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2015年8月

2015年8月31日 (月)

ポラリエの極軸延長

B15_08_251


ポラリエにフルサイズのカメラを搭載する場合など,極軸が短いために
カメラを向ける方向によってはポラリエとカメラが干渉してしまいます。
そこで写真のように極軸を5cmほど延長してみましたが干渉は解消できました。

ただ,フルサイズのカメラボディ+重量級の高性能レンズは
自由雲台での運用には限界を感じるでしょう。
せっかく極軸を延長したのならスカイメモRなどと同じように赤緯軸をつけて
ドイツ式赤道儀で運用したほうがずっと便利でしょうね。
 


B15_08_31


容易に極軸延長ができるかポラリエのカバーを外してみましたが
スイッチと駆動モーターの干渉を防ぐためにウォーム軸を傾けたレイアウトです。
極軸(=ウォームホイル)は両端をボールベアリングで保持しているので
少々延長しても強度的な問題はなさそうです。
本題の極軸延長は至って簡単でした。

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2015年8月25日 (火)

スタンドアローンタイプの冷却CCDカメラ

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今日は台風15号が九州北部を直撃しましたが
幸いにも屋上のドームなどへの被害はありませんでした。
自宅では7時30分頃から20分間ほどは風がやみ,空も明るくなったので
中心付近が通過したようです。
台風の勢力の割にはそれほど強い風は吹かなかったようで助かりました。


台風も通り過ぎたので,午後から天文ハウストミタに行き
QHYCCDのスタンドアローン冷却CCDカメラを見てきました。

先日の胎内星祭りでご覧になった方も多いと思いますが
個人的にはAPS-HサイズのKAF16200を搭載したQHY_IC16200Aに興味があります。
KAF16200の詳細は不明ですが,フィルターホイル内蔵で
APSサイズ16Mピクセルのセンサーは使い易いでしょう。
明るいカメラレンズを装着しナローバンドで撮ってみたいです。

スタンドアローンなのでカメラ内にCPUを搭載していますが
MaxImDLなどをインストールできます。
PHDなどのオートガイドソフトやGOTOソフトもインストールできるので
冷却CCDカメラがパソコンそのものになります。
情報が間違っていましたので修正いたしました。2015.8.28追記

写真左はKAF16803奥はKAF8300を搭載したスタンドアローンタイプです。
年内発売予定との事ですが価格が気になるところです。

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2015年8月23日 (日)

カメラレンズ用MFAの再評価

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昨夜は少しだけ晴れたので,先日紹介したSIGMA180mmF2.8の試写も兼ね
MFAの再評価を行いました。

片持ちフォーク赤道儀は常時屋上に設置しているのでカメラを搭載するだけで
撮影できます。この程度の焦点距離なら
ガイドも要らないので載せてスイッチを入れれば即撮影でき大変便利です。

改めて実感しましたが,MFAはピントのピークが掴みやすいです。
このレンズの色収差は極めて小さいのですが
ピント位置の前後では明るい星にの周りに僅かに色がでます。
オレンジ→無色→緑色と変化するので無色位置で撮ってみました。

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D810A+SIGMA APO MACRO 180mm F2.8 EX DG OS HSM F2.8→3.5
ISO400で120秒露出,自作片持ちフォーク赤道儀で自動追尾撮影
中央付近の輝星はデネブで写真上が南です。

JPEGで撮ったままの写真はこちらにリンクしています。(7360X4912pixel,27Mb)
(サーバー容量の都合で後日,他の写真に入れ替える場合があります)

それにしても色収差もなく大変シャープな星像です。
撮影条件が異なりますが,Apo Sonnar T*2/135をF4まで絞った写真
(ボディはEOS60Da)と比べてみましたが(何れも撮ったままの状態)
中心部ではSIGMAの方がシャープに感じます。


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2015年8月22日 (土)

LBプレートの在庫について

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昨日紹介しましたRR-110用のLBプレートは
紹介直後から多くのご注文をいただき,残りは2枚のみになりました
完売しました。8/22追記
完売後は次のロットでのご対応となりますがよろしくお願いいたします。

