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2013年11月 6日 (水)

バックフォーカスを合わせたシステム設計

E_oag_ff_q11_0


写真のε-130Dなどのアストロカメラ(以下鏡筒と略)は
補正レンズ端面から焦点面までのバックフォーカスが規定されていますが
冷却CCDカメラでフィルターホイール(FF)やオフアキシスガイド(OAG)を構成する場合
冷却CCDカメラのフランジバックにそれらを加えた値が
鏡筒のバックフォーカスに合致したシステムを構成しなくてはなりません。

加えてカメラの縦横構図変更やスケアリング調整機構
さらにOGAも取り込むとなると複雑な設計~製作が要求されます。


そこでそれらをε-130Dなど用として総合的に設計した商品を開発しています。
中核となる冷却CCDカメラはKAI11002を採用したQHY11で
それにStarLightXpress製のFFやOGAをセットする予定です。
QHY11を採用するのはフルサイズの割には安価なことと
フランジバックが極端に短いため,ε-130D(180ED)などのように
バックフォーカスが短い鏡筒でもOGAシステムが構成できるためです。
上の写真の状態でεのバックフォーカス56mmを満足しています。


E_oag_ff_q11_2_2

ご質問をいただきましたのでεでの光路図(概略)を追記します。13_11_07

 
 


また,さすがにOAGまでは無理ですが,冷却CCDカメラのフランジバックが
短ため従来は難しかったカメラレンズ とFFの併用も可能となります。

Ef_ff_q11_1

写真は試作段階ですが,FFにスケアリング調整機構付きの
カメラマウント(EFのみ)を取付ています。
写真ではわかりにくいですが,マウント部に三脚台座がついています。


Ef_ff_q11_2

これは冷却CCDカメラ側から見た状態です。
何れも赤い鉢巻きがあるのでちょっと見た感じではどちらが前かわかりませんね。


Ef_ff_q11_3

最初に紹介したε-130D用もですがFFとカメラの接続はテーパーリングを
採用しているのでカメラの脱着や回転が容易です。


まずはバックフォーカスが規定された以下の機種用を商品化する予定です。
・ε-130D,180ED用OGAセット(BF=M54メスねじねじ込み面から56mm)
・TOA-130,150 35RD用OGAセット(B F=M72オスねじねじ込み面から65.5mm)
・EFマウントカメラレズ用

価格はε-130D(180ED)用のフルセットで613,500円の予定です。

セットに含まれるのは以下の商品です。
・QHY11冷却CCDカメラ
・48φ枠あり,または50φ枠なし5枚装着のフィルターホイール
・オフアキシスガイドシステム(ガイドカメラは含まず)
・光路長を合わせるスケアリング調整機能付き接続リング類

またカメラレンズ用は595,000円の予定です。


システム組み立て後,CCDのセンサーに対して
鏡筒との接続面(またはカメラレンズのマウント面)を平行に調整して出荷します。

 
 

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