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2015年7月

2015年7月29日 (水)

35mm幅アリミゾ化のご提案

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ビクセンAPモジュールをベースにした,K-ASTECオリジナル仕様の
AP-GOTO赤道儀については,これまでに以下の項目について
紹介してきましたが今回は35mmアリミゾ化のご提案です。

・MTS-3を使ったハイブリッドステッピングモーター駆動
 (12V0.25A駆動,最大600倍速での自動導入,オプションでBluetooth接続可)
・ウエイトシャフト部へケーブル接続をまとめたインターフェースパネルの設置
・15mmシャフト仕様のステンレスウエイト化(1.1kg×2個付属)
・iPhoneのアプリで簡単にセッティングできる極望の採用(連続照明仕様)
・軽量カーボン三脚標準付属(2段仕様も選択可)


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以上に加え今回はアリガタに傷を付けない対策ですが
思い切ってアリガタの幅を35mmにすることで
赤道儀は改造せずにアリガタに傷を付けない押さえピースの取付と
上面からアリガタの落とし込みを両立させました。
 

ピース取付後(DS35化後)は35mm幅の専用アリガタのみの適合となるので
それがデメリットになる場合もあるでしょう。
DS35化はご提案なのでご希望の場合は純正のままでも出荷します。
(DS35仕様と純正仕様の価格は同じです)


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適合する35mmアリガタは,上面の幅が50mmなので鏡筒バンド(TB60~115)や
DS38などがそのまま取付可能です。

上の写真は望遠レンズでのガイド撮影を想定したDP35-220です。
純正仕様からアリガタの幅が8mm小さくなるので中心が4mmずれますが
写真のようにガイド鏡と並列同架する場合は影響ありません。
鏡筒を搭載する場合も僅か4mmなので無視できるレベルでしょう。


今後鏡筒バンドにマッチする,DP35-125などを順次商品化します。
なお,GP赤道儀などに真鍮ピース類を装着すればDP35に対応するので
お客様で装着できるDS35化キットの販売も予定しています。
 

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2015年7月27日 (月)

EM-100などの自動導入改造状況

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EM-100の改造については先月のブログで紹介していますが
今月予定の4台はほぼ完成し,昨日までに2台を出荷しました。


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先月も紹介しましたが改造前に赤径モーターが入っていたスペースに
インターフェースパネルを設置しています。
電源,パソコン,ガイドケーブルは全てこのパネルに接続するので
コントローラー(MTS-3本体)に接続するケーブルはメインケーブルだけです。


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6,7月は特に改造作業が集中していて
今月だけで紹介のEM-100の他に10台ほどを実施しています。
ただ,ほぼ全数が改造に併せてオーバーホールもご用命いただいており
中には極望のレチクル交換も含まれているので
計画時より大幅に作業量が増えています。
申し訳ありませんが,今月完成でご案内分の内2~3台は1週間ほど遅れそうです。
また個別にご連絡中ですが,全体的に1月ほどの遅れが生じております。

 
EM-100の自動導入改造はあと4台分の用品を確保していますが
既にご予約で終了しています。
その後のお問合せも多いので,今後のご要望件数によっては再生産
を計画いたします。

ただMTS-3が新型に切り替わるのでインターフェースパネル仕様を
継続できるかは不明です。
また現行の改造費用は一式で118,000円(O/Hを含む場合は136,000円)
ですが,新型のMTS-3に移行後は20,000円ほどアップする予定です。


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2015年7月26日 (日)

久しぶりの晴れ・・・諸々のテスト

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昨夜は久しぶりに晴れました。
ちゃんと晴れたのはブログの記事からみて2ヶ月ぶりほどでしょう。

新しいガイドカメラなど諸々のテストが溜まっているのですが
今夜は台風の影響もありまた雨のようです。
 

晴れ間を惜しみ,ガイドカメラのテストの合間をみて極望を交換した
PENTAX75赤道儀を実写で追尾テストしたので備忘禄も兼ねてアップします。

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プロミナー(350mmF4)をF8に絞り,ウォーム軸2周期分(約20分)にあたる
3分露出×7枚の連続で,天の赤道儀付近を撮影しています。
写真の上下が赤径方向です。
(星像の伸びた方向からPモーションの影響ではなさそうなので後日再度確認予定)

