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2014年2月

2014年2月26日 (水)

MFA用モーターユニットについて

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先日のブログで少し触れていた
マイクロフォーカスアジャスター(MFA)用のモーターユニットを紹介します。
写真は試作品ですが製品もほぼ同じ形状を予定しています。

ヘリコイド部の噛み合い面での接線方向送り量は
400/800ステップで0.5mmなので1ステップ当たりは1.2/0.6μmほどと
極めて小さくなっています。
構造上モーターのトルクは要求されないので
20mm角の小さなステッピングモーターでの駆動を可能としました。


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離れた位置からパソコンでピントを合わせる冷却CCDでの撮影では
非常に便利なアイテムと思います。

このMFA用モーターユニットはセットで販売しますが
既に販売中のマニュアル式のMFAにも簡単に装着できます。
また,フォーカスコントローラーはFSQ-106ED用などとして頒布した
NFC-KAをそのままご使用いただけます。

価格は以下のとおりでMFA-EF100(MFA-Σ70)の次期ロットと
同じタイミングで発売します。(2014.4月の予定)

・MFA-EF100MC/MFA-Σ70MC:44,500円
 出荷時からモーター装着したMFAとフォーカスコントローラーのフルセット

・MFA-EF100M/MFA-Σ70M:29,500円
 上記からフォーカスコントローラーを除いたセット

・MFA用モーターユニットのみ:17,000円(EF100又はΣ70用)
 既にMFA本体を所有されている方用としてモーターのみの販売

MFA-EF100は別売りの取付金具(1,050円)をお買い求めいただければ
SIGMA70mmMACROにもそのまま装着可能です。

別件ですが,甲信地方の大雪によりEF8-15mm用レンズヒーターなどは
完成が予定より遅れております。
今後の予定については個別にご連絡いたしますのでよろしくお願いいたします。


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2014年2月25日 (火)

TB-232プレートオーダー方式で受注開始

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先にご案内しておりましたε-180ED他用の鏡筒バンド(TB-232)が完成したので
本日から受注いたします。

TB-232の価格は48,500円です。(プレートは付属しません)

このバンドは同じ鏡筒径のGS-200RCやR200SSにも適合しますが
その際に必要となるプレートを特注できるかとのお問合せをいただいていました。

もともとε-180EDで使用する場合にカメラ用のバランスウエイトをつけたり
カメラサポート金具などを想定して4面にフラット部を作っているので
それらも含めプレート(専用ウエイト)はオーダーメイドで製作します。
またGS-200RCなどカセグレン方式の場合
上下に長いプレートを装着すればカメラ部のサポートも可能です。


写真のように特注プレートの依頼が多いのですが(参考用のプレートです)
このクラスの鏡筒ではご自身のシステムに合ったプレートを望まれるようです。

簡単なメモ(JPG又はPDFファイルで)をメールに添付してご注文いただければ
折り返しお見積もりをお送りいたします。
サイズにもよりますが
バンド間隔を250mmとした場合のトッププレートで8,000円ほどです。
(概ね縦,横,厚さ,(cm単位)を掛けた値の50~60倍ほどとなります)

ベースプレート側は色違いとなりますが,現行のアリガタ(DP75又はDP80シリーズ)
に直接固定できるので必須ではありません。

なお在庫限りですがTB-232に写真の旧仕様ベースプレートと
トッププレート(何れも250mm)とをセットして50,000円で販売いたします。
DSシリーズとの縫い合わせ用穴など追加工もお受けいたします。

このセットは完売しました。2014.3.1追記

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2014年2月24日 (月)

ラブジョイ彗星の動画

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本来はYouTubeの画面を掲載するところですが
手法が解らなかったので別の写真にリンクしました。
赤の再生マーク?がありませんがクリックすればYouTubeの動画が再生します。


12月にモンゴルで撮影したラブジョイ彗星の写真動画が完成しました。
画像処理は1月1日にアップした写真と同じ草野敬紀さんにお願いしましたが
大変苦労されたとの事です。本当にありがとうございました。


今回はYouTubeへのアップ方法が解らなかったのでこれも知り合いに依頼しました。
こういった周りの方のお力で結果をご紹介できる事に感謝しております。

写真はH-40赤道儀(ノーガイド)+プロミナー(350mmF4)で連続撮影した40コマ
(1コマは180S露出)を使っています。(トータル2時間分です)
今回紹介するのは,サイズを小さくしていますが,Full HDで作成してもらっています。
機会があればFullHDの動画も紹介させていただきます。


