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2015年1月

2015年1月24日 (土)

EOS用USB5V→9V昇圧ケーブル

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先日紹介した,USB→12V昇圧ケーブルへのお問合せが多いのですが
中でもEOS用の電源について多くのご質問をいただいています。

容量と出力電圧の関係上,秋月電子で販売しているAE-ISL97519Aという
昇圧モジュールがお薦めです。
出力電圧はボリュームで可変できますが,私は,6.8kΩと560Ω固定で8.8Vを
得ています。

私のEOS5DM2の場合,8.2Vが動作の下限で8.5V以上で安定とするので
8.8Vに設定しました。これで
待機時の電流は120mA,バルブでシャッターを開けている時は630mAです。

何れも5V側の電流ですが,写真の10,400mAh(at3.7V)のモバイルバッテリーでは
計算上,10,400mAh/5×3.7/630mA=12時間程度シャッターを開けたままにできます。


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出力側に突入電流対策として470μFの電解コンデンサーを入れていますが
もう少し大きい方が良いかもしれません。
(EOS60Daでは問題ありませんが5DM2の場合大きい方が良いようです)
なお,自作される方のための情報として紹介しておりますが
これらのケーブルは保証の問題もあるため商品化や受注製作は行っておりません。


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AP100-300(320)のビクセンアリミゾ対応

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写真のように撮影用鏡筒を並列同架する際に必要な
光軸調整プレートについては今年最初のブログで紹介しましたが
ビクセン規格アリガタに対応できないかとのお問合せをいただいています。

この光軸調整プレートは,両側の鏡筒を搭載するアリミゾの
X軸とY軸方向を裏面から調整する構造なので,その調整ネジの位置関係で
プレートに縫い合わせるアリガタの形状(主に長さ)が制限されます。

基本的には,当社製のDP80-230LかDP65-200に限定していますが
ビクセン規格へのご要望が多いので,協栄産業で発売されている
ビクセンの規格アリガタ「汎用アリミゾプレートDX」にも対応するようにしました。

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また,中央部にはアルカスイス規格対応のDS38も取付できるので
Q5L-100GSSなどの小型ガイドシステムを搭載できます。

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最初の写真のように7cm屈折クラスからε-130Dの並列同架に対応します。

なお写真のWO7cmF4.9用フォーカサーについては
多くのお問合せをいただいておりますが製作を終了しております。


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2015年1月22日 (木)

5V→12Vステップアップケーブルの製作

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オートガイド関連機器の電源用として
モバイルバッテリーの5Vを12Vに昇圧するケーブルを作りました。
モバイルバッテリーでの使用を想定しているのでUSBソケットにしていますが
入力電圧は2.5V~12Vの範囲であれば出力は12Vを保ちます。

今回採用した製品はPololu社製のU3V12F12と言うステップアップモジュールです。
こんなに小さいのに12Vで400mmA(5V入力時)ほども供給できます。
(上記はカタログデータで突入電流が大きい負荷ではこれより小さくなります)


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安価なモバイルバッテリーは12V出力端子を持たないので1本あると便利でしょう。
モジュールは500円ほどなので700円ほどで自作できますが
探せば完成品があるのかも知れません。

携帯用の二次電池は
数年前まではエネループなどのニッケル水素電池が主流でしたが
最近はリチウム電池を内蔵したモバイルバッテリーになりました。
エネループなどはバラバラなので個別の残容量管理が難しいのですが
パッケージ化されたモバイル電池は大変楽です。
パソコンのUSBから充電できるのも大きなメリットでしょう。

USBの5V規格が電源供給用としても一般化したようなので
このような昇圧回路を内蔵したケーブルは便利でしょう。
EOS用の9V出力なども欲しいですね。


今回紹介した内容は,冒頭に記しましたとおり
特定の製品での使用を評価するために試作したものです。
従いまして単品として製品化・販売する予定はありません。

単体販売へのお問合せが多かったので追記しました。

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2015年1月19日 (月)

PENTAX75赤道儀極望の交換

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昨日は休日を利用して,以前から行いたかったPENTAX75用赤道儀の
極軸望遠鏡を交換しました。

