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2014年6月

2014年6月28日 (土)

ハーモニックドライブの赤道儀-試作機

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特注でポータブル赤道儀を製作している事は以前のブログで紹介しましたが
本日紹介するのは遠隔撮影用の小型据え付け赤道儀です。

極軸側は以前何度か紹介した回転ステージですが
赤緯側はハーモニックドライブを採用しました。
遠制での操作性も含め実際にガイド撮影して特性を評価するための試作機です。


ハーモニックドライブは構造上,±15~20秒角ほどの
角度伝達誤差(通常のPモーションのような挙動)があるので
そのままでは極軸側には使いにくいのですが
写真のように薄い構造なのでフォーク式赤道儀の赤緯駆動に適しています。

クロスローラーベアリングで保持されているので
写真のタイプでも200kgのラジアル荷重に耐え
840kgfcmのトルクを有するので少々のアンバランスは問題ありません。

最大のメリットはバックラッシュが無いのでステッピングモーターで
ダイレクトに駆動すればウォーム式に比べ圧倒的なレスポンスを発揮します。

 


今回はハーモニックドライブの適正を活かし片持ちフォーク構造にしました。
子午線越の連続撮影が可能で,ケーブルが絡まなければ何時間もで撮影できます。
(もちろんそのような用途はありませんが)
また両軸ともメカニカル原点を設定できます。


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今回の試作機は10cmクラスの鏡筒用でフォークの長さを設計しましたが
鏡筒が短いVELOCE RH200も搭載できます。

コストの関係でさすがにハーモニックドラブではありませんが
このままスケールダウンしたポータブル赤道儀を3台受注製作中です。
これについては完成したら追ってご紹介いたします。


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2014年6月25日 (水)

広角~標準レンズにこそ欲しい三脚台座

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ちょっと難しい表現のタイトルになりましたが
赤道儀を使って星景写真や星座の写真を撮る場合は
レボルビング装置を使いカメラを回転して構図をとります。
自由雲台で代用する方法もありますが
オリオン座を縦構図で撮るときなどは
自由雲台をほぼ直角に曲げるため
バランスが崩れてしまい結果的に星が流れることもありそうです。


望遠系での天体撮影では構図の縦横を
天の赤径と赤緯に合わせるのが一般的なので回転はしませんが
(縦横切り替えとして便利です)広角系では回転装置として欲しい機能です。

長時間露出する天体写真ではレンズの前後バランスも気になりますが
紹介するような重たいレンズでは台座があるとこれも含め一気に解決します。
レボルビング装置に比べ大変コンパクトです。


写真は天体写真用としも評価の高いSIGMAの18-35mm F1.8 DC HSMです。
このレンズは35mm換算で28~55mmほどの焦点距離なので(APS-Cの場合)
これ一本あれば星景や,おおかたの星座は撮れそうです。

幸いにもこのレンズのマウント側は金属製で強度も高いので
回転機構付の三脚台座が作れないか検討しています。
(Rのついたテーパー形状なので少し厄介ですが)

このレンズは,以下の写真のようにミラーレスボディでの撮影でも
威力を発揮する思いますがこの場合三脚台座は必須でしょう。

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2014年6月23日 (月)

スカイグラフ用バランスウエイトについて

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昨日のブログはCarl Zeissのレンズに関する内容でしたが
それを搭載したスカイグラフのウエイトに関して質問をいただきました。


スカイグラフの純正ウエイトはシャフトはなくてそのままねじ込むだけですが
少し重たいカメラだとバランスが取れないのでシャフト式にしたいとのことです。

今回は写真のように何台かまとめて改造や修理を行っていますが
ウエイト周りの改造も含まれるので今ならご注文いただけます。
ご希望の方はHPからご注文お願いします。6月30日まで受付ます。

・赤道儀側に固定するアダプター(UNC1/4メスーM12細目ネジメス):3,500円
・バランスシャフト(16φ,M12細目オス,長さは150~300mmで指定可):3,000円
・ウエイト(1,000g):5,000円
・ウエイト(500g):3,500円
シャフトやウエイトとは全てステンレス製です。
ウエイトシャフトはM12細目ネジなのでタカハシのH-40でもご使用いただけます。


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2014年6月22日 (日)