せんだい宇宙館でアップしていただいたMP4動画を追加しました。

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2014年2月23日 (日)

卓上据え付け赤道儀

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通常,赤道儀の追尾テストなどは自宅屋上のドーム内か
テント張った仮設エリアで行っていますが(何れも遠隔制御ができます)
ガイドカメラの動作確認(キャリブレーションからガイドまで)や
冷却CCDカメラのピント出しなどは写真のように卓上赤道儀を使います。

卓上にテスト専用の赤道儀を据え付けているので
晴れていればカーテンを開けるだけですぐに使えて
極軸もあっているのでその気になれば撮影もできそうです。
(窓からなのでオリオン座が写せる程度ですが)

写真は小型のハーモニックドライブがポータブル赤道儀の赤緯用として
使えるかどうか実際の負荷をかけてテストを行っているところです。


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2014年2月22日 (土)

SP赤道儀用P.C.D.35mmアダプター継続販売

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昨年10月で生産を終了していましたSP赤道儀用P.C.D.35mmアダプターは
その後も度々のご要望があったので10台ほど製作しました。
その分の余剰はまだありますが
ここまで需要があるとは予想もせずに過去に何度もこれが最後とアナウンスし
ご注文を煽りはしなかったかと反省しています。

今後この商品は通常商品として継続販売することにしました。
また,同様の製品でGP/GP-D赤道儀にDS-45やDS-65Nを装着するための
アダプター(DS-GPADD)も再販します。


SP赤道儀やGP赤道儀は軽量で使いやすい赤道儀です。
追尾精度は±20秒以上のPモーションがありますが
ガイドすればこれらの赤道儀に搭載できる300mm程度のレンズなら余裕です。
構造上,精度良く調整できる極軸望遠鏡を内蔵していることも大きなメリットで
軽量なこととあわせ海外遠征用としては根強い人気があるようです。

先日紹介したカメラレンズ用ガイドシステムのガイド状況写真は
写真のSP赤道儀で行っていますが
Pモーション1~2秒角相当の精度が得られています。

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2014年2月21日 (金)

カメラレンズ用ガイドセット オプション

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QHY5LⅡと50mmのCマウントレンズを使ったガイドセットは多くのご予約を
いただきありがとうございます。おかげ様で残り数量は僅かとなりました。
現在オプション類の整理を行っておりますので決まり次第個別にご案内します。

写真はEF100用のMFAにこのガイドセットをつけるためのプレートです。
MFA-EF100にはこのプレートを挟む事を考慮しスペーサーを挟んでいますが
スペーサーと入れ替えるだけでガイドカメラが搭載できます。

また先日ご紹介したウエイトシャフトにカメラをつけるプレートも準備しました。
何れも限定品のページにアップしています。

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写真は50mmのレンズ用フードです。樹脂のケーブルキャップに手を入れただけですが
先端が絞られた高級フードみたいですね。これは標準付属します。
(このフードを標準付属としたのでヒーター付きフードはオプションとしました。
それに伴いセット価格を見直しております)

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このガイドグラフ(ガイドしていませんが)は一枚目のスカイグラフの状況です。
このスカイグラフはモーター周りが壊れたジャンク品だったので
内蔵電池で駆動できるように改造しました。またオートガイド端子もつけています。

まだ赤径側の追尾が良くありませんが
ここで見ていただきたいのは赤い赤緯側のグラフです。
前半は極軸を合わせた状態で,後半は角度の15分ほど方位をずらした状態です。

グラフのY軸一目盛りがガイドカメラの1ピクセルに,X軸は約80秒に相当しますが
極軸を合わせた状態では,10分で0.5ピクセルほどずれています。
この程度の据え付けができれば赤径だけのガイドで200mm,10分ほどまでなら
完全な点像が得られるでしょう。(一眼レフカメラの場合)


極軸をずらした後半は10分経過後は2ピクセル以上ずれているので50mmが
やっとでしょう。(1ピクセルは角度の16秒ほどとなります)

赤径だけのガイドで意味があるか?との質問を受けますが
極軸を正確に合わせる事ができる赤道儀なら
300mm,5分ほどまでは何ら心配ないでしょうとお答えしています。