なかにはお一人で2枚や3枚お求めいただきましたが
RR-110を複数台所有されているとのことです。

極軸,赤緯軸に加え,レボルビングによるカメラの回転軸は
全て釣り合う(バランスが取れる)ように調整できます。
これは構図決めには大変重要で
極軸のみのポータブル赤道儀と自由雲台では実現できません。
 
 
レボルビング装置関連は入荷後短時間で売り切れますが
その有効性を評価いただいた結果と思っております。
次のロットはできるだけ早く完成するよう努力いたします。

なお今回製作したLBプレートはニコンD810(A)で使用した場合に
レンズとRR-110の内径が最適になるよう設計しています。


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写真のRR-110は商品とは異なるクランプツマミをついていますが
オプション(540円)として販売しておりますのでお尋ねください。


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2015年8月21日 (金)

マイクロフォーカスアジャスター再開のご案内

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カメラレンズ用マイクロフォーカスアジャスターは
しばらくの間販売を休止しておりましたが9月から再開いたします。

MFA-Cはピントの微調整とロックを両立しますが
レンズの前方を軽く保持する効果も期待できる便利なアイテムです。
写真のSIGMA180mmF2.8などでは,レンズ台座のロックを緩めると
ヘリコイドリングとMFAの噛み合いを解除できます。

 

【高さ調整 標準付属品で2~32mmまで対応】
アルカスイス規格プレート(DP38-110)からレンズヘリコイドまでの高さは
付属するI型(平面形状)とZ型(Z型曲げ形状)プレートをベースとし
調整用スペーサーを併用します。
Z型は裏表を使えばプレート面に対して約2mm,12mm,22mmの
3段階調整が可能です。
10mm分の調整用スペーサー分を加えると2~最大32mmまで対応します。


【長さ調整 I型,Z型プレート長を40,60,80mmから選択】
DP38-110からレンズヘリコイドまでの長さは
DP38-110の長穴で45mmの調整代がありますが台座のないレンズでは
長いプレートが必要となるのでI型とZ型をセットにした3タイプを準備しました。
(I型とZ型は同一長さのセットのみとなります)


写真の180mmF2.8の例ではMFA-C40に6mmスペーサーを併用しています。


価格は以下のとおりです。
・MFA-C40(40mmのI型とZ型プレート付き):7,800円 
・MFA-C60(60mmのI型とZ型プレート付き):7,800円
・MFA-C80(80mmのI型とZ型プレート付き):7,800円
DP38-110付きは:11,800円

2015.10.1からのご注文分は構成と価格を改定させていただきます。
2015.9.4追記

申し訳ありませんが整理の都合上,ご注文は9月1日以降にお願いいたします。

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レボルビングLBプレート発売

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以前のブログで紹介していました,L型ブラケットを取りつけたカメラで
レボルビング装置が使えるアダプタープレート(LBプレート)を発売いたします。


RR-110を赤道儀に搭載する部分は,BENROのアルカスイスプレート(PL85)を
使用しますが写真のようにL型ブラケットと干渉しない設計です。


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SUNWAYFOTO社製のDMP-100と組み合わせてRR-110に取付ます。


できるだけ大口径のレンズでも使えるように先のブログで紹介した板状から
Z字状に形状を変更しました。
それに伴い,販売価格が先の記事から変わっています。
レボルビングLBプレートの価格は4,320円で現在即納品です。
(RR-110本体は在庫切れで,次のロット20台は10月上旬完成予定です)

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写真はkirkphoto社製ブラケットをつけた5DM2ボディにApo Sonnar 135mmF2を
装着した状態です。
135mmほどの焦点距離になると,縦横切り替えのみで
任意の位置に回転して撮影することはないかと思いますが
このような重たいこのレンズでも確実に保持や回転ができるので
常時レボルビング装置経由が効率的です。
撮影対象によりレンズだけ交換すればいいのでスピーディです。

なお,カメラボディや使用されるL型ブラケットによって
ご使用いただけるレンズの大きさが変わります。
写真はEOS5DM2に最大径が約85mmのApo Sonnar 135mmF2を装着した
状態ですが,これを参考に判断いただけると幸いです。

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2015年8月19日 (水)

H-40(スカイキャンサー)用XY50-35H再販について

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H-40赤道儀やスカイキャンサー用の極軸高度方位調整装置(XY50-35H)については
過去に60台(20台×3ロット)製作しましたが,専用の高度プレート底払いのため
販売を終了しておりました。

