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2014年4月

2014年4月26日 (土)

2014 南天星見ツアーに伴う休業のお知らせ

明日4月26日から5月4日まで,2014 南天星見ツアーのため休業いたします。
期間中ご迷惑おかけいたしますがよろしくお願いします。

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2014年4月24日 (木)

VELOCE TWIN

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お客様からのご依頼で,VELOCE RH200を2本搭載するシステムを作りました。
片側は冷却CCDカメラでL画像を
もう片側はデジタルカメラでカラー画像を同時に撮影されるそうです。

VELOCE RH200はF3(実行値は3.2程度*)と大変明るいアストロカメラですが
2本で同時撮影されればF2.2相当?の圧倒的なスピードでしょう。
VELOCEとはイタリア語で「速い」を意味しますが正に名の通りのシステムですね。


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この2連搭載プレートには片側のアリミゾをX-Y方向に微調整できる機構を
組み込んでいます。
VELOCEは構造上屈折望遠鏡と同じように筒と光軸がほぼあっているので
僅かな調整代を持たせるだけで十分です。
プレートは軽量化のため残厚5mmまで肉抜きしています。

*:開口径I216mm)と中央掩蔽(110mm)から計算した値で反射率は計算に入れていません。


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2014年4月21日 (月)

新型90S用2軸モーターライブ 開発中-1

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以前から90S用2軸モーターはスポット的に製作していましたが
使用するコントローラーの都合で長らく休止していました。
ただ引き続き多くのご要望をいただいているので新たなモーターを開発中です。


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新たな2軸モーターはATLUX同様,小型のHBステッピングモーターを採用し
写真のようにギヤ部を密閉できる構造にしました。
高精度を維持するために,単にギヤカバーをつけるのではなく
グリースで潤滑された密閉容器内にギヤを配置します。


下の写真は赤径側で基本構造は赤緯と同じで
ガイド撮影専用の2軸コントローラー(AMD-2:開発中)はモーター裏に配置します。


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コントローラーは,ガイド撮影専用のAMD-2またはMTS-3何れかをお選びできます。
MTS-3を使っても自動導入はできませんが
TheSkyやステラナビゲーター等からの遠隔操作は可能です。(赤緯側は制限付き)

AMD-2は現在開発中で,今回紹介する90Sの他,P-2やH-40用のAMD-1から
アップグレードが可能です。これについては後日ご案内いたします。

現在お問合せいただいている方へは6月からご案内いたします。
新規の受注はその後となりますが現時点では9月以降になる予定です。

 
 


以下は90Sの赤緯側扇型ギヤです。
部分微動なので先に書いたように自動導入はできませんが
扇型ギヤは直径108mmのウォームホイルに相当します。
NJPの86mmよりずっと大きくガイド撮影には有利です。

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写真は試作品で赤緯側はモーターユニットを90度時計方向に回転する予定です。
AMD-2はガイド撮影専用なのでAMD-1と同様手動操作はできません。
外部接続はガイドケーブルと,電源だけですが
5V(消費電力は1W強)で動作するので小型のモバイルバッテリーで駆動できます。

眼視観測も行われる方はMTS-3仕様をご推奨いたしますが
MTS-3は入荷数量が制限されます。

このモーターの取り付けは赤道儀への加工は必要ありません。

価格やAMD-2の仕様,AMD-1からのアップグレードについては後日紹介します。


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2014年4月20日 (日)

レボルビング VS L型ブラケット

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一般的には星空と地上の風景を一緒に写す星景写真や,星座の写真では
特に赤径・赤緯は意識せず自由なフレーミングで撮影します。
そのため赤道儀で追尾撮影する場合はレボルビング装置や自由雲台が必要です。


一方,望遠系で撮影する場合は,写野の長辺と短辺を赤径・赤緯に平行にするのが
一般的です。
鑑賞用ならあまりこだわる必要もないかと思いますが観測用写真では常識ですね。


そこで写野の縦横を赤径・赤緯に合わせる(縦横構図を取りやすくする)ために
下の写真のようなL型ブラケット(正確な呼び方ではないかも知れません)を
使われますが,この場合カメラボディの近くを赤道儀に固定するので
重心がレンズ側に偏り赤緯側のバランスが悪くなります。

望遠系で撮るにはL型ブラケットが便利と言われますが
レボルビング装置の場合,構造上赤緯側のバランスも取れるため
上の写真のような構成の場合,赤径,赤緯,それにレボルビングの3軸全ての
クランプを緩めたままでフレーミングできます。

単にフレーミングが容易なだけでなく,全ての軸のバランスが取れていることが
星を流さずに撮る基本ではないでしょうか?
個人的には三脚台座がついていない100mm程度までの望遠レンズでも
レボルビングに優位性があると思いますが。

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レボルビング装置は他の商品供給の都合で生産が遅れておりました。
近々入荷しますが既に予約分で完売状態です。
次のロットは5月20日頃に入荷しますのでよろしくお願いいたします。

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2014年4月14日 (月)