さすがに350mmでは半分ほど流れていますが2~3枚はほぼ完璧な追尾なので
以前紹介したH-40同様の精度でしょう。


ただ一番流れてる左下の写真でもWebにアップする程度に縮小(以下は25%)すれば
流れは殆ど目立ちません。

追尾精度が±10秒角を下回る赤道儀なら今回や何度も紹介しているH-40の例と
同じような実力と思います。
ノータッチガイド性能の高さを謳ったポータブル赤道儀のサンプル写真なら
ピクセル等倍も掲載すべきと感じています。


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2015年7月25日 (土)

PENTAX75赤道儀極望 改造方法

昨日紹介したPENTAX75赤道儀極望の入れ替えですが備忘禄も兼ねて
改造方法を紹介します。


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写真左から
・オリジナル状態(後述する理由で接眼部と対物側の筒は分離されています)
・換装するiOptron製の極軸望遠鏡
・オリジナルの接眼を旋盤加工し,切断したiOptron製の接眼部を取付
・切断されたiOptron製の対物側


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赤道儀に装着した状態では写真のような位置関係です。
換装後はレチクルの位置が10mmほど後退するので
その分対物レンズの入った筒をずらして焦点位置を変えます。

オリジナルとiOptron製の対物レンズの焦点距離が同じ(80mm)なので
スケールの時角表示に影響せず以下のアプリがそのまま使用できます。


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PENTAX製の赤道儀は今回紹介する75mm用に限らず接眼部(のレチクル)と
対物部は独立した光軸調整ができます。

極軸に対して接眼部(のレチクル)だけを回転して据え付ける方式なので必須です。
レチクルは接眼部の回転軸に,対物レンズは極軸の回転軸(=光軸)に
それぞれ独立して合わせる必要があるためです。
 

極軸望遠鏡そのものを極軸内で回転するマークXやケンコータイプは
対物側の光軸調整はできませんが
(ケンコー製は対物側を接眼部にネジ込む際に調整している模様です)
これは極望ネジ込み部の加工精度を見合う精度にしているためです。

従って,ケンコー製を変換アダプターなどで他機種に装着する場合は
アダプターの精度は角度の2~3分で作らないと据付精度に影響します。


これに対して今回換装するタイプは,極軸と極軸望遠鏡(のレチクル)の
位置関係が変わらないので,極軸を回転しながらレチクルを調整すれば
極軸に対してレチクルの光軸は完全に合わせ込め,大変高精度です。

対物レンズの光軸はあってないので,極軸を回転すると視野が移動しますが
レチクルのパターンも一緒に移動するので精度には影響しません。

因みに,タカハシ製の極望(P-2や90S,NJPなど)は対物レンズの光軸も
調整できる構造なので,極軸を回転しても視野は移動しません。

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2015年7月24日 (金)

PENTAX75赤道儀極望 再入れ替え

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以前紹介した個人用のPENTAX75赤道儀は,極軸望遠鏡も全て交換しましたが
その接眼部はケンコー製を採用していました。
ただケンコー式は先日も触れましたが空が明るいとこぐま座δ星がみえないので
個人的には使い難いと感じます。
そこでiPhoneのアプリでセッティングできる時角式にれ替えました。

AP赤道儀用として採用した方式ですが
日時や観測地の経度も考えなくていいのでこれが一番使い易いでしょう。


上の写真は個人用なので,南天でも使えるよう口径の大きな対物レンズに
交換しましたが,ハウジングをカットするなど大がかりな改造です。


極望を交換したい一番の理由は
オリジナルの接眼部が極めて覗き難いためなので,大がかりな改造をせずに
覗きやすい接眼部に換装できれば一般改造としてご提案できます。

色々模索した結果
オリジナルの対物レンズを接眼部にずらす方法で解決しています。
対物レンズはオリジナルのままで接眼部だけを時角式に交換しています。

偶然ですが改造前後の対物レンズの焦点距離は同じで指標はそのまま読めます。


この改造は対物レンズまで変える方法ほど難しくはありませんが
接眼部改造に加えオリジナルの対物レンズを移動する必要があります。
接眼部はiOptron製から切断して流用するので全体としてはかなりの費用です。

交換すれば大変使い易い赤道儀になるので現在フルカスタマイズを
ご注文いただいている方には個別にご案内いたします。
iOptron製の極望代金も含め,概ね20,000円ほどの改造費用になります。

