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2015年4月

2015年4月28日 (火)

スタンドアローン構成

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連日の好天も昨夜までだったようですが,昨夜は写真のようにAP赤道儀を
ベースにしたスタンドアローン自動導入とガイドのテストを行いました。

AP赤道儀は手動ユニットに外付けモーターで組んでいるので
写真の鏡筒なら問題なくガイドや自動導入ができる事を確認しています。

搭載したVSD100(4.5kg)とバンドやフルサイズのカメラなどで7kg弱ですが
モーターユニットを使わなAP経緯台の公表搭載荷重は8kgなので
機械的な強度はクリアーしています。

最近ダウンサイジングのご要望が多いようですが
10cm屈折で安定した運用ができる最軽量のシステムかも知れません。
オートガイドや自動導入もスタンドアローンなので
ウエイトや三脚,モバイルバッテリーなども含めた機材一式で16~17kgほどです。


個人的には鏡筒に対して赤道儀は一廻り大きいものを好みます。
たとえはNJPには運用の安定性を求めれば20cm反射クラスまでと思いますが
海外遠征の場合はやや無理をされるケースもあるでしょう。

AP赤道儀は同社のSP/GP系と異なる軸構造なので,荷重やクランプの位置で
ウォームの噛み合いが変わる事はなく紹介した鏡筒程度なら安定しています。
ウエイトだけ現地調達すれば12~13kgなのでエコノミーで充分運べる重さです。


ところで昨日紹介したマウントアダプターの犯人?がわかりました。
写真のように裏面からの固定ビスが長すぎ面で接触する部分を浮かせていました。
フライスでネジが接触する部分を加工して解決しています。(白く加工した部分)

そのさらに四隅の星像を改善するために寸法上は過剰なほど調整しましたが
四隅ともほぼ満足行く星像になりました。これは後日紹介します。

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2015年4月27日 (月)

好天が続いています

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このところ好天続きのため,赤道儀の追尾精度計測やオートガイドの
テストなどを精力的に行っています。

写真は先日紹介した海外製のポータブル赤道儀をM-GENで1軸ガイドし
ガイド状況をQHY5LⅡM(+PHD Guiding)で監視しているところです。

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ガイドグラフの左側はノーガード,中央はM-GENでのガイド,右は基準赤道儀
での追尾(ノーガイド)です。

今回テストを行った赤道儀は製造メーカーから直接入手した個体のためか
Pモーションはやや大きめですが(私が所有する古いSPやGP赤道儀と同程度)
思い違いなどによって誤ったデーターを公開しないよう
Pモーションを充分に把握している基準になる赤道儀と比較を行っています。

テスト赤道儀に搭載したガイドカメラを一式をそのまま基準赤道儀に載せ替え
ガイドを継続すればミスの防止になると思うからです。

中央のM-GENでのガイドは良好ですが,赤緯側のズレが気になります。
ガイドしていない時も同じ傾向で,これだと1軸ガイドする意味が半減しそうです。
(M-GENでのガイド状況をPHDで監視しているので中心線からずれています)
 
 


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こちらは300mmレンズでガイドあり/なしをテストしている状況です。
写真のスカイグラフのPモーションは±10秒角ほどですが
最後の写真のように300mmで3分露出では赤径方向に星が流れてしまいました。


Sg2_75mm


ところで撮影に使ったレンズは,MAMIYAの645用の300mmF4.5ですが
マウントアダプターを使ってEOS5DM2ボディにつけています。
特定のコーナー部の星像が良くなかったのでアダプターを調べたところ
150μmほどのズレが確認されました。安価なマウントアダプターは要注意ですね。

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以下の写真は寸法のみ調整した後の最も良好なコーナー部です。(ガイド撮影)
逆に言えば,マウントアダプターを経由する場合,それでスケアリングの
調整ができるので調整部と思えばよいのかも知れませんね。

 

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昨夜は特に透明度が良かったので,300mmでの実写も行いましたが
通常の追尾テストでは,結果に定量性を持たせるために
できるだけ条件を同じにしてPHD Guidhingのガイドグラフから求めています。

今回,実際に撮影した結果は,Pモーションの数値以上に
厳しい結果になっていますが荷重などの影響を受けたのでしょう。
完全とは言えませんが定量性の観点からはガイドグラフがベターと思っています。


