« 2014年4月 | トップページ | 2014年6月 »

2014年5月

2014年5月30日 (金)

フォーカサー用ステッピングモーターのバックラッシュ

B14_05_30

このところフォーカサー関連の記事が多いのですが
今日はフォーカサーに採用するステッピングモーターのバックラッシュについて
少しだけ考察(私論?)を書いてみます。

今回取りあげるステッピングモーターは,写真は左から
1.リニアステージ駆動用(ギヤヘッドなし)ハイブリッドステッピングモーター
2.ハーモニックギヤ付ハイブリッド               〃
3.バックラッシュ調整ギヤ付ハイブリッド           〃
4.スパーギヤ付ハイブリッド                   〃
5.スパーギヤ付PM型                      〃


以上で並びの順にバックラッシュが増えます。
1と2は基本的にバックラッシュは「0」で
3は0.2度,4は1度,5は3度ほどです。(何れもモータ出力軸において)

仮に一回転で25mm駆動するラック&ピニオン式のドローチューブを
これらのモーターで直動した場合,計算上は
3のモーターで14μm
4のモーターで70μm
5のモーターで210μm
のバックラッシュが存在します。
 

一方ピント合わせに必要な精度は,光学系のF値やシャープさのほか
シーイングなども影響しますが,F3程度で30μmほどと感じています。
これについては,ε-180EDで極めてシャープな星像を要求される知人も同意見で
30μmピント位置を変えた場合,どうにかピントの変化を感じるようです。
大まかな目安はF値×10μmが検出限界でしょう。

そうなると,上記のモーターの場合,1,2,3は
モーターに起因するバックラッシュは考慮しなくて良いことになり
実際に3のギヤ付モーターをTOA-150でテストした際は存在を感じませんでした。
(ドローチューブには抜ける方向の荷重がかかったままでのテスト時)

さすがに4や5のモーターではバックラッシュは無視できませんが
一方向からピントを追い込めばあまり問題とはなりません。


1(リニア駆動装置とセット)と2は大変高価なので
アマチュア用では使われないと思いますが
3のモーターはFSQ-106EDなど用に採用しご好評を得ています。
4は先日から紹介している汎用のフォーカサーに採用します。
5は大変安価なので一般的なメーカー製フォーカサーで使われています。
 


今回の記事はあくまでもピニオン軸をモーターで駆動する場合ですが
ハンドル1回転での駆動量が小さいクレイフォード式は条件が良くなります。
また途中に減速機が入るとモーター軸のバックラッシュはトータルでは
軽減されるので,先日からご紹介しているフォーカサーは1/3ほどに減速しました。


手動であれ電動であれ人間の感覚でピント合わせする場合
バックラッシュは厄介な存在ですが,天体撮影もオートフォーカス時代です。

オートフォーカスは使った事がないのでその精度は知りませんが
バックラッシュは自動で補償されるので気にすることはないでしょう。
問題はオートフォーカスに頼らずに自分の感覚でピント合わせする場合で
その際はバックフォーカスの存在を認識しなくてはならないようです。

|

2014年5月29日 (木)

電動フォーカサー追加製作について

B14_05_29

先日ご紹介した,汎用の電動フォーカサーは短期間でコントローラーの引き当てが
できなくなりましたが,製作いただいている野村様のご協力で追加が決定しました。
7月になりますが,数台ほど電動フォーカサーセットをご提供できます。

このフォーカスコントローラーは10台以上確保したうえで
先日の汎用フォーカサーユニットの頒布を案内しましたが
カメラレンズ用と平行して受注したため極短期間で引き当て分がなくなりました。

現在,カメラレンズ用の含め6~7台ほどご予約いただけます。
追加分も全てご予約で終了いたしました。ありがとうございました。2014.5.31追記
追加分の納期は7月末を予定です。

|

2014年5月28日 (水)

準汎用のマイクロフォーカスアジャスター

B14_05_28

現在,マイクロフォーカスアジャスター(MFA)は
CANON EF100やSIGMA70,150mmの専用品を限定販売中ですが
他機種のご要望をいただいていました。

上記レンズは構図の縦横変更にも対応させるため
ワンタッチで緩む専用設計のバンドをレンズに巻きつけ
それにMFAユニットを固定しています。
そのため専用品となり,バリエーションを広げるには限界がありました。

 

