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2014年8月

2014年8月31日 (日)

WOStar71 F4.9試写

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昨夜は雲が多いながらも少し星が出ていたのでWOStar71 F4.9の試写を行いました。
カメラはEOS5DM2(IR改造)でISO400,60秒露出したCR2(SI7で現像)の生画像です。
(右下が最周辺,クリックで拡大)

紹介するのはフルサイズ最周辺のピクセル等倍画像ですが期待どおりの星像です。
マウント部に起因すると思われるスケアリング不良がありましたが
これは調整で解決するので一番良いところを掲載しました。
もちろん写野中央部の星像は大変良好です。

色収差についてもピント位置前後での色の出方から少ないと感じましたが
得られた写真を強調処理すると,特定の星の回りが異常に赤くなるようです。
上の写真の左下の星にも現れていますが,これについては後日調査します。

特記は周辺光量の豊富さです。
カメラマウントから対物レンズ側を見ると,口径食の少なさがわかりますが
得られた写真でも周辺減光は極僅かでした。


下の写真は対物側から撮ったものですが幾重もの遮光環が見えます。
さすがに無数は大げさですがざっと数えても25枚ほどありそうです。
安価な望遠鏡は遮光環を省略し,植毛紙などで代用しているようですが
コントラストに大きく影響すると思うので光学性能の一部でしょう。
特に野鳥など,昼間に撮影する対象では大きな効果が期待できそうです。

良く見ると間隔が詰まったところがありますが
4枚目と5枚目のレンズの間かも知れません。

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2014年8月28日 (木)

2本の5枚玉屈折写真鏡

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このところ限られた時間内で,よりクオリティの高い写真を得るため
複数の鏡筒で同一天体を撮影する方法が一部で話題になっているようです。
メインの鏡筒では冷却CCDでL画像を撮り
サブはデジカメでカラー画像を撮影して合成することで
従来の冷却CCDカメラでのLRGB撮影にくらべ効率良く結果が得られるとのことです。

このような撮影ではサブ機側に,カメラレンズや
システム化された屈折天体望遠鏡が使われるようですが
星像そのものや色収差,周辺像などが障害になり
満足な結果が得られないことも多いようです。

そのような中,これなら?と思われる鏡筒が発売されたので早速入手しました。
WilliamOpticsのWOStar71 f4.9で,写真のVSD100F3.8と同じ5枚玉の写真鏡です。

VSD100F3.8同様,後付のレデューサーを使わないので
バックフォーカスの縛りやマッチングなどから解放された運用が期待できます。


このWOStar71 f4.9はVSD100F3.8の半分の能力ですが,価格は1/5ほどです。
鏡筒バンドやカメラマウントも標準付属なので
それらを加味すれば驚くほどのコストパフォーマンスです。
鏡筒内には無数?と思えるほどのバッフルを配置するなど意欲的を感じます。

もしかしたらVSD100mmF3.8に迫る写真性能(口径の差は別)では?
と思い入手しましたが
結果が良ければ専用のフォーカサーや2本同荷システムなどを作る予定です。


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2014年8月26日 (火)

カメラレンズ用の限定品販売状況について

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昨日ご案内しましたApo Sonnar T*2/135用の固定バンドなど
カメラレンズ用アクセサリーは以下の理由から限定販売を行っております。

1.対象レンズの仕様変更などに逐次対応できない
2.リングヒーターに採用した発熱体は(安価に)安定した手配が難しい
3.1度に20~30台ほどまとめて作る事でコストを抑えている

1.については実際にSIGMA8mmF3.5用のリングヒーターでは不適合があり
購入いただいた方にはご迷惑をおかけしました。
構造上,0.1mmほどの精度で設計し,1~2回の試作を行っていますが
レンズ側のサイズが変わると対応できなくなるのが実情です。