以下はスカイグラフで3分間ノーガイドで撮影した星像です。
縦方向が赤径相当なのでPモーションで伸びているようです。

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2015年4月24日 (金)

AP赤道儀の自動導入化について

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AP赤道儀の自動導入化については多くのお問合せをいただいていますが
MTS-3の供給量や改造スケジュールの都合で年内のご対応は難しい状況です。
大変申し訳ありませんが新規の受付は来年となります。
なお,現在ご予約中のお客様へは新型MTS-3の出荷状況がわかり次第納期を
ご案内いたしますが,夏頃となる予定です。


AP赤道儀の自動導入改造方法については
MTS-3入荷状況の案内時に触れましたが
基本的には写真右の手動モジュールにモーター外付で進めています。

安定した導入とガイドのため,ウォームの噛み合いを最適に調整しますが
そのためにはトルクに余裕のあるモーターが必要になります。
サイズの都合で高価なハイブリッドモーターを採用しました。
先にご紹介したとおり,カーボン三脚やステンレスのウエイトそれに
他社製極望付で265,000円ほどを予定しています。


ただこの場合,赤道儀の改造も必要なのであまり多くは対応できません。
そのために来年からは,赤道儀は改造せずに
お客様で自動導入化できるキット形式の商品も販売予定です。

写真左の両軸ともに赤緯モーターモジュールで構成したAP赤道儀専用になりまが
こちらは80,000円ほどでの販売を予定しています。
トータルでは,スターブックONE仕様で構成した場合より5万円ほどのアップです。
(接続キットの詳細は後日紹介します)

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・写真の改造仕様はギヤがむき出しですが商品にはギヤカバーがつきます。

・改造仕様では,Bluetoothモジュールの取付や配線の引き回しを考慮して
 MTS-3,PC,ガイド,電源の各種接続コネクターはウエイトシャフト付け根部
 (上の赤道儀で銀色のリングがついた部位)に配置します。

・改造仕様の場合は,写真のようにBluetoothモジュールを赤緯体内に内蔵した
 ワイヤレス専用も対応できます。

・キット仕様の場合でもケーブルを通すために,樹脂カバーの爪がかかる
 部分を切断する必要があります。(写真のリボンケーブルが通った部分)

・新型のMTS-3はディスプレイがつくのでメニューでAPやEM-200などと
 登録しておけば1台のMTS-3で複数の赤道儀を駆動できます。

・自動導入なしの2軸ガイド仕様については後日紹介いたします。


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ポラリエの雲台取付ネジについて

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先日から追尾テストを行っているビクセンポラリエですが
雲台を取りつけるカメラネジは,写真のように内部に収納されてしまいます。
一旦銀色の部分を外し,内側から指で押し上げないと雲台をつけられません。

最初はなぜこのような凝った構造?を採用したのかと疑問を持ちましたが
雲台をつけてみて気づきました。
雲台をねじ込むときにウォーム部に強い回転力をかけないインターロックでしょう。
では雲台を取り外す時は?とも思いましたが何れにせよ良いアイデアですね。
取りつける際に意識すれば外す時も考慮するでしょうから。


雲台を付けたり外す際の回転力を逃がすため
敢えてカメラネジを極軸の中心から外すアイデアもあるようですが
雲台が取れなくなった時などは特に注意が必要です。
通常の赤道儀で言えばクランプを締めた状態で
極軸を強く回そうとするのと同じですからウォームには良くないですよね。


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2015年4月23日 (木)

ポータル赤道儀の追尾精度について

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ポータブル赤道儀の精度についての私感ですが,ポータブル赤道儀は
(ガイドせずに)星を追尾して写真撮影するための専用器具なので
どの程度のカメラレンズまで追尾できるかは重要な要素です。

眼視観測が主な目的の,一般の赤道儀より重要かも知れませんが
追尾精度が公表されていないものもあるようです。


追尾エラーは機械精度(Pモーション)の影響だけではないのですが
その器具に求められる一番重要な要素なので
せめて「100mmのレンズを3分間追尾する精度」などと
ある程度具体的な目安を表記して欲しいと思います。
ユーザーにとっては使わているベアリングの数より重要と思います。


それがないと,たとえば50mmでも流れてしまう場合
原因が赤道儀本来の性能なのか
三脚や雲台などの撓み(ガタ)によるものか
または極軸の設定に間違いがあるかなどの判断がつかず
この赤道儀は広角レンズでしか使えないと諦められてしまいそうです。
特に初心者の場合は経験がないので悪い評価とならないか心配です。