そこでご要望にお応えできるよう,準汎用のMFAを製作しました。
適応条件は以下のとおりですが,多くの中望遠レンズでご使用いただけます。

Ⅰ.三脚台座付きのレンズであること
Ⅱ.台座へ専用のアルカスイス規格のプレートを付て運用すること
Ⅲ.台座面からフォーカスリングまでの高さが15mm以上あること
Ⅳ.台座のカメラネジ~フォーカスリングまでの距離が80mm以内であること


B14_05_282

上の写真はSIGMA150mmに装着した状態です。
このレンズは9mmのスペーサーでMFAユニットを嵩上げしています。
高さの制限15mm以上は嵩上げ代=2mmの場合です。
嵩上げスペーサーは2~14mmまでの間隔を0.1mm単位で調整できる分付属します。
(それ以上はご指示いただければ無償で対応します)

B14_05_283

これはレンズの三脚台座とヘリコイドリングの位置関係確認用です。
写真のとおり,専用のアルカスイス規格プレート(DP38-110)は長穴加工している
ので大きな調整代を持っています。
標準仕様の場合最大80mmですが,これ以上の場合は
MFAを保持する弾性プレートの長さを変える事で対応できます。(オプション)

短い側はMFA部を逆向きにすれば対応できますが
三脚台座の形状によっては干渉するので写真で確認ください。

ヘリコイドリングとMFAの掛かり部はピッチ2mmです。
SIGMA製やCANON製の一部は綺麗に噛み合いますがレンズによっては
ピッチが合いません。
ただ一部がかかっていれば駆動するので殆どの場合支障ありません。

縦横構図変更は,台座を緩めた際に遊びがあるレンズに限定されます。
クランプを緩めて回転する時に,レンズ前玉部が少し(1~2mm)浮けば
MFAの勘合は解除できるので回転に伴うピントの変化は僅かです。


価格は,14,840円(消費税,送料込み)で納期は受注後約2週間です。

・付属するDP38-110とDS38は通常品とは付属ボルトが異なる専用品です。
・特注の長さ指定の保持プレートは1,080円でこの場合納期は3週間です。
・モーターユニット付は後日ご紹介します。


この商品はEF-100などのMFA同様,限定品ですがご要望が多いので
しばらくは販売を継続し,終了時はHPの限定品コーナーでお知らせします。
なお,ご購入後適合しない場合は,ご返品可能です。
(送料のみご負担お願いします)

専用のアルカスイスプレート(DP38-110)とクランプ(DS38)の価格+αで
ピントの微調整とロックができるので高いコストパフォーマンスです。


|

2014年5月23日 (金)

2014 南天星見ツアーの結果-Kowaの双眼鏡

B14_05_23

今回の南天ツアーにはKowa様のご厚意で双眼鏡を貸していただきました。
写真の手前のGENESIS44PROMINARとGENESIS33PROMINARそれに
後のHIGH LANDER PROMINARの3台です。

何れもフローライトまたは同等のレンズを搭載した高級機で
見え味は素晴らしく,さすがに世界最高レベルと評価される性能のようです。

私にはその性能を詳しくレポートできる技量はないので
とにかく良く見える双眼鏡としか表現できませんが
一番惹かれたのは合焦範囲が広く裸眼でもピントが合うことでした。

あくまでも私の視力での話ですが,今まで見た多くの双眼鏡は
裸眼ではピントが合いませんがGENESISやHIGH LANDERは余裕でした。

他社製も含め,高級双眼鏡はアイポイントが高いので
メガネをかけたままでも全視野を見られますが
銀河系中心部の散光星雲などをジックリと見る場合メガネは邪魔ですよね。


|

2014年5月21日 (水)

汎用フォーカサーユニットの頒布

B14_05_21

以前,タカハシの小口径接眼部用としてフォーカサーユニットを頒布していましたが
お客様からのご注文で改良型を製作しました。

最近発売された,28mm角のハイブリッドステッピングモーターは
従来品に対してバックラッシュが改善されたのでそれを使っています。
ラック&ピニオンの下部に収まるので側面への出っ張りがなくスマートです。

ドローチューブ下部に消しゴムほどのカバーが付いた
タカハシ製の接眼部のみでご使用いただけますが
取りつけ方法は従来と同じで鏡筒への加工は必要はありません。
 
 
 


屈折望遠鏡+冷却CCDで撮影する場合
カメラの重みでドローチューブが抜け落ちるためクランプは必須です。

手動の場合は,クランプを緩めてピントを合わせ~
クランプを締めて撮影(試写)を何度となく繰り返しますが
この作業は大変なので途中で妥協してしまいそうです。

電動の場合,モーターの保持トルクでドローチューブが抜けるのを防止します。
クランプはドローチューブのガタをとる程度に軽く締めておけば
後はリモート操作でピントを追い込めます。

