試作中のポータブル赤道儀について
先日アップしたリモート用赤道儀(試作品)とポータブル赤道儀の関連についての
ご質問をいただいたのでご説明いたします。
先日紹介した試作機は,リモート撮影を視野に入れているので
子午線越えが容易なフォーク式ですが
ポータブル赤道儀も基本的にはフォーク式(片持ではありません)で開発中です。
極軸の高度・方位調整機構などはリモート用と同じ構造になるので
リモート用のようにそのまま床に置いて鏡筒を振っても転倒しません。
フォーク式は構造上,赤緯軸の電動駆動が容易なので2軸ガイド対応ですが
アーム長の都合で150mm程のカメラレンズまでしか使えません。
今回試作したリモート用は150φの大型のステージ(NJP相当のウォームホイール)を
使っていますがそれでも上の写真のように400mm(10cmF4)程度が限度です。
一方ドイツ式は長さの制限を受けないので,300~400mmクラスでも余裕です。
150mmまでしか搭載できないフォーク式が2軸ガイド対応なのに
それより長焦点を搭載できるドイツ式が1軸ガイドと矛盾してしまいますが
ドイツ式の場合,安価な回転軸が作れないので仕方ありませんね。
今回ポータブル赤道儀試作用として3台分の回転ステージを準備しました。
EM-200クラスのウォームホイール仕様で
2台は2軸駆動のフォーク式で,1台は1軸駆動のドイツ式を作る予定です。
なお,試作のポータブル赤道儀のPモーションは±5~7秒角程度です。
高精度のウォーム軸やホイールを製作する場合
何組かを特注するとギヤとホイールだけで1台分10万円以上になるので
試作は全て回転ステージを流用します。
回転ステージも高価ですが
中古の場合,定価の半額~1/3ほどで入手できるので試作には最適です。
試作後,問題が無ければRST400と同基準で加工したウォームホイールと
ギヤを使ったポータブル赤道儀の受注生産を検討いたします。
ポータブルと説明していますが,試作中の赤道儀は
高度・方位調整装置やレボルビング装置まで含めた重量は4~5kgほどです。
軽さを追求したポータブル赤道儀ではなくて
セットアップが簡単で専用のカーボン三脚に搭載すれば直ぐ使える赤道儀です。
もちろんですがフォーク式も含めも極軸望遠鏡は内蔵します。
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