2軸ガイドのもう一つの目的・・・ノイズ軽減
赤道儀の2軸ガイドについては度々紹介していますが
その目的はガイド鏡で監視している恒星像の座標を
常に一点に保つよう赤道儀のXとY軸を駆動(制御)するものです。
いわゆるフィードバックを行う定値制御で
その結果,星がまん丸く写った写真を得られます。
XとYの2軸を駆動するのでその交点が存在しますが
1軸ガイドには交点がないので残念ながら点像にはなりません。
通常のガイド撮影では,定置制御の目標値は変わりませんが
この目標値を露出毎に少しずつ変えて撮影する手法を「Dithering」といい
冷却CCDでの撮影方法としてよく知られています。
固体撮像素子の欠陥は特定の位置で発生するので,複数枚撮影した
写真を恒星基準で位置合わせすることでノイズを軽減する手法です。
このDitheringはデジカメのカラーノイズ対策としてもその有効性が
注目されているようで,この動画はTony Hallas氏がDitheringについて
説明されています。(7分~10分ころにかけて)
前置きが長くなりましたが,2軸ガイドは星を丸く写すだけでなく
Ditheringを行うことでノイズの大幅な軽減も可能にします。
広角レンズで撮影する星景写真においてはガイドが目的でなく
ノイズの軽減として大きな魅力に感じますが,そうなると
ポータブル赤道儀と言えども2軸ガイドの要望が大きくなりそうですね。
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