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2013年10月27日 (日)

ATLUX赤道儀の改造メニューについて

Atx_menu

ATLUX赤道儀の改造方法については先日ご紹介しておりますが
今回は採用するコントローラーについてご案内いたします。

従来はモーター仕様による高速特性などの観点から
ユニポーラ駆動のAGSシリーズのみの改造対応となっていましたが
新方式ではギヤ比をアレンジすることなどで
バイポーラ駆動のMTS-3SDI+やFS-2も利用できるようになりました。

それに伴いご選択いただけるコントローラーは以下の4タイプとなりました。


【AGSシリーズ(E-ZEUS互換機)】

 AGSシリーズはASCOMに対応していないことや
 使用できる自動導入ソフトがSuperStarⅣに限定されますが操作は簡単です。
 簡単な操作で自動導入とオートガイドができれば充分と思われる方へ
 ご推奨いたします。
 ちなみに私が自宅で撮影に使っている五藤光学のMX-Ⅱ赤道儀もAGS仕様です。

ご使用環境により2タイプのコントローラーを準備しました。

・AGS-1S仕様
 AGS-1Sは一体型コントローラーなので主に移動観測での使用を推奨します。

・AGS-1B仕様
 電気的な性能はAGS-1Sと同等ですが,ハンドコントーローラーが分離するので
 主に据え付け観測をご推奨いたします。24V駆動もお選びできます。


【輸入コントローラー(ASCOM互換機)】

ドイツ製のMTS-3SDI+(K-ASTEC特注仕様)またはFS-2を採用します。
 ASCOMに対応していることやLX-200コマンドなので
 ステラナビゲーターやTheSkyを使った自動導入が行えます。
 何れもバイポーラ駆動なのでAGSとは異なったモーターを採用しています。

AGS同様,移動でのご使用では一体型のMTS-3SDI+を
据え付けならFS-2をご推奨いたします。


ATLUX赤道儀改造も含めた改造費用は以下のとおりです。
 ・AGS-1S仕様:128,000円
 ・AGS-1B仕様:148,000円
 ・MTS-3SDI+仕様:143,000円
 ・FS-2仕様:193,000円

何れのコントローラーでも導入速度は約300倍速です。
現在,20台ほどのバックオーダーがあるため,新規の受注は12月からとなります。
MTS-3SDI+仕様はコントローラー手配の都合で出荷は12月以降となります。
また手配できるMTS-3SDI+の数量から12月出荷分は5台ほどです。
既にAGS-1S仕様でご予約いただいている方は仕様の変更も承ります。
上記価格は2014年から改訂させていただきます。(AGS-1S仕様で148,000円)

 
 

 
以下に改造部の写真をご紹介します。

Atx_r2

赤径側ウォームギヤ部換装後
新しい駆動ユニットが赤道儀内部の限られた空間に収まった状態です。


Atx_d2

赤緯側ウォームギヤ部換装後
赤緯側は伝達ギヤ比を3:4にすることで総合ギヤ比を赤径と同じにしています。
 


Atx_m1

Atx_m2

ウォームギヤ部換装前後
オリジナルのウォームギヤ部と換装するギヤ部です。
ウォームギヤや軸受けはそのまま流用するのでATLUX本来の精度を保ったままで
理想的なギヤレイアウトを実現しています。

今回も前回の記事同様,古い機材の再活用かと思います。
既にメーカーでのサポートは終了しているようですが
今回のATLUX赤道儀のように,古い機材には基本性能が高いものが多いので
修理(改造)して使い続ける事は有意義と思います。


 

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