今回のお客様はFSQ-106ED用フォーカサーをご使用中ですが
一度体験するととても手動ではピント合わせができないとのことで
今回新たにFS60CB用として注文いただきました。

このフォーカサーユニットは10台ほどの頒布予定していますが
コントローラーの在庫が少ないためコントローラー付は半数ほどになります。

(コントローラーは過去に頒布したNFC-KAを流用できます)
価格は48,000円(コントローラー付)ほどで6月末ころからの頒布予定です。

もちろんε-130D用としても使用できます。

フォーカスコントローラーセット品の枠は残り2台となりました。14.5.22追記
フォーカスコントローラーセット品は終了しました。
(モーターユニットのみは当面の間継続頒布させていただきます)14.5.23追記


|

2014年5月19日 (月)

RH200 カメラの接続方法とフォーカサーなど

B14_05_19

自前のRH200はカメラの接続方法やフォーカサーをどうするかが決まらず
ずっと実践投入できないままでしたが,とりあえず運用できるようになりました。
少しずつですが自宅でナローバンド撮影を楽しむ予定です。

STX-16803の接続部は巨大?な3インチのテーパーリングですが
そのままの状態でドローチューブに接続すると,接続代だけでも20mmほどの
光路を必要とする事や他のカメラとの付け替えが煩雑になるので
下の写真のようにFLI製と同じ仕様となるフランジに付け替えました。

これで差し込み部からCCD面までのフランジバックは約40mmに抑えられたので
バックフォーカスが70mmほどのRH200でも何とかフィルターホイールが
使えそうです。
ただ50mm角のフィルターホイールはあまりにも大きいので
自作も含め検討中です。
当面はフランジの裏面に付けた空間部に手差しで撮影するつもりです。

B14_05_191


フォーカサーについてはバックフォーカスを稼ぐ目的で自作を検討していましたが
接続フランジでバックフォーカスが解消できそうなので
当面は純正のままで運用してみようと思っています。

以下は昨夜フォーカサーのテストを兼ねて撮影したL画像(撮ったまま)ですが
充分な精度でピント合わせができたようです。
RH200の微恒星像は,十字状に写っており,9μmの16803では
アンダーサンプリングと思われるほどのシャープさまでピント合わせができました。

ただ私は最終的には25%ほどに縮小して掲載するので
感度を優先し2×2のビニング撮影した方が合理的かとも思っています。

B14_05_192


|

2014年5月14日 (水)

QHY5L-Ⅱ近況

B14_05_141

K-ASTECでは以前からペンシルボーグをガイド鏡に使った
小型のガイドシステムを提唱してきましたが
微細ピクセルのQHY5LⅡ登場により,その方向性はさらに加速し
最近は50~100mmのCマウントレンズを標準とています。

写真のQHY5LⅡと75mmレンズとのセットは
手のひらに載るサイズでありながら500mmのカメラレンズでもガイドできます。
ガイド環境はここ数年で大きく様変わりしたようです。

セット品は75mmと100mmのレンズを準備していますが
小型の75mmの反響が大きいようです。
一式57,100円でガイド構成できるのも魅力のようですが
それ以上にコンパクトさでお選びいただいているようです。

採用しているCマウントレンズは鏡胴部が全て金属製で高級感があります。
最近のカメラレンズは殆どがプラスチック製になりましたが
これは銀塩時代のカメラレンズに通じる品質です。
ガイドカメラと高品質なレンズにサポートリング類まで含めてこの価格なので
これからガイド撮影を始める方には最適でしょう。
セットアップも至って簡単です。

ところでQHY5LⅡはピクセルサイズが小さいので
焦点距離の短いレンズでのガイドには大変有利ですが
オフアキガイドではその小ささが災いするケースがあります。
そのためオフアキ用としては推奨しておりませんでした
ご要望が多いのでピクセルサイズの大きなQHY5Ⅱをテストしています。


B14_05_142

写真左がQHY5Ⅱでセンサーは1/2インチ,右がQHY5LⅡで1/3インチで
ピクセルサイズは 5.2µmと3.75µmです。
数字の上ではあまり差を感じませんが,写真でみると結構な差ですよね。


QHY5LⅡは天文ハウスTOMITA様から供給を受けていますが
おかげ様でK-ASTECとして既に150台ほど出荷しました。
QHYCCD社は次々に新製品を発表していますが
いち早く入手してレポートしますのでご期待ください。

現在QHY5LⅡはカラーも含め在庫を確保しております。
写真の75mmレンズセットなども含め即納できるのでよろしくお願いします。


|

2014年5月13日 (火)

