい駆動を実現しています。
また,オリジナルの減速方法に比べバックラッシュが格段に小さくなることも
大きなメリットです。

限られたスペースでの改造(特に赤径側)のため
試作や評価に時間を要してしまいました。
ご依頼のお客様には大変お待たせいたしましたが10月以降順次出荷いたします。
 


バックオーダーが多いため,新規の受注は12月以降を予定しています。
改造費用はAGS-1Sとのセットで128,000円です。
(従来の改造ではオーバーホールが必須でしたのでその費用も含めて
いましたが,新しい改造では別料金とさせていただきます。
また今後の改造は全て新方式とし,従来の方法は終了いたします)


【潤滑不良で1段目減速ギヤが損耗した事例写真】

B13_09_163


 
 

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2013年9月 8日 (日)

SP赤道儀用AMD-1と極望連続照明装置

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現在一体型モータードライブのAMD-1は,タカハシ製P-2とH-40赤道儀用を
販売しておりますが,新たにビクセン製SP/SP-DX用も製品化いたします。

SP/SP-DX赤道儀のP.C.D35アダプターは多くのお客様にお求めいただきましたが
この赤道儀をポータブル赤道儀としてもご活用いただけないかと企画しました。
後日,専用のカメラプレートを製作予定です。
(下の写真にあるGP用と同じような形状です)


AMD-1は極めて消費電流が小さい(約70mA)ので
内蔵した単三電池3本で10時間以上余裕で駆動できます。

またP-2とH-40赤道儀用では極軸望遠鏡の視野照明装置も内蔵していますが
SP赤道儀の極望キャップはねじ込み式でないため専用の照明装置を準備しました。
以前GP用で販売していた連続点灯の照明装置です。
ケーブルを繋ぐ必要がないのでこちらが便利な上,コストダウンも図れました。


 
 

SP/SP-DX用AMD-1は29,500円で連続極軸照明装置が付属します。
また写真のアルミ削り出しのギヤカバーも標準付属です。納期は約1ヶ月です。

【ご注意事項】
 ・GP系は青い純正モーターカバーやギヤカバーの関係でご使用いただけません。
 ・赤道儀側のギヤは所有されている方が多いのでオプションとしました(1,000円)。
 ・SP-DXでは連続照明装置はご使用いただけないのでケーブル端に
  LEDが付いた簡易照明装置がつきます。


純正のクラッチも併用できるので,一般観望や日食遠征にも便利です。

B13_09_83

 


さらに照明装置単体での販売も行います。
電池廻りの仕様を見直しGP赤道儀用も再販いたします。
前回は短時間で完売してしまいましたが今回は暫く継続できる予定です。

価格はSP/GP(GP-2)用いずれも2,500円(送料500円)です。
(SP-DX,GP-D,GP-D2ではご使用いただけません)


B13_09_82


以前も触れましたが,車で移動するのであれば
極軸のみのポータブル赤道儀より,写真のような構成が実用的と思います。
現地でいろいろ後付けするより,照明装置が付いた極軸望遠鏡が内蔵されていて
スイッチを入れれば直ぐに撮影できる事が
真のポータブル赤道儀に要求されるのではないでしょうか。

 

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2013年9月 5日 (木)

ε-130Dフルサイズでの試写

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昨夜は久しぶりに晴れたのでε-130Dの試写を行いました。
メーカーから届いたままで,光軸などはなにも触れずに撮影しています。

B13_09_5
(使用カメラ:EOS 5DM2,ISO800,600秒露出)

上の写真は,中央部切り出しの200%表示でクリックで拡大します。
星像はほぼまん丸でミラーの圧迫などはないようです。

フルサイズの全体写真(100%)はサイズが大きいのでここにリンクしています。

今回は,カメラのライブビューを使って手で(減速微動なし)ピントを合わせましたが
紹介する写真程度ならこの方法でもピントは再現できました。

ピントのピークが掴みやすいためか,ライブビューが使えるカメラでは
フォーカサーに頼らず手で合わせた方が合理的なようです。

なお,ピントを僅かに外した時の星像(焦点内・外像)は綺麗ではなかったので
光軸は完全では無いかと思いますが,写真ではフルサイズの周辺まで良好です。
出荷状態でこれほどの星像ならそのままでも使えそうです。
(追記:斜鏡が偏心しているので内外像は綺麗にはならない旨取説に記載されていました)
 