Apo Sonnar T*2/135天体撮影用台座の製作について

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先日のブログでCarl Zeiss Apo Sonnar T*2/135の性能を紹介しましたが
専用のMFAや三脚固定台座を製作するためにお預かりしたものでした。
このレンズでの天体写真は作例も少なく
興味を持たれている方は少ないと思っていましたが
ブログの反響の高さに驚いています。

このレンズは135mmF2の大口径レンズなので
ズングリとした外観ですがなぜか三脚台座のオプションはありません。
写真のようなカメラボディ専用のブラケットを装着すれば問題なさそうですが
長時間露出の天体写真では不安を感じられるからでしょう。

またこのレンズを冷却CCDカメラにつけての撮影を検討されている方には
レンズ保持の台座は必須です。

 
今回はお客様のご依頼で以下の図のような2点保持台座を作成中です。
このレンズは前玉部が前後するため
2点保持と言っても前方は軽く保持する程度です。(MFAは上部に設置予定)

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既に何件かのお問合せをいただいていますが
数台集まれば単品製作に対して半額以下で製作できるので
このレンズに興味のある方はこの機会に製作されては如何でしょうか?

6月30日までの受付で8月上旬の納品予定です。
前後の保持金具と下部プレートの3点セットで25,000万円ほどを予定しています。

この限定台座はご注文の受付を終了いたしました。2014,6,30日追記

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2014年6月21日 (土)

ポータブル赤道儀で自動導入?

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ポータブル赤道儀のガイド撮影に対しては賛否両論があるのでは?と
以前のブログに書きましたが,実際に小型ガイド機材(極軸のみの1軸ガイド)を
ご購入されたお客様は驚くほど綺麗な写真が撮れるようになったと喜ばれます。
ガイド撮影で得られた丸い星像を見てしまうと,ほんの少し星像が延びただけでも
満足できなくなるそうです。

極軸だけガイドすればPモーションは殆どキャンセルされますが
残念ながら1軸ガイドでは各部の撓みなどは取れず
中望遠レンズなどでは僅かに流れる場合もあります。
特に自由雲台の使用を強いられる場合はその影響が顕著なようです。

写真はそのような1軸ガイドではご満足いただけない客様へのご提案用で
2軸駆動化改造したスカイグラフ(試作中)です。
以下のようなタブレット端末を使えば理想的な2軸ガイドができますが
タブレットを使うならいっそのこと自動導入まで組み込もうかと話しています。
離れたところから別のパソコンで遠隔操作できるので快適でしょう。

ただ,ポータブル赤道儀でのガイド撮影までなら賛否両論レベルでしょうが
ここまでやると否定論だけになりそうですね。


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2014年6月20日 (金)

レボルビング装置用Zプレート入荷

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取付け部の仕様を見直していたレボルビング装置用Zプレートが再入荷しました。
今回のロットから,DS38をM8ボルト2本で固定できます。


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このZプレートはDS38などのアルカスイス規格クランプを
レボルビング装置へ取りつける専用プレートですが
できるだけクランプやプレートの厚み分をキャンセルするようにオフセットしています。
それでも写真のようなフルサイズボディの場合,20mmほど中心がずれますが
ほぼ無限遠を撮影する星景写真では特に影響ありません。

 
 


ところで最近はミラーレスカメラで天体撮影される方も増えたようです。
私も先月のオーストラリア遠征では
FUJIのX-E1で星景写真を試みましたが構図を取るのに苦労しました。

ファインダーで明るい星は確認できますが
バックライトで照らされたモニターなので違和感があります。
またX-E1はファインダー内に表示される情報が消せない?ようで
まぶしくて星が見づらかったです。

それに対して光学式ファインダーのカメラは
銀河や大小マゼラン雲,それに地上の風景もハッキリと確認できます。
ミラーレスでは試写しないと無理みたいで
個人的には光学式ファインダーのカメラでないと大変不便と感じました。


実際にミラーレスカメラで撮影してみて結果が良かったら
小型のレボルビング装置を商品化しようと思っていましたが
まだまだ先の事になりそうです。


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2014年6月18日 (水)

マイクロフォーカスアジャスター専用品も準備中

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各種望遠レンズ(三脚台座付のインナーフォーカスタイプ)で使用できる
汎用マイクロフォーカスアジャスターは
ご好評をいただいており初期ロットの25台はほぼ完売しました。