ただ,その後も再販のご要望が多いので専用プレートを製作しました。
今回製作分も20台ですが,ご予約分があるので通常販売数は10台ほどです。
価格は以前と同じ16,200円(税込)で1週間ほどの納期でお届けできます。

なお,11月頃になりますが,同機用AMD-1も10台ほど再販予定です。
カーボン三脚(11月からは2段伸縮式対応となります)も含めたフルカスタマイズ
もお請けいたしますのでこの機会にご検討いただけると幸いです。
XY50-35H,AMD-1共に今回のロットで終了予定です。

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2015年8月18日 (火)

AP-GOTO赤道儀ガイド撮影テスト

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昨夜は良く晴れたのでAP-GOTO赤道儀のガイド撮影を行いました。
APモジュールの構造上,大きな荷重をかけてもウォームの噛み合いには
殆ど影響しないのでVSD-100でも搭載できます。
AP-GOTO赤道儀はカメラレンズや8cmクラスの鏡筒まででの使用を
想定していますが,少しムリすればVSD100でも実用できそうです。


写真はバランスも取れて撮影できる状態ですが各部の重さは以下になります。

・搭載鏡筒:6.6kg(VSD100鏡筒,バンド,アリガタ,ガイドカメラ,撮影カメラを含む)
・赤道儀:4.2kg(ウエイトシャフトやPTP-C2用アタッチメント含む状態)
・バランスウエイト(3.5個):3.6kg
・三脚:1.6kg
総合計:16kg


はくちょう座サドル付近をガイド撮影した結果です。(クリックで拡大します)
JPEGで撮ったままの写真はこちらにリンクしています。(7360X4912pixel,27Mb)
(サーバー容量の都合で後日,他の写真に入れ替える場合があります)

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VSD100F3.8直焦点,D810A ISO400,180秒露出,QHY5LⅡM+75mmでガイド

ニコンマウントを所有していないので,以前PENTAX100EDHFで使っていた
MAMIYA645用カメラマウントを改造して撮影しましたが
実測で20μmほど傾いていた影響か左側の星像が少し歪です。
F3.8なので20μmでは影響しないと思うのですが追ってテストしてみます。
(手持ちのシムシートは一番薄くても30μmなので20μmは調整限界です。
VSD本体のスケアリング調整部は触っていません)

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2015年8月16日 (日)

TTP40-190リニューアル

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ビクセン純正“アタッチメントプレートWT”に適合するトッププレート(TTP40-190)は
2年ほど前から販売していますが,この2年間で搭載するガイドシステムの環境が
大きく変わったのでプレートの穴位置などを見直しました。

当初はペンシルボーグとStarlightXpress Lodestarを想定した設計ですが
新しいプレートは主流のKowa75mmや100mmCマウントレンズを想定しています。
また大変好評な天文用アルカスイス規格のクランプ(DS38)もフィットします。


写真奥はこのTTP40-190に,以前紹介したToupTek社製のガイドカメラと
Kowa75mmCマウントレンズ搭載した例ですが,この場合トッププレートも含め
一式で5万円ほどのご予算でオートガイドが行える時代になりました。

なお以前紹介したToupTek社製のガイドカメラはノイズ面で不満があったので
仕様を変更してもらいました。
改良タイプは以下のようにノイズの少ない滑らかな画像が得られます。

TTP40-190は以前と同じ3,240円(税込み)です。
改良されたガイドカメラの価格などについては近日中に紹介いたします。


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2015年8月14日 (金)

5V→12Vステップアップコンバーター

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写真はスタンドアローンガイダーのM-GENを,モバイルバッテリーで
使用できるようにした,5V→12V昇圧ケーブル(SU-512)ですが
M-GEN以外の製品への電源供給用としてもお求めいただいています。

M-GENをモバイルバッテリーで使えるように開発した製品なので
おきまりの“専用“と謳っていますが,電気に専用などないので
電圧や電流など電気の仕様が適合すれば他の電源としてもご使用いただけます。
専用と言うより,M-GENとは組み合わせて動作の確認が取れていることを
表記しているだけです。
従いまして仕様が満足する写真のスカイグラフなどは普通に使えます。