ちなみにスカイグラフの極軸合わせは北斗七星を見ながら行う
簡易方法で行っています。またパターンは初期型の古いままです。


なおこのガイドセットはPHDGuidingでのみでの使用を想定しています。
キャリブレーションの方法により
MaxImDLなどではご使用いただけない場合がありますのでご注意ください。
(対策としてフジノンの75mm高画質レンズも計画中です。詳細はお尋ねください)

掲載したPHDGuidingの追尾状況は2軸ガイドができる別の赤道儀で
キャリブレーションを行った後に対象赤道儀に付け替えています。
赤緯側のキャリブレーションを行わないとグラフは描かれません。


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2014年2月18日 (火)

MFA SIGMA70mm用としても

先日からご紹介していますEF-100用のマイクロフォーカスアジャスター(MFA-EF100)
は取付プレートの交換のみでSIGMAの70mmマクロにも対応します。

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写真はフード側につけているので,MFAとピントリング部の相対位置が変わりますが
微調整が目的なので問題ありません。
それよりMFA下部にヒーターユニットがつくのでそのメリットが大きいでしょう。
(MFAは写真のカメラボディ側につけたバンド位置にも取付できます。
その場合相対位置は変わりませんがヒーターユニットは意味をなしません)

SIGMA70mmマクロ用マイクロフォーカスアジャスター(MFA-Σ70)はEF100用と同様
13,500円で限定販売いたします。(発売は3月末の予定)
(ヒーターユニットの販売価格は未定です)

既にEF100mm用のMFA-EF100をお求めの方には専用プレートのみを1,050円で
販売いたします。
また,SIGMA70mm用としてご購入いただいた場合は
EF-100用プレートを同額で販売します。

 

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写真はSIGMA70mmを冷却CCDカメラにつけた状態ですが
冷却CCD撮影では必須と思われるパワーフォーカサーも開発中です。
EF-100用と今回紹介したSIGMA70用で写真のプーリーをステッピングモーター
駆動する予定です。既にFSQ-106ED用で頒布したコントローラー(NFC-KA)を
そのままご使用いただける設計なので,モーターユニットのみで実現できます。


マイクロフォーカスアジャスターやレンズヒーターは今後対象機種を
拡大する予定です。
ただ,レンズ側の仕様変更などで,適合できなくなる恐れがあるので
これらの商品は限定販売商品となる事をご了承いただけると幸いです。
(限定品についてはそれらの情報を,直接お客様へフォローいたします)


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2014年2月17日 (月)

カメラレンズ用ガイドセット-ウエイトシャフト固定

昨夜ご紹介したカメラレンズ用ガイドセットは
昨夜の内に用意した数量の半数ほどご予約いただきました。
軽量でコンパクトな機材を要求される海外遠征のニーズに合っていたのでしょう。


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この超小型ガイドカメラは様々な取付方を紹介しましたが
個人的にはこの位置がベストと思っています。
テレスコープイーストとウエストで方向を変える必要はありますが
ガイドケーブルなどの引き回しが楽です。(AMD-1の場合20cm程度)

撮影レンズとは違う方向を向いていますが,1軸ガイドの場合は恒星時追尾の
修正だけなのでガイドカメラはどこを向いていても同じです。
このガイドシステムは恒星時追尾を補正する=Pモーションを±1~2秒に改善する
装置になります。
(赤緯軸がウエイトシャフトと連動する赤道儀では通常の2軸ガイドとなります)
紹介したH-40やP-2のウエイトシャフトに固定するプレートは1,000円で販売します。


なお通常の望遠鏡?のガイド用として,長めのCマウントレンズ+QHY5LⅡMを
2点で固定するバンドも併せて発売します。
汎用性が高く,単体でTTPシリーズに適合するほか
35mm間隔で固定する専用のプレートも予定しています。
3月上旬発売予定でこちらは通常商品です。

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写真はε-130D用のショルダープレートにつけた例で
フジノンの75mm高画質レンズHF75HA-1Bをつけています。

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2014年2月16日 (日)

カメラレンズ用ガイドセット 限定販売

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先日紹介しましたカメラレンズ用ガイドシステムについては
ガイド用として適正の良い小型Cマウントレンズを
まとまった数量確保できたのでセット販売することとしました。

使用するレンズは先のブログで紹介した
計測・制御装置メーカーのキーエンス製画像処理用レンズのCV-L50です。
同社は工業用として高分解能レンズもラインナップしていますが
標準仕様のCV-L50でもガイド用として十分な性能であることを確認しています。
(今回使用するCV-L50は程度の良い中古品又は未使用品です)
 