まるでカットモデルみたいですね。
極望の交換だけならここまでやらなくてもいいのですが
後述のモーター取付部を確保する目的もあったので大胆にカットしています。
カットして解ったのですが大変優れた鋳造技術のようで
均一で十分な肉厚が確保されているので小型ながら強度が高いのでしょう。
鋳物の均質製など最近よく見かける安価な海外製とは一線を画しています。

左の小さいのが取り外した極軸望遠鏡です。
北半球限定になりますが小型赤道儀で再利用できそうです。

PENTAX75赤道儀は追尾精度も高いのですが
極軸望遠鏡の接眼部が小さくて引き出し代が短いので覗きづらいです。
また対物レンズの有効径が1cmしかないので,極限等級の関係上
私の行う南半球でのセッティング方法には使えません。

またモーターの取付方も難しいので,思い切って改造しました。

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交換したのは手持ちの対物レンズとケンコー製極望の接眼部です。
極軸の長さの関係で,対物レンズの焦点距離はケンコー製より長いものです。


以下のようにモーター(AMD-1)を付ければ,駆動用の電池や極望の照明も
内蔵できるので外付けパーツはありません。重さは2.3kgほどですが
高度調整装置や外付けの極望も要らないのでトータルでは軽量です。
Pモーション10秒角以下の理想のポータブル赤道儀になったと思います。


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この赤道儀は今まで見てきた赤道儀の中で最高と思えるほど精密加工されており
気に入っていました。趣味の道具ではなくて工業製品を感じる作りです。
複数台大事に保管していましたが?これで有効に活用できそうです。
ただ,お気づきかと思いますがバランスウエイトをどうして付けるかが難問です。


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2015年1月17日 (土)

90S赤道儀をPTP-C2へ搭載

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90S赤道儀に2軸ガイド対応のモーターAMD-2を取付られたお客様から
PTP-C2三脚に搭載できるか?とのご質問をいただきました。

三脚にかかる荷重は,赤道儀本体,鏡筒やカメラ,バランスウエイトの合計で
20kgほどになりますが,設計荷重の半分にも満たないので全く問題ありません。

ただ90S赤道儀には16~20cmクラスの鏡筒も搭載できますが
その場合は筒の大きさの観点から難しいでしょう。
写真のように10cmクラスまでの屈折望遠鏡を搭載する場合は問題ないので
PTP-C2は搭載する鏡筒が10cmクラス屈折までと判断してください。
90SはP-2用アダプターでPTP-C2へ搭載できます。


10cmクラスの鏡筒ならP-2赤道儀でも搭載できるので全体の重量や
(不動点から鏡筒までの距離の関係で90Sに比べウエイトが軽減できます)
見た目の美しさも含めP-2がお薦めです。
三脚の強度が高いので安定していますが
海外遠征(手荷物で運ぶ場合)の最大サイズになるでしょう。
因みにシンガポール航空はエコノミーでも30kgまで手荷物として預けられます。


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なお,EM-100も三脚接合部は90Sと同一形状ですが
90Sに比べ重心位置が高いことや,不動点から鏡筒までの距離が長いこと
(=大きなウエイトが必要)などから,PTP-C2での運用はお薦めできません。

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2015年1月16日 (金)

ビクセン赤道儀用DS38アダプター

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ビクセンGP赤道儀などの鏡筒取付部はアリミゾ構造になっており
ここに,いわゆるビクセン規格のアリガタが固定されますが
カメラレンズ用での撮影ではカメラ側のアルカスイス規格と合わないので不便です。

そこでアルカスイス規格のクランプDS-38を赤道儀のアリミゾ部に付ける
アダプターを製作しています。
わかりやすく言えば,大変短いビクセン規格のアリガタで
DS38を固定するためのM8タップが2箇所あるだけです。
M8ボルト2本で固定するレボルビング装置にもそのままご使用いただけます。

発売は3月下旬で,3,000円ほどを予定しています。

写真のようにL型ブラケットをつけたカメラをスマートに搭載できます。


ところで昨日紹介したAP赤道儀は予想以上のご予約をいただきました。
意外だったのは,半数ほどが自動導入仕様をご希望だったことです。
お一方はカメラレンズでの撮影ですが
自動導入も使うのでSXP赤道儀に搭載されているそうです。