SU-512の最大負荷は,入力電流(この場合5Vでの)が1.4Aに制限されますが
効率を加味すれば12Vで0.4Aが最大になります。
負荷の特性にもよるので,余裕をみて12V,0.3Aが最大の目安でしょう。
(負荷が重過ぎる場合は加熱保護で出力が遮断されます)
 

例に上げたスカイグラフは12Vで0.1A強なので5V側は0.3Aほどです。
写真のモバイルバッテリーの容量は5,000mAh(at3.7V)なので
5Vでは3,700mAhとなり,0.3Aの負荷なら10時間以上連続駆動できます。
一晩の撮影なら,重たい鉛電池など持って行く必要はなくなりました。

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こちらはデジタルカメラ用に5Vを9Vに昇圧するSU-509です。
対応機種が多いので,カメラ用として製品化する予定はありませんが
9Vのご要望も多いのでSU-512同様ケーブル仕様での商品化を検討しています。


今回紹介したSU-512は協栄産業でご購入いただけます。


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2015年8月10日 (月)

AP-GOTO赤道儀のオーバーハング撮影について

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発売準備中のAP-GOTO赤道儀は,軽量化を追求した海外遠用赤道儀ですが
子午線を超えた撮影,いわゆるオーバーハング撮影についてご紹介いたします。

多くの場合,海外遠征は南天の天体狙いになると思いますが
南天で一番華やかなηカリーナや大マゼラン星雲などは
極に近いのでオーバーハング撮影が難しくなります。
北半球では極付近の対象を長時間撮影することはあまりないでしょうが
南天では極付近の撮影が殆どでしょう。


上の写真は天の赤道儀付近を撮影する状態です。
南天ではあまり撮らない方向ですが,北半球ではオリオン座付近で
これより低空ではカメラは赤道儀や三脚と干渉しないので
子午線越え撮影に制限なく継続してオーバーハング撮影が可能です。


B15_08_102

一方,鏡筒を天頂に向けた場合は,子午線越え後約2時間(30度)で
カメラが赤道儀や三脚にぶつかります。
カメラなどの形状にもよりますが,これより極付近に向けても大差ないので
ηカリーナなど南半球のめぼしい対象は北中後2時間ほど追えそうです。
(写真はわかりやすい北半球での状態を示しています)


滅多に行けない海外遠征では,できるだけ多くの対象を撮りたいので
子午線を挟んで撮影するケースも多くなります。
子午線越えの撮影継続時間は北半球以上に大事な要素かと思います。

小型赤道儀では,赤道儀に対する鏡筒(カメラ)の大きさから
子午線越え撮影は難しくなりますが,2時間継続できるのは便利でしょう。

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2015年8月 7日 (金)

ベランダの工事とニコンD810Aの試写

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久しぶりに観測所関連ですが,建設以来(まだ完成していませんが)
仮の手摺り状態だった二階ベランダの工事を行いました。
6月から3度ほど出かけポリカの屋根や手摺りを設置しました。

幸いにも夜も晴れたので,ニコンD810Aの試写を行いましたが
まずはできあがったばかりのベランダを意識して撮ってみました。
早いもので22時頃にはもう秋の星座が昇って来ます。

何れもD810AとSIGMA 50mm F1.4 DG HSMで撮影でクリックで拡大します。
(ISO3200,F2.8で30秒露出,改造したPENTAX75赤道儀で追尾撮影)

観測所の上に昇るカシオペア座を撮りましたが
レンズがシャープなのでカシオペア座がわかり難いですね。

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時折薄雲が通過する状態でしたが,はくちょう座のデネブ付近も撮ってみました。
撮影したままで処理は行っていません。
(D810A+SIGMA 50mm F1.4 DG HSM
ISO1600,F4で180秒露出,改造PENTAX75赤道儀で自動追尾撮影)

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JPEGで撮ったままの写真はこちらにリンクしています。(7360X4912pixel,27Mb)
(サーバー容量の都合で後日,他の写真に入れ替える場合があります)

1~2時間使った感想ですが,高温下(25度ほど)ながらノイズは大変少ないようです。
ライブビューでのピント合わせ時にはEOS60Daと変わりないほどの
ノイズを感じますが,出てきた画像は60Daより圧倒的に少ないノイズです。
カメラ内部でダークノイズ処理を行っているとしか考えられないノイズの少なさです。

