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2013年11月

2013年11月29日 (金)

海外遠征に伴う休業のお知らせ

12月2日(月曜日)~7日(土曜日)まで海外遠征のため休業いたします。
期間中はご迷惑おかけいたしますがよろしくお願いします。

期間中はアイソン彗星観測のためモンゴルへ遠征します。

アイソン彗星が無事近日点を通過できるかは一部で悲観的な情報もありましたが
今朝のSOHOの写真では無事通過した?ようにも見えます。
(尾の方向が違うので核は存在していないかも知れませんが)


11/29 17:00追記--------------------------------------------------

残念ながらやはり核は完全に消滅してしまったそうです。
あとは宇宙空間に放たれた水蒸気や塵がどのような振る舞いをするのでしょう?
それを地上から見られるとことなどないのでしょうか?
何れにせよ何ヶ月も前から計画しているので遠征には出かけます。
ラブジョイ彗星は健在ですしね。

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無事に通過したとしても近日点通過直後は高度が極めて低いので
少しでも条件の良いモンゴル(ウランバートルの近郊)を観測地と決めていました。
乗り継ぎも含めて福岡から6時間ほどで行けるのも大きなメリットです。

以下は何度かご紹介した西オーストラリアで撮影したリニア彗星の写真ですが
低空まで透明度が良かったので迫力のある写真がとれました。
モンゴルはこの時期晴天が続くようです。
空の透明度や暗さは抜群と思いますが問題は防寒対策ですね。


0292_1__519_194028_88

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2013年11月24日 (日)

過去に撮影した彗星  へールボップ彗星(1995O1)-2

1995o1

今回はカラーで撮影したへールボップ彗星を紹介します。
黄色ダストと青いイオンのテールがV字状に伸びていますが肉眼でも良く見えました。

へールボップや百武彗星は尾が肉眼で見えていたの何とかなりましたが
普通の彗星?では撮影してみて尾の長さがわかります。
デジタルカメラの場合は試写できるので良いのですが
銀塩時代は現像から上がった写真を見るまでは構図が心配でした。

ところでへールボップ彗星は1997年の春に明るくなりましたが
発見は1995年で百武彗星の1年前です。
木星の軌道より遠いところで発見されたのでその巨大さが話題となりましたが
期待どおりの大彗星となりました。
4月頃は夕方の西の空に見えていましたが車を運転しながらでも窓越しに
見えたほどです。


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2013年11月23日 (土)

過去に撮影した彗星 -百武彗星(1996B2)

1996b2


1996年の春に現れた大彗星で
頭部から尾の先端までが100度ほどあり驚かされました。
これほど伸びた尾を見たのはこの彗星だけです。

5月には日本から見られなくなったので
発見者の百武さんに誘われてオーストラリアまで遠征しました。
この1996B2は百武さんとしては2個目の発見なので
区別する意味で百武第二彗星とも呼ばれていましたが
オーストラリアの暗い空でならもっと発見できると仰っていたのが印象に残っています。


写真はPENTX67の165mmF2.8→F4とコニカのGX3200で撮影しました。
スキャンの関係などでかなりムラがあります。

スケールは違いますが,数日前のアイソン彗星に何となく似ていますね。

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2013年11月16日 (土)

今朝のラブジョイ彗星

Lovejoy_800


近日点通過前のアイソン彗星を捕らえるのは
今朝が最後のチャンスでしたが透明度が悪く撮影できませんでした。
高度が高いラブジョイ彗星は何とか撮れたのでアップします。

アイソン彗星はここへ来てバーストを起こしたとのことで
光度や尾の変化が著しいようです。
何とか無事に近日点を通過して雄大な尾を見せて欲しいものです。

2004年のリニア・ニート彗星やこの春のパンスターズ彗星など
何度となく海外遠征していますが,南半球で大化けしたマックノート彗星は
遠征のタイミングを逸してしまい悔しい思いをしました。

今回のアイソン彗星は同じ思いをしないよう
晴天率や透明度の良いところまで遠征する計画を立てています。

 
 


