海外遠征用ポータブル赤道儀-2 極軸望遠鏡について
海外遠征用(今回は南半球に限定した場合)のポータブル赤道儀にとって
極軸望遠鏡は必須ですが,それに求められる要件について
私なりの考えをまとめてみました。
あくまでも私が便利と思うセッティング方法での話です。
1.口径があまり小さくないこと(2cm以上あればOK)
2.倍率があまり高くないこと(ポータブル赤道儀の場合は4~7倍程度が良好)
3.視野照明があって,明るさを調整できること
4.ピント合わせ又は視度調整ができること
5.光学系がシャープで6等星が明瞭に見えること
1.は以前ここで紹介しましたが,極軸合わせに使う極付近の恒星は暗いため
口径が小さいと良く見えません。
昨日紹介したスカイグラフ(初期型)の極軸望遠鏡はMark-Xと同じもので
その口径は2cmありますが下の写真のように有効径が1.4cmに絞られています。
これではもったいないので右のように開口径を広げました。
これで2倍ほど明るくなります。
2.の倍率についても以前紹介していますが以下のスカイメモPの倍率は4倍なので
セッティングが非常に楽です。10倍近いと慣れていても戸惑うほどです。
3.の照明については1と関係しますが恒星が暗いので照明は極限まで
暗くしないと恒星が見えません。
4.については若い頃は感じませんでしたが
年をとると視度が固定された極望では暗い星が良く見えません。
視度調整があるとたいへん便利です。
最後の5.も意外と重要です。
ケアンズ日食の際,同行の方に極軸設定を依頼されましたが
光学系の見え味が悪く暗い星が良く見えませんでした。
北半球では明るい北極星使うのであまり問題になりませんが
南半球では粗悪な極望では極付近の星は見えませんでした。
(はちぶん儀座の台形は見えるので他の方法ではセッティングできます)
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