写真左が交換後,右がオリジナルのままです。
(最初に紹介した対物レンズまで交換した方式とはアイピース部が異なります。
対物レンズの焦点距離に見合う接眼部を採用しました)


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2015年7月23日 (木)

TAMRON SP15-30mm専用バンドの価格について

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TAMRON SP15-30mm専用のレボルビング対応バンドについては
先日のブログで紹介しましたが価格が決定したのでご案内いたします。

・TAMRON SP15-30mm専用バンド(前後2個セット):15,660円(税込み)
・上記にアルカスイス規格プレート(DP38-110)も含めたセット:19,980円(税込み)

前後バンドの固定間隔は約76mmなので,UNC1/4ボルト2本で固定できれば
市販のアルカスイスプレートなどでご使用いただけます。
概ねの重心位置はマウント側のバンド付近になります。
従って写真のDP38-110のようにカメラ側に少しオフセットできる長さを推奨します。
(今回紹介する写真はマウント側のバンドをカメラ側に寄せています)


7月末までにご注文いただいた分は9月末の納品予定です。
その後は12月末まで引き続きご注文いただけますが
納期は2016.2月になります。現時点ではその後の生産予定はありません。


ご注文はHP上からメールでお願いいたします。
既にご予約のメールをいただいた方も含め
受注のご案内は8月5日頃にご連絡しますのでよろしくお願いいたします。

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2015年7月19日 (日)

VSD100用3点保持バンドの発売

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ビクセンVSD100専用のバンドセット(TB115N Set)を8月から発売します。
構成は鏡筒保持バンド×2,ドローチューブ保持リング,上下プレートで
セット価格は45,360円(税込み)です。

8月出荷数量は5Steですが,予想以上のご注文をいただき
残りは1Setになりました。次期ロットは10月頃の予定です。 2015.7.21追記
8月出荷分は完売いたしました。2015.7.22日追記

VSD100はヘリコイド式のピント調整機構ですが
そのロック機構はヘリコイドの回転を止めるだけで,ラックピニオン式のように
ドローチューブ自体を固定するものではありません。
ドローチューブの外側にヘリコイドリングがあるので物理的にムリですよね。

そのためにロックネジを締めてもドローチューブは僅かなガタが残ります。
また重たい冷却CCDカメラを搭載すると撓みが発生するので
ヘリコイドの回転が極端に重たくなってしまいます。
程度は小さいのですがEOS5DM2でもみられる現象です。
 

今回発売するバンドセットは写真のように
ドローチューブ部をリングで保持するので上記の不具合は完全に解消されます。
3点が同軸になる設計で,ドローチューブ部のサポートはテフロンシートで
摺動を滑らかにしています。また,リニアスライダー等でフィルターホイールなどを
保持できるようネジも加工しています。
 
これらは以前紹介したタカハシのFCT-76での経験を元に商品化しました。
 


紹介するバンドとは関係ありませんが,VSD100はカメラメーカーの設計なので
カメラレンズに近い光路設計(マウント部の光束が細くなる)と聞いています。
マウント径が小さいニコンのカメラでも回折による星像への影響はないでしょう。

一方,望遠鏡メーカー設計の場合はマウント部の光束が太いようで
マウントの小さいニコンのカメラでは周辺像が悪化することもあるようです。
ケラレによって周辺部が減光するだけなら補正もできますが
回折で星像が悪化する場合はトリミングする以外どうしようもないでしょう。

知り合いの話しでは,ニコンのD810Aは圧倒的な性能とのことです。
ニコンのフルサイズボディでも回折がおきないVSD100は見直されそうですね。


なお今回のセット品はバンド高を変更したので
従来のTB-115との互換性はありません。
今回のバンドセットは専用の電動フォーカサーを準備していますので
これについては後日紹介いたします。


早速フォーカサーについてのご質問がありましたので写真を追加しました。
詳細は後日改めて紹介しますが,価格はフォーカスコントローラー込みで40,000円
コントローラーなしで25,000円ほどです。(フォーカスコントローラーは共用可)
製品には共通コネクターを配置したベルトカバーがつきます。

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2015年7月17日 (金)

AP赤道儀の極軸望遠鏡について

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ビクセンAP赤道儀用の極軸望遠鏡については
先のブログで照明装置を紹介しましたが本日は本体についてです。