ところで,長らく欠品状態だったレボルビング装置が入荷しました。
度々のご紹介となりますが
尾が伸びた彗星は縦て構図で撮ることが多いと思います。
近日点通過後のアイソン彗星は高度が極めて低いので
地平線も写し込む構図となるでしょう。
そのような構図ではレボルビング装置の真価が発揮されます。
 

下の写真のようにドイツ式の小型赤道儀と組み合わせると
3軸全てのバランスがとれるのでフリークランプで操作できます。
そのことで各部の撓みを防げ,安定した追尾も可能となります。
 

バランスがとれないポータブル赤道儀と自由雲台で撮影する場合は
構図を決めてから撮影開始まで少し待つことになるようですが
彗星の撮影ではそのような余裕はありません。
 


B13_11_162


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2013年11月11日 (月)

ε-180ED用の鏡筒バンド

B13_11_111

現在,ε-130D用に引き続きより大型のε-180ED用の鏡筒バンド(TB-232)を
開発しています。
後のε-130D用TB-166に比べその大きさを実感いただけると思います。

ε-180ED用は以前から多くのご要望をいただいておりましたが
直径の大きなバンドは切削加工費用が高いことで商品化を見送っていました。

今回,先のε-130D用同様に大量発注することで商品化の目処が立ちましたので
ご案内いたします。


B13_11_112


開発中のTB-232は写真のように,上下に80mm幅のアリガタやプレートを
左右に60mmのプレートを固定できるデザインを採用しました。
側面プレートにはキャリングハンドルなど様々なアクセサリーをつけられます。
(そのため,上下のバンドは時計の4時半と10時半の位置で縫い合わせます)

B13_11_113

TB-232もコストは高くなりますがTB-166同様20mmのアルミ板から切り出しています。
(概ねですが加工費用は板厚に比例します)
TB-115以下は12mmの板を使っていますが,これほど直径が大きいと見るからに
不安定です。上下の縫い合わせ面もツバがないスッキリとしたデザインです。


発売は2014年1月からで価格は48,500円を予定しています。
上記価格はバンドのみでプレート類はオプションとなります。

・専用のトッププレート(TTP80-250N(BK)):7,500円
・専用のサイドプレート(SP60-250(BK)):5,000円
・サイドプレート用補助バランスウエイト:価格未定

アリガタはDS80-250等にそのまま固定できます。

写真のトッププレートは他機種用なので色違いですが商品はバンドと同じになります。


TB-232はε-180ED用として開発していますが同じ鏡筒径のR200SSや
GS200RCなどでもご使用いただけます。
特にGS200RCはバックフォーカスが長いので
鏡筒の前後バランス対策としてご利用いただけるよう
長いプレートとドローチューブの固定用リングも発売予定です。
バンドとリングは同軸となる設計で重たいカメラをつけても安定します。


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2013年11月10日 (日)

バラ星雲付近

Rosenebulae

撮影データ
・STX-16803 -30℃ 2×2ビニング,20分露出1カット,フラット,ダーク補正なし
・MAMIYA APO Z250mmF4.5 絞り開放,バーダーHαフィルター(7nm)
・五藤光学MXⅡ赤道儀,4cmF6ガイド鏡+QHY5LⅡでガイド 自宅屋上で撮影
クリックで1024×1024ピクセルに拡大します

 


紹介するのは10月31日に2×2ビニングで撮影したバラ星雲付近です。

ブログにアップする際に1/4にリサイズするなら,最初からビニングして撮った
方が感度面で有理かと思い試してみました。20分露出の1枚画像です。

今回はビニングして撮影していますが
ノンビニングでも私が常用するHa領域では,フルフレームのKAF16803は
インターラインのKAI16000などに比べ高感度を実感します。
QEカーブでは50%ほど高感度差ですが感覚的にはそれ以上に感じます。
 
  

