ハーモニックドライブの赤道儀-試作機
特注でポータブル赤道儀を製作している事は以前のブログで紹介しましたが
本日紹介するのは遠隔撮影用の小型据え付け赤道儀です。
極軸側は以前何度か紹介した回転ステージですが
赤緯側はハーモニックドライブを採用しました。
遠制での操作性も含め実際にガイド撮影して特性を評価するための試作機です。
ハーモニックドライブは構造上,±15~20秒角ほどの
角度伝達誤差(通常のPモーションのような挙動)があるので
そのままでは極軸側には使いにくいのですが
写真のように薄い構造なのでフォーク式赤道儀の赤緯駆動に適しています。
クロスローラーベアリングで保持されているので
写真のタイプでも200kgのラジアル荷重に耐え
840kgfcmのトルクを有するので少々のアンバランスは問題ありません。
最大のメリットはバックラッシュが無いのでステッピングモーターで
ダイレクトに駆動すればウォーム式に比べ圧倒的なレスポンスを発揮します。
今回はハーモニックドライブの適正を活かし片持ちフォーク構造にしました。
子午線越の連続撮影が可能で,ケーブルが絡まなければ何時間もで撮影できます。
(もちろんそのような用途はありませんが)
また両軸ともメカニカル原点を設定できます。
今回の試作機は10cmクラスの鏡筒用でフォークの長さを設計しましたが
鏡筒が短いVELOCE RH200も搭載できます。
コストの関係でさすがにハーモニックドラブではありませんが
このままスケールダウンしたポータブル赤道儀を3台受注製作中です。
これについては完成したら追ってご紹介いたします。
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