現在,初期ロットをご購入いただいたお客様から取り付けられたレンズの情報を
ご提供いただいており,それを元に専用品を準備しています。

専用品は手前の写真のように,その機種に合った寸法で
MFA保持プレートを曲げ加工しているのでスマートな取りつけになります。

現時点で専用品がどの程度準備できるかは不明ですが
7月1日から逐次発売予定です。
なお,専用品で対応できない機種用として汎用品も引き続き販売しますが
MFA部の単品販売も行います。
同時に7月1日から以下のように価格を改定させていただきます。

・専用MFAユニット:7,800円
・汎用MFAユニット(保持プレートは40,60,80,100mmからご選択):7,800円
・DP80-110とのセット品:11,800円(専用,汎用同価格)
・DP80-110及びDS38とのセット品:15,800円(専用,汎用同価格)
 何れも税込みで送料は別途540円必要です。

専用MFAユニットには微調整用のスペーサーが
汎用MAユニットには各種調整スペーサーとボルトが付属します。

MFAユニットはM6ボルト2本(17.5mm間隔)で固定しますが
BENRO製のPL85など間隔が同じものならお手持ちのプレートに付けられます。
ただこれらは裏面にナットが入らないのでナットが上面になります。
(DP38-110は裏面にナットが入るので上面から化粧ボルトで固定できます)
またPL85などではMFAユニットの前後位置調整はできないので
専用品でも適合しない場合があります。

 

マイクロフォーカスアジャスターは最初の案から2年以上経過しましたが
お客様のご協力で多くの機種に適合できる製品となりました。
ピントの微調整と,その位置でのロックが両立するので天体写真用としては
便利なアイテムと思います。
さらにヘリコイド部に接触するのでレンズのサポートとしても寄与します。

なお,お問合せの多い三脚台座の無いカメラレンズ用は後日ご案内します。
構造上,対応機種が限定されますがDP38-110とのセットで準備中です。

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2014年6月16日 (月)

星が見えないこの時期は-3

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前回の記事(その-1と2)から1年も経ってしまいましたが
今回はお客様からMFA取りつけでお預かりしている
Carl Zeiss Apo Sonnar T*2/135を測定する機会があったので紹介します。

前回同様人工の星像をデジカメのライブビューで観測しました。
人工星は10μm(真円)+白色LEDでそれをFC60に付けていますが
カメラレンズ程度の性能テストなら十分な評価ができると思っています。

Z135mmf2

これはApo SonnarT*2/135(以降Sonnar135と略)を開放で撮影した
焦点位置と僅かに焦点を外した写真です。
僅かに色収差が出ますが,極めてシャープな星像のようです。

前回その-1
その-2で紹介した
CANON EF100mmF2.8MACRO(EF100と略)と
SIGMA APO MACRO150mmF2.8(SIGMA150 と略)それに
SIGMA MACRO70mmF2.8(SIGMA70と略)を見比べた感想をまとめました。

【星像のシャープさ】
全て開放で比較していますが,Sonnar135が一番シャープで
次にEF100→SIGMA70→SIGMA150と感じました。
Sonnar135はF4まで絞ると極めて小さな星像になります。
SIGMA150も充分シャープですが比べるとポッテリした星像に感じます。

【星像の綺麗さ】
これもSonnar135が一番で殆どまん丸く見えます。
IFでない事やスタビライザーがない事が功を奏しているのかも知れません。
(SIGMA70もIFではありませんが,内像と外像はEF100と同じように少し崩れます。

【色の出方】
焦点を外した位置での色の出方はSIGMA150が群を抜いて素晴らしいです。
内,外像とも殆ど着色しません。
次はSonnar135で,F4まで絞ると色は殆ど感じなくなります。
EF100とSIGMA70はEF100の方が勝っていますが
価格差ほどの差は感じられず,SIGMA70の高性能を改めて実感しました。
星像はほぼ同様でシャープです。


以上は中心像だけを見比べた私感で個体差があるかも知れないので
(私は経験していませんが)あくまでも参考としてください。

それにしても見比べてしまうとSonnar135に惹かれます。
私はナローバンドで撮影するために明るいレンズが好きですが
その場合,色収差は関係ないので魅力的です。
星像のシャープさはZuikoDigital 150mmF2には及ばないようですが
フルサイズをカバーできるのでSTX-16803で試してみたくなりました。


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2014年6月14日 (土)

RST-400赤道儀の剛性と滑らかさ

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前回はRST-400赤道儀の概要をご説明しましたが
今日はその剛性と回転の滑らかさについて紹介します。