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2015年8月 3日 (月)

ニコン フルサイズカメラでの直焦点撮影に思うこと

B15_08_033

話題のD810Aなど,ニコンのフルサイズボディを
天体望遠鏡につけての撮影(いわゆる直焦点撮影)を行う場合に
少しだけ気になる点があるので記事にしてみました。
 

ニコンが採用するFマウント(カメラボディ側)の口径は44mmですが
装着するレンズやマウントアダプターの有効径は41.5mmほどしかありません。

コーワ製のキャノン用とニコン用のマウントアダプター(TX07)を
並べてみましたが,左のキャノン用の48.5mmに対して
右のニコン用の有効径は41.5mmしかなく両者には大きな差があります。


フルサイズフォーマットは直径で約44mmなのでニコン用のカメラレンズは
それより小さいマウント部をくぐり抜けるよう設計されています。
30年ほど前に所有していたニコンの400mmF3.5のフィルター径は
39mmだったと記憶していますがもちろんケラレはありませんでした。

 
一方ニコンマウントがフルサイズのフォーマットより細いことを
設計に入れていない天体望遠鏡では
周辺像のケラレや回折現象による星像への悪影響がでる模様です。
望遠鏡によってはフルサイズの冷却CCDで撮影する際に
有効径46φのフィルターでさえケラレると耳にしたことがあります。
私の推測ですが,直径の大きな補正レンズで大きなイメージサークルを
確保した光学系ほど影響が出ているように感じています。
 
 
幸いにも私が所有するビクセンのVSD100F3.8は
開発にカメラメーカー(ペンタックス)が関わっているので
マウント部が細くなることは考慮されているでしょう。

以下に,実際にD810Aで試写した結果を紹介しますが
周辺のケラレやミラー切れも他の望遠鏡に比べれば小さいようです。
(JPEGで撮影したデーターを縦横1/8に縮小しただけです)


Vsd_1_125
 

ただニコンさんは天体専用のカメラというなら直焦撮影は考慮して欲しいです。
その昔?PENTAX67には「外爪マウント」があったように
Fマウントの開口径44mmをフルに活用できる外爪マウントなどそう難しくないと
思うのですが如何でしょう?
 

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ハーモニックドライブ赤道儀追尾テスト-1

B15_08_031

先月末に九州北部も梅雨明けしましたが,夕方までは快晴で
暗くなる頃は雲に覆われ,また朝になると快晴の繰り返しでした。

昨夜は珍しく雲が出なかったのでハーモニックドライブ赤道儀の
(以後HDEQ25と略,25はハーモニックドライブのクラスです)
追尾テストなどを行いました。鏡筒の横に写っているのは大きな月です。

HDEQ25のハーモニックドライブは100Nmほどの許容トルクがあります。
(私はSI単位になじめないのですがMKS単位では10kgfmですね)
ロボットの腕などに採用されますが,1mの腕で10kgを持ち上げる強度です。
なのでウエイトなしでテストしていますが写真の鏡筒など何の影響もありません。

 
本題の追尾テストですが,極軸が合っていないので
ガイドしていない前半は赤緯側のグラフはどんどんずれてゆきます。
ガイドした後半は両軸ともに概ね良好で,特に赤緯の引き戻しは機敏です。
極軸が合ってないのはガイドテストには厳しい環境なので評価できますが
後日,極望をつけて極軸が合った状態でのテストを行います。

B15_08_032

 
今回の評価テストは赤径側の追尾状況の確認ですが予想以上に良好です。
前回の初期テスト機では総合ギヤ比の関係で小刻みな振れがありましたが
評価機では総合ギヤ比を10倍ほどに増やしたので現象は現れていません。
概ね,ガイド無しで±10秒角以下,ガイドで2~3秒角をクリアーしているので
500mm程度の撮影なら何ら問題ないでしょう。

一方赤緯側は,初期テスト機の赤径部を流用していますが
総合的なギヤ比やステッピングモーターの分解能の関係で
今回テストする赤径側に対して1/10の分解能しかありません。
(理論上100×200×64=1,280,000→1/1,280,000の分解能=約角度の1秒)
そのためにその数倍でしか制御できませんが
ガイドグラフを見る限りでは±3秒角ほどに収まっているようです。