そのような訳で特定の機種を対象としたカメラレンズアクセサリーなどは
申し訳ありませんが数量やご予約期間を限っております。

終了後にブログをご覧いただいた方への対応用や保守用として
ある程度の予備は確保しておりますが上記理由でその後のご対応は
できなくなります。

少しでもご迷惑をおかけしないよう,現状の販売状況や終了予定などを
限定品のコーナーに記載しましたのでご参照いただけると幸いです。

なお,Apo Sonnar T*2/135関連は昨夜も数件のご予約をいただいておりますので
この商品(バンドのみ)については,2014.12月までご予約いただけるよう変更します。
(9月以降のご予約分は2015.1月の納品予定です。ただし申し訳ありませんが
レンズ側の仕様変更があった場合は取りやめとなる事を予めご了承ください。
またバンド以外のMFAやモーターユニットは9月生産分の余剰分限りとなります)


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2014年8月25日 (月)

Apo Sonnar T*2/135用MFAの開発状況など

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ご予約いただいていた,Carl Zeiss Apo Sonnar T*2/135用の固定バンドは
ご案内のとおり今週中に一次受注分をお届けできる予定です。
今月末で終了する二次予約分は9月末のお届けを予定しています。


本日紹介するのは同レンズ用のMFAの開発状況についてです。
写真はステンレスプレートで試作したもので動作の評価を行っています。
さすがにステンレスプレートではこのレンズの風格?にマッチしないので
バンドと同じ表面処理した専用のプレートを製作します。


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また,このレンズのヘリコイドは金属製なので
従来のゴム製リングと噛み合う構造ではスリップが懸念されました。
対策として写真のように裏返しにしたタイミングベルトを掛けています。
(通しただけで接着などは行っていません)
これでMFAと完全に勘合するのでこの部分でのバックラッシュは皆無です。


ここからが重要な事ですが
このレンズのヘリコイドは適当なトルク感でピント合わせは快適です。
個人的にMFAはなくても充分に正確なピント合わせができると感じました。
ただ,冷却CCDの撮影においては
リモート操作が前提なので電動化されたMFAは必須でしょう。


専用プレート仕様のApo Sonnar T*2/135用MFAは9,000円ほどの予定で
フォーカスモーターユニットは(全機種共通)17,000円です。

バンドと専用MFAはご予約分(+保守用などの予備)のみの製作です。
基本的に以後の製作予定はありませんので予めご了承いただけると幸いです。


下の写真はこのクラスのレンズでガイド撮影するのにようさそうなGP赤道儀です。
先日はAMD-2を装着したSP赤道儀用を紹介しましたが
GP赤道儀では緯度20度以下まで方位調整部との干渉はおきません。


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またGP赤道儀を搭載しているカーボン三脚は台座固定部の仕様を見直しました。
これにより価格は9月以降も49,800円のままですが,早期にご予約頂いた方へは
オプションを特別価格でご提供するなどの特典がつきますのでよろしくお願いします。

話はApo Sonnarに戻しますが,最初にバンドの製作をご案内してから
僅か2ヶ月間で30台ほどのご予約をいただきました。

人気のε-130Dでさえ先日入荷したロット番号は40ほどです。
それと比較するとこのレンズが天体写真用としてたいへんな勢いで浸透していると
感じています。


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2014年8月23日 (土)

SP赤道儀用AMD-2の開発状況について

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ポータブル赤道儀の2軸駆動用モータードライブAMD-2は
90SやP-2用を準備中ですが本日はSP赤道儀用の開発状況をご紹介します。
SP赤道儀は大変軽いので海外遠征用として今でも人気があるようです。
下の写真(三脚,1.4kgウエイトやカメラも全て含んだ状態)で9kg強です。
これなら全部組んだ状態で運んだり車に乗せる事もできるので
これが本当の意味でのポータブル赤道儀なのかも知れませんね。

AMD-2は元々90S用などとして開発したのでSP赤道儀に付けた場合
極軸の高度が29度までしか下がらない制限が付きますが
モーターを内蔵した本体部はたいへん薄いので懐部が広くなります。
これにより幾らかは子午線通過後の撮影継続が有利になります。