採用する極軸望遠鏡は何度か紹介したiOptron製ですが
ただ極軸にねじ込むだけでは
レチクルのパターンは以下のように真っ直ぐにはならないので
ネジ込み後の回転角度を調整できる構造にしています。

後述する再現性のある極軸の回転角度で
下のように時計の文字盤と同じ位置に調整しておけば
iPhoneのアプリが表示する位置に北極星を導入するだけです。
以下は’Poler Scope Align’の表示ですが紹介する極望そのものです。

撮影中は北極星の位置は変わりますが40分の円上に乗っていれば
撮影中のズレはないと判断して良いでしょう。

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再現性のある極軸の回転角度ですが
簡単な方法は極軸の固定部と回転部に以下のような指標を貼るだけです。
位置はどこでも良いのですが通常はバランスウエイトが真下になる位置が
良いでしょう。この方法でも露出時間が短いデジタルカメラでの撮影なら
300mm程度でも問題ありません。
(三脚の水準を取れば以下と同じ精度になります)

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冷却CCDで長時間露出される場合は,据付精度を上げるために水準器の
併用をお薦めします。EM-11などと同じですね。
これもどこでも良いのですが赤緯モーターハウジングに付けてみました。
大事なことは,これらを合わせた(水平にした)状態で
レチクルのパターンが真っ直ぐになるよう,鉄塔などで合わせるだけです。

記事の内容に間違いがあったので抹消しました。

 

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以前の記事でコストダウン目的と紹介しましたが使い易さも求めています。
GP式の極望は月日と時刻を合わせる必要がある上に
季節によっては鏡筒が真下になってしまいます。
時刻を確認する手間とiPhoneのアプリで北極星の位置を確認するのは
同じようなものなのでGP式よりずっと使い易いと思います。


またケンコー式は時角をこぐま座のδ星(δUMi)で合わせますが
こぐま座のδ星は暗いので少し明るい空では見にくいようです。

好みの問題ですが,P-2,NJP,EM-11など
タカハシの極望に馴染まれている方にはiOptron製が喜ばれるでしょう。

なお,来月発売予定のポラリエ用も同じ原理になります。

 
極望の時角調整について紹介しましたが
お客様で赤道儀に装着後は光軸の調整も必要です。
極軸を回転しながら行いますが方法は取説に詳しく説明しています。

 


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MTS-3とステラショットのリンクについて

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天体望遠鏡とデジタルカメラを統合制御できるステラショットが発売されました。
ライブビューでのピント合わせや自動でのモザイク撮影もできるので便利でしょう。

MTS-3はLX200コマンドに準拠しているので,ステラナビゲーターやThySkyでは
LX200を選択して接続していましたが
発売時点のステラショットは望遠鏡の選択メニューにLX200がありません。

LX200コマンドは望遠鏡制御の標準的な位置づけなので近々追加されると
思いますが,それまではメニューにあるLX200GPSを選択してください。
(接続完了まで数十秒要すこともあります)
因みにミードはLX***全てで,またビクセンスカイセンサー2000でも繋がります。


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ステラショットを使えばカメラレンズを搭載たAP-GOTO赤道儀を
離れた場所からリモート撮影ができるので便利でしょう。
ボタン類が大きいのでタブレットでの操作性もよさそうです。
 

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2015年7月16日 (木)

SP15-30mmF2.8用バンド ご予約状況など

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先日ご紹介したTAMRON SP15-30mmF2.8用のバンドは
既に10件ほどのご予約をいただきました。ありがとうございます。
 

このバンドはレボルビングを主目的として企画しましたが
今回ご予約いただいた方がこのレンズで実際に撮影された感想では
たとえ固定専用でも欲しいとのことでした。
レンズが重たいのでカメラボディを固定するだけでは不安とのことです。
全長が長いうえ前玉が異様に大きいのも影響しているかも知れません。

その方はNIKONの14-24mm f/2.8も所有されていますが
D810Aに装着して撮り比べるとTAMRON SP15-30mmF2.8の方が
ずっとシャープに感じられるそうです。
超広角~広角レンズはこれ一本あれば事足りるようです。

私は2月オーストリア遠征のためにEF16-35mmF4を入手しましたが
周辺像はあまり良くないイメージでした。
近いうちにSP15-30mmF2.8と撮り比べてみるつもりです。


価格や構成については20日の週になりますが改めてご案内いたします。


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2015年7月14日 (火)