以下は標準的な使い方で,アルカスイス規格のL字型ブラケットに装着します。
カメラの縦横構図変更時はクランプで掴む位置を変えるだけです。


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以下はレボルビング装置(RR-110)に装着する場合です。
RR-110側にアルカスイス規格のプレートを取付ますが
この場合,ガイドカメラ付属のクランプは上記から90度回転して固定します。


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何種類かのレンズを入手してテストしましたが性能と価格の面と
まとまった数量手配できたCV-L50を採用しています。


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これはおまけ?の特製のフードにつけたヒーターです。
先のEF8-15mm用リングヒーターでご要望が多かったUSB対応で作ってみました。
手作り感たっぷり?なので商品としては販売しませんが
ご希望の方には無償でヒーターを取付ます。
5Vで0.7Wですが十分な効果があります。

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専用のハードウエアとアプリが必要になりますが
QHY5L-ⅡをWiFiを使ってiphoneなどから制御できるようになりでもしたら
パソコンなしでオートガイドができますね。
そうなるとデジタルカメラでガイド撮影する人にとって
今回ご紹介するカメラは大変有益なアイテムになるでしょう。


購入方法などは限定品のコーナーにアップしています。


最後に台座付きの望遠レンズではこのような取付がお勧めです。
全長が10cm(フード未装着時)しかないので赤緯体と干渉もせず実用になります。

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2014年2月11日 (火)

海外遠征用ポータブル赤道儀-3 オートガイド機能

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ポータブル赤道儀でオートガイドを行うことについては
賛否両論があるかと思いますが,私のところへのご要望が多いことは確かで
今後出荷するAMD-1はご要望によりオートガイド端子を付加しています。

そこで必要となるガイド鏡ですが,一般的にポータブル赤道儀では
300mm程度までが限度かと思います。
その場合,望遠鏡でガイド鏡と呼ばれるほどの大がかりなものは不要で
カメラ周りに簡単に取付られるコンパクトなガイド鏡が求めらます。


今回ご紹介するガイドシステムは小型のアルカスイスクランプで脱着できる
50mmのガイド鏡とQHY5LⅡの組み合わせです。
写真のようにカメラボディにつけた,縦横構図切り替え用プレートに固定できます。


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また,超小型のアルカスイスプレートをレボルビング装置に付けておけば
レボルビング装置でもガイドできます。


今回紹介するガイド鏡?は50mmのCマウントレンズですが
計測・制御装置メーカー製で星の写りは非常にシャープです。
F1.8開放ですが以下の写真のように恒星が綺麗な点で写ります。

Sp50mmguide


50mmで大丈夫?と心配されると思いますが
上のグラフは敢えて追尾精度の悪い赤道儀でテストした追尾状況です。
ガイドした後半はY軸が1目盛り(=ガイドカメラの1ピクセル=4μm)の
1/10程度に収まっているので300mm程度までなら余裕でガイドします。

というより,前半は±25秒ほどあったPモーションが1/20ほどになったと
見た方が解りやすいでしょうね。

本題がガイド鏡の話しにずれてしまいましたが
南半球に遠征すると,大マゼラン雲やη-カリーナ星雲など
望遠レンズで撮りたい対象がいくつもあります。
せっかく遠征したのだからキッチリとガイドした写真をものにしたいですよね。


この50mmレンズとガイドシステムについては追って詳しくご紹介いたします。

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2014年2月10日 (月)

EF100mmF2.8Lマクロ用MFA出荷開始

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先のブログで紹介していましたEF100mmF2.8Lマクロ用のMFA-EF100は
本日から出荷を開始しました。
ご予約いただいていた方には個別にご案内をお送りしております。


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ご紹介後,MFA部をレンズ保持バンドとして使用する際に
カメラボディ底面との高さを合わせるスペーサーのご要望をいただきましたので
写真のようなシムシートも準備しました。1,000円のオプションです。
0.1,0.2,0.5,1.0mmを各2枚セットしているので
組み合わせることで,0.1mm~3.6mmまでを0.1mm刻みで調整できます。
写真のEOS5DM2の場合2.2~2.3mmで高さが合います。
(写真は必要量を重ねテープで固定した状態です)

また片側だけですが微動ツマミを少し大きいものに変更しています。
大きいツマミを付ける方向もご指定いただいております。


このMFA-EF100は下の写真のように,レンズ前面側から差し込むだけで
装着できます。ロックを緩めて少し前にずらせばMFA機能を解除できるので
大変使いやすくなっています。