天体写真撮影では子午線越え前後3時間ほどが好条件と思いますが
同一天体を長時間追尾する冷却CCDでの撮影などでは
子午線超え後,どれだけ撮影を継続できるかが重要でしょう。

下の写真は子午線を超えた状態ですが,200~300mm程度の望遠レンズなら
北の空でも3時間以上撮影を継続できます。

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SP赤道儀自体の追尾精度はあまり良くありませんが(概ね±20~30秒角程度)
2軸ガイドすれば劇的な効果があります。
下のガイドグラフは,以前紹介したものですがガイドすれば1/20ほどのズレに
収まっています。(QHY5LⅡMと50mmCマントレンズでガイド)
当然ですが赤緯方向のズレに対しても修正するので長時間露出では必須です。
(後半のみ2軸ガイド,Y軸の1目盛りは約16秒角です。クリックで拡大します)


Sp50mmguide


ところでSP赤道儀には鏡筒を固定する’ツバ’がついていますが
それを切り取り,M8-35mmピッチアダプターをつけてみました。
最新のSXP赤道儀みたい?ですね。

海外遠征用として,軽くて2軸ガイド撮影ができる赤道儀はないか?
とのお訪ねがありますがSP赤道儀をお薦めしています。
中古市場も多く,赤道儀だけなら1万円ほどで入手できるでしょう。
これなら5万円以下で2軸ガイド赤道儀が実現するかも知れませんね。

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【補足事項】

・SP赤道儀の場合,29度以下の緯度では使用できません。
・写真ではハイブリッドの赤緯モーターをつけていますが
 純正モーターもそのままご使用いただけます。
・SP-DX赤道儀は北側の高度調整ネジと干渉するため使用できません。
・構造的にはGP系でも使用できますが,GPのモーターカバーはつきません。
 またギヤカバーは専用となります。
・写真のギヤカバーは仮に付けています。
・SP赤道儀用のAMD-1からのアップグレードを予定しています。
・電源仕様は5V(250mA)または12V(110mA)の何れかをご指定できます。
・発売時期は2014.11月頃で価格は未定です。
・赤緯部の35mmピッチアダプターは5,000円で販売していますが
 申し訳ありませんが切断加工(最後の写真)は受注しておりません。
 


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2014年8月21日 (木)

赤道儀コントローラーのBluetooth接続

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お客さまからのご要望もあり,MTS-3やAGSなどの赤道儀コントローラーと
パソコンをBluetoothで接続するテストを行っています。

私の撮影スタイルでは望遠鏡の直近にリモート操作されるパソコンを置いて
それに撮影用カメラなどと一緒に赤道儀のコントローラーも接続しています。

そのパソコンを遠隔操作するので,赤道儀のコントローラーだけを無線で
遠隔操作する必要性は感じていませんでした。

ただ,お客さまの使用目的によっては
赤道儀をパソコンやスマホなどで操作できるBluetooth接続は魅力のようです。

そこで早速幾つかのBluetoothでシリアル接続できるモジュールを入手しました。
これらは外部電源が必要なため
赤道儀側のシリアルポートに接続するだけでは動作しません。
MTSなど赤道儀側コントローラーから電源を供給しています。


今回のテストではMTS-3のハウジングを加工してシリアルポート(Dsub-9Pin)を
付けましたが,来月から発売するEM-200用のMTS-3モータードライブでは
標準でBluetoothでの接続ができるよう,赤道儀パネルに電源供給を行った
RS-232Cコネクター(Dsub-9Pin)を装着します。


最初はなかなか接続できず手間取りましたが色々試していたら繋がりました。
一旦接続が確立すれば,以後はなにも意識せずに繋がるので
私のような撮影スタイルでもパソコンと赤道儀間のケーブルが減るメリットは
大きいようです。

今回使ってみたBluetoothーシリアル接続モジュールはSD-1000と言うもので
最大100mも通信できるそうです。

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2014年8月16日 (土)

レボルビング装置の入荷状況

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先月から欠品していたレボルビング装置RR-110は入荷しました。
付属品手配の都合で出荷は8月19日になりますがよろしくお願いいたします。