昨日のシステムの場合,カメラレズでの撮影なら1kgのウエイトで充分です。
三脚まで含め6.5kgですが,これはSXPの場合の僅か1/3の重さになります。

同じ撮影結果が得られるなら軽量システムに変更されるそうです。

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2015年1月15日 (木)

AP赤緯モジュールを使ったポータブル写真儀の方向性

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ちょっと大げさなタイトルになりましたが
AP赤道儀の各モジュールを採用したポータブル赤道儀の方向性を定めました。
今まで方向性が決まらないまま様々な記事を掲載していますが
複数のお客様からご質問をいただいていますのでその概要を紹介します。


一言で言えば,300~500mm程度までのカメラレンズや望遠鏡(重量で5~6kg)を
2軸ガイドができる,ドイツ式海外遠征用赤道儀です。一言にしては長いですね。

当然極軸望遠鏡(標準仕様は他社製で純正の場合は1.5万円ほど価格アップ)は
内蔵ですが,ケーブルなども含め極力現地で取りつけるもの排除し
電源のみ接続すれば追尾します。ガイド撮影時もガイドケーブルを
引き回さなくて良いように接続ポートは赤緯体に設置します。

写真のPTP-C2三脚やウエイトシャフト,1kgのウエイトまで含んで6,5kg
なので海外遠征用として充分軽量です。
(1kgのウエイトでバランスが取れるのは2kg強の機材の場合です)

純正のSTAR BOOK仕様の構成と大差ないと言えばそれまでですが
敢えて上げれば2.5kgほど軽い,ケーブルの引き回しが少ない,それと
電源接続がUSB Micro-B型でないことですがこれが一番大きいかも知れませんね。

逆にマイナス面は(不要な人にはマイナスではありませんが)恒星時追尾のみ
なので日食観測時の太陽時や1/2恒星時などを必要とされる方には不向きです。

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現状は純正の赤緯体に写真の2軸駆動回路(AP赤緯モジュール用AMD-2)を
内蔵していますがカバーなどの都合でこの部分は新規に作る予定です。
純正でも空間がありますが,新規に作る赤緯体は空間を有効利用し
ここに駆動用のリチウム電池を内蔵できたら理想的と思っています。

現在上記構成で5kgほどの荷重をかけて追尾などのテストを行っています。
APユニットは軸受けにボールベアリングが採用されているので
外気温の影響は殆ど受けずレスポンスの良いガイド特性です。
ウォーム回りの大きさはSXPなどと同じなので同程度の追尾性能でしょう。


既にアナウンスしているAMD-2改造との兼ね合いでAP赤道儀関連は
この夏以降の対応ですが,興味のある方はお問合せいただけると幸いです。
まずは10台分の材料を準備しています。

AP赤道儀のユニット類にPTP-C2三脚やステンレスウエイトまで含めると
20万円強になりますが,10万円ほどのポータブル赤道儀を
ドイツ式にするためにパーツを追加する事を考えると高くはないと思いますし
トータルの重さでも負けないでしょう。
光軸ズレの心配がない極軸望遠鏡が内蔵されている安心料も加味すれば
むしろ安いと言えそうです。

赤緯モジュールを使う都合上,ウォーム周りの最調整を行ったうえ
全品モジュール単位で追尾確認を行ってからお届けする予定です。
Pモーションに突出した異常があった個体は赤緯側に回します。

AP赤道儀のコンセプトはユーザーが色々なスタイルで使う事なので
それにマッチしたカスタマズではないでしょうか?