そこで極軸望遠鏡などのオプション開発用として入手した
ビクセンのポラリエと最近発売された海外製のポータブル赤道儀の
Pモーションを計ってみました。

結論から言えばポラリエは100mmでもガイドする機械精度を有し
よく耳にする広角レンズ専用ではないようです。
これはAP赤道儀の赤緯や手動モジュールを複数台測定した値や
過去に測定したGPやSX系赤道儀の値から予想したとおりの結果です。

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上のグラフはポラリエのPモーションですが,±20秒を少し超えるほどで
周期性もハッキリしています。以前紹介したAP赤道儀と大差ありません。


個人的にはPモーションが±20秒程度の赤道儀なら
100mmほどのレンズでもほぼ満足の行く写真が撮れると思っています。

以前紹介しましたがモンゴルでは実測値が±7秒角ほどのH-40で撮影しましたが
350mm3分を全てのコマで満足の行く追尾でした。
寒いので極軸セッティングも適当に合わせただけです。


以上のことから,ポラリエは軸回りのバランスやセッティングに注意すれば
100mm程度の望遠までま追尾する性能をもった赤道儀と思います。

もう一台の海外製も測定しましたが,こちらはガイド端子がついているので
長めのレンズはオートガイドで対応する設計でしょう。
近日中にM-GENで一軸カガイドテストを行う予定です。


それから消費電流も実測しました。
ポラリエは約360mA,海外製は40mAほどです。(何れも内蔵電池使用時)
ポラリエはステッピングモーターなので,負荷による電流の増減は僅かですが
DCサーボの海外製は負荷に比例して電流が変動します。

単三型アルカリ電池の容量は概ね1,000mAh程度なので,計算上では
ポラリエは3時間,海外製は25時間ほどの駆動時間になります。
ポラリエは2時間と公表しているので良心的と感じました。


記載した内容は手持ち個体で計測した値から得た私論です。
測定誤差や個体差もあるので参考用とお考えいただけると幸いです。


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2015年4月21日 (火)

Apo Sonnar135mmF2専用バンド終了のご連絡

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Carl Zeiss Apo Sonnar T*2/135用バンドは
昨年8月に受注製作を行いましたが,その後もご要望をいただいたので
昨年12月~今年3月までの間,2度目のご予約を受けておりました。

2回の受注では当初の予想を遙かに超えるご注文をいただきましたが
今回のご予約分で全ての製作を終了しております。
余剰分も昨日で終了したので申し訳ありませんが今後のご提供はできません。


トータルで50台分製作しましたが,このバンドが真価を発揮するのは
写真のように冷却CCDカメラをつけた場合でしょう。
三脚台座のないこのレンズとCCDカメラの組み合わせ時は必須と思います。

なお,当初から予想した事ですが,このレンズはIFでないため
ヘリコイドが重いうえ,レンズの全長が変わります。
写真のように冷却CCDでの撮影に必要な電動フォーカサーの開発は
今暫くお時間いただけると幸いです。


開発中のモーターをつけたAP赤道儀にこのレンズなどを搭載しましたが
海外遠征ではこの程度のシステムが現実的と思います。
改造したAP赤道儀(軽量シャフトと1kgのウエイト含む)にカーボン三脚
それにレンズや冷却CCDカメラ(3.5kg)など全て含めて約10kgなので余裕でしょう。

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2015年4月19日 (日)

M-GENのデザガイド(RD)の動作について

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本日3件目の記事になりますが
M-GENのデザガイドについて実際の動作状況など紹介いたします。
雨の休日だったので,集中して記事をアップしました。

(M-GENではデザガイドをRandomDisplacement :RDと呼ぶので以後RDと記します)

上はキャリブレーション終了時の表示で
RAとDECの駆動方向のベクトルと移動量を数値で表しています。
この場合,RAとDECの直交度は完全で,両軸とも1秒で0.8Pixelほど駆動しています。
また,M-GENのチップはRAとDEC軸に対して縦横が平行に搭載されています。
(この赤道儀のガイド修正速度は恒星時に対して±100%です)

RDは撮影側のカメラで,数Pixelずつほど視野をずらすのが効果的なので
仮にM-GENにつけたガイド鏡が100mmで,撮影側の焦点距離が500mmの場合
RDの設定を2Pixelにすれば,撮影側は10Pixelほどずらせます。