既に今回入荷分の内3/4はご予約分ですが,現時点で5台ほど在庫があります。
今後はできるだけ欠品期間を短くするよう努力しますよろしくお願いします。
(次期ロットは10月末頃の予定)


レボルビング装置はこのような使い方をご推奨します。
基本的には,赤緯軸を持つドイツ式赤道儀が便利ですが
スカイメモやGPガイドパックなどの極軸オンリータイプでもパノラマ雲台や
ジンバル雲台を併用すれば理想的なポータブル赤道に生まれ変わります。

なお,FUJIのミラーレスカメラなど三脚固定ネジ位置がレンズの光軸から
大きくずれた機種ではご使用いただけませんのでご注意ください。

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2014年8月14日 (木)

タカハシ鏡筒用汎用フォーカサーの出荷状況

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ε130Dなどでご使用いただける汎用フォーカサーは
8月上旬に第二ロットを,8月末~9月上旬に第三ロットをお届けするよう
ご案内しておりましたが現在,第二,三ロットを一括して製作しています。
次の新月期に間に合うよう8月22日頃までには
ご注文いただいている全てのお客さまへお届けできる予定です。


ところで,このところ鏡筒本体も含めトータルでご注文をいただくこともあります。
3,4件ほどのご注文をいただきましたが
以下の写真のように鏡筒バンドやアリガタなどを全て組み付けて出荷します。
ε-130Dの場合,梱包された段ボール箱が大きいため
全て組み立てた状態でそのまま入るので便利です。


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以下はこれまで主力としてご提案していたガイドシステムです。
ペンシルボーグの仕様変更でCマウントスリーブが適合できなくなったので
販売を休止しておりましたが,QHY5LⅡMやペンシルボーグとのセットで
販売を準備しております。
Cマウントスリーブの表面を加工して鏡筒側に合うよう調整して出荷します。

Cマウントスリーブの在庫分限りですが写真の状態で54,800円です。
セット内容は,ペンシルボーグ鏡筒,QHY5LⅡM,SR32,SR25
Cマウントスリーブ,SP40-150の6点です。
以下の状態ですが,ε-130Dと大変良くマッチングしています。

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タカハシ鏡筒用汎用フォーカサーはモーターユニットは継続販売しておりますが
フォーカスコントローラーは1~3ロットとFSQ106ED用などで33台全て終了しました。
次のロット10台は11月頃を予定しています。


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2014年8月13日 (水)

アイデアから実用化へ,そして更なる発展へ

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三脚の内,北側の一本の高さを調整して簡易的に2軸ガイドするアイデアは
2009年2月
2011年1月
2014年4月
に3度紹介していますが,その後もポータブル赤道儀の簡易赤緯軸として
他の方法と比較検証してきました。


なかでもH-40は2軸ガイド化へのご要望が特に多いため
2軸駆動回路(AMD-2)が完成したのを機会に実用化の準備に取りかかります。
写真のように専用三脚(PTP-Carbon)にアクチュエーターを取りけますが
この方法は,赤道儀の改造が不要なので一番簡単な方法と思います。


実はこの方法はガイド撮影のための簡易赤緯軸としてスタートしましたが
通常の「軸を回転させるガイド修正」に比べ圧倒的に高いレスポンスを示します。
その事は前回の記事に書きましたが
以下のような大型リニアステッピングモーターを使いX-Y方向に高速修正すれば
従来方法より遙かに優れたガイドが可能でしょう。
具体的にはピラー脚を十字に配置し2ヶ所を上下します。
4点接地の内2ヶ所を上下すれば不安定と感じますがその量はμmオーダーです。

因みに写真リニアステッピングモーターの分解能は1μm以下で
大人でも持ち上げる力を発揮します。
ピラー脚の接地円の直径が100cmとすれば1μmは角度の0.2秒に相当します。

赤緯の簡易修正からスタートしましたが,ダイレクトドライブなどと同じように
据付け赤道儀の高速ガイドの一つの手法として実用になるかも知れません。


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2014年8月11日 (月)

