ニコン フルサイズカメラでの直焦点撮影に思うこと
話題のD810Aなど,ニコンのフルサイズボディを
天体望遠鏡につけての撮影(いわゆる直焦点撮影)を行う場合に
少しだけ気になる点があるので記事にしてみました。
ニコンが採用するFマウント(カメラボディ側)の口径は44mmですが
装着するレンズやマウントアダプターの有効径は41.5mmほどしかありません。
コーワ製のキャノン用とニコン用のマウントアダプター(TX07)を
並べてみましたが,左のキャノン用の48.5mmに対して
右のニコン用の有効径は41.5mmしかなく両者には大きな差があります。
フルサイズフォーマットは直径で約44mmなのでニコン用のカメラレンズは
それより小さいマウント部をくぐり抜けるよう設計されています。
30年ほど前に所有していたニコンの400mmF3.5のフィルター径は
39mmだったと記憶していますがもちろんケラレはありませんでした。
一方ニコンマウントがフルサイズのフォーマットより細いことを
設計に入れていない天体望遠鏡では
周辺像のケラレや回折現象による星像への悪影響がでる模様です。
望遠鏡によってはフルサイズの冷却CCDで撮影する際に
有効径46φのフィルターでさえケラレると耳にしたことがあります。
私の推測ですが,直径の大きな補正レンズで大きなイメージサークルを
確保した光学系ほど影響が出ているように感じています。
幸いにも私が所有するビクセンのVSD100F3.8は
開発にカメラメーカー(ペンタックス)が関わっているので
マウント部が細くなることは考慮されているでしょう。
以下に,実際にD810Aで試写した結果を紹介しますが
周辺のケラレやミラー切れも他の望遠鏡に比べれば小さいようです。
(JPEGで撮影したデーターを縦横1/8に縮小しただけです)
ただニコンさんは天体専用のカメラというなら直焦撮影は考慮して欲しいです。
その昔?PENTAX67には「外爪マウント」があったように
Fマウントの開口径44mmをフルに活用できる外爪マウントなどそう難しくないと
思うのですが如何でしょう?
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