ポータブ赤道儀の2軸ガイドテスト再開

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何度か同じような記事を紹介していますが,このところオートガイドを取り巻く環境が
大きく変わってきたので,またポータブ赤道儀の2軸ガイドのテストを行っています。
擬似的に赤緯軸相当を駆動し,2軸ガイド相当の結果が得られないかを模索しています。

アイデアは以前と同じ北側の三脚を持ち上げる方法ですが
この方法では原理的に子午線から離れるほどX軸とY軸の直交が出なくなるので
極に近い低空では難しいと思っていました。それを再確認するためです。

ところがテスト結果は予想に反し,上記のような場合でも
完璧にキャリブレーション~ガイドまで何の問題もなく行え少し驚いています。
(75mmレンズとQHY5LⅡを組み合わせ緯度70度付近の恒星をPHD Guidingでテスト)


 

本来はポータブル赤道儀の擬似的な赤緯修正としてテストしていますが
この方法はウォームホイールを使った駆動に比べると高いレスポンスを示します。
ウォームホイールはそのバックラッシュや軸周りの摩擦などで
秒オーダーのレスポンスになりますが紹介する方法は1桁は早くなりそうです。

いくら速いといっても,さすがにこの程度のレスポンスでは
シーイングのキャンセルまでは無理でしょうが
通常のウォームホイール式に比べれば桁違いのレスポンスです。
ガイドカメラが高感度なので動画でガイドすればそれなりの結果が得られそうです。


紹介した三脚の下敷き式?は原理の確認用ですがたとえば
・据え付け赤道儀のピラーをX-Y方向から押す
・反射望遠鏡の副鏡をX-Y方向から押す(傾ける)
・接眼部に撓みプレートを付けてそれをX-Y方向に押すなどです。

今までの赤道儀制御とAOの中間ほどの効果が得られるかも知れません。

今回は高価なリニアステージでテストしましたが
以下のリニアステッピングモーターを使えば安価なアクチュエータになるので
色々試してみるつもりです。


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ポータブル赤道儀の擬似的な赤緯修正用として評価していますが
いろいろと夢が膨らむアイデアではないでしょうか?

ピラーを手で少し押すだけでガイドが暴れるのでアクチュエータで
北(南)側からと西(東)側から押引きすれば高速ガイドができるかも?ですね。


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2014年4月12日 (土)

スカイグラフ赤道儀の修理

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知人からの依頼などで3台のスカイグラフ赤道儀を修理(改造)しています。
2台は電気系,1台は機械系が壊れていましたが
写真の左に写っている個体はまだ手を入れていないオリジナルの状態です。

一番右は機械系の故障で完全に分解しています。
(本来ウォームホイールと極軸は接着されているので
写真の状態まで分解できませんがこの個体はこの接着部が緩んでいました)

電気系故障はロジックICの不良なので修理は簡単ですが
そのまま直すだけでは南半球では使用できないうえ12Vの電源が必要です。

そこで1台はAMD-1の駆動回路や電池も内蔵する改造を行いました。
写真中央のものですがモーターや伝達ギヤも変えています。
このギヤ比が108:75なので100枚(ホイールの枚数)×108/75=144となり
144枚系の赤道儀と同じ回路で駆動できます。

ただこの改造はサイズの異なるモーターに入れ替えたり特注ギヤを作るなど
大変な手間とコストがかかっています。

そのため2台目はモーターや伝達ギヤを変えずに修理しました。


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先に書いたとおり,この赤道儀のウォームホイールは100枚ですが
純正はそれを76:20と68:18の減速ギヤ経由で駆動しており
総合ギヤ比は100枚×76×68÷20÷18の1,435.555・・・になります。

中途半端な数値のようですが,これも以前ご紹介したスカイメモP同様
減速ギヤ比で恒星時を作っています。
1RPMのモーターで駆動すれほぼ恒星時になります。(正確には0.03%ほど遅い)


実はこのことが修理には大変便利で
恒星時を作るために特殊な周波数の水晶が必要ありません。
分周すれば60.000Hzになる既製品の水晶(6.308MHz)がそのまま使えます。
ネットで1個100円ほどでした。

ついでにモバイル電池が使えるようステップアップ回路を内蔵したので5V駆動です。
また南北切り替えやオートガイド機能も取り込んでいます。

5V駆動時の消費電流は150mAほどです。
(励磁シーケンスを変えるので電流・駆動音とも小さくなります)
3,000mAh(at3.7V)程度のモバイルバッテリーで15時間ほど駆動可能です。

色々書きましたが内容の殆どは備忘録のようなものです。
スカイメモPの件も記事に残していたから後から参照する事ができました。


なお,この修理(改造)に使う材料は余剰があるので故障でお困りの方は
ご予約いただければご対応させていただきます。

紹介した内容での修理(改造)費用は赤道儀のオーバーホールを含み
25,000円ほどで,本年8月頃1回のみ実施予定です。


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2014年4月 7日 (月)

スカイキャンサー赤道儀

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写真のスカイキャンサー赤道儀は,このブログで度々紹介しているH-40型赤道儀
(正式にはTS式40mm赤道儀H型)の後継機種で,鏡筒(ガイド鏡)バンドを取り去り
微動を備えた赤緯プレート?仕様となっています。