お客さま撮影 海外遠征写真のご紹介

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海外遠征用としてカスタマイズした五藤光学のスカイグラフを紹介しましたが
その機材を用いてオーストラリアで撮影された写真をいただきました。
無改造カメラ(Eos60Da)での撮影ですが圧倒的な写りに驚くばかりです。

撮影風景もいただきましたが,背景に写った銀河が印象的で
日本でこれほどまで悪天気が続くと,またオーストラリアへ行きたくなります。

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紹介する写真は,カメラボディはEos60Daで,レンズは
最初に紹介する銀河の写真がSIGMAの50mm F1.4DGで
下の大マゼラン星雲の写真はCarl Zeiss Apo Sonnar T*2/135での撮影です。

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いただいたのは何れも素晴らしい写真ばかりですが
こうして遠征結果をご報告いただけると機材の改造でお手伝いできたことが
嬉しい限りです。


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2014年8月 9日 (土)

90SやP-2用のAMD-2ハウジング完成

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90SやP-2赤道儀を対象としたAMD-2は,開発状況をご紹介していますが
2軸駆動回路を内蔵した極軸側モーターユニット(最終試作品)が完成しました。
削り出したハウジング内に極軸側のモーターと駆動回路を内蔵しています。

このAMD-2はP-2や90Sなど共通仕様で,スカイキャンサーやJシリーズなどにも
対応します。今後ビクセンGP,SPなど適合範囲を拡大する予定です。

AMDシリーズの開発コンセプトは,セットアップが容易な写真撮影用の
モータードライブなので,極軸に固定する本体に駆動回路を内蔵しました。
極力,外部でのケーブルの接続を排除しています。
AMD-2本体に電源(DC5V)とガイドケーブルを接続すればガイド撮影が行えます。


写真はRJ11コネクターの片側(32X側)にハンドコントローラーを接続していますが
もう片側はガイドコネクター(0.5X)です。
互いの切り替えはなく,ガイド側にハンドコントローラーを接続すれば
その気になれば(今時手動ガイドはないでしょうが)手動ガイドも可能です。


AMD-2は2軸駆動回路(昇圧回路含む)と極軸側のモーターを内蔵したので
P-2より小型の赤道儀には少し大き過ぎるサイズになってしまいましたが
これは,先に述べたとおりモーター回りの配線などが不要となる
メリットの方が大きいと考えた結果です。

P-2よりも小型のスカイキャンサーでは,さらに格好が悪くなりますが
写真のように赤緯側を改造することで超小型2軸駆動赤道儀が実現します。


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タカハシ製赤道儀用AMD-2は全機種用ともギアカバーが付きます。
P-2用の赤緯モーターは開発中で近日中にご紹介いたしますが
写真のスカイキャンサー用と同じ構造となり改造が必要です。
P-2,スカイキャンサー用は極軸望遠鏡視野照明回路が内蔵されます。


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2014年8月 8日 (金)

カメラレンズフォーカサー用のモーターユニット

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カメラレンズ用のマイクロフォーカスアジャスター(MFA-C40)などで使用できる
モーターユニットが完成したので紹介いたします。
基本的には以前ご紹介したCANON EF100mmF2.8L MACRO専用と同じです。

限定品として販売した汎用MFAと,現行のMFA-C40(60,80)
さらにバンド式(1点,2点何れも)のEF100用MFAにも無改造で装着できます。


駆動は20mm角の超小型ステッピングモーターですがトルクは充分で
MFA自体のバックラッシュはありません。(レンズのバックラッシュは存在します)
FSQ-106ED用などで頒布したフォーカスコントローラーが対応します。

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バンド在庫の都合で数量限定になりますが,CANON EF100mmF2.8Lでの
冷却CCD撮影用として下の写真の2点バンド式も在庫しています。


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価格は以下のとおりです。(何れもフォーカスコントローラーは付属しません)
・カメラレンズ用フォーカスモーターユニットのみ:17,000円(全機種共通)
・MFA-C40,60,80,DS38,DP38-110とのセット(写真の状態):32,800円

