ビクセンAP赤道儀
もうすぐビクセンから新しい赤道儀(AP赤道儀)が発売されますが
実物に触れた感想は作りが大変良くて綺麗です。
大胆に肉抜きされたアルミダイキャストのユニットは軽量で
海外遠征用として大変魅力的な赤道儀でした。
粗動,微動とも主軸の回転部はボールベアリングで保持されており
均一なトルクで滑らかに回転するところは高級感があります。
この赤道儀の魅力は,ユニット単位で好みの構成にできることでしょう。
私の場合,2軸ガイドができる小型軽量赤道儀として魅力を感じます。
このブログで度々紹介していますが,小型赤道儀での2軸ガイドはご要望が多く
スカイキャンサー赤道儀などを改造していますが
今後はAP赤道儀が第一候補になりそうです。
写真のようにPTP-C2カーボン三脚とのマッチングも良さそうですし
その気になれば(需要があれば)自動導入もできそうです。
ただ一つ気になるのは使用されているステッピングモーターが小さい事です。
ポラリエと同じ外径25φのギヤヘッド付きPM型との事ですが
私の経験ではこのサイズではトルクに不安があります。
ステッピングモーターは同じ電流で駆動した場合
モーターサイズが大きいほど発生するトルクが大きくなります。
電磁石は鉄心を大きくしてコイルを多く巻けば
同じ電流でも磁力が強くなるのと同じ事です。
従来のGPシリーズやタカハシのEM-11などで使われている
35φや42φのモーターと比べると
25φでは概ね1/3~1/4のトルクしかありません。
そのため荷重によるクリアランスの変化や気温変化などを考慮し
ウオーム軸の与圧やホイールとの噛み合わせは
それなりに緩く調整されているかと推測しますが
そうなるとバックラッシュが気になります。
この赤道儀のコンセプトはクランプフリーでの観望用とのことなので
そのような使い方ではバックラッシュはあまり気にならないでしょうが
オプションのクランプレバーを付けて撮影用とした場合は
バックラッシュ(特に赤緯側)が気になるかも知れません。
以下の写真は外径27φと35φのPM型ステッピングモーターです。
数字以上に大きさの差を感じるかと思いますがトルクも同じです。
25φだとするとさらに小さいのでギヤ精度も含め少々気になるところです。
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