そのプレートからガイド鏡用のアームが延びたイメージを「カニ」の腕に見立て
スカイキャンサーと命名されたようです。
H-40と基本構成は同じなので極めて高い追尾精度を有しています。

天体写真を始めた頃は,ここに黄色い4cmのガイドをつけて撮影していましたが
当時の眼視ガイドではガイド鏡側かカメラ側の何れかに自由雲台を使わないと
実用になりませんでした。


紹介する写真はオートガイド対応のAMD-1とXY50-35Hでカスタマイズされた
スカイキャンサー赤道儀で,個人的には必須と思える
極軸望遠鏡用の視野照明装置も完備しています。
以前は黄色いガイド鏡がついた「カニ」の腕部に,紫色のQHY5LⅡを
装着したCマウントレンズを取り付けています。

30年前?はガイド星の導入に苦労しましたが,現在では写真の状態に加え
QHY5LⅡとパソコンをUSBケーブル1本繋ぐだけでオートガイドが行えます。


自由雲台でガイド星の導入から眼視ガイドで苦労した30年前には
考えられないな時代になりましたが
赤道儀はその頃のままなのが不思議な気がします。
CCDやC-MOSを使ったガイド環境は激変しましたが
肝心の赤道儀は30年前の製品がピークだったのかも?と思ってしまいます。

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2014年4月 6日 (日)

ATLUX赤道儀などの改造について

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ATLUX赤道儀の改造については昨年9月に新方式での改造をご案内していますが
その後受注が集中し納期面ではご迷惑をおかけしました。
多くのバックオーダーを抱えていましたがやっと先が見えてきたようです。

ATLUX赤道儀の場合,モーター駆動系が内蔵されているので
それが動作しない場合は赤道儀として全く機能しません。
改造と呼んでいますが,駆動系が動作しない故の改造依頼も多かったので
それらは故障修理ですね。


記録を数えたところATLUX赤道儀とNEW ATLUX赤道儀の合計で
AGSシリーズの改造だけで68台行っていました。(3月末時点)
FS2やDynoStarX3での改造も含めると70台を超え
これにオーバーホールや駆動系の修理を含めるとその倍ほどです。

修理対応期間や部品供給の都合で
殆どはメーカー修理の適合範囲外との事ですが
単に駆動系が故障しているだけで廃棄されるのはもったいない限りです。

赤道儀本来の基本性能(剛性や追尾性能)は古いから劣るわけではなく
むしろ30年ほど前の機種の方が優れていることもあります。
それらの古い赤道儀使い続けることはエコの観点というより
「良いものだから」「今後同じような物は作られないから」でしょうね。
 
 
 


赤道儀の改造についてはバックオーダーが多いため当面受注を休止しております。
申し訳ありませんが納期でご迷惑をおかけしないためです。
現在受注している改造は今月でほぼ解消する予定で
これまでにお問合せいただいていた分は,5,6月の予定でご案内いたします。

新規の受注は7月以降となりますがよろしくお願いいたします。

紹介した写真はATLUX赤道儀の赤径側の改造後で
ウォームギヤのブラケットやモーターを交換しています。
ご覧のとおりギリギリのスペースに収まってしていますが,何度も
試作~追尾テストなどを行って25台分商品化しました。
(この改造は作成した部品の都合であと4台のみ受注できます)
 

 

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赤で囲んだ部分の間隙は何れも1mm以下になっています。

 
 


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2014年4月 5日 (土)

メール受信不具合のご連絡(お詫び)

大変申し訳ありませんが,本日9時から22時までの間
メールサーバーの設定不具合のため
全てのメールが受信できない状態になっておりました。

この時間帯にご連絡いただいた方は再送いただけると幸いです。

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2014年4月 3日 (木)

アルカスイス規格のXY50

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ビクセンポラリエなど,ポータブル赤道儀用高度・方位調整装置のXY50は
長期間欠品しておりましたが入荷しました。
今回から,写真のようなアルカスイス規格のクイックリリースクランプとの
セットも販売します。


今回入荷分のXY50は第4ロットですが
昨年末時点で強化版のXY50Dと合わせ500台近く出荷しています。
2012.夏の発売以来,1年半でこのペースは
いままでのオリジナルアイテムにない実績です。

これからもポータブル赤道儀のニーズは続くと思いますが
最近は天体写真に適した,FUJI FILMのX-E1など
小型ミラーレスカメラが続々とリリースされています。


今後,今回XY50とセットするクランプを皮切りに
天体望遠鏡用して一般化した35mm間隔の2本のボルトで
アクセサリーを取り付られるアルカスイス規格製品を販売します。

これから天体写真撮影に適した小型・軽量ミラーレスカメラが増えてくれば
さらに天文界にもアルカスイス規格が浸透するでしょう。

 
 


XY50は4月1日からは税込み16,200円になりましたが
以前は15,800円だったので,本体価格は僅かならが値下げとなっております。
今回紹介したクイックリリースクランプとのセットは19,800円と格安です。


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