TAMRON SP15-30mm専用バンドの予約販売について

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TAMRON SP15-30mmF2.8用のバンドについては
先日のブログで触れましたが以下の期間限定で予約販売を行います。

予約販売の受付期間は本年末までで,以下の2回に分けて受注します。
①7月末日までにご予約いただいた分は9月末のお届け
②その後12月末日までのご予約分は2016.2月のお届け予定
申し訳ありませんが諸般の事情で2回目の生産は取り止めました。2015.10.1追記
 

先に限定生産したApo Sonnar T*2/135用の固定バンドは(販売は終了しています)
予定の初回終了後もご要望が多かったので,半年後に再製作しました。
その経験からお急ぎでない方のために2度にわたって受注しますが
8月以降のご予約分はお届けまで半年も要します。ご理解いただけると幸いです。

価格などの詳細は後日改めて紹介しますが以限定製作した
Carl Zeiss Apo Sonnar T*2/135用の固定バンドのAタイプほどになる予定です。

 
 
このバンドはレボルビングを前提としているので,クランプを緩めた時に
抜け落ちないようフード側のバンドは段付になっています。
フードの細くなった部分がこの段差部で止まるので
上を向けた状態では抜ける事はありません。

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本来は一般的な望遠レンズの台座のように
マウント付近の鏡胴を回転できるバンドで固定すれば格好良いのですが
強度の問題と距離目盛りを塞いでしまうために前後2ヶ所固定にしています。
マウント側は差し込むだけですが完全にホールドします。
因みにバンドの肉厚は僅か3mmで,前後合わせた重さは75gです。

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前回の記事でも書きましたが,このレンズの重さは1kg以上もあるので
極軸のみのポータブル赤道儀と自由雲台の組み合わせでは大変でしょう。
写真のように赤緯軸を有した赤道儀に
今回紹介するバンドやRR-110を組み合わせた運用なら
構図決めの手間や写した写真の歩留まりで大きな差がつくと思います。


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2015年7月11日 (土)

2016インドネシア日食について-3 軽量三脚

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皆既日食の撮影ではできれば400mmほどの望遠鏡(または望遠レンズ)が
欲しいところですが,そうなると赤道儀や三脚も含めるとそれなりの重量になります。

皆既日食の観測はほとんどが海外遠征になりますが
遠征先によっては移動も多くなるので重たい機材は大変な負担です。

また赤道儀や三脚を衣類などと一緒にスーツケース入れる事も重要で
これと機内持ち込みのカメラバックと合わせて2個にすべきでしょう。

そうなると一般的な望遠鏡用の三脚は難しくなるため
仕方なくカメラ用の三脚に重たい機材を搭載する方も多いようです。
大変不安定で震動も多いのでリスクの大きい機材と言えるでしょう。
 

前置きが長くなりましたが,現在販売中のPTP-C2三脚(写真右)は
天体望遠鏡(赤道儀)を搭載することを前提に特注したものです。

重さと強度を極限まで追求した無伸縮の1段仕様ですが
スーツケースによっては入らないため伸縮仕様のご要望も寄せられています。

そこで来年のインドネシア日食と2017年の北米日食をターゲットにして
2段伸縮式のカーボン三脚を準備しています。

この秋の販売開始予定ですのでご期待ください。
基本仕様はPTP-C2と同じですが,収納長を600mm以下にするので
その気になれば機内持ち込みも可能な長さです。

写真(左)は評価用サンプルなので1段当たりの長さはPTP-C2と同じですが
商品は,収納長:570mm,最大伸縮時の地上高:900mm,重さ:2,000g程度です。
赤道儀の接続部はPTP-C2と同じで,価格は57,000円(税込み)程度の予定です
64,800円に改訂しました。2015.11.29日追記


以下は評価用の三脚にiEQ30Pro赤道儀とVSD100を搭載した状態です。
この程度の搭載なら実用上問題のない強度です。

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2015年7月10日 (金)

2016インドネシア日食について-2 経緯台の応用

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引き続きインドネシア日食関連ですが今日は経緯台について。

昨日の記事では極軸を水平にした赤道儀の写真を紹介していますが
この状態は経緯台と同じですよね。
通常の経緯台とは,水平と高度軸が入れ替わっているだけで動きは同じです。
 