この赤道儀の例では,約1秒で0.8Pixel駆動するのでRDに要す時間は3秒ほどです。


以下はオーストラリアでRD撮影したときのものですが(上とは別の赤道儀)
ガイド速度が遅い(±50%),ガイド鏡の焦点距離が短い(50mm)さらに
極近くの対象(大マゼラン雲方向)でテストしたので
4Pixelの設定に対し40秒ほど要しています。


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ここにRDの動作状況(動画)をアップしています。
13秒ほど経過した時に,露出を終了し(緑のLEDが消灯)RDを開始します。
上(RA側)のガイドグラフは振り切れて,対応するRA側のLEDが連続点灯します。

音は小さいのですが,シャッター音も入っています。
画面の下に時折赤いLEDが点滅しているのはガイド信号です。

RD動作中もガイド星を追尾しているので
片側(この場合DEC)はガイドを継続しRDが終了すれば,瞬時にガイドに移行し
露出が再開される状況がご理解いただけると思います。

通常のRDは10秒以下で完了するので撮影スケジュールには殆ど影響しません。
撮影間隔が10秒の場合,その間でRDが終了します。
(上記例では撮影間隔よりRDに要す時間が長いので,RD待ちで撮影されますが
撮影間隔の10秒がタイムアップした時点で青のLEDが点灯して待機しています)


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P-2専用正立像アングルファインダーについて

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先日ご案内したP-2やH-40赤道儀の極望用アングルファインダー改造は
多くのご依頼をいただきました。

その中で,P-2でも正立像をご希望される方が多かったので
正立のCANON製アングルファインダーが使える
P-2専用の接続リングを以下の要領で受注製作いたします。

P-2の極望はアイポイントが短いため
先にご紹介したとおりキャップを改造したものでは視野が蹴られます。
そのためアングルファインダーをギリギリまでアイピースに近づけています。


受注するのは,P-2(P-2Zでも使用可)に,写真の
CANON ANGLE FINDER B」を装着するM34-M20接続リングです。
その他の赤道儀やアングルファインダーには対応いたしません。


M34-M20接続リングの価格は4,000円(送料540円)で
4月30日までの受付,6月中旬の納品予定です。
既にご注文いただいている方はファインダー込みでキャップ改造と同額の
8,000円でご提供いたします。


写真に三脚も写したのは,同じ半艶消し処理で少しだけ美観に拘ったためです。


なおH-40はキャップ加工で視野のケラレはありません。
ここで紹介したとおり,ファインダーに付属するM20部をキャップに固定するため
ファインダーそのものはP-2とH-40で共用できます。


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MTS-3新旧比較について

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現在EM-200などの自動導入改造には,ドイツBoxdorfer製MTS-3を採用しています。
やや遅れ気味ではありますが,近いうちにディスプレイを標準装備した
新型に移行するため,両者のケーブル接続の相違について比較を行いました。

EM-200など赤道儀側にパネルがある場合と,JNPなどパネルが無い場合
(モーターユニットに直接ケーブルが接続される機種)で説明しています。

新型のMTS-3はディスプレイが標準装備されるので単体での自動導入が可能です。
(別途キーコード料金(100EUR予価)が必要です)
先日から紹介しているスタンドアローンガイダーのM-GENと組み合わせると
パソコン不要の移動撮影環境ができるのでお薦めです。


現在,年内対応でご予約のお客様へは具体的な改造時期の案内を行っています。
既に現行のMTS-3は30台ほど確保していますが
新型への移行をご希望の方は案内時にお申しつけください。

現時点では新型の発売時期や価格は未定ですが対処いたします。
(現行のMTS-3に外付けのディスプレイをつけた場合と同等になる模様で
改造費用も含めた一式価格では15,000円ほど高くなる予定です)


なお,現在新型でご予約の方と今後の受注分は全て新型対応になります。
今回のご案内で現行品に余剰が出た場合に限り
新型予約の方も現行品での対応できますがその場合は別途ご案内いたします。


一言で言えば,上図のように赤道儀にパネルがあるEM-200などで
パソコンを使って自動導入される場合は,現行品がケーブル引き回しの
観点上有利です。
鏡筒の東西入れ替えに伴う切り替えも側面のスイッチで簡単に行えます。