赤道儀の剛性を出すためには
軸は引っ張る方向,ハウジングは圧縮する方向の強い与圧をかけて
軸とハウジングが一体となって強度を出すベアリングレイアウトを採用します。
そのためには1対のテーパーローラーベアリングで保持するのが一般的ですが
ローラーベアリングは摩擦が大きいので軸の回転が重たくなる傾向を示します。

これに対して,RST-400の極軸や赤緯軸はアンギュラベアリングを採用しています。
アンギュラベアリングはスラスト力に耐えるボールベアリングなので
与圧による剛性と回転の滑らからを両立するためです。

その効果は表面上,クランプフリーでの回転が滑らかになる程度ですが
実は,静止摩擦が小さくなる事によるレスポンスの向上です。
静止状態から僅かな力で動き出すのでガイドのレスポンス(特に赤緯側)
向上に大きく寄与します。

なお,採用しているアンギュラベアリングは全て日本製でP5精度(JIS5級)です。
RST-400クラスに使用する標準精度のアンギュラベアリングは
1個1,500円程度ですが,P5クラスは標準精度の5~7倍ほども高価です。


今回紹介した剛性や滑らかさは文面では現せませんが
本日開催される「CANP'14」の会場に天文ハウスTOMITAさんが展示するので
参加される方は実際に触ってみて実感していただけると幸いです。

RST-400はPモーションも±2.5秒角を保証しますが
数値では表現できない剛性やレスポンスにもこだわっています。
そのため価格は956,000円と安価ではありませんが
価格に見合う性能をお約束します。

上記は赤道儀本体(7.9kgウエイト2個付属)のみの税込み価格です。
専用ピラー脚は140,400円です。

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2014年6月11日 (水)

汎用MFAについての補足

B14_06_11
 

追記ですが,EOS用台座の場合,台座固定ネジからヘリコイドリングまで
・40mmプレートで最大80mm
・60mmプレートで最大100mm
・80mmプレートで最大120mm
・100mmプレートで最大140mm
に対応します。(手持ちの台座での計測なので余裕を見てください)
上記の40,60,80,100mmは標準在庫としましたので
ご注文時にプレートの長さをご指定お願いいたします。
また,1枚1,080円で追加も可能です。

 
 


昨日アップした汎用マイクロフォーカスアジャスターは
1日で10台以上のご注文をいただきました。ありがとうございます。

その中でレンズの三脚座部とヘリコイドリングの
位置関係へのご質問がありましたので補足いたします。

写真手前は標準仕様の長さ40mmMFAプレートを
EOSレンズ三脚座に対して最大に離した状態でその距離は約100mmです。


レンズカタログ写真での推測ですが100mmあれば大抵のレンズは満足すると
判断し,標準のMFA保持プレートの長さを40mmにしていますが
100mmでは明らかに足りないと思われる場合は
二度手間になるので長いMFAプレートも準備しました。

お客様の判断となりますが
標準の40mm以外に80mmのMFAプレートお選びできます。
さらに特注品として50,60,70,90,100mmのMFAプレートもご注文いただけます。

価格は全て同額ですが,特注品は3週間ほどの納期を要します。

なお,短い方は後ろの写真のように,MFA保持プレートを逆向きにすれば
三脚台座に近づけるため特に制限されることはないと判断しています。


別件ですが,昨日MFAユニットの写真を紹介しましたが
両側にツマミがあるので赤道儀の方位調整のように
両側から押して調整するのか?とのご質問がありました。

ピント合わせはピークを過ぎることでピーク位置がわかるので
そのような方法では満足なピント合わせはできないと思います。
ツマミが両側にあるのは右手でも左手でも操作できるためで
何れのつまみも同じです。
往復してもバックラッシュのない動作で操作を止めればその位置を保持します。

海外製品にある,ダブルリングの相対回転角度を押しネジで調整する方式は
両手での往復操作を強いられるためピークを掴むのは難しいように思えます。


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2014年6月10日 (火)

汎用マイクロフォーカスアジャスター出荷開始

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先日のブログで紹介しました準汎用のマイクロフォーカスアジャスターは
多くのレンズに適合できるように高さ調整スペーサーや各種ボルトをセットしました。
これにより汎用性が拡大したので名称から「準」を削除しています。