経緯台の高度軸を極軸相当にして電動化すれば追尾できますが
今日紹介するようなゴニオステージを流用しても面白いでしょう。

ジンバル雲台と三脚の間に電動化したゴニオステージを挟むだけなので
シンプルで大変安定していますし,何と言ってもバランスウエイトが不要です。
(写真はモーターを外しています)

これで300~400mm程度の望遠レンズなら安定した撮影ができるでしょう。
ゴニオステージは高価なので商品化はムリですが
AP赤道儀のモジュールを使えば同様の経緯台ができるかもしれません。

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2015年7月 9日 (木)

2016インドネシア日食について-1 SP赤道儀

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2016年3月9日の皆既日食まで8ヶ月となりましたが
何回かに分けてこの日食の観測機材について紹介いたします。

今回の日食帯は,スマトラ島付近から始まり,太平洋上を通りますが
陸地ではインドネシアなどの低緯度地域に限られます。
多くのツアーは赤道直下の観測地になっている模様です。

赤道直下で赤道儀を使う場合は写真のように極軸を水平にしますが
極軸が水平にならない機種も多いので注意が必要です。

今回インドネシア日食用として紹介するのはビクセンSP赤道儀で
この赤道儀は軽いので海外遠征用として常用される方も多いようです。
極軸を水平にすると不安定になる機種もありますが
SP赤道儀は安定感があります。

赤道直下では極望は意味がないので取り外して自由雲台などをつければ
広角レンズをつけたカメラを同架でき便利です。
シャッターショックが伝わっても良ければビデオカメラの搭載も面白いでしょう。


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ただSP赤道儀の場合,GP赤道儀のガイドパック用プレート的な商品が
ないので,GP用を取りつけるアダプタープレートを製作しました。

適当なパノラマヘッドをつければ軽量且つシンプルで実用的なシステムです。
緊張する日食撮影では両方のクランプを緩めてもそのまま止まっていないと
予期せぬミスを起こします。
ポータブル赤道儀と自由雲台の組み合わせは避けた方が無難でしょう。


ウエイトは ここで紹介したもの をセットしています。
(写真の状態ではウエイトは不足しています。ペットボトル等を補助に使い
ステンレスウエイトは微調整用として最小限を持参をお薦めします)


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このSP赤道儀にガイドパックプレートをつけるアダプター(SP-GPAD)は
20枚ほど作りました。売り切れる事はないと思いますが今回だけの製作です。
価格は送料込みで3,240円です。

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2015年7月 7日 (火)

マークX用の照明装置

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AP赤道儀用に製作した極軸望遠鏡の明視野照明装置(連続点灯式)を
マークX用として専用のリングにつけてみました。
リングは以前販売していたマークX用AMD-1の部品ですが
それにプリント基板を固定しただけです。
格好は良くありませんが極軸にねじ込めるので実用には充分で
ペンライトなどで照らすよりずっと便利です。


プリント基板はリングにビス止めして出荷するので
ネジ込み位置の個体差で斜めに固定されてしまいます。
お客様ご自身で取付けられれば締め付けた状態で真っ直ぐにすることもできるので
固定無しでも出荷いたします。(M2.6のタップを2箇所加工する必要があります)
なお赤緯体をつける場合,クランプと干渉する場合もあるのでご注意ください。

価格は3,240円で別途送料として540円必要です。
在庫を流用したものなので10台ほどしかご提供できません。


なお,昨日アップしたFSQ85/106ED用フォーカサーは完売しました。
ε-130Dなどで使える汎用フォーカサー1台のみとなっております。

フォーカサーは全て完売しました。ありがとうございました。2015.7.8追記

FSQ85/106ED用は一晩の内に予定数量(5台)を上回るご予約をいただきました。
今回お求めになれない方のために,10月頃再頒布を計画いたします。
なお,ε-130D用は昨日ご案内のとおり追加製作の予定はありません。

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2015年7月 6日 (月)

FSQ85/106ED用フォーカーなどについて

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何れのフォーカサーも完売しました。
たくさんのご注文ありがとうございました。2015.7.8修正


限定品として頒布していますFSQ85/106ED用フォーカサーについては,時折
在庫のお尋ねをいただきますが現在5台分の用品を確保しています。
また,ε-130Dなどで使える汎用品も1台分ございます。