以下に詳しい説明をアップしていますのでご参照ください。

「MTS-3_EM200.pdf」をダウンロード

「mts3_njp.pdf」をダウンロード

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2015年4月17日 (金)

M-GENスーパーガイダーの紹介

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度々紹介していたデザガイドができる高感度スタンドアローンガイダーは
発表前だったので商品名などの公開は控えていましたが
このたび「M-GENスーパーガイダー」として協栄産業から発表されました。
(M-GENスーパーガイダーはハンガリー製で協栄産業取扱い商品です)


2015年早々からマウント部やUSBからの電源供給などのテストに着手し
2月のオーストラリア出張で実機テスト(主に高温下でのデザ効果の確認)を
行なっています。


ここでは詳しい説明は割愛いたしますが
写真の構成は50mmのレンズをつけたM-GENスーパーガイダーです。
M-GENは0.01Pixelの検出精度があるので50mmのガイド鏡でも
1,000mm強をガイドできる性能を有しています。(メーカー発表値)
ブログで紹介したデザの効果写真は135mmでしたが完全な点像です。

一度ピントを合わせれば,次回からはM-GENがガイド星を自動認識するので
構図を決めてから2~3分もあればガイド撮影(デザガイドの場合も)できます。

ビニングや検出感度(Pixel単位)の設定など,多彩なチューニングも行えるので
ポータブル赤道儀に限らずオフアキを含む直焦点撮影でも威力を発揮します。


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M-GENはデザガイド対応なので
カメラコントロール機能を有し露出とデザを全て自動で行ってくれます。

左にぶら下げたコントローラーは,バルブスイッチ付のカメラケーブルで
(当面はEOS用2タイプとNIKON 10PIN用のみ)
構図取りの際にカメラの近くでシャッターが切れて便利です。
暗闇で見えるようLEDランプも装着しました。


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オートガイドはパソコンを使えば確かに便利ですが
デジタルカメラでの撮影の場合できるだけシンプルなシステムを望まれるようです。
写真では解りませんが,M-GENは裏面にモバイル電池を貼り付けていますが
それで2~3晩ほどガイドできます。

デジタルカメラのカラーノイズ低減にも役立つM-GENの発売で
最初の写真のようにダウンサイジングを極めた
2軸ガイドシステムへのご要望は益々高くなると感じています。

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2015年4月12日 (日)

モーター駆動回路の赤緯面配置

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赤緯プレートにモーター駆動回路などを集約するアイデアは
以前のスカイキャンサー2軸化のご案内時に説明していますが
回路を組み込むプレートの仕様を見直しました。
方針が決まらずご対応が遅れてしまいましたが
現在,改造をご予約いただいている方へのご確認として記載しています。

当初はEOS6Dなどのデジタル一眼レフカメラと
写真のQHY5LⅡMを使った小型ガイドセットとの並列同架で進めていましたが
サイズの大きいスタンドアローンガイダーの使用も考慮し
互いが干渉しないようプレートサイズの大きさを変更しました。

それに伴い,プレートの取付方法や赤緯モーターの配置も見直しています。

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以前もご説明しましたが,ここに回路を配置するとケーブルの引き回しを
最小限に抑えられます。ガイドケーブルに至っては10cmほどですみます。
基本的には赤緯体に駆動回路を内蔵したEM-200などと同じですが
極軸望遠鏡の照明回路も含め全て集約できるので理想的でしょう。

一枚目の写真のようにウエイトシャフトにモバイルバッテリーをつければ
引き回すケーブルはガイド用のUSBケーブルだけです。
(写真のモバイル電池(3,000mAh,at3.7V)でも7時間ほど2軸ガイドできます)

一枚目の写真は60Daに比較的重たいレンズ(SIGMA18-35mm F1.8)を
つけていますが1kgのウエイトで充分です。
この状態(赤道儀,三脚,ウエイト,それにカメラなど全部)でも8kgなので
これなら組み立てたままで,絵になる前景のポイントまで移動できますね。

スタンドアローンのオートガイダーなら固定撮影感覚で移動できそうです。
(スタンドアローンの場合はカメラ専用ケーブルとガイドケーブルが必要です。
引き回しは逆に増えてしまいますがそれでも2本ですみます)