EF100mmF2.8LマクロMFA用モーターユニット

B14_05_13


以前紹介していました
EF100mmF2.8LマクロMFA用のモーターユニット
完成しました。ご注文いただいているお客様へは,5月20日から出荷します。

以前のご案内から以下の変更を行っています。
1.冷却CCDでの撮影では必須となる2点保持バンドの採用
2.縦横構図対応として,ピントリングとMFAの接触を解除するクラッチの採用
3.2点バンド専用のアルカスイス規格プレートとクランプを標準装備


仕様見直しで一式68,000円(フォーカスコントローラー付き)と
安価ではありませんが,2点保持バンドやプレート,クランプも
セットしているのでコストパフォーマンスは高いと自負しています。

ヘリコイドリングの駆動系にはバックラッシュは無いうえ
一度合わせた位置に保持するので完璧なピントが得られます。
ご覧のようにコンパクトなのも大きな特徴です。

デジタルカメラでの撮影ならEOS UtilityやBACKYARD EOSを使えば
遠隔でピント合わせができますが
冷却CCDカメラをつけた場合は今回紹介するようなフォーカサーが必須です。
 


この商品は当面継続して製作する予定ですが
フォーカスコントローラーも含めたセットは数量に限りがあります。
在庫状況などはここを参照ください。

マニュアル仕様のMFAからの改造は差額相当(54,500円)でお請けいたします。
フォーカスコントローラーが不要な場合は15,000円安となります。

|

2014年5月 9日 (金)

2014 南天星見ツアーの結果-交差する銀河と黄道光

B14_05_09


撮影データ
EOS 5DM2(IRカット改造)CANON EF8-15mmF4開放 15mmで撮影
ソフトフィルター使用,ISO1600 180秒×1枚
H-40赤道儀(改造)+AMD-1で自動追尾 クリックで拡大します。


写真は薄明前の北東の空で,銀河と淡い黄道光が交差しています。
右下の明るい星は金星ですが,以前オーストラリアを訪れたときに
金星の明かりで人影が地面に映るのを経験しました。

黄道光は日本ではなかなか見られませんが
この時期のオーストラリアでは写真の邪魔になるくらい明るく感じます。


|

2014年5月 8日 (木)

PHDにQHY5LⅡが追加されました

B14_05_081

最新のPHD Guiding(1.14.2)にQHY5LⅡが追加されました。
Camera connectionからQHY5LⅡを選ぶだけでご使用いただけます。

これまではASCOM(Late)Cameraとしての接続だったので
ASCOM関連ソフトのインストールが必要でしたが
今後はQHY5LⅡのドライバーのみインストールするだけです。


 

ところで以前ご案内していました
M8ボルト2本(35mm間隔)で固定できるアルカスイス規格クランプと
天文用として便利な穴加工を施したプレートの販売を開始しました。

B14_05_082

クランプは赤道儀やトッププレートへの固定など
様々な環境でご使用いただけるようM8,M6,UNC1/4ボルトが標準付属します。

またプレートは写真のような取り付け穴加工しているので
QHY5LⅡのサポートリングなどを複数のボルトで固定できます。

商品名は従来の呼び方を踏襲し
クランプはDS38,プレートはDP38-110と呼ぶこととしました。
価格はDS38が5,940円,DP38-110が5,400円です。

DS38は在庫豊富,DP38-110は写真のようにCマウントレンズを使った
ガイドセットとして販売したため初期ロットは完売しました。
次期ロットは5/25日入荷予定です。

DS38はXY50やXY50Dにそのまま取りつけできますし
DP38-110はスカイメモなどのポータブル赤道固定用としても便利です。


|

2014年5月 7日 (水)

2014 南天星見ツアーの結果-南半球で見る北の空

B14_05_07_3

撮影データ
EOS 5DM2(IRカット改造)CANON EF8-15mmF4開放 15mmで撮影
ソフトフィルター使用,ISO1600 180秒×1枚
H-40赤道儀(改造)+AMD-1で自動追尾 クリックで拡大します。


南半球へ遠征した時は,日本から見られない南天の空に見入ってしまいますが
この時期の夜半過ぎは北の空も特徴的です。

写真は天頂付近から地平線までカバーしていますが
天頂のさそり座~ちょう座までで,地平線近くに夏の大三角が見えます。

日本で見られる領域と同じですが日本とは天地が逆転していますね。
はくちょう座のデネブが地平線ギリギリに写っていますが
はくちょう座はこのまま地を這うように動くので不思議な感じです。

