M-GENのデザガイド(RD)の動作について
本日3件目の記事になりますが
M-GENのデザガイドについて実際の動作状況など紹介いたします。
雨の休日だったので,集中して記事をアップしました。
(M-GENではデザガイドをRandomDisplacement :RDと呼ぶので以後RDと記します)
上はキャリブレーション終了時の表示で
RAとDECの駆動方向のベクトルと移動量を数値で表しています。
この場合,RAとDECの直交度は完全で,両軸とも1秒で0.8Pixelほど駆動しています。
また,M-GENのチップはRAとDEC軸に対して縦横が平行に搭載されています。
(この赤道儀のガイド修正速度は恒星時に対して±100%です)
RDは撮影側のカメラで,数Pixelずつほど視野をずらすのが効果的なので
仮にM-GENにつけたガイド鏡が100mmで,撮影側の焦点距離が500mmの場合
RDの設定を2Pixelにすれば,撮影側は10Pixelほどずらせます。
この赤道儀の例では,約1秒で0.8Pixel駆動するのでRDに要す時間は3秒ほどです。
以下はオーストラリアでRD撮影したときのものですが(上とは別の赤道儀)
ガイド速度が遅い(±50%),ガイド鏡の焦点距離が短い(50mm)さらに
極近くの対象(大マゼラン雲方向)でテストしたので
4Pixelの設定に対し40秒ほど要しています。
ここにRDの動作状況(動画)をアップしています。
13秒ほど経過した時に,露出を終了し(緑のLEDが消灯)RDを開始します。
上(RA側)のガイドグラフは振り切れて,対応するRA側のLEDが連続点灯します。
音は小さいのですが,シャッター音も入っています。
画面の下に時折赤いLEDが点滅しているのはガイド信号です。
RD動作中もガイド星を追尾しているので
片側(この場合DEC)はガイドを継続しRDが終了すれば,瞬時にガイドに移行し
露出が再開される状況がご理解いただけると思います。
通常のRDは10秒以下で完了するので撮影スケジュールには殆ど影響しません。
撮影間隔が10秒の場合,その間でRDが終了します。
(上記例では撮影間隔よりRDに要す時間が長いので,RD待ちで撮影されますが
撮影間隔の10秒がタイムアップした時点で青のLEDが点灯して待機しています)
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