以下は上記構成で行った追尾テスト時のガイドグラフです。
(75mmガイド鏡,Y軸1目盛り=10秒角。途中の乱れは外乱です)

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2015年1月14日 (水)

PTP-C2の新たなオプション

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軽量カーボン三脚PTP-C2は,EM-10/11やP-2赤道儀などのアダプターを
準備していますが,ポータブル赤道儀用高度調整機能付き台座も設計中です。

PTP-C2の台座部はスリ割りクランプで固定しますが
クランプを少し緩めると滑らかに回転(方位角の調整)ができるので
高度の微調整機構さえあれば十分な据え付けが可能です。

PTP-C2の軽さ(約1,600g)を活かす意味でも極めて軽量(300g以下)な
高度調整付台座を実現したいです。

因みにXY50Dは700gなのでその差は400gです。
僅か400gですが,可能な限り機材を軽くしたい海外遠征では大きいと思います。
重心が低くなるので日食撮影では振動を軽減できるメリットもあります。

操作性は方位も微調整できるXY50Dが優れていますが
軽さを最優先する場合のオプションとしてラインナップ予定です。


なお,紹介する写真はゴニオステージで高度調整と2軸ガイド時の
赤緯修正を兼ねているもので記事の高度調整用台座とは関係ありません。
開発するのは台座の下側からプレートを押し上げる方式です。

このゴニオ方式の主な目的は2軸ガイドの実証ですが
方位の微調整は無くとも十分なセッティングが可能なことを紹介する意味で
掲載しました。

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2015年1月12日 (月)

昨夜のラブジョイ彗星と彗星撮影システム

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ラブジョイ彗星(C/2014Q2)は3等台の明るさになっているようで
当初の予想よりかなり増光したようです。
ラブジョイ彗星と言えば,一年ほど前にモンゴルで撮ったC/2013R1を思い出します。
アイソン彗星が消滅したので遠征を止めようかとも思いましたが
結果的には満足の行く写真や尾の変化を捉えた動画を記録すことができました。


ところで本日紹介するのはラブジョイ彗星を撮影するためにフォーサーズ用の
ZUIKO DIGITAL ED 150mm F2.0と,APS-CのFujiX-E1を組み合わせたものです。
ZUIKO DIGITALは専用のボディでないと合焦できないのでフォーカサーに搭載し
互いの距離を調整する方法てピントを合わせました。

以下はこのセットで撮影した昨夜のラブジョイ彗星ですが
自宅は空が明るいうえに,薄雲やPM2.5の影響で全く見栄えしません。
中央部を100%で切り出しただけの未処理画像です。

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フォーサーズ用レンズをフォーマットの大きいAPC-Cのボディに付けるのは
無謀かと思われるでしょうが,フォーサーズのイメージサークルは約21.6φです。

一方,APS-Cの短辺は15.6mmで,15.6mm×15.6mm角の外接円は22φです。
これは上記とほぼ同じ大きさなので,以下のように長辺側の両端をトリミングして
正方形フォーマットで使えば問題ありません。
正方形は縦横の構図を考慮しなくて良いという大きなメリット?がありますよね。

試写は以前作ったフォーカサーにカメラを仮付けしただけなので
互いの光軸は2mmずれているうえ,スケアリングの調整も行っていませんが
F2の明るさでこれだけ写れば良いでしょう。
周辺減光もほとんどないので明るさを活かした彗星カメラとして最適なようです。

写真はクリックで約50%縮小(1,600×1,600ピクセル)表示します。

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2015年1月10日 (土)

AP赤道儀の優れた内部構造

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小型赤道儀として魅力を感じているAP赤道儀ですが
今回はこの赤道儀の内部構造についてご紹介させていただきます。

この赤道儀はモジュール構造になっていますが,基本構造は同社の
初代ATLUXやNEW ATLUXなどのモーター内蔵機種と同じで
電動駆動部とクランプフリーで回転する構造体が独立しています。

上の写真と位置関係が異なりますが以下は内部構造のイメージ図です。


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AP赤道儀はモジュール構造なので,中心軸(極軸)が連結されていますが
その片側にウォームホイール/ウォーム軸から構成される電動駆動部
もう片側に中心軸(極軸)を固定するクランプ部で構成されています。
電動駆動部のハウジングは赤緯体に
クランプ部のハウジングは三脚にそれぞれ固定されています。

それぞれの中心軸はハウジングに対してボールベアリングで保持されているので
大変滑らかな回転ですが,この構造の最大のメリットは
ウォーム部とクランプ部が独立しているのでウォームホイールを横から押す
クランプ方式で発生する不具合がないことです。