 
 
別件ですがTB166の初期ロット(10月上旬出荷分)は残りが少なくなっております。

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2013年9月 4日 (水)

ε-130D用のフォーカサー

B13_09_041

ε-130D用のフォーカサーは,鏡筒バンド廻りと同時に開発することを
紹介していましたが,以前の図から少し変更しています。

コスト軽減とバックラッシュを減らすため,カップリングによる直結方法としました。
(写真は偏角を許容しないカップリングですが頒布品は許容するもので計画)

このフォーカサーは冷却CCDカメラでの撮影用を想定しているので
ドローチューブ部で回転されることはないかと思いますが
条件付きで回転できる構造といたします。
(モーターは専用金具でトッププレートに固定するので,それを一旦緩め
左回りに90度回転します。その位置で再度モーターを固定する必要があります)

このフォーカサーは現在,フォーカスコントローラーが欠品しているので
当面はモーターユニットのみの頒布となります。
なお,既にPK-243シリーズのステッピングモーターを所有されている方のために
自作用として金具やカップリングなどの単品も頒布いたします。
(申し訳ありませんがステッピングモーター単体の頒布はできません)

フォーカスコントローラーはFSQ-106ED用など頒布した全てのコントローラーが
そのままご使用いただけます。詳細はHPからお訪ねいただけると幸いです。


 
なお,QSI製カメラレンズフォーカサー(販売は終了しています)を購入いただいた方は
M57マウントアダプター→M54変換で写真のようにご使用いただけます。
その際フォーカサー本体をトッププレートに固定する金具も受注製作します。
(写真のプレートはイメージ用に適当な板を添えただけです。またカメラも他社製です)

B13_09_042


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2013年9月 1日 (日)

TB-166使用時のε-130Dの重心位置

E130d1_400

ε-130Dの鏡筒バンド開発にあたっては鏡筒前後方向のバランスが
最も重要な要素だったので,実機でのテストを行いました。
保持強度を優先するためTB-166はメーカー純正よりバンド間隔を広く
取っているのでバランスに関しては純正より条件が厳しくなっています。


上の写真はFLIのPL-16000とフィルターホイールを搭載した例で
バランス上,最も厳しくなる例かと思います。
(フォーカサーをつけるとさらに厳しくなりますが)

写真の位置で前後バランスがとれるので
重量級のカメラをつけた場合の重心位置は,概ね筒先側バンド付近です。


E130d3_400

次は一般的なデジタル一眼レフカメラをつけた場合で筒先側バンド中心から
3~4cm後方に重心がきます。
フードをつける余裕はありませんが
オフセットプレートを使わなくともぎりぎりでバランスがとれそうです。


実機での確認結果,カメラの重さでの重心位置の変化は少なかったので
製品では,鏡筒プレートの長さを少し見直す予定です。
(フードも重要なファクターとなるので
重量級の冷却CCDカメラで筒先にフードをつける事を想定して決定します)

カメラの取付位置と,赤緯軸の延長線の位置関係から
カメラの重量は極端にバランスに影響しないことがわかりましたが
いずれにせよ冷却CCDカメラをウエイト側に配置するのは難しいでしょう。

またデジタル一眼レフで撮影する場合も
ウエイト側にカメラを配置した場合,光学式のファインダーは覗けなくなる
対象もあるので運用は厳しいと思います。


E130d2_400


写真は主鏡側から見た状態で,カメラ(接眼部)を避けるために
鏡筒バンドの肩につけたガイド鏡です。反対側にはUSBハブをつけています。

トッププレートにはキャリングハンドル(オプション:2,000円)をつけていますが
これにケーブルを結束すれば配線の取り回しがスッキリしそうです。
ハンドルは仕様変更に伴い価格を1,500円としました。2013.9.2追記


バランスとは直接関係ありませんがε-130D用の鏡筒バンドも
他のTBシリーズ同様に側面にツバが出ない締め付け方式を採用しています。
ちなみにバンドとベースプレートの重量は約1kgでこれにトップ,ショルダー
プレートとQHY-5LⅡガイドシステムなど全てを含めても1.5kgと軽量です。

E130d4_400

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