CANON EF-100mmMACROとSIGMA150mm DG HSM用は完成品を準備しました。
何れもDS38とDP30-110はB級品をセットしお求め安い価格設定にしております。

・EF100用MFC-C/MC:43,000円
・SIGMA150用 MFC-C/MC:29,000円

セット内容:モーター駆動MFA,2点バンド(EF100のみ),DS38,DP38-110
(EF100用はバンドの在庫限りとなります)
何れもフォーカスコントローラーは付属しません。

2014.8.18日追記 セット内容変更にともない価格を見直し

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2014年8月 4日 (月)

Apo Sonnar用バンド ご予約期間の延長について

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Carl Zeiss Apo Sonnar T*2/135用の固定バンドについては
当初の案内のスケジュールに乗せるため,ご予約の受付期限を設定していましたが
引き続き複数のお問合せをいただいております。

当初,外注先のお盆休みなどを考慮して本日までとしておりましたが
明日以降も8月末日まではご予約を承りますのでよろしくお願いいたします。
Bタイプのみとなりますがその分の納期は9月末の予定です。


写真は私の使用方法で, Sonnar T*2/135をSTX-16803Eに装着した状態です。
自宅でのナローバンド撮影用ですが,今まで使っていた
MAMIYAの250mmF4.5と比べ4倍の面積を,4分の1の時間で撮影できます。
人工星テストの結果ではMAMIYAと同じように丸い星像が得られると思いますが
ガスのディテールを写し出したいので有効径を活かすF2開放で使う予定です。


このバンドは冷却CCDでの撮影も意識しモーターフォーカサーにも対応する
設計なのでこのような使い方もお薦めです。
なお,バンドの質感はできるだけApo Sonnarの鏡胴に合わせています。

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2014年8月 1日 (金)

フォーカサーの分解能について

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ステッピングモーターを使ったフォーカサーの場合
コントローラーの1ステップでどれだけ操作端を駆動するかを設計します。

たとえば写真のFSQ85/106ED用の場合
・モーターステップ:400(1-2相励磁)
・ステッピングモーターのギヤ比:30:1
・タイミングプーリーでの減速比:48:40
なので総合的には14,400ステップでピニオン軸が1回転します。
ドローチューブはピニオン軸1回転で約25mm移動するので
最終的にはコントローラーの1ステップで
25,000μm÷14,400=1.7μmの駆動になります。

何度か紹介しましたが一般的なピント合わせでは,10~20μm程度の
精度があれば充分なので,1ステップ2μmは実用上適当な値と思っています。
最小駆動量は,位置合わせ要求量の1/10程度を目安として設計するのが適当で
10ステップ単位(=20μm)でピントを追い込めば充分でしょう。


減速比を増したりモーターをマイクロステップ駆動すれば
数字の上での分解能はいくらでも上がりますがピント合わせとしての意味はなく
むやみにカウント値が増えて扱いにくくなるだけと思います。


以下の写真は,250mmF4.5のカメラレズをリニアステージフォーカサーにつけて
テストしたものです。 (KAF8300のカメラで60秒露光L画像,300%拡大)

右下の31から始まり,32と33,34・・・・左上の38まで
ピント位置を正確に20μm単位で送っています。
34か35がジャストピントみたいですが
そこから完全にピントがずれたと解る37までは40~60μmも送っています。

このテストはバックフォーカスの長い67用カメラレンズで行っているので
単純には比較できないと思いますが,1μm以下の分解など全く不要と思います。


でも手動でピントノブを回して30μm送るには1回転の千分の1回さなくてはならず
これは極めて難しでしょうね。
偶然合っても再現できないので,そこがピークか解らずにピーク付近を
行ったり来たりする事になりそうです。
モーターフォーカサーは単に微動するだけでなく
位置を定量的に把握できることと,その位置に保持できる事が大きなメリットです。


Focus_002mmstep

現在,写真のFSQ-85/106ED用フォーカサーはあと4台ほどご提供できます。

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