一般的な小型赤道はホイールをクランプで横から押して固定するため
ハウジング内でホイールが僅かに移動しますが
この移動はクランプとウォームの噛み合い部との相対的な位置関係で
プラスになったりマイナスになったりするので大変厄介です。
上の図で言えば黄色いウォーム軸にホイールが近づいたり離れたりします。


AP赤道儀の回転部は全てベアリングを使用されていますが
(ここで言うベアリングはボールベアリングのことです)
その効果が最大限に活かされる配置と思います。
GP赤道儀に比べ高価と言われますが構造に見合う価格ではないでしょうか。

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2015年1月 4日 (日)

Vixen AP赤道儀(赤緯モジュール)の追尾精度

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私が購入した,AP赤道儀(赤緯モジュール)は伝達ギヤが追尾精度に影響を
与えていると記しましたが,昨夜本来の精度を実測できたので紹介します。
雲が多かったので途中で乱れたグラフですが精度の評価には問題ありません。


グラフは上から,個体1a,個体1b,個体2のもので
個体1は測定時の乱れが多いので2度の計測データー(aとb)を掲載しました。
何れもウォーム軸の与圧を強めに調整後
ギヤは使わずにウォーム軸とモーターを直結して駆動しています。


結果は個体1,個体2何れも±20秒角を下回っている(概ね±15秒)ので
GP2赤道儀などと同程度のようです。
私が所有しているSPやGP赤道儀(何れも旧カラー)よりずっと高精度です。

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Apd1_2


Apd2_1_2


なお,先日の記事で紹介したスパーギヤ内径の異常はⅠ台のみでした。
もう一台は良好なので,たまたま片側の赤緯モジュールだけに
極軸用として使う場合で不具合が発生したようです。

一連のAP赤道儀に関する記事は
当初から赤緯用のモジュールを極軸側に使った場合と明記した内容ですが
精度が出ていないギヤを赤緯側に回されたのなら何ら不具合ではありませんので
先日のボアアップなどに関する記事は内容を訂正させていただいております。


以前,AP赤道儀を海外遠征用の小型・軽量赤道儀に仕立てる記事を紹介しましたが
こうなると5~6kgほどを搭載できる自動導入赤道儀用のパーツとして魅力的です。

Pモーションが±20秒角以下なら広角レンズでは安心して撮影できます。
50mmを超える場合は三脚の沈み込みなど,Pモーション以外の影響も受けるので
ガイドしないと不安です。
星景写真など広角レンズを使う時はもちろんガイドなし,それ以外はガイド撮影と
割り切れば,他にはない2軸ガイドの小型・軽量赤道儀として大変魅力的ですね。

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2015年1月 2日 (金)

PENTAX75ED用赤道儀

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写真のPENTAX75ED用赤道儀は,PTP-C2三脚の記事でUPしましたが
その後,取付アダプターについて何件かのご質問をいただいています。
お正月休みのゆっくりした時期なので赤道儀の性能なども含め紹介いたします。


残念ながら構造上の問題で純正の三脚と併用するアダプターは
製作できませんが,赤道儀側をPTP-C2専用に改造するのは容易で
改造費用は10,000円ほどです。(改造後は純正三脚では使えなくなります)


P75_3


この赤道儀は大変高い追尾精度を有しているので写真のようなポータブル
赤道儀として最適でしょう。私の個体は上のように±5秒角程度のモーションですが
殆どがアイドラーギヤ系の偏心による周期の短いものです。
P-2赤道儀同様に,極軸望遠鏡が覗き難い欠点がありますが
アングルファインダーなどを併用すれば解決できます。


因みに,PENTAX75ED用赤道儀のウォームホイールは147枚ですが
アイドラーギヤ比を,49:48系にすることで144枚系のAMD-1で駆動しています。
(147×48/49=144になります,実際のギヤは軸距離を稼ぐため49:96です)

今回のPENTAX75用やお問合せの多いタカハシのP型赤道儀用などの
モータードライブは申し訳ありませんが製作しておりません。
AMD-1やAMD-2で対応しているのは,タカハシH40
(スカイキャンサー,FC-50赤道儀も含む)P-2,90SそれにビクセンSP用のみです。
(MarkX用のAMD-2は開発が遅れていますが準備中です)