製品はこのテスト機の赤緯部と同じ分解能(160×400×64=4,096,000になるので
同等の制御(今回テストした評価機の1/4ほど)ができるでしょう。

 
次は極軸をどの程度北に延ばせば良いか評価します。
延ばすほど干渉を防げますが,あまり延ばすと南北方向のバランスが崩れるので
見極めが難しいところです。
既に極軸体を南にシフトしていますがそれを考慮しているためです。

今回の評価機仕様なら360,000円(カーボン脚付,税込み)ほどで作れそうです。
その場合は三脚を含めた一式の重さは約5kgになります。


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2015年8月 2日 (日)

ニコンD810Aとレボルビング装置

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5月に発売されたニコンD810Aは,梅雨明けに伴い作例が紹介され始めていますが
素晴らしい性能のようです。
お客様からもD810Aで撮影された写真をいただきますが,中には冷却改造した
EOS6Dと比べた結果,D810Aがメインになりそうと話される方もおられるほどです。
 

最近D810Aとレボルビング装置(RR-110)に関するお問合せが増えていますが
D810Aの人気が急速に広がっている影響でしょう。

D810A自体はRR-110で問題なく運用できますが鏡胴が太い高性能レンズでは
対策が必要になります。
現在不適合を確認しているのはTAMRON SP15-30mmF2.8で
このレンズはここで紹介した方法でないと運用できません。


また,フィルター径が大きいレンズ(写真のSIGMA 50mmF1.4Artは77mm)は
RR-110の内径との差が小さくなり,ピントリングの操作に影響がでます。
1cmほどの隙間なので操作しづらい場合もありますが
不用意にピントがずれるのを防ぐリングと考えてもいいでしょう。
 

発売が遅れていますが,クランプ付プレート(DMP-100)に対応する
専用のアダプター(LBプレート)は8月20日入荷予定です。
入荷次第これらのレンズを装着した状態をアップいたしますのでご参照ください。


なお次期ロットのRR-110も8月20日入荷しますがほぼ予約で終了しています。
残りは2台ほどで,その次のロットは9月末入荷予定です。

 

赤道儀の裏面を見ていただくために昨日紹介したハーモニックドライブ赤道儀に
RR-110を搭載してみました。
タイミングベルトは軸中心に通した極望と一緒にカバーで覆われます。


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2015年8月 1日 (土)

ハーモニックドライブ,評価用赤道儀完成

B15_08_011

ハーモニックドライブ赤道儀については度々紹介していますが
赤径側評価用の試作機が完成したのでご紹介いたします。

ハーモニックドライブを採用する目的などは以前のブログで紹介していますが
最大の特徴は赤道儀の重量に比較して重たい機材を搭載できる点です。
また基本的にバランスウエイトは不要なのでトータルでは大幅な軽量化が図れます。
両軸ともバックラッシュはゼロなので圧倒的なレスポンスです。


B15_08_012


今日紹介する評価用は赤緯側が赤径に比べ小さなハーモニックドライブなので
写真のようなカメラレンズまでの搭載になりますが
最終的には10cm屈折クラスを搭載できるよう
両軸に赤径と同じハーモニックドライブを採用する予定です。
その場合でもウエイトなして運用可能です。

既に赤緯側については試作機でハーモニックドライブのすばらしさ
実証していますが,今回の評価機で赤径側の確認が取れれば製品化します。


なお,写真は評価用なので赤緯軸を保持したアーム(黒アルマイト部)が
短いですが,製品仕様はアームを北側に突き出した
エルボータイプのドイツ式を予定しています。

両軸クランプレスのパソコン制御専用赤道儀ですが
移動用なので軸貫通式の極軸望遠鏡を内蔵します。

また,必須の極軸の高度調整は標準仕様で35度±5度です。
その他は側板の交換で対処します。(製品では微動装置がつきます)


採用するハーモニックドライブ(SHD-25-160-2UH-LW)が高価なため
製品仕様の価格はカーボン三脚付で48万円(受注生産)ほどの予定です。
重量は三脚を含め6kg強の予定ですが,極限まで軽量化を追求する
海外遠征用としては魅力的なのかも知れません。


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