
先月末に九州北部も梅雨明けしましたが,夕方までは快晴で
暗くなる頃は雲に覆われ,また朝になると快晴の繰り返しでした。
昨夜は珍しく雲が出なかったのでハーモニックドライブ赤道儀の
(以後HDEQ25と略,25はハーモニックドライブのクラスです)
追尾テストなどを行いました。鏡筒の横に写っているのは大きな月です。
HDEQ25のハーモニックドライブは100Nmほどの許容トルクがあります。
(私はSI単位になじめないのですがMKS単位では10kgfmですね)
ロボットの腕などに採用されますが,1mの腕で10kgを持ち上げる強度です。
なのでウエイトなしでテストしていますが写真の鏡筒など何の影響もありません。
本題の追尾テストですが,極軸が合っていないので
ガイドしていない前半は赤緯側のグラフはどんどんずれてゆきます。
ガイドした後半は両軸ともに概ね良好で,特に赤緯の引き戻しは機敏です。
極軸が合ってないのはガイドテストには厳しい環境なので評価できますが
後日,極望をつけて極軸が合った状態でのテストを行います。

今回の評価テストは赤径側の追尾状況の確認ですが予想以上に良好です。
前回の初期テスト機では総合ギヤ比の関係で小刻みな振れがありましたが
評価機では総合ギヤ比を10倍ほどに増やしたので現象は現れていません。
概ね,ガイド無しで±10秒角以下,ガイドで2~3秒角をクリアーしているので
500mm程度の撮影なら何ら問題ないでしょう。
一方赤緯側は,初期テスト機の赤径部を流用していますが
総合的なギヤ比やステッピングモーターの分解能の関係で
今回テストする赤径側に対して1/10の分解能しかありません。
(理論上100×200×64=1,280,000→1/1,280,000の分解能=約角度の1秒)
そのためにその数倍でしか制御できませんが
ガイドグラフを見る限りでは±3秒角ほどに収まっているようです。
製品はこのテスト機の赤緯部と同じ分解能(160×400×64=4,096,000になるので
同等の制御(今回テストした評価機の1/4ほど)ができるでしょう。
次は極軸をどの程度北に延ばせば良いか評価します。
延ばすほど干渉を防げますが,あまり延ばすと南北方向のバランスが崩れるので
見極めが難しいところです。
既に極軸体を南にシフトしていますがそれを考慮しているためです。
今回の評価機仕様なら360,000円(カーボン脚付,税込み)ほどで作れそうです。
その場合は三脚を含めた一式の重さは約5kgになります。