フォーカサーの分解能について
ステッピングモーターを使ったフォーカサーの場合
コントローラーの1ステップでどれだけ操作端を駆動するかを設計します。
たとえば写真のFSQ85/106ED用の場合
・モーターステップ:400(1-2相励磁)
・ステッピングモーターのギヤ比:30:1
・タイミングプーリーでの減速比:48:40
なので総合的には14,400ステップでピニオン軸が1回転します。
ドローチューブはピニオン軸1回転で約25mm移動するので
最終的にはコントローラーの1ステップで
25,000μm÷14,400=1.7μmの駆動になります。
何度か紹介しましたが一般的なピント合わせでは,10~20μm程度の
精度があれば充分なので,1ステップ2μmは実用上適当な値と思っています。
最小駆動量は,位置合わせ要求量の1/10程度を目安として設計するのが適当で
10ステップ単位(=20μm)でピントを追い込めば充分でしょう。
減速比を増したりモーターをマイクロステップ駆動すれば
数字の上での分解能はいくらでも上がりますがピント合わせとしての意味はなく
むやみにカウント値が増えて扱いにくくなるだけと思います。
以下の写真は,250mmF4.5のカメラレズをリニアステージフォーカサーにつけて
テストしたものです。 (KAF8300のカメラで60秒露光L画像,300%拡大)
右下の31から始まり,32と33,34・・・・左上の38まで
ピント位置を正確に20μm単位で送っています。
34か35がジャストピントみたいですが
そこから完全にピントがずれたと解る37までは40~60μmも送っています。
このテストはバックフォーカスの長い67用カメラレンズで行っているので
単純には比較できないと思いますが,1μm以下の分解など全く不要と思います。
でも手動でピントノブを回して30μm送るには1回転の千分の1回さなくてはならず
これは極めて難しでしょうね。
偶然合っても再現できないので,そこがピークか解らずにピーク付近を
行ったり来たりする事になりそうです。
モーターフォーカサーは単に微動するだけでなく
位置を定量的に把握できることと,その位置に保持できる事が大きなメリットです。
現在,写真のFSQ-85/106ED用フォーカサーはあと4台ほどご提供できます。
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