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アングルファインダーについて

先日紹介した,P-2やH-40赤道儀で使えるアングルファインダーに関する
お問合せをいただきましたので少し補足いたします。


まずCANON製は,「Canon ANGLE FINDER B」と言う商品です。
古いものですがあまり使われないためか程度の良いものが多く
ネットオークションの相場は3~5,000円ほどです。

ファインダーへ取りつける部分と本体が分離するので脱着も容易です。
極望のキャップへの取付も穴加工だけなので大変簡単で
ポータブル赤道儀につければこれだけで簡易極望になりそうです。
素通し穴に比べれば遙かに実用的でしょう。


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一方オリンパス用は倍率切り替え部を切断加工後,旋盤加工して平面を作り
そこにM1.7~M2のタップ加工が必要です。(右の写真の状態)
キャップ側の加工も複雑なので,旋盤がないと難しいでしょう。
視野が明るく,1.25倍の倍率があるので広視野の接眼レンズで見ている感じです。


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なお,ご支給品に加工するのは(Canonはファインダー自体は無改造です)
上記の2機種のみで取付るのはタカハシのキャップのみになります。

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2015年4月 9日 (木)

極望用アングルファインダー

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ポータブル赤道儀の場合は,極軸望遠鏡の位置が低いので覗きにくく
特にP-2赤道儀のようにアイポイントが短い機種では首が痛くなりますね。
視度調整もできないので,メガネをかけて覗くのでレンズに傷をつけそうです。


対策としてアングルファインダーをつけていることはここで紹介しましたが
2月にオーストラリアに同行した知人の依頼もあったのでまとめて製作しています。

カメラ用のアングルファインダー(程度の良い中古品)は多めに入手したため
現在P-2の2軸モーター改造をご予約いただいている方へご提供できます。
キャップに加工するため,改造時の取付になりますがご希望の方はご連絡ください。
北天では不要と思いますが,暗い星の配列で確認する南天では大変便利です。


P-2用は写真左側のオリンパス製がお薦めですが鏡像になります。
個人的には鏡像でもかまいませんが
正立像をご希望でしたら右のキャノン製がいいでしょう。
ただ,P-2にキャノン製をつけた場合,視野の周辺が少し蹴られてしまうので
視野が広くて倍率の高いオリンパスと比べると見劣りします。
視度調整幅もオリンパスが広く大変明瞭な見え味です。


それから,これらのアングルファインダーはH-40にも適合します。
H-40では正立像のキャノン製でも全視野明瞭に見えるのでお薦めです。
現在フルカスタマイズを実施中の方はご希望でしたら申し付けください。
P-2用同様にこれも十分な数量を確保しております。

オリンパス製は中古市場が高い上に改造が難しいので15,000円で
改造が容易なキャノン製は8,000円です。

オリンパス製は極望のキャップに固定されますが,キヤノン製は取り外しできます。
何れも適当なトルクで回転できます。

今回のご案内は準備したアングルファインダーの数量制限から
赤道儀の改造をお請けする(またはお請けしている)お客様を対象としていますが
アングルファインダーと極望のキャップをご支給いただければ改造します。
改造費用は,オリンパス製で8,000円,キャノン製で4,000円で
改造できるのは実績のある写真のもののみです。
管理の都合上,ご支給での改造は4月末日で終了させていただきます。

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2015年4月 5日 (日)

MTS-3の入荷状況

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EM-200やNJP赤道儀などの自動導入改造用MTS-3SDI+ が入荷しました。
今回入荷したのはご予約分の半数ですが残りも近々入荷する予定です。

この30台(全てご予約品)で現行バージョンは終了し
以後はディスプレィを標準装備した新型に切り替わります。
以前のメーカーアナウンスではこの春には完成との事でしたが
かなり遅れている模様です。

新型の出荷開始時期は未定ですが
現行品でご予約中の方はご希望でしたら新型への変更も承ります。

新型は,パネル面にガイド用とRS232Cのコネクターが装備されるため
モーターやオートガイダー,パソコンとは個別のケーブルで接続します。
コネクターは電源と両軸モーター用,ガイド用,PC接続用の3個です。

汎用性は高くなり,モーターへの配線が個別となるNJPなどでは
便利ですが,赤道儀側にサブパネルをつけるEM-200などでは
現状の全ての信号を一括したケーブ1本での接続がスマートです。
コントローラーと赤道儀の接続は1つのコネクターですむので
パソコンからの制御が前提なら,EM-200などでは現行品を推奨いたします。