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MFA-EF100の初期ロット20台はご予約分で完売しました。
ご好評につき次のロットを3月末~4月上旬頃に予定しています。
(ご予約を受け付けています)


今後の展開ですが天文用として人気のあるレンズ用を検討しています。
ただ,レンズの形状やヘリコイドのゴムのピッチの関係で適応できるレンズは
限られることと,開発環境の都合でEFマウントのレンズのみとなってしまいます。


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2014年2月 8日 (土)

海外遠征用ポータブル赤道儀-2 極軸望遠鏡について

海外遠征用(今回は南半球に限定した場合)のポータブル赤道儀にとって
極軸望遠鏡は必須ですが,それに求められる要件について
私なりの考えをまとめてみました。
あくまでも私が便利と思うセッティング方法での話です。

1.口径があまり小さくないこと(2cm以上あればOK)
2.倍率があまり高くないこと(ポータブル赤道儀の場合は4~7倍程度が良好)
3.視野照明があって,明るさを調整できること
4.ピント合わせ又は視度調整ができること
5.光学系がシャープで6等星が明瞭に見えること


1.は以前ここで紹介しましたが,極軸合わせに使う極付近の恒星は暗いため
口径が小さいと良く見えません。

昨日紹介したスカイグラフ(初期型)の極軸望遠鏡はMark-Xと同じもので
その口径は2cmありますが下の写真のように有効径が1.4cmに絞られています。

これではもったいないので右のように開口径を広げました。
これで2倍ほど明るくなります。

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2.の倍率についても以前紹介していますが以下のスカイメモPの倍率は4倍なので
セッティングが非常に楽です。10倍近いと慣れていても戸惑うほどです。


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3.の照明については1と関係しますが恒星が暗いので照明は極限まで
暗くしないと恒星が見えません。

4.については若い頃は感じませんでしたが
年をとると視度が固定された極望では暗い星が良く見えません。
視度調整があるとたいへん便利です。

最後の5.も意外と重要です。
ケアンズ日食の際,同行の方に極軸設定を依頼されましたが
光学系の見え味が悪く暗い星が良く見えませんでした。
北半球では明るい北極星使うのであまり問題になりませんが
南半球では粗悪な極望では極付近の星は見えませんでした。
(はちぶん儀座の台形は見えるので他の方法ではセッティングできます)


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2014年2月 7日 (金)

海外遠征用ポータブル赤道儀-1 スイッチ取付位置について

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現在,4月末の西オーストラリア南天ツアーに向けて
参加される方のポータブル赤道儀を整備していますが
海外遠征用ポータブル赤道儀に求められる要素など
私なりの考え方について数回に分けて紹介いたします。

最初は,預け入れた機材のトラブル防止についてです。

海外遠征では預けた機材が想像以上の外圧を受けるようで
スーツケース内では機材どうしがぶつからないよう
完璧にパッキングしたつもりでも
遠征先で開けてみたらどうしたらこんなになってしまう?と思う事があります。


このような時に特にダメージを受けるのが突起部で
スイッチなどは簡単に壊れてしまいます。
写真後ろのスカイグラフは側面にトグルスイッチが配置されていますが
通常のパッケージでは強烈な外圧を受けてしまい破損してしまうのです。


整備の主な目的は,内蔵した電池で数日間駆動できるような省電力化や
オートガイド改造などですが,ついでにそのようなトラブルを防ぐために
スイッチ類の取付位置を変えています。

写真右側のスカイメモPもスカイグラフと同じように電源スイッチや
極望の明るさ調整ボリュームは側面パネルに付いていましたが
全て極軸望遠鏡のアイピース側に移しました。

また手前左のスカイグラフはオートガイド端子なども含め
対物レンズ側(銀色の銘板がある位置)に移動する予定です。

過去の遠征で同行された方の機材破損を目の当たりにしています。
現地で何とかして修理した事もありますがやはり予防保全は大切と思います。


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今回紹介しました五藤光学のスカイグラフや富士電子工業のスカメモPには
頑丈な木製ケースが付属します。
そのケースに収納した状態ではスイッチの破損はおきませんが
今回は重量の関係でケースに収納しないで海外遠征する事を想定しています。

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2014年2月 3日 (月)

アルカスイス規格のクランプ

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最近はレボルビング装置や小型ガイドシステムなど
カメラレンズでの撮影を対象とした製品を開発しています。
XY50シリーズもカメラレンズでの撮影用品ですね。