低空が緑色なのは大気が発光する現象で以前撮影したこの写真と同じです。
右側の光芒は黄道光ですがこれは後日紹介します。


|

2014年5月 6日 (火)

テスト中のVELOCE RH300

B14_05_06

納品前のVELOCE RH300の最終検査を行っています。
写真は国産の接眼部をつけて光軸の確認を行っているところです。

VELOCE RH300は30cm(開口径は314mm)F3のアストログラフですが
25kgと軽量で全長も短いので写真のようにMS-5にでも搭載できます。

数字の上ではEM-400やEM-500でも搭載できますが
現実的な運用を行うために,今回は中央光学のHG20赤道儀に搭載されます。

B14_05_061

第1レンズ側から撮影していますが複雑な構造体が見えます。
これは最近発表されたRH250の構造説明にあるバッフルと同じものです。

このRH250の説明にある
「Spot size (@60 mm from axis) under 3.6 micron 」は大変気になりますね。
RH300は中心で6μm ,光軸から26mmの位置で12μmだから驚異的な値です。


ところで
OFFICINA STELLARE社のHPでηーカリーナ星雲の写真を見つけました。
RH200+STL11000Mで撮影された写真ですが
RH200は9kg程度なのでその気になれば南半球まで持って行けそうです。
もちろん預け入れですがイタリアから送られてくるのと同じ条件ですから。
それにしても昨日の写真とは大違いです。


|

2014年5月 5日 (月)

2014 南天星見ツアーの結果-SIGMA150mmの性能

B14_05_05

【クリックで100%表示します】

ツアーとは直接関係ありませんが,今回撮影に使用した
SIGMA150mmF2.8 APO MACROの性能が良かったので紹介します。

写真左は昨年の3月にPROMINAR500mmF5.6→350mmF4で撮影したηカリーナで
右は今回SIGMA150mmF2.8→F4で撮影した同一領域です。
何れも5DM2(IR改造),ISO1600,180秒露出のJPEG生画像です。

焦点距離が違うので単純には比較できませんが
色収差はPROMINAR同様ほとんど感じられません。
星像に関してはPROMINARは星像が少しひずみますが
SIGMA150mmはほぼ丸く写ります。
フルサイズの周辺では若干乱れるものの大変素晴らしい星像でした。


何れもピント合わせはヘリコイドを手で回して行っていますが
SIGMA150mmはピントのピークが鋭いようです。
手動でもなんとか合わせられますが
やはりMFAなどの補助装置があるとさらに追い込めるでしょう。
(掲載した写真もピークを外しているかも知れません)

SIGMA150mm用MFAは限定品コーナーでご案内していますが6月完成予定です。
冷却CCDでの撮影用として電動仕様も同時期に発売します。

SIGMA150mm用MFAは16,000円
電動フォーカサー仕様はフォーカスコントローラー付で54,000円です。
電動フォーカサー仕様はコントローラーの都合で後日紹介する
EF100mmMACRO用と合わせて10台限定となります。

 


|

2014年5月 4日 (日)

2014 南天星見ツアーの結果-速報

B14_05_04

撮影データ
EOS 5DM2(IRカット改造)CANON EF8-15mmF4開放 8mmで撮影
ソフトフィルター使用,ISO1600 180秒×1枚
H-40赤道儀(改造)+AMD-1で自動追尾 クリックで拡大します。
(写野右下の赤い光芒は何らかのゴースト)

4月26日に出発した南天星見ツアーから本日帰国しました。
今回初めてツアーを企画しましたが無事に終えてホッとしています。

一番心配した天候は,現地入りした27日はスコール混じりの雨天でしたが
翌日から回復に向かい,2夜は一晩中快晴でした。
この時期の西オーストラリアの天候からみれば平均的な結果でしょう。


速報として紹介する全天写真は深夜3時(現地時間)の空です。
この時期は薄明前に天頂に昇った銀河系中心部見られます。

西オーストラリアは夏場の1~3月の方が晴天率は高くなりますが
この頃は夜明け前でも銀河中心部は天頂に達しないので
天候と銀河の兼ね合いから過去も4~5月に遠征しています。


写真には土星や火星も写り大変にぎやかで
左下の南十字~右上のはくちょう座まで写っており,天頂はいて座です。

今回は写真の下に樹形が目立つ木を配置した上で
カメラをレボルビングして銀河が斜め45度に写る構図とし
実際に見たイメージに近くなるよう少しだけ処理しました。


|

« 2014年4月 | トップページ | 2014年6月 »