何れもご注文後1ヶ月ほどの納期でご提供できますが,今回分が完売後は
暫く再頒布の予定はありませんのでよろしくお願いいたします。
(汎用フォーカサーは今回分をもって終了の予定です)

写真手前はハーモニックドライブを装着したステッピングモーターです。
これはVSD-100専用のバックラッシュゼロフォーカサー用に製作した特注品です。
これについては専用の鏡筒バンドなども含め準備中で後日紹介いたします。


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2015年7月 5日 (日)

自動導入仕様AP赤道儀の発売時期について

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自動導入仕様のAP赤道儀(AP-GOTO)については度々紹介していますが
発売時期は新型に移行するMTS-3の供給に委ねられていました。

本来なら既に新型に移行している時期ですがメーカー開発が遅れているため
急遽,現行機種を追加で供給していただくことになりました。

昨年からAP-GOTOをご予約いただいているお客様へは個別にご案内しますが
現行MTS-3仕様のAP-GOTO 10台は,10月に出荷できる予定です。
その後12月~来年1月頃に第2ロット(10台)を計画しています。 

現行のMTS-3を採用した場合は
写真のように赤道儀とコントローラーは一本のケーブルで接続します。
電源やガイド端子も含め赤道儀のインターフェースパネルに集約するので
ケーブルの取り回しがスマートです。
 

MTSの新旧とは関係ありませんが,AP赤道儀の赤緯体には3分割された
空間があります。中央には連続点灯の照明装置(AP-PFL)を
片側にはBluetoothモジュール(オプション)を組み込みます。
もう片側の側面には5V→12Vのステップアップ装置を組み込めば
モバイルバッテリーで駆動できるので便利でしょう。(計画中)

AP-GOTOの消費電流は12Vで250mAほどなので,10,000mAh(at3.7V)の
モバイルバッテリーで一晩(計算上は12時間)は駆動できます。


なお一連の記事では自動導入までは希望されないお客様のために
2軸ガイド仕様も商品化する計画と記していましたが
現行のMTS-3を採用する自動導入仕様との価格差が小さいため保留しています。
(自動導入仕様が一式で265,000円に対して2軸ガイド仕様は225,000円)

純正品で構成された2軸ガイド仕様が協栄産業オリジナルで商品化されましたが
たいへん安価なのでそちらをご推奨いたします。

また,自動導入仕様についてもSX2とSB10のセット(三脚付)より高くなっています。
敢えてAP赤道儀を自動導入化するのは三脚も含め軽量化(約5kg)を求めるためで
車で移動する場合など,そこまで重さに拘らなければSX2がお得でしょう。
 


現在,EM-200などを10月以降の改造をご予約いただいているお客様は
新型のMTS-3完成後でご案内しておりますが
10台ほどは現行品で改造を行えるようになりました。(10~12月の予定)
後日個別にご案内いたしますのでよろしくお願いいたします。

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2015年7月 4日 (土)

RR-110とL型ブラケットの接続アダプターについて

B15_07_041

以下に記載しております,LBプレートはEOS6DなどのCANON製ボディでは
TAMIRON SP15-30mmは不具合が確認されました。
(SUNWAYFOTO社製のDMP-100とkirkphoto社製ブラケットを併用時)

EOS6DなどでTAMIRON SP15-30mmを使用される場合は専用のLBプレートが
必要になります。2015.10.3追記


レボルビング装置(RR-110)とL型ブラケットを接続するプレート(LBプレート)
については以前の記事で紹介しましたが,その後写真のような鏡胴部が太い
レンズが発売されたためそれらへの対応のため設計が遅れておりました。

一部設計を変更し,鏡胴径が100mm近くもあるTAMIRON SP15-30mmでも
使用できます。発売は8月末の予定です。

写真は以前のままなので光軸と回転軸中心はあっていませんが
EOS5DM2ボディ(6Dでもズレは5mmほど)とSP15-30mmでほぼ合致します。

また,以下のようにL型ブラケットとRR-110につけたアルカスイスプレート
(PL85)は干渉しません。

B15_07_042

TAMIRON SP15-30mmは1kgもある重量級のレンズなので自由雲台での
運用は厳しいでしょう。構図取りのために回転が要求される超広角レンズでは
RR-110は必須なのかも知れませんね。