この写真は寝ている間に撮ったものなので,複数枚撮影していますが
試しに処理した1枚でもそれなりに見られます。
KAI16000のカメラではなかなか経験できなかった事で
撮影時間の短縮や暗い光学系での撮影に威力を発揮しそうです。


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2013年11月 9日 (土)

Cマウント→24.5mm変換スリーブ入荷しました

B13_11_09


先のブログで紹介していましたCマウント→24.5mm変換スリーブが
入荷いたしました。ご予約いただいている方へは順次発送します。
(ガイド鏡保持バンドは後日の入荷となります)

今回入荷した20個は,ほとんどがご予約分ですが
若干余剰があるのでご希望の方はHP上からご注文お願いします。
この製品は今ロットをもちまして終了いたします。

またペンシルボーグ専用のCマウントスリーブは在庫が少ない状況です。
QHY5LⅡでご使用いただくケースが増えているので第二ロットを製作中です。
こちらは1ロットの製作数量が多いので継続的なご提供が可能です。

なおQHY5LⅡは予想を遙かに上回るご注文をいただき欠品中ですが
今月中には再入荷予定なので引き続きよろしくお願いいたします。

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2013年11月 6日 (水)

バックフォーカスを合わせたシステム設計

E_oag_ff_q11_0


写真のε-130Dなどのアストロカメラ(以下鏡筒と略)は
補正レンズ端面から焦点面までのバックフォーカスが規定されていますが
冷却CCDカメラでフィルターホイール(FF)やオフアキシスガイド(OAG)を構成する場合
冷却CCDカメラのフランジバックにそれらを加えた値が
鏡筒のバックフォーカスに合致したシステムを構成しなくてはなりません。

加えてカメラの縦横構図変更やスケアリング調整機構
さらにOGAも取り込むとなると複雑な設計~製作が要求されます。


そこでそれらをε-130Dなど用として総合的に設計した商品を開発しています。
中核となる冷却CCDカメラはKAI11002を採用したQHY11で
それにStarLightXpress製のFFやOGAをセットする予定です。
QHY11を採用するのはフルサイズの割には安価なことと
フランジバックが極端に短いため,ε-130D(180ED)などのように
バックフォーカスが短い鏡筒でもOGAシステムが構成できるためです。
上の写真の状態でεのバックフォーカス56mmを満足しています。


E_oag_ff_q11_2_2

ご質問をいただきましたのでεでの光路図(概略)を追記します。13_11_07

 
 


また,さすがにOAGまでは無理ですが,冷却CCDカメラのフランジバックが
短ため従来は難しかったカメラレンズ とFFの併用も可能となります。

Ef_ff_q11_1

写真は試作段階ですが,FFにスケアリング調整機構付きの
カメラマウント(EFのみ)を取付ています。
写真ではわかりにくいですが,マウント部に三脚台座がついています。


Ef_ff_q11_2

これは冷却CCDカメラ側から見た状態です。
何れも赤い鉢巻きがあるのでちょっと見た感じではどちらが前かわかりませんね。


Ef_ff_q11_3

最初に紹介したε-130D用もですがFFとカメラの接続はテーパーリングを
採用しているのでカメラの脱着や回転が容易です。


まずはバックフォーカスが規定された以下の機種用を商品化する予定です。
・ε-130D,180ED用OGAセット(BF=M54メスねじねじ込み面から56mm)
・TOA-130,150 35RD用OGAセット(B F=M72オスねじねじ込み面から65.5mm)
・EFマウントカメラレズ用

価格はε-130D(180ED)用のフルセットで613,500円の予定です。

セットに含まれるのは以下の商品です。
・QHY11冷却CCDカメラ
・48φ枠あり,または50φ枠なし5枚装着のフィルターホイール
・オフアキシスガイドシステム(ガイドカメラは含まず)
・光路長を合わせるスケアリング調整機能付き接続リング類

またカメラレンズ用は595,000円の予定です。


システム組み立て後,CCDのセンサーに対して
鏡筒との接続面(またはカメラレンズのマウント面)を平行に調整して出荷します。

 
 

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