そのカメラ業界?では天文用で言うアリガタ・アリミゾは
クイックシューやクイックリリースクランプ・プレートなどと呼ばれ
上の写真のようなアルカスイス規格対応品が一般的です。

本家のARCA SWISS社製は驚くほど高価ですが
最近は安価な互換品が出回っていて重宝しています。

ただこれらのクランプは中央1本固定であったり
2本固定仕様でも間隔は望遠鏡で良く使われる35mm間隔ではありません。

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だったら適当な位置に穴加工すればよいのでは?と思いますが
殆どの製品の裏面は上の写真のように軽量化のため肉抜きされているので
加工が困難です。

そんななか最近見つけたのが写真手前のデスモンドクランプ(DAC-01)と
いう製品で,肉抜きされておらず追加のタップや穴加工ができます。


写真は35mm間隔でUNC1/4タップ(カメラネジ)を立てていますが
片側は水準器が埋め込まれていたので肉厚が小さくなります。
基本的には中央と片側17.5mmの位置での2点固定となりますが
それでも十分な固定強度です。

XY50Dに装着しましたがサイズ的にもジャストフィットします。

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実はXY50やXY50D専用のクランプを開発しておりましたが
このDAC-01は作りも良く締め付け強度も全く心配ありません。
価格は2,980円と非常に安価です。

XY50や50Dの他小型ガイドシステム用としても便利です。

専用で作った場合,数量が限られるためこのような低価格ではご提供できないので
この製品の使用をお勧めすることにしました。

底面にUNC1/4のタップを立てるだけですが
工作に自信が無い方は作業をお受けいたします。
加工費用と中央部固定用のUNC1/4皿ネジ1本で1,000円いただきますので
DAC-01を含めた価格は3,980円(送料は別途)です。


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2014年2月 1日 (土)

RH200とTOA-150の星像比較

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左がRH-200+KAF16803,右がTOA-150+KAF8300の写真です。
何れもトーンカーブで平方根処理をかけただけ,クリックで拡大します。


ちょっと大げさなタイトルですがRH-200とTOA-150で撮った写真を並べてみました。
両者は焦点距離や使ったカメラのピクセルサイズなどの条件が全く異なるので
科学的な比較と言えるものではありません。
(RH-200で撮影した1月31日は非常に悪いシーイングでした)

RH-200は焦点距離が600mm,カメラのピクセルサイズが9μm(KAF16803)
TOA-150は  〃  約840mm       〃        5.4μm(KAF8300)

なので1ピクセルの画角は大まかに2:1で
RH-200側は200%で,TOA-150側は100%で表示しています。

こうしてみるとRH-200はTOA-150よりシャープかも?と思ってしまいますが
シャープさもさることながら明るさは圧倒的です。
カメラの感度も違いますがRH-200は1分,TOA-150は10分露出です。
さすがに1分では10分露出のTOAには全く及びませんが
感覚的にはRH-200のシステムが3倍ほどハイスピードでしょう。

TOA-150では朝までかかっていたのと同等の条件を
RH-200では深夜前に得ることができるのは大きなメリットです。
RH-200は明るいアストロカメラなのに調整は簡単で屈折と同等に扱えます。
 
 

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EF8-15mm用リングヒーターの再予約について

表記リングヒーターの頒布については昨日で受付を終了いたしましたが
その後も多くのお問合せをいただいておりますので再度製作する事としました。

整理の都合で,1月末締め分は終了しますが
第二回目のご予約を2月末まで受付ます。
第二回目の納品は3月末~4月中旬を予定しております。


このヒーターは対応機種が限定されるのでご要望は少ないと予想しておりましが
昨日時点で30台ほどのご予約をいただきました。
実際に撮影した経験で「あれば便利」と思ったアイデアをこのようなかたちで
ご提供しておりますが,興味を持っていただく方が多いことに驚いております。


以下はレボルビング装置(RR-110)用MFAの試作品です。
微動機構を板バネでヘリコイドに押し当てるのである程度の汎用性があるうえ
バネ押し当てなので簡単に微動部とヘリコイドの噛み合いを解除できます。
どちらかと言えばヘリコイドの固定用として重宝しそうです。
(固定用して使用する場合は微動装置は不要で,厚手のウレタンシートで
よさそうです)


微動機構は全機種共通なので取付板(RR-110用は板バネ)のみでも対応でき
経済的です。
使えるレンズの条件なども含め詳細は別途ご案内いたします。

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