アルカスイス規格クランプとプレート付で14,840円(消費税,送料込み)です。

(先日のブログ記事で14,840円とご紹介していますが付属品が増えたため
7月からは15,640円(消費税,送料込み)に改訂させていただきます)


先行的にご使用されているお客様からは,ピントリングを手で回していた時には
考えられないほどシャープなピント合わせができるとご評価いただいています。

完璧なピント合わせでシャープな星像が得られることはもちろんですが
強調処理する天体写真では
ピントずれによる紫色などのハロを軽減できるメリットも大きいようです。


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ところで,上の写真はMFAユニットの拡大ですが
この送り機構は両側をボールガイドで保持された工業製品です。
遊びが出ないよう板バネでカメラレンズのヘリコイドリングに押しつけていますが
本格的な構造のため滑らかな調整と完全なロックを実現しています。
またコイルスプリングで送りネジの遊びも取っているのでバックラッシュはありません。

 


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レンズのヘリコイドに接触するMFA部はアルカスイス規格プレートから
以下のスペーサーで嵩上げ調整します。
・メインスペーサー:2,4,6,8,10,12mmの6種
・調整スペーサー:0.1,0.2,0.3,0.5,1.0mmの5種
また,これに必要な低頭ボルト6種も付属しているので(すべて2個ずつ)
多くの三脚台座付き望遠レンズでご使用いただけます。

MAFを保持する弾性プレートの長さは40mmのみですが
ご購入後に40mmでは適合しない場合は
長さをご指定いただければ代品を送料込み1,080円でお送りいたします。

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2014年6月 5日 (木)

Rainbow Astro社製RST-400赤道儀

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ご案内が遅くなってしまいましたが,MC-300赤道儀などを提供していた
AstroDreamTech社は昨年Rainbow Astro社へ事業譲渡されました。
今後,AstroDreamTech社製品のサポートは同社で行いますので
よろしくお願いいたします。


本日はその,Rainbow Astro社の最新赤道儀RST-400をご紹介します。
このRST-400はMC-300を一回り大きくした後継機ですが
移動観測を考慮し質量は24kgに抑えられています。

この赤道儀の最大の特徴は追尾精度±2.5秒角を保証する事です。
以前同社を訪問した際に高精度エンコーダー(分解能0.4秒角)を使った
Pモーション測定機を見せてもらいましたが1台毎に測定表が添付されます。

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またウォーム軸の偏心は材料段階でも以下のような計測を行いますが
この個体の偏心は3mm/1,000以下です。(何れも抜粋です)

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この写真は焦点距離700mmの鏡筒を使用し411秒間
(ウォーム軸一回転周期)×10枚ガイドせずに撮影したものです。


他にも以下のような特徴がありますがそれは今後詳しくレポートいたします。

・25cmRCを余裕で搭載できる強度
・メカニカル原点機能付
・GPS標準搭載
・ASCM完全対応
・経緯台モード対応
・軽く締めるだけで固定できるスリ割り式のワンタッチクランプ

最後にこのクランプ部のアップを掲載しますが大変良くできています。

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2014年6月 1日 (日)

LodeStar X2発売!

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StarlightXpressから新型オートガイダーのLodeStarX2が発売されました。

従来のLodeStarに比べ感度が約2倍になっているので
ピクセルサイズが大きいことと相まってオフアキガイド用として最適です。

ガイドケーブルの接続コネクターも従来のナイロンコネクターから
一般的なRJ11に変更されたので便利です。
写真は左から,LodeStarX2,LodeStar,SuperStarです。

価格は81,700円(税込み)で現在ご予約受付中です。

 
 


大変な勢いのQHY5LⅡMは
Cマウントレンズと組み合わせたコンパクトなシステムをご提案していますが
LodeStarX2は反射系のカメラのオフアキ撮影用として活躍しそうです。

オフアキとガイド鏡ガイドはどちらがいいのか?とのお問合せいただきますが
500mm程度までの屈折望遠鏡ならオフアキの意味はないとお答えしています。
オフアキは理想的なガイドですが,接続周りが専用設計となります。
一度組んだらずっとそのままで撮る場合は良いのですが
機材を色々変えて撮影を楽しまれるのならコンパクトなガイドシステムがお薦めです。

ただミラーの安定性や鏡筒・斜鏡保持部の強度に疑問がある反射系では
オフアキは必須でしょう。

LodeStarX2は感度が高いので同社のAOとの組み合わせも興味がありますね。


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