今回の入荷が予定より2月ほど遅れてしまったので
全体スケジュールに影響してしまいます。
ご予約中の方へは今月中を目処にスケジュールをご確認しますので
よろしくお願いしたします。


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昨年12月にご案内したAP赤道儀の自動導入化は手動モジュールを採用する事にしました。
まだモーターがついていませんが,両軸ともに高級なハイブリッドモーター駆動です。

新型MTS-3のデビューと同時期の完成を予定していますので
ご予約中のお客様は今暫くお時間いただけると幸いです。
PTP-C2三脚まで全て含めた仕様の場合,265,000円ほどを予定しています。

重さは写真のカーボン三脚や1kgのウエイトやシャフトも含めた状態で6kgほどです。
ウエイトの追加は必要ですが5~6kgほど搭載できます。


明日4月6日~7日までは出張のため受注及び出荷業務ができません。
8日以降となりますがよろしくお願いいたします。


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2015年4月 3日 (金)

スーパーキャパシターで暗視野照明

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先日のタイマーコントローラーに引き続き,LEDで色々遊んでいますが
極軸望遠鏡の暗視野照明について試してみたので紹介します。


明視野照明の場合は,僅かな明るさで充分なので
リチウム電池と高輝度LEDを組み合わせれば
実用上連続点灯が可能になることはこのブログで紹介しています。
(販売は全て終了しています)→AP赤道儀用は1,620円で販売中

連続点灯の発想は照明の消し忘れで,いざというときに困らないためですが
さすがに暗視野の場合,レチクルに刻まれたパターンを照らす必要があるので
10年オーダーの連続点灯は無理です。

そこで,必要時だけ点灯させ,消し忘れの心配がない照明装置を作ってみました。

ボタンスイッチを2~3秒ほど押して,スーパーキャパシターに充電し
そのエネルギーでLEDを点灯させるものです。

実験では10年ほど前に買った0.1Fのスーパーキャパシターを使いましたが
ボタンを2~3秒押せば,LEDは10分以上点灯するので実用上全く問題ありません。
ボタンを押していない時は電池を全く消費しないので
事実上電池交換が不要な照明装置です。

写真はスーパーキャパシターの充電効果がわかるよう
電池を外していますがこの状態で10分以上点灯します。

充電は電流を制限するために抵抗(実験で560Ω)を通しています。
スーパーキャパシターのC分と積分回路を形成するので
押しボタンスイッチを短めに押せばLEDは暗く,長めに押せば明るくなり
その状態を10分ほど保持します。
ボリュームで明るさを調整するよりずっと実用的と感じました。

私が電気に興味を持った頃は電解コンデンサーでも100μF台の容量でした。
コンデンサーの容量はピコファラッドかマイクロファラッドでしたが
スーパーキャパシターの登場でファラッド単位が使われるようになっており
最近では1,000Fとかのスーパーキャパシターも登場しています。

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2015年4月 1日 (水)

L型ブラケットとスライドレールのお薦め

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最近紹介するポータブル赤道儀の写真では
カメラにL型ブラケットをつけスライドレール経由で赤道儀に搭載しています。
何れもアルカスイス規格なので,様々な組み合わせができて大変便利です。

専用のL型ブラケットは高価ですが,カメラボディに密着するので
写真のような縦構図の場合でも極めて安定しています。
これと前後のバランスが取れるスライドレールを併用すれば
レンズの重さに伴うバランス崩れを調整できるのでガイドエラーを防げます。

先日デザガイドで紹介した写真もこの方法でカメラを固定しましたが
500%拡大でも星像は丸く写っています。(赤道儀は2軸駆動改造した90Sです)


写真のように赤緯軸を持った赤道儀(ちょっと変な言い回しですが)なら
紹介する方法でカメラを固定すれば
全てのクランプを緩めても動かない,完全な釣り合い状態が保てます。

度々書いていますが,ガイドエラーの防止にはこの釣り合いが最重要でしょう。

ただ,写真のApo Sonnar135mmF2は,バランスが取れない赤道儀や
冷却CCDカメラにつけて撮影する際には専用のバンドがあれば便利です。
小型のミラーレスカメラにつけて撮影する場合には必須かも知れません。

現在,追加でご予約いただいた分を製作中ですが,少し余裕があるので
ご希望の方はご予約お願いします。5月中旬完成予定です。

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