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2013年10月15日 (火)

最近の撮影スタイル

B13_10_15


このところ写真のようなシステムでナローバンド撮影を楽しんでおります。
以前からあまり変わりばえしないのですが
ASI120MMに25mmのレンズをつけて撮影範囲を確認できるようにしています。
この組み合わせでメインのカメラ(250mmのレンズと16803)と
ほぼ同じ写野となるので遠隔操作での構図取りが容易になりました。

 
 


ところでカメラレンズのスケアリングに関するお問合せをいただくことがあります。
特別なことを行っているのか?との内容ですが
私が今まで撮影した感想では,カメラレンズのスケアリングは問題なくて
冷却CCDカメラのセンサーが傾いていることが殆どです。

なので,冷却CCDカメラのセンサーとカメラレンズのマウント面を平行にさえすれば
フルサイズカメラでも四隅までほぼ満足の行く星像となります。

以前は星像をみながらスケアリング調整を行っていましたが
CCDセンサーの傾きテストする方法を知ってからは一回も行っていません。

B13_10_152_3

写真は最近作ったものでCCDセンサーの傾きを効率良く検査~調整するラックです。
原理は以前ご紹介したものと同じですが
レーザー側とカメラ側に光軸調整を付けそれをラックに組み込んでいます。
カメラによってはシャッターを開くためにパソコンと接続する必要があるので
カメラを少し浮かせる検査台としました。
また,安全のためレーザーのスイッチを手元に付けました。
(この写真は天文ハウスTOMITAで実演している状況です)


今回このラックを使って気づいたのですが
CCDカメラを微妙に移動させると,下の写真のような十字の反射光が現れます。
通常はピッチの荒い格子状の反射光ですがこれが現れるとセンサーからの
反射光が一目瞭然です。

1.写真中央の一番明るい点がテストラックから照射されるレーザー光(直径1.4mm)
2.その直ぐ下の十字に並ぶ光の中心がCCD面からの反射光
3.その左下がマウント部に置いた光学ガラスの反射光
4.さらに左したがカメラのウインドウガラスからの反射光です。

マウント部には鏡ではなく光学ガラスを置いているので上で紹介した2と3が
合致するように調整すればCCDセンサーとマウントは平行になります。

2と3は1に限りなく近づけた方が精度は高くなりますが
完全に合致するとわからなくなるので敢えて少しずらして調整します。

なおラックの天板に映った十字の中心と,天井に映った格子状の並びが
ずれていますが(上下方向のみ)撮影したカメラの位置によるものです。

 

【クリックで少し拡大します】

B13_10_151_2


今までに検査した結果,CCD最周面で100μ程度は普通に傾いています。
たまには300μmほどの例もあるので高性能望遠鏡の性能を発揮できない
ケースもありそうです。
今後,私のところで(天文ハウスTOMITA分も含む)販売する冷却CCDカメラは
これらの測定と調整を行えるシステムの構築を進めて行く予定です。


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