なお,TAMIRON SP15-30mmはマウント側も太いためRR-110標準状態では
Cプレートとレンズが干渉します。そのままではご使用いただけません。

またこのレンズは鏡胴が筒状なのでApo Sonnar T*2/135
同じバンド式のレボルビング装置も開発中です。これも8月発売予定です。

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2015年7月 3日 (金)

ポラリエ用極軸望遠鏡について-2

B15_07_025

先日紹介したポラリエ用極軸望遠鏡の照明装置を設計しています。
回路自体は,先に紹介した極めて簡単なものですが
点灯用のボタンスイッチや明るさ調整ボリュームの位置を試作機で確認します。


回路はAP-PFL同様にプリント基板を起こしますが基板そのものは200円程度です。
ただイニシャルコストが200枚分以上になるのでミスは許されません。
基板をアーム内に組み込んだ状態でリチウム電池の交換ができるかなどが
重要ですが,よくやらかすミスはボリュームの取付向きで
間違えると時計方向に回した時に暗くなってしまいます。

そういえば,GF50の基板作成時も照明ボリュームの方向を間違ってしまい
作り直しました。他は間違っていなかったので大変残念でした。

 
採用する暗視野照明の極軸望遠鏡は昨日紹介したiOptron社製です。
iEQ30などと同じなので同社の赤道儀や
同じ原理のP-2,EM-10(11)などをご使用の方には馴染みやすいでしょう。

AP赤道儀の記事ではコストダウンを強調しましたが
純正では赤道儀本体に対して極望の価格が割高なためです。

今回ポラリエ用としてはセッティングの容易さやサイズで選定しました。
以下はケンコーのスカイメモ用との比較ですがこんなにコンパクトです。
両者の価格は殆ど同じなのでコストダウンが目的ではありません。


B15_07_026

この暗視野照明装置内蔵の極軸望遠鏡はポラリエ以外でも使えます。
その場合接続ネジは不要なので,17,000円ほどの予定です。
8月末の発売予定です。


記事とは関係ありませんが,先に紹介したリーズナブルなモノクロガイドカメラ
(TOUPCAM GCMOS01200KPB)は現在動作を確認しています。
感度など基本的な確認は済んでいますが
ASCOM環境下でのPHD Guidhingなどとの相性を確認中です。
なかなか晴れず進んでいませんが,全ての確認がとれ次第発売予定です。

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2015年7月 2日 (木)

iEQ30Pro赤道儀-1

B15_07_02


iOptronの小型赤道儀iEQ30Proを発売元の協栄産業からお借りしています。
構造を理解したうえで調整のポイントなどを掴むのが目的ですが
この赤道儀の特徴や使う上での注意点
さらに実際にガイド撮影した結果などもリポートさせていただいています。

お借りして1月ほどになりますが天候が悪く追尾や実際のガイドテストは
まだすんでいません。そう長くないうちに梅雨明けするでしょう。
 

iEQ30のステッピングモーターはトルクが小さいので
軸回りのバランスを要求されますが
クランプフリー時の回転が滑らかなので調整は容易です。
少しの負荷がかかるだけでモーターは脱調しますが
鏡筒やケーブルが干渉したときの安全策と考えれば良いのかも知れません。


iEQ30Proは実運用では,10cm屈折が上限と思うのでビクセンのVSD100を
搭載してテストしてみましたが特に不具合はありませんでした。
(写真はウォームの状態などを確認するためカバーを外しています)


B15_06_053

B15_06_051

恒星時追尾時の消費電流も小さいので(実測で約300mA弱,at12V)
モバイルバッテリーでも駆動できます。
最近求められている軽量のGOTO赤道儀として最適かも知れませんね。


iEQ30Proは三脚やハードケース付で18万円(税別)と魅力的な価格です。
全品検査・調整後に出荷されるとの事です。

iOptronの赤道儀は天文ハウスTOMITAさんでも扱われるそうです。(2015.7.3追記)

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2015年7月 1日 (水)

大接近した金星と木星

B15_07_01

福岡は今朝まで豪雨でしたが,幸運にも午後から急速に回復し
0.4度まで大接近した金星と木星がみられました。

自宅屋上での撮影ですが,飛行機雲まで入って良いアクセントになりました。

東の空には大きな月が輝いていましたが
その月の視直径より接近した木星と金星です。
月も同じ条件で撮影しておけばよかったと少し後悔しています。


EOS60Da+SIGMA18-35mmF1.8→35mmF4.5で撮影

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