なお,色違いのPENTAX65用赤道儀は今回紹介する75用とは
ウォームホイールの材質などが異なっていますので精度は不明です。

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Vixen AP赤道儀その後

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Vixen AP赤道儀の赤緯モーターモジュールを使った追尾テストについては
12月10日の記事で紹介しましたが,気になる点があったので調査しました。

というのは,計測したPモーションがあまりにも綺麗なサインカーブだからで
滑らかで大きなサインカーブの発生は
伝達ギヤの偏心も大きく影響することを経験しているからです。


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結論から言えば,ウォーム軸側のピニオンギヤの穴径が大きいようです。
実測値で,軸は6.005mm→6.00mm,ギヤは6.07~6.08mmほどです。
(内寸は正確に測れないので,ギヤ側は合致する大きさに加工したピンで計測)

ギヤ径が7/100mmほども大きいので,その分だけ偏心が発生しており
これでは明らかにPモーションに影響します。


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通常,軸側は公称値より0.02mmほど細いので,6mmの場合は5.98mmほどです。
この場合,軸が僅かに細いために軸径6mm用のギヤと合致しますが
Vixenの赤道儀のウォーム軸は以前から6.00mmちょうどでした。
GP赤道儀などに市販の6mm用ギヤを付けると抜けなくなるのはそのためです。


今回のAP赤道儀のウォーム軸径は6.005mmと紹介しましたが
明らかに6mmより+側の公差となっており,6mm用のギヤは全く通せません。

ギヤ側の実測値は6.07~8ですが,6mmちょうど用ギヤが通せずに
ボアアップした結果なら大変残念ですね。
6.02mmほどのリーマーを使えば良かったと思います。

あくまでも私が購入した赤緯軸用のモーターモジュールでのことですが
もしも極軸側も同様ならギヤを改善すればPモーションは大きく軽減できます。

一部記事の内用を訂正、削除しました。2015.01.04


最初の写真は赤道儀そのものの追尾精度を計測するために
問題のギヤを使わず直結で仮に組んだ状態です。
同社のGP2赤道儀のPモーションは,±20秒角をクリアーしているので
AP赤道儀自体も同程度の精度と期待していました。
ギヤに原因があった模様なのでその影響を取り除き仕切り直します。


Pモーションの実測後,早く報告しようと思っていましたが
日常業務に追われていたので年末・年始の休みになってしまいました。
ただ昨日からこんな天気なのでちょっと厳しい状況です。

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2015年1月 1日 (木)

並列同架用光軸調整プレート(AP100-3xx)新発売

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新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

新年早々ですが,新製品のご紹介です。

鏡筒の並列同架時に互いの光軸を調整する機構については
RH200の記事で紹介し,限定的にDS65N専用のプレートを販売していましたが
その後もお問合せが多いのでDS45用とDS65N専用の
アライメントプレート(Alignment Plate:APと略)を製品化しました。

何れも1/15日発売で価格は以下のとおりです。

・DS45用  AP100-300 :10,800円(税込み)
・DS65N用 AP100-320 :11,340円(税込み)

何れのプレートも鏡筒取付側のアリミゾはDS45,DS65Nの専用で
赤道儀への搭載側(裏側)アリガタは,DP65-200またはDP80-230Lが適合します。

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AP100-300(320)へのDS45(65N)の取付は
DS45(65N)の脱落防止用M6ボルを取り外し,そのタップ穴を使います。
AP100-300(320)側は長穴となっているので
アリガタはプレートに対して約2度のチルト調整ができますが
DS45(65N)の中心軸は別のボルトで固定するので中心を保持したままで行えます。
DS45,65Nともに無改造なので,お手持ちのものがそのまま使えるのもメリットです。

パン側の調整は,AP100-300(320)側からDS45(65N)の4角を押し上げる構造で
チルト,パンとも裏面から調整できるので鏡筒を搭載したまま行えるのが特徴です。


以下はAP100-320にε-130DとVSD100を並列同架した状態です。
サイズ的にはε130